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沖縄のDX促進についてデジタル庁にて河野大臣と意見交換を実施

沖縄県でさまざまな活動を行っている株式会社アイリッジ 山下が、沖縄県のDXを促進する方々と共に、2022年12月23日(金)にデジタル庁を訪問し、河野大臣及び大串副大臣・浅岡参事官と意見交換を行いました。

 

■訪問メンバー

久山 志信 氏
団体職員(沖縄県)

村井 豊一 氏
団体職員(沖縄県)

吉本 正継 氏
団体職員(沖縄県)

福島 健一郎 氏
(アイパブリッシング株式会社)
代表取締役 

山下 紘史
ビジネスパートナー部/アライアンス戦略グループ シニアアカウントエグゼクティブ
エヴァンジェリスト

 

 

沖縄県DX促進の現状

日本政府も成長戦略の柱としてDX推進を掲げる中、沖縄県では高齢化の波もあり、DXの取り組みが出来る企業が限られています。

また、地域ごとの事情もあってDX化に困難を感じている市町村も多く、沖縄全土の一貫した取り組みをしづらい状況にあります。

このような課題を解決する糸口とするべく、デジタル庁での意見交換を行うこととなりました。

 

沖縄には可能性がある!─河野デジタル大臣との意見交換─

沖縄県は自分たちのアイデンティティを大事にする気質である一方、それにより新しいことに足を踏み出すことに不安を感じやすく、DXが進みづらいという事情を抱えています。

また、多くの離島を抱えることもあり、自治体ごとに事情が違うため、足並みが揃わない問題もあります。

 

それを打破すべく、デジタル庁のノウハウを吸収できないかという相談を、河野太郎大臣にさせていただきました。

 

大臣からは人材受け入れの快諾とともに、沖縄は台湾や東南アジアといった地域に近く人の往来がしやすいことや、多くの米軍が駐留するために英語が身近にあるという地理的な特性を活かし、アジアを視野に入れたIT人材の育成を考えていくべきではという意見をいただきました。

 

デジタル化によって実際の距離というものは無効化されつつありますが、まだ心理的な距離が残っているというのが実情です。

加えて、これまで沖縄のICTというとコールセンターなどのある種下請け的な性質を帯びたものだったということもあり、沖縄が主体となったDX化という発想になることがなかなか難しいものでした。

しかし、これからはそうではなく東京よりもアジアを見据えていこう、沖縄には可能性がある、という前向きなメッセージをいただき、河野大臣との意見交換を終えました。

 


(左から 山下、村井氏、國場議員、河野デジタル大臣、久山氏、吉本氏、福島氏)

 

 

地方自治体とデジタル庁でウィンウィンの関係を─大串副大臣との意見交換─

大串正樹副大臣とも、河野大臣と同様の趣旨をお伝えし、意見交換の場をもちました。

副大臣からは、実はデジタル庁側もすでにさまざまな自治体から出向者を受け入れているものの、まだ人員が不足しており、今後、検討の可能性があるのであれば沖縄県やその市町村からの人の派遣は大歓迎であるとのお話しがありました。

 

デジタル庁では地域の行政事務の効率化を目標にしており、そういった意味でも、さまざまな事情をもった自治体からの職員の受け入れはお互いにとってメリットが大きいというご意見でした。

 

沖縄県では、DXのためのシステムを導入しようとするとこれまでは県外のベンダーに言われるままシステムを導入し、結局使いこなせずに終わってしまうという事例も少なからずあると思います。

これも適切な要件定義や機能選定ができる人材がいないというところに端を発しており、そういった意味でも今デジタル庁のノウハウを吸収できることは非常に重要なことだと感じます。

 

一方で、副大臣からは沖縄県のマイナンバーカードの取得率が低いという課題が提示されました。

マイナンバーカードによって日常生活が便利になるというところを、デジタル庁からのアピールはもちろん行っていくものの、沖縄県内でもぜひ意識改革を進めてほしいというお話しでした。

 

沖縄県内にあるデジタルへの抵抗感というものが、こういった面でも現れているのかもしれません。

そのような空気を払拭し、県内でDXで躍進していくためにも、デジタル庁との緊密な連携が欠かせません。

副大臣からも重ねてデジタル庁への人材派遣について、検討の可能性があるのであれば是非にというお言葉をいただき、意見交換を終了しました。

 


(左から 吉本氏、村井氏、久山氏、大串デジタル副大臣、福島氏、山下

 

大事なのは「D」よりも「X」─浅岡参事官との意見交換─

浅岡参事官とは、より具体的な取り組みについて意見交換を行いました。

 

まずデジタル庁での人材受け入れに関しては、大臣・副大臣と同じく積極的にやっているとのお話しでした。

プロジェクトに影響がないのならリモートでの勤務も可能で、地方に住みながらデジタル庁の仕事をすることができるようです。

例えば週4日は自治体の仕事をしながら週1日デジタル庁の仕事をするというスタイルの職員の方もいらっしゃるそうで、距離という渉外がなくなるのがデジタルのいいところだと、参事官は繰り返していました。

 

距離が関係なくなるなら、誰しも自分に心地のいい場所で仕事をしたくなるというもの。

そこに、沖縄のチャンスがあるのではないかという田園デジタル都市国家構想に絡めたお話しもいただきました。

沖縄県内で人を育てるだけでなく、外から沖縄に人を呼ぶことでIT人材の獲得を進めようというものです。

 

その例として、2022年12月に香川県高松市で行われたイベントが挙げられました。

実際に参事官が審査員として参加された「マイナちゃんピオンシップ・かがわ2022」というこのイベントは、マイナンバーカードの利活用に関するアイデアを募集したものです。

一次審査を通過したアイデアは提案者と香川県内の市町村との意見交換を通じてブラッシュアップされ、最終審査で実際の導入のための自治体とのマッチングを行うという内容です。

 

最終審査に残った提案者の方はほぼ香川県外のエンジニアの方や法人だったそうですが、初めて香川を訪れたという方が多く、香川という土地そのものに魅力を感じて帰られたということでした。

沖縄においても、同様の取り組みを行うことで、すでに力のあるデジタル人材が沖縄を拠点に活躍してもらえるようになるかもという希望を感じるお話しでした。

 

また、他の自治体の取り組みについてもいろいろ教えていただきました。

特に参事官が繰り返しお話しされていたのが北海道北見市の例です。

北見市では「書かないワンストップ窓口」というサービスを提供しており、一般的な役所窓口だと申請用の書類を書いて、要件に該当する窓口の番号札をとって、というところを、書類記入不要で複数の要件を1つの窓口で受付できるというものです。

 

北見市は徹底的な業務改革の上で、このシステムを地場のベンダーと共同開発して半分権利を持っており、他自治体にこのシステムが導入されると収入が得られるという仕組みを作っているそうです。

これは地場にもたくさんいいベンダーがあるということ、また業務改革なしにただシステムを入れるだけでは成功しないという好例でした。

 

デジタル庁ではこういったサービスをSaaS化し、ガバメントクラウド上に展開して各自治体が実情に合ったものを選んで導入できるような取り組みを進めているそうです。

これにより、地場のベンダーやベンチャー企業など、大手でなくても自治体との仕事ができるチャンスが広がっていくんだと強調されていました。

 

これは、まだ少数ではあるものの、沖縄でも地場のベンダー企業が出てきているので、そういった企業をより成長させる意味でも興味深いお話しでした。

 

北見市の件でも参事官が強調されていた通り、システムをただ入れるだけではDXは成功しません。

北見市では徹底的な業務改革がまずありました。

このように、DXはD(デジタル)よりもX(トランスフォーメーション=変革)が大事だとのこと。

Xから入ればDに対する抵抗感は生まれにくく、逆にただDを導入してしまうと住民に対しては多少利便性が上がったとしても職員の業務量が増えることにもなりかねないそうです。

DよりもXが大事、DXではなくXDだという言葉を胸に刻みたいと思います。

 


(左から 山下、福島氏、村井氏、久山氏、浅岡参事官、吉本氏

 

 

アイリッジの地域DX推進施策へのご支援について

アイリッジでは、DXを含めた地域活性化を図るためのご支援を行っています。

子会社である株式会社フィノバレーでは、デジタル地域通貨サービスを短期間で安価に開始できるプラットフォームシステム「MoneyEasy」を軸としたローカル決済ソリューションを通じて、地域や行政の様々な課題の解決を目指しています。

 

岐阜県飛騨高山地方の電子地域通貨「さるぼぼコイン」や千葉県木更津市の「アクアコイン」、大分銀行・オーイーシーとの「デジタル商品券発行スキーム」、長崎県南島原市の「MINAコイン」、東京都世田谷区の「せたがやPay」、熊本県人吉市の「きじうまコイン」、福島県磐梯町の「ばんだいコイン」、東京都板橋区の「いたばしPay」などの支援実績があります。

 

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