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アプリのKPIツリーの作り方:最下層に出てくる各指標についても解説

自社アプリを開発・運用する際、ゴールや目標をうまく立てられずに困ったという経験はないでしょうか。

 

アプリの良し悪しを判断するためには、そして最終目標である売上増を成功させるためには、「KPIツリー」の活用が欠かせません。

KPIツリーを用いて適切な指標を明確に設定し、それらを階層的に整理することが大切です。

 

本記事では、KPIツリーの概要を解説するとともに、作らないと起こる問題やメリット、作り方などを詳しく解説します。

KPIツリーに出てくる各指標の意味も解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。

 

KPIツリーとは

KPIツリーとは、KGI(Key Goal Indicator・重要目標達成指標)を達成するためのKPIを一覧にしたもののことです。

KPIとは「Key Performance Indicator(重要業績評価指標)」の略で、企業や組織の目標を達成するために行う日々の活動の具体的な行動指標を意味します。

 

何をKGIとするかはアプリの目的や位置づけにより異なりますが、売上増加をKGIとして設定しているアプリが多いです。

そうした場合、KGIである売上を達成するための要素を分解し、実行可能な施策レベルにまで落とし込まれたKPIの一覧を視覚化したものが「KPIツリー」です。

 

もちろん、売上をKGIとしない事例も多くあります。

例えば、顧客との接点強化を目的としたアプリだと、ユーザー一人当たりのコンテンツの利用数や、アプリから実店舗への送客率などをKGIに設定したりします。

 

ただ、この先はわかりやすく、KGIを売上としている前提で説明していきますのでご了承ください。

 

KGIについては、「KGIとは?KPI・KSFとの違い等をわかりやすく解説」で詳しく解説しています。

KPIツリーを作らないと起こる問題

KPIツリーを作らないと起こる問題は、主に3つあります。

 

1つ目は、アプリの売上増加の妨げとなっている問題を発見できないことです。

「売上がなかなか伸びないけど、その原因が分からない」という事態が起こってしまうのです。

結果として、問題の解決や改善が遅れ、時間やコストを無駄にしてしまう可能性があります。

 

2つ目は、アプリの改善や成果を向上させる具体的な施策を考えるのが難しくなることです。

そもそも売上が伸び悩む原因を究明できないため、改善するための方法も見つけることができません。

 

3つ目は、行った施策の効果を適切に評価できないことです。

アプリの売上を増加させるためには、さまざまな指標をチェックする必要があります。

しかしKPIツリーがないと指標1つ1つを正しく分析することができず、施策の良し悪しを正確に判断できなくなってしまうのです。

 

KPIツリーを作るメリット

KPIツリーを作ると、売上増加を妨げている要因を明確化できるようになるため、具体的にどういう施策を行ったら良いのかが分かりやすくなります。

KPIツリーによって目標となる指標を階層的に整理できるため、施策に優先順位をつけたり、重要な領域に焦点を当てたりすることも可能です。

 

また、1つ1つの施策に対する効果検証を効率的に行えるのも、KPIツリーを作るメリットです。

KPIツリーによってアプリのパフォーマンスを可視化することで、改善や最適化のポイントを特定することができます。

 

KPIツリーを作ることによって、戦略的な意思決定や効果的な施策の実施が可能となり、アプリの成果を最大化することができるのです

 

アプリのKPIツリーの作り方

ここからは、アプリのKPIツリーの作り方を解説していきます。

 

アプリのKPIツリーを作るためには、まず売上をアクティブユーザーの数(xAU)と顧客単価(ARPU)の2つの要素に分解します。

なお、アクティブユーザーの数は、DAU(日別アクティブユーザー)やMAU(月間アクティブユーザー)など複数を含めたものとします。

 

次に、それぞれを細かく分解します。

例えばアクティブユーザーであれば新規顧客とリピーター客に、顧客単価であれば広告単価とビュー数に分けていきます。

 

では、それぞれの分解の仕方を見ていきましょう。

 

アクティブユーザー(xAU)の構成要素

アクティブユーザーは、新規顧客とリピーター客(継続率)に分けられます。

 

さらに新規顧客は流入先別に分解していきましょう。具体的には「アプリストアからの流入」「広告からの流入」「口コミからの流入に分けられます。

 

顧客単価(ARPU)の構成要素

 

顧客単価(ARPU)は、以下3つのアプリのビジネスモデルによって分解の方法が異なります。

 

  • 課金モデル
  • 表示型広告モデル
  • クリック型・成果型広告モデル

 

では、それぞれのビジネスモデル別に詳しく見ていきましょう。

 

課金モデル

課金モデル型アプリの場合、要素としては顧客1人あたりの平均購入単価(ARPPU)課金率(PUR)に分解されます。

これらをかけ合わせることで、顧客単価(ARPU)を算出することが可能です。

 

さらに、平均購入単価は商品単価」「購入点数」「購入頻度の3つの要素に分けられます。

 

表示型広告モデル

表示型広告モデルのアプリの場合、ARPUの要素はエンゲージメント広告単価(CPM)です。

広告単価はインプレッション単価と呼ばれることもあります。

 

エンゲージメントとは、ユーザー1人あたりがアプリを使っている時間やビュー数のことを指します。

ページビュー(PV)」「滞在時間」「利用頻度に分解されます。

どのユーザー行動をエンゲージメントとしてカウントするかは広告によって異なるため、事前に確認しておきましょう。

 

クリック型・成果型広告モデル

クリック型・成果型広告モデルのアプリの場合、ARPUは広告のクリック単価(CPC)と広告のクリック率(CTR)に分解されます。

クリック率は、広告の表示回数÷クリックされた回数で求めることができます。

 

クリック単価は広告の商品や種類によって異なるため、注意が必要です。

一般的に、人気(ダウンロード数が多い)であればあるほど、単価が高くなる傾向にあります。

 

KPIツリーの最下層に出てくる各指標の意味

最後に、KPIツリーの最下層に出てくる各指標の意味と、それぞれをアップさせる施策の例を一覧で紹介します。

 

アクティブユーザー(xAU)に関わる指標

指標

意味

施策例

ストア流入
(Store)

アプリストア経由で獲得した新規顧客の数

ASO(アプリストア最適化)

広告流入
(Advertising)

広告(アドネットワーク・リワードなど)経由で
獲得した新規顧客の数

効果の高い広告の分析と
重点的な配信

口コミ流入
(Viral)

第三者からの口コミ・評判・紹介で
獲得した新規顧客の数

口コミキャンペーンの実施

継続率
(Retention rate)

アプリを初回起動してから任意の期間以内に
再起動したユーザーの割合

プッシュ通知でのアピール

 

ASOやプッシュ通知については、こちらの記事もぜひご覧ください。

顧客単価(ARPU)に関わる指標

課金モデルの指標

指標

意味

施策例

課金率
(PUR)

全ユーザーに対する課金ユーザーの割合

課金ユーザーに対するインセンティブの提供

商品単価
(Price)

アプリ内での商品(アイテム・プレミアム機能など)
1つあたりの価格

商品の単価の幅を広げる

購入点数
(Number)

1ユーザーが1回の買い物で購入する点数

関連商品のサジェスト表示

購入頻度
(Frequency)

ユーザーが商品を購入する頻度

期間限定クーポン・アイテムの発行・提供

 

表示型広告モデルの指標

指標

意味

施策例

広告単価・インプレッション単価
(CPM)

広告1,000回表示あたりの単価

アプリのダウンロード数を増やす

ページビュー
(PV)

アプリの利用中に切り替わる
画面の表示回数

ユーザーの興味関心に合わせた画面の表示
(パーソナライズ性の向上)

滞在時間
(Duration)

ユーザーがアプリ1回起動あたりに
利用する時間

飽きさせない仕組みづくり

利用頻度
(Frequency)

ユーザーがアプリを利用する頻度

プッシュ通知でのアピール

 

アプリのダウンロード数を増やす方法はこちらで解説しています。

クリック型・成果型広告モデルの指標

指標

意味

施策例

クリック単価
(CPC)

広告1クリックあたりの単価

なし

(広告の商品や種類によって決まるため、
アプリ側で操作するのは難しい)

ページビュー
(PV)

アプリの利用中に切り替わる
画面の表示回数

ユーザーの興味関心に合わせた画面の表示
(パーソナライズ性の向上)

クリック数
(Click)

広告がクリックされた数

ユーザーの属性に合わせた広告配信

 

まとめ

アプリのパフォーマンスを正確に把握して改善施策を考えるため、そしてKGIである売上増加を実現するためには、「KPIツリー」の活用が欠かせません。

KPIツリーを用いて適切な指標を明確に設定し、それらを階層的に整理することで、アプリの成果を最大化させることができます

本記事で紹介した作り方を参考に、KPIツリーを作成してみましょう。

 

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