【OMOとは。CX最大化への道】〜オムニチャネルの再確認とOMOに向けた思考法 〜
本シリーズでは、マーケティンググループ ディレクターの石永より、OMOを実施・成功させるうえで参考になるような情報や、アイリッジとしての見解を発信していきます。
第1回目の【OMOとは。CX最大化への道】〜O2Oの再確認とOMOへのアプローチ〜では、O2Oの概念からOMOのための効果測定と、データ取得の機会としての(何の)活用、O2Oを成功へ導くための4つのアドバイスをご紹介しました。
シリーズ第2回目の本日は、O2Oを実施したほぼ全ての企業が取り組む『オムニチャネル』についてと、OMOに向けた思考法をご紹介します。
オンライン・オフラインで同じ体験を提供
オムニチャネルの最終ゴールは、オンライン・オフラインで顧客に同じ体験を提供することです。
一見すると簡単にも思えますが、実際には非常に難しく、国内でもまだオムニチャネルに対する課題を抱えている企業は多いです。
課題の要因は多数ありますが、主にシステム面でのデータ統合と、何を最終的なゴール(出口)としてオムニチャネルを進めるかということが非常に重要です。
このゴール設計によって、その後の結果が大きく変わることにも繋がります。
単一チャネルから複数チャネルでの接点創出
最終的なオムニチャネルの実現が難しい中で、クロスチャネルまでは多くの企業が上手く進められていると感じています。
これは実際に体験したことですが、あるカタログ通販を行っている会社のECサイトを、すごく久しぶりに訪問した際、ECサイトにログインしたことで後日自宅にカタログが送付されてきました。
今回の体験は、ECサイトとカタログ通販のデータ連携が行われているからこそ実施できた施策です。
ECサイトだけではなく、カタログも送付することでタッチポイントを増やしたという良い事例だと体感しました。
オムニチャネル実現のためには、この体験を全てのチャネルで可能にする必要があります。
ECやカタログだけではなく、アプリやコールセンターなどでもデータ連携が可能な状態を作ることが重要で、そのために顧客の活動データだけではなく、会員データ、商品データ、在庫データも全てのチャネルから同じように参照できるインフラの構築が重要になります。
最近では、これらを行うためにDMP(Data Managemet Platform)やCDP(Customer Data Platform)を活用する企業が多くなってきています。
顧客の購買ステップと接点チャネル
また、上記図のように顧客は様々なチャネルを行き来しながら、購買プロセスの各種ステップに到達しています。
O2Oと同様に、それぞれのチャネルやステップで最適化を行う必要はありますが、チャネル間でデータ連携を行って、どのチャネルでも顧客が同じ体験を得られるようにするのがオムニチャネルの最大のポイントです。
そのためには、顧客IDをベースにしたチャネル間のデータ連携が必要であり、連携したデータがスムーズに取り出せること、きちんと活用できる状態にあることが肝となります。
最終的なオムニチャネルへ向けた考慮・調整
オムニチャネルは、システムインフラの構築が非常に重要となりますが、インフラを整えるだけではなく、特にオフラインでのオペレーション周りを整えることも必要です。
しかし、そこに苦労する企業が多く見受けられます。
上記の図では、ECを保有していてリアル店舗との融合を考えている場合を例に挙げています。
オフラインでのオペレーション周りを整えることにおいて、システム面を社内のスタッフ向けに最適化する事で、その苦労を改善した企業も多く、最近では社内向けのUXに注力する企業も少なくありません。
他にも改善には様々なやり方があると思いますが、オフライン・オンラインを統合的に統括するセクションを設立したり、会社として評価制度にKPIを入れるなどして解決している企業もあります。
最後に
オムニチャネルは様々なデータを収集し、整理、統合、連携までを実施する事が必須になります。これは後のユーザーへと還元され、OMOへの大きな一歩となります。
OMOを実施する際には、ぜひ改めてオムニチャネルの設計レベルからブラッシュアップを行ってみてはいかがでしょうか。
次回は、CXを最大化させるための概念である『OMO』についてご紹介します。
マーケティンンググループ ディレクター 石永孝士