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営業とデザイナー、その“交差点”で生まれた化学反応。「iRidge Meetup」を開催しました

「営業とデザイナーって、結局どこまで踏み込むべきなんだろう?」

日々忙しくしているとわざわざ聞くのもな、と思ってしまう。でもそういうあれやこれやをお互い聞いてみたら、見えてくるものがあるんじゃないか。そんな思いから始めた「iRidge Meetup」を、6月の終わりに開催しました。

登壇したのは、アプリビジネス事業本部ビジネスパートナー部から伊藤つかささん、堀江孝彰さん、内田智英さんという個性豊かな3名のグループ長、そしてデザインスタジオ部長の斎藤美保さん。普段、それぞれの持ち場で最前線を走る4名が、営業とデザイナーの“交差点”を探るべく、本音でトークする一夜となりました。

 

このイベントは、これまで社内で親しまれてきた「小田塾」をアップデートしたもの。会社のフェーズを踏まえて、いつまでも小田さんにばかり話してもらうのでなく、部長陣やグループ長にも登壇してもらい、部署間のつながりを通じてアイリッジを知る流れを作りたいと企画しました。

この日、コロナ前ぶりの再開となった、四半期に一度のQパーティー(クォーターパーティー)の前の1時間。Qパーティーよりひと足早くお酒を片手に参加・登壇OKという、リラックスした雰囲気で進行しました。

 

「売る」だけじゃない。デザインに宿る“価値”をどう届けるか

イベントは「ビジネス」「センス」「コラボレーション」「スタイル」の4つのトピックに沿って、それぞれの立場からお話を聞いていきました。

最初のトピック「ビジネス」の質問は、デザイナーのメンバーから聞きたいという声の上がっていた、「営業はデザインをどう売るのか」。

内田さんからは、単なるアプリのデザインにとどまらず、上流のコンサルティングを含む「広義のデザイン」のニーズが高まっているという話がありました。

「いま求められているのは、狭義のデザインだけじゃない。プロセスそのものが売り物になることもあると思っています」

デザインは「見栄えを整えるもの」ではなく、「課題解決の道筋として価値を持つもの」であるという認識が広がっていることを改めて感じさせるものでした。

伊藤さんは、デザインがプロジェクト全体の方向性の中でいかに重要な位置を占めるか、そしてUI/UXを通じてどんな体験を提供したいかを踏まえてデザインが決まっていくと話します。堀江さんからは「営業は受注を最大化するためにデザイナーに入ってほしい」というストレートな期待も。各グループ長の個性がうかがえるコメントです。

 

堀江さんが「お客さんの求めていることや温度感をしっかりシェアしてくれるデザイナーは、とても動きやすい」と話すと、斎藤さんからも「私たちデザイナーも、いちユーザーとして面白い発想は営業さんと一緒に話したい」という返しが。

お互いを尊重し合いながら、もっと入り込んでいきたい。そんな温度感が感じられるやり取りに、会はどんどん盛り上がっていきます。

 

デザインは、8割の“ロジック”と2割の“センス”でできている

デザイナーはセンスじゃなくロジカルにやっているんです」。

斎藤さんのこの言葉から始まった「センス」のトピック。

斎藤さんは「UIデザインは8割ロジック、残りの2割がセンスや見栄えの良さ、いまのトレンドなどで成り立っている」と、デザインの裏側にある論理的な思考について話しました。

伊藤さんからも、「なぜそのデザインになったのか、その理由があればあるほどお客さんに説得力のある説明ができるし、信頼感にも繋がる」と、デザイナーのロジックが営業活動に貢献していることが語られる場面も。

 

「デザイナーはどうやってインプットをしているのか気になる」という話は、PMやエンジニアなど、デザイナーと関わるアイリッジのメンバーから良く聞かれる話だそうですが──

斎藤さんは、「私自身は専門書とかあまり読まない。本はもっぱら小説派です」。日頃からアプリを「いちユーザーとして、かつデザイナーとして」使うことでトレンドやユーザー動向を把握していると話してくれました。

参加していた別のデザイナーにも急遽マイクを向けると、「私は結構本読みます(笑)」という人や、勉強会に参加したりするという意見も。同じデザイナーでも、それぞれなんですね。

「僕らもいちユーザーとして意見を言った方がいいんですかね?」という堀江さんの質問には、「無邪気に口を出す」という内田さんの発言が「無邪気に言ってはいけない時もあるのでは」と物議を醸し、会場は笑いに包まれました。

 

プロジェクト成功の鍵は「三方よし」の信頼関係

コラボレーション」のトピックでは、営業とデザイナーがどのように協業していくべきか、その理想の姿をディスカッション。

お酒も入って「初期の段階から営業と一緒にデザイナーが同行すればいい」と何度も力説する内田さんに、斎藤さんが「湯水のようにお金を使えるなら行くけど(笑)、ただ黙って笑っているだけになっちゃうのは…」と釘を刺したかと思えば、

内田さんに意見を求められたプロデューサーの小野さんが「何でもかんでもデザイナーを連れていくのではなく、お客さまの要件を整理した上で必要なタイミングでアサインするのがプロデューサーの仕事だと思っています」と参加者席から正論で締めくくるなど、キャラクターが表れていて面白かったです(笑)。

この日、初開催ながら想定外に本当によかったなとしみじみ思ったのが、参加者のみなさんが活発に話に入ってくれて、インタラクティブなイベントになったこと。

議論が交わされる中で、プロジェクトの要となるプロジェクトマネージャー(PM)の意見が聞きたいというリクエストがあり、参加していたPMの輝さん鉄さんからは、まさに今回のテーマを深掘りするような本質的な言葉も。

「(案件が)取れないと始まらないから、コンペでは見せ方の『2割』がすごく大事」と語ったのは輝さん。「センス」のトピックで、斎藤さんからはセンスは2割だけという話はあったものの、この「2割」が、特にコンペのような場ではクライアントの心を掴む上で非常に重要になるのだと熱く説明してくれました。

ストイックな輝さんのその褒め言葉に、ちょっとうれしそうな斎藤さん。

一方、ムードメーカーの鉄さんは、堀江さんから「エンジニアとデザイナーと営業の板挟みだと感じていないか」と聞かれると、「板挟みだと感じています(笑)」と率直に答え、参加者の笑いを誘いました。

そんな鉄さんがPMとして最もモチベーションを感じるのは、「プロジェクトメンバーとしての一体感が持てた時」だと言います。「営業向けにだけ都合の良い事を言っても開発チーム側にバレるし、その逆もまた然り。裏表なくつまびらかにしても信頼できるような関係性をプロジェクト内に築けた時に、PMとしてはうまくいったと感じる」と、コミュニケーションの重要性を強調しました。

そして、この「信頼関係」を語る上で紹介されたのが「三方よし」の精神。「クライアント、ものづくり側(開発・デザイン)、そして会社」の三者がそれぞれ納得し、信頼関係を結ぶこと。これにより、特定の誰かが無理をすることなく、全体として良い結果を生み出せる──。この流れには、会場から共感の声と、「内田さんが好きなやつ(言葉)」というツッコミと笑いも。さすがの場づくりです!

 

仕事のモチベーションはどこに?それぞれが持つ「スタイル」

最後のトピック「スタイル」でお聞きしたのは、登壇者それぞれの仕事へのモチベーションやキャリア観。

「僕はSEやらいろいろやった上で、営業が一番楽だと思っている」という堀江さんの発言には、会場からどよめきが。でも自分の手の及ばないところで何かが起きた時も、代わりに怒られたりするでしょう?という斎藤さんの問いに対しては、「謝るべき時はそうするし、そこで逆に話を上手くまとめられた時はやりがいを感じる」と回答。その言葉には、営業としての割り切りとプロ意識が感じられました。

伊藤さんも「提案活動が一番好きだけど、良い関係が築けて次につながるなら謝罪もモチベーションになる」と、飄々とした様子で共感。一方で内田さんは「真摯に対応しなければ」と慎重な姿勢で、一番気にしなさそうな内田さんより伊藤さんのほうが肝が座った感じだったのが、意外な一面を知ったひとコマでした。

 

堀江さんのモチベーションは「損して得取れで仕事が取れた時」、内田さんは「上流で仕事が取れた時」、つまり「戦わずに勝つ兵法」にあると回答し、会場は再び盛り上がります。二人とも話の真意は、信頼関係によって芋づる式に仕事が舞い込む状態が理想であるということだと言い、それは営業がクライアントとの強固な信頼関係を築けている証であり、新たな仕事に繋がる喜びでもあると意気投合していました。

デザイナーである斎藤さんのモチベーションは、PMや営業、クライアントが納得し、自身が作ったもので次の仕事が取れること。大手コンビニエンスストアの事例のように、ドラスティックな変更にも関わらずユーザーから良い反響が得られた時や、メンバーが喜びを感じている時が、何よりのやりがいだと笑顔を見せました。

 

「毎日違う場所へ行って新しい人に会って、道なきところに道を開拓していく営業はすごい」と斎藤さんは言いましたが、表現や細かいシチュエーションは違えど、意外とみなさんモチベーションの源泉は近しいところにあるのかもしれません。こんなところにもアイリッジらしさが隠れているのでしょうか。

 

対面開催だからこそ感じられた、熱気と「行間」の価値

今回の「iRidge Meetup」はリアル会場とオンラインのハイブリッド開催でしたが、特にリアル会場での対面開催の価値を強く感じることのできたイベントとなりました。

登壇者たちの飾らない本音のやり取り、時には誰かの発言に別の人がツッコミを入れるような、文字だけでは伝わりにくい「行間」や「空気感」が、その場にいる参加者には肌で感じられたこと。

普段から登壇者の人柄を知る人が「ほら、◯◯さんいつもこうだからああじゃん」と話す様子を、初めてその人となりを知る人が目の当たりにする。空気を読まずにサプライズで回されたマイクから、これまで接点のなかった参加者同士の意外な一面が引き出される。そんな「ライブ感」があったこと。

この世界的な出社回帰のトレンドの中で、最低月1回出社のハイブリッド、フルリモート採用ありの逆張りをいくアイリッジですが、対面開催、やっぱりたまにはいいですね。

 

イベント後も、「部署の部長が会場参加してくれたのがよかった」という声や、Qパーティーの中ではもちろん、翌日の1on1でイベントの話題が出たりなんてこともあったようです。社員間交流を目的としたQパーティーの前哨戦としても、今回のiRidge Meetupは大きく貢献できたのではないかと思っています。

次回はどんな部署が、どんなテーマで語り合うのか。Qパーティーと連動しながら、次回9月開催回も鋭意企画していきたいと思います!

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