アフターコロナに使われるアプリになるための3つの現状分析|アプリグロースハック#2

みなさまのアプリはどんな目的で運営されているでしょうか。

アイリッジのお客さまは店舗を持っている企業が多いので、オンライン上のサービスとオフラインの店舗をつなぐハブとしてアプリを活用されているケースが多く見られます。

アプリというチャネルを通じて実現したい目標は、業種によってさまざまです。

例えば小売事業者はO2O/OMO対応による売上増、鉄道事業者は駅の混雑緩和や顧客満足度の向上、金融機関なら利便性の向上やDXによるコスト削減などですね。

コロナ禍が去った後にも、働き方や消費の傾向が以前とは大きく変わる可能性があるいま、アプリの目的を定め、適切なオンラインのタッチポイントを持つことが非常に重要になってきます。

今日はそのためにやっておくと良い3つの現状分析法について、ご紹介したいと思います。

 

1. ライフサイクル別 ユーザー数を調査する

同じオンライン施策でも、Webではなくなぜアプリなのかを考えると、以下の2点が挙げられます。

 

  • アプリをダウンロードするハードルを越えた優良なユーザーとつながれる
  • One to Oneマーケティングでユーザーと効率的につながれる

 

つまり、アプリはある程度興味関心を持ってくれているユーザー一人ひとりと関係づくりをするのに向いているということです。

 

同じアプリユーザーでも、新規登録したばかりの人もいれば、購入したことがある人、リピートしている人、休眠している人……といろいろなユーザーがいます。

当然、全ユーザーに同じアプローチをするだけではもったいないことがわかりますよね。

 

そのため一番初めにやらなくてはいけないのが「ライフサイクル別のユーザー数調査」です。

ここでは仮に、先ほど挙げた4つのステージに、アプリダウンロード前のステージを加えた5つのユーザーステージ(ライフサイクル)を想定してみます。

 

 

まず一番左の「潜在ユーザー」。これは例えば小売事業者であれば、お店には来ている(あるいはショップカードは持っている)けれどアプリをダウンロードしていないユーザーです。

 

この人たちがアプリをダウンロードしてくれると「新規ユーザー」になります。

そして新規ユーザーの動きは2つ。「定着ユーザー」になるか、「休眠ユーザー」になるかのどちらかです。

さらに休眠ユーザーは、施策などによって「復帰ユーザー」になる可能性もあります。

 

このライフサイクルは一例であり、ビジネスモデルによってステージの設計の仕方は変わります。

まずは自社のアプリに合ったステージを考え、ユーザー数を計測してみましょう。

 

 

FANSHIPのSDKが入っていれば、上記のような画面でさまざまなユーザー定義(セグメント)を作成し計測することが出来ます。

 

例えば、上の画面では例として「(アプリ内行動の)アプリ起動が/過去7日間に/0回」のユーザーを「休眠ユーザー」と定義しています。

より複雑な「定着ユーザー」などの定義は、店舗来店状況や購買履歴、会員情報も組み合わせて行います。

 

FANSHIPで早速やってみたい方は、カスタマーサクセス担当によるオンボーディングプログラムもご用意していますので、お気軽にお問い合わせください。

 

またFANSHIPをお使いでない場合は、原則アプリ内行動の定義のみではありますが、Firebaseでも実現することができます。

Firebaseでのやり方は以下をご参照ください。

Firebaseヘルプ>レポートと設定>ユーザーリスト

 

 

2. アプリの成長率を算出する

それぞれのユーザー数がわかると算出できるのが「アプリの成長率」です。

 

(新規ユーザー数+復帰ユーザー数)÷休眠ユーザー数=アプリの成長率

 

このアプリの成長率が1未満だと「成長に課題あり」、1以上なら「成長できている」と言えます。

 

 

上の例のアプリAの計算式がこちら。

 

(新規43万人+定着12万人)÷休眠60万人=アプリの成長率0.92

 

アプリの成長率が1以下で、ユーザー獲得数より多くのユーザーを休眠させてしまっている状況が見えてきました。

アプリAは、新規ユーザー獲得よりも、ユーザーをいかに定着させるかにまず注力するべきということです。

 

一方アプリBの成長率は5.78となり、ユーザーがしっかり定着していることがわかりました。

この場合、ユーザーを獲得すればもっと定着ユーザーを増やせるため、新規ユーザー獲得を積極的に行うべきと言えます。

 

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3. アプリがマーケットに適合しているか確認する

もう一つ別の視点でアプリの状態を確認できるのが、アプリの利用日数と利用率からわかる「プロダクトマーケットフィット状態確認」です。

アプリの提供機能がエンドユーザーの需要にフィットしているかどうかを確認するもので、一般的に「継続率」や「リテンション」と呼ばれます。

 

 

上図がそのグラフで、横軸はアプリインストール後の経過日数を表しています。(スタートはアプリインストール日)

縦軸は利用率で、100%はインストールした日からずっと使っている人、0%はまったく使わなくなった人です。

 

左側のグラフを見ると、使われていないアプリのグラフ(緑線)は日数に比例してユーザーが離反していくので、斜め右下に向かっていきます。

 

それに対して使われているアプリ(青線)は、最初の数日でグッと落ち込んだ後はゆるやかなカーブを描き、一定の比率以降ほぼ水平になっていく傾向があります。

大体3割くらいの人が継続してくれていたら需要にフィットしていると言えるようです。

 

この継続率を改善するために重要なのが、インストール後、早い段階でアプリが提供するコアバリューをしっかり体験してもらうこと。

 

例えばチュートリアルの見直しや、繰り返し配信でアプリの機能の認知を上げるなども効果があります。

それにより30%→40%というように水平になるラインを上げられるというのが右側のグラフです。

 

 

FANSHIPからもご利用いただけますが、今回はFirebaseの「コホート」から分析を行ってみます。

※上図のように、サイドメニュー「Retention」から見ることが出来ます。

この時、期間の設定はアプリ特性によって使い分けが必要です。

 

例えばニュースアプリであれば毎日見てもらえるのが理想であり、日単位で見る必要がありますが、アパレルO2O/OMOアプリであれば週に一度開いてもらえれば十分ということもあります。

 

もう一つ重要なのが、全体の傾向を見るだけでなく、特定の条件に絞ったユーザーの動向を確認すること。これにより、施策の効果が出ているのか、どのような改善を加えていけば継続率が上げられるのかが見えてきます。

 

条件で絞って見たい場合には、「上部[フィルタを追加+]>(ユーザープロパティや設定したイベントを選択)」で見ることが出来ます。

 

 

下記にご紹介しているFirebaseデモプロジェクトからも確認できますので試してみてください。

Firebase>レポートと設定>コホート
Firebaseデモプロジェクト

 


 

「ライフサイクル別のユーザー数調査」、「アプリの成長率算出」、「プロダクトマーケットフィット状態確認」という3つの現状分析法、いかがでしたでしょうか。

もしまだこれらの分析をせず、ダウンロード数やアクティブ数だけを見て施策や機能追加をしているようでしたら、分析により明確な課題や打ち手が見えてくるかもしれません。

この記事が、いま必要なのはどのライフサイクルにいるユーザーのための施策/機能追加なのか、アプリの成長の道筋を確認する一助になれば幸いです。

 

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