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オムニチャネル全力発進 セブン&アイ・ホールディングスが始めたネットとリアルの融合

コンビニエンスストアに量販店、百貨店など様々な小売業態を展開するセブン&アイ・ホールディングスが新たな戦略に打って出ました。グループ全体で取り組んでいるのがポイントと言えそうです。

 

29万円のコートから30円のチューインガムまで

レディースファッションのカテゴリーには、29万円のムートンコートに9万円のブラックフォーマルのジャケット。
コスメのカテゴリーを見れば、数百円のリップクリームが30種類以上ずらり。
文房具では68円の木工用ボンドも売っているし、食品では30円のガムや100円の妖怪ウォッチのチョコも。

画像㈰オムニセブン

ありとあらゆるものが買えるこのサイトは、セブン&アイ・ホールディングスのネットショッピングサービス「omni7」(オムニセブン)です。
西武・そごう、イトーヨーカドー、セブン‐イレブン、ロフト、アカチャンホンポなどグループ8社が参加しています。
これまではそれぞれが独立したネットショッピングサービスを持っていましたが、2015年11月に統合させたサイトをオープンさせました。
だから、西武やそごうで売っている高額な商品も、イトーヨーカドーの食品売り場のお菓子も、ロフトで扱っている化粧品も、すべてがここで買えるのです。

品揃えはなんと180万点。店舗の業態に関係なく、あらゆる商品・サービスをまとめて買える・利用できるスタイルです。
これなら、それぞれのサイトでアカウントを作る手間が省けますし、受け取りもまとめてできるというメリットもあります。
オムニセブンが掲げている目標は、2018年度までになんと約600万品目が買えるサイトにするというのですから、驚くべき数の品揃えになりそうです。

 

全国1万8,000店のセブン‐イレブンで24時間

 

画像㈪店舗受け取り

 

普通のネットショッピングと同じように、送料を払い商品を自宅に届けてもらうことももちろん可能ですが、オムニセブンの特徴は、ネットで注文したものを全国に1万8000店あるセブン‐イレブンで受け取ることが可能という点です。
しかもコンビニエンスストアだから24時間営業。自分の都合に合わせて受け取れるから自宅を不在にすることが多い人なら宅配便を使うより便利ですね。
セブン‐イレブン受取りなら、送料も手数料も無料です。

また、イトーヨーカドーや、西武、そごう、アカチャンホンポ、ヨークベニマルなどでも店舗受取りが可能で、こちらも送料や手数料はかかりません。
そして、間違った商品を買ってしまった・実物を見たらやっぱり気に入らないから商品を返品したいという場合の対応も素晴らしいのです。
一般的なネット通販なら自分で送り返す作業が発生しますが、オムニセブンでは、なんと返品・返金もセブン‐イレブンの店舗で受け付けてくれます。

 

ネットとリアルの融合 店舗を介す商品受け取りはO2O戦略の1つ

なぜ、オムニセブンは、送料・手数料無料の店舗受け取りを1万8000店規模で行うのでしょうか。
こうした受け取り、もしくは返品が店舗でできることは、当然、お客さんの大きなメリットにつながっています。
しかし、一見オムニセブン側にはメリットがなさそうなこの店舗を介す作戦が、実は店側のメリットにも深くつながっているのです。

「ネットで買ったものをお店で受け取る、もしくはお店で返す」。ネットとリアル店舗の融合がこの瞬間、起こっています。
ネットで普段買い物をする人に、お店にも足を運んでもらうことによって、買い忘れたちょっとしたもの、その場で必要になったものをリアル店舗で買ってもらう大きなチャンスなのです。
また、買い物をする度にたまる「nanacoポイント」は、店舗でもネットでも同じようにためることができます。ためたポイントは、ネットと店舗のどちらでも使えるようになっています。
お客さんのニーズに合わせて、幅広い販売チャネル、つまりオムニチャネルを展開していることが、今後の小売業に必要不可欠であると言われています。

 

アプリでも店舗に誘導

画像㈰セブンスポット

セブン&アイ・ホールディングスがもう1つO2O戦略を立てたのが、セブン‐イレブンのアプリです。
このアプリからもオムニセブンで買い物をすることは可能で、アプリユーザーまでも取り込んでいます。
そして、このアプリがすごいのは、店舗に行くと「セブンスポット」という無料のWi-FIサービスを受けられることです。
セブン-イレブンでは通常1日1時間×3回の使用制限がありますが、アプリからアクセスするとセブンスポットがなんと無制限で利用できるようになります。
セブン-イレブンの他、イトーヨーカドーなどグループ各社で使えます。
そしてこのアプリのポイントは、このサービスは店舗に行かなければ使えない点にあります。
これもまたアプリユーザーを店舗に誘導しているO2O戦略の一環なのです。

グループ各社で同じサービスを受けることができるのはユーザーにとって大きなメリットである一方、そのグループ全体での取り組みがセブン&アイ・ホールディングスの強みにつながっていると言えます。

 

参考

http://www.rbbtoday.com/article/2015/09/25/135482.html

http://www.omni7.jp/general/static/omni7pre/

http://octoba.net/archives/20151008-android-news-seven-spot.html

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