中国電子決済サービスの動向

2015年度、中国の電子決済の取引金額は9.31万億元(162兆円)と発表されました。
本日は、その中で最も使用されている、アリペイ(支付宝)とWeChat paymentに焦点を当てご紹介します。


Alipay vs WechatPayment

Alipayとは

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https://www.alipay.com/

支付宝(アリペイ)は、インターネットショッピングモールの淘宝網(タオバオ)を運営する阿里巴巴(アリババ)集団が提供している第3者決済サービスです。
阿里巴巴自社のインターネット通販サイト以外でも利用可能で、支付宝(アリペイ)はインターネット上の標準的な決済手段のひとつになっており、利用登録者は約8億人にもなります。



WechatPaymentとは

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http://www.netstars.co.jp/wechatpayment

微信支付(WechatPayment)は中国版LINE(ライン)と言われるチャットアプリの微信(WeChat)を運営している騰訊控股(テンセント)の提供するアプリ決済サービスです。
微信(WeChat)は、中国国内で圧倒的な市場シェアをもっており、利用登録者は約6億人にのぼります。



【共通点】利用方法

支付宝(アリペイ)と微信支付(WechatPayment)を使い実店舗で支払いをする時は、スマートフォンに専用アプリをインストールして銀行口座情報を登録し、支払い時にQRコードを読み込んで決済します。

中国のマクドナルドではWechatPaymentが利用可能です。

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【相違点】Alipay は第3者決済サービス

商品購入者が商品購入時にアリペイに代金を支払い、売り手はそれを確認してから商品を発送します。
購入者が商品受け取りをアリペイに通知すると、アリペイから売り手の口座に代金が移され決済が成立します。

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Alipay vs WechatPayの勢力図

では、中国における両サービスの展開を表にまとめてみました。
微信支付(WechatPayment)はコンビニ(ローソン、ファミマ、セブンイレブン)、GMS(カルフール)、 レストラン(マクドナルド、吉野家)、駐車場、ガソリンスタンドまで広くカバーしている一方、支付宝(アリペイ)は微信支付に比べて限定的(一部コンビニ、GMS、レストランのみ)で、メインはインターネット通販となっていることが分かります。

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それぞれのアプリでできること

両サービスともアプリをリリースしています。
それぞれのアプリでできることを比較してみましょう。

Alipayアプリ

淘宝網(タオバオ)だけではなく、中国の他のインターネット通販サイトでも利用可能です。
またアリペイ国際決済もあるので海外のインターネット通販サイトでも導入が可能になってます。

また、余额宝(YUEBAO)という、支付宝(アリペイ)のアカウントの中に預けたお金を投資に回すことができるサービスもあります。

ネットショッピングをよく利用する人はアリペイのアカウントにお金を預ける傾向があります。
そのお金を使わない時は余额宝(YUEBAO)に預けて利息をもらい、使いたい時にはいつでも引き出せるというシステムです。

さらに、家族の代わりに支払いをしたり、映画チケット・宝くじ・列車/航空チケットの購入、光熱費の支払いなどができまです。

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Allipayアプリは一つのアプリで幅広い生活シーンをカバーできるので、ユーザーの生活に密着したアプリと言えるでしょう。



Wechatアプリ

チャットや無料通話などLINEと同じような機能が使えます。
また「紅包」という友達に送金できる機能があります。
中国ではお正月には、「年長者から年下の人」「社長から社員」などに送る日本のお年玉のような紅包という風習があり、その期間中にこの機能が多く使われています。

QRコードを読み込む機能が付いているので、わざわざQRコードリーダー専用アプリをダウンロードする必要がありません。

シェイク機能では友人を追加するだけでなく、テレビ番組やCMと連動でき、CM中にシェイクするとそのCM商品の情報が取得できる仕組みもあります。

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メッセージングアプリならではの機能を活用したサービスが、Alipayアプリとの大きな差です。
LINEと比較してみても、独自のサービスが進んでいることが分かります。

 

日本における展開

ここまで紹介してきた中国の決済サービスですが、インバウンド向けの訪日中国人旅行客の爆買いブームを背景に、最近では日本への上陸も加速しています。
AlipayとWechatのアプリは既に日本に上陸しています。多くの百貨店やドラッグストアなど小売業界はこれらのサービスを導入することで、「爆買いシフト」を強化しています。

2月末には、中国ネット大手テンセントホールディングスのグループ会社で金融事業を手がける「テンペイ」と提携し、スマホアプリを用いた決済サービス「QQ Wallet」(キューキューウォレット、QQ銭包)も日本でのサービスの提供を開始しています。
今後もますます各サービスのシェア争いが繰り広げられることでしょう。

 

参考

http://blog.livedoor.jp/cartan0216/archives/cat_10058563.html?p=3

http://t-china.info/4370

http://www.ec-grow.com/column/20150408/

http://chinesepayment.blogspot.jp/2016_02_01_archive.html

http://seechina365.com/2015/02/28/alipay/

http://eedu.jp/blog/2014/05/22/tencent-business-model/

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