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Javaを用いたアプリ開発について解説|開発可能なアプリの種類や注意点も紹介

Javaは、非常に汎用性の高いプログラミング言語として知られています。さまざまなアプリ開発に用いられている実績があり、いまだ需要の絶えない言語です。そんなJavaを使ってアプリ開発をするのであれば、どのようなアプリが作れるのか理解しておく必要があります。

今回は、Javaで開発可能なアプリの種類、Javaを使うメリット、開発手順や注意点などについて解説します。Javaを使ってアプリ開発を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

アプリ開発言語の「Java」とは?

アプリ開発言語の「Java」とは?

JavaはOracle社が開発したプログラミング言語で、1996年に正式バージョンの1.0がリリースされました。2024年時点で28年もの歴史がありますが、現代においても幅広いアプリやシステムの開発に用いられています。

Javaのプログラムは、JVM(Java Virtual Machine)と呼ばれる仮想マシン上で動く仕組みとなっています。これによって、OSやデバイスに種類を問わずプログラムを実行できるので、汎用性の高いプログラミング言語として有名です。

また、オブジェクト指向の考え方を取り入れているので、小さな部品に分けるように複数人でプログラムの開発ができます。複数人での作業のしやすさや、セキュリティの高いシステムを作れるなどの理由から大規模開発にも向いている言語です。

Javaで開発できるアプリの種類

Javaで開発できるアプリの種類

Javaを使って開発できるアプリには、以下の種類が挙げられます。

  • コンソールアプリ
  • Webアプリ
  • デスクトップアプリ
  • Androidアプリ
  • ゲームアプリ
  • 組み込みアプリ

各アプリの特徴をご紹介します。

コンソールアプリ

コマンドプロンプトやターミナルから起動し、CUI上で動作するアプリです。コマンドラインにコマンドや各種パラメーターを入力したり、ファイル操作を行ったりする感覚でプログラムを作ることができます。

GUIを使用しないのでリソースが軽く、比較的低スペックの環境でも動作させることが可能です。コンソールアプリは、ターミナルで実行されることが多いシンプルな管理ツールやタスクの自動化などを目的に開発されることが多いです。

Webアプリ

Webブラウザ上で動くアプリです。プラットフォームへの依存度が低く、通信環境さえあればデバイスやOS、アクセス地点を問わずアプリを使用できます。また、ブラウザ上で作動する性質からPCやスマートフォンに専用のアプリをインストールするのも不要です。

Javaで作られているWebアプリ・サービスの種類は多岐にわたります。日常的に使っているGoogleChromeやGmail、SNSといったWebサービスの多くはJavaが使われています。他にも、業務効率化を目的にした企業システム・金融機関の会計システムなどの業務システムもWebアプリに該当し、Javaを用いて開発されているケースが多いです。

Webアプリの場合、Javaが得意とするのはバックエンド開発です。特に独自機能や多様な機能を実装したWebアプリを開発したい時に向いています。

デスクトップアプリ

PCにインストールして使うアプリです。Javaが使われているデスクトップアプリでは、ジャストシステムズの一太郎や無料オフィスソフトのOpenOfficeなどが挙げられます。

Javaであれば、Windowsやmac OS、LinuxなどOSの種類に依存しないデスクトップアプリの開発ができることが強みです。そのため、商用アプリの開発で使われることが多いです。

JVMが搭載されている場合、OSごとにソースコードを書き換える必要がないので、開発の工数やコストを削減できます。アプリやシステム開発で使われる機能がまとめられたGUIライブラリの選択肢が多いことも、開発工数の削減につながっています。

Androidアプリ

Android OSのスマートフォンやタブレット上で作動するアプリです。AndroidアプリもそのほとんどがJavaで開発されており、Google Playに登録されるアプリの数は200万以上となっています。

Androidアプリの統合開発環境(IDE)には、Googleが提供するAndroid Studioがあります。開発に必要なツールが用意されており、効率よくAndroidアプリ開発が可能です。Android StudioもJavaで開発されています。IDEはJavaに対応しているので、SNSやニュースアプリなど多様なAndroidアプリ開発に活用されています。

なお、2017年からAndroidアプリのメイン開発言語はKotlinに移行していますが、今でもJavaを使って開発しているアプリは多いです。また、KotlinはJavaをもとに開発されているので、Javaの知識を活かしてアプリ開発できるでしょう。

ゲームアプリ

Javaはゲームアプリの開発でも使われていることがあります。デバイスの種類を問わないため、PCやスマートフォン、据え置き用とさまざまなデバイスで動作するゲームを作ることが可能です。世界的に有名な「Minecraft」もJavaを使って開発されています。

Javaでゲームアプリを開発する場合、ゲーム開発用のフレームワーク「libGDX」やゲーム用ライブラリ「LWJGL」を活用するのが一般的です。しかし、ゲーム開発に特化した開発環境がなく、フレームワークやライブラリは少なめとなっています。そのため、Javaでのゲーム開発の難易度は高めです。

組み込みアプリ

産業機器や電化製品を抑制するためのアプリです。温度調整や商品の排出など、機器の目的に応じた抑制機能を搭載しています。

Javaで開発された組み込みアプリは、PCやスマートフォン以外にも、テレビ・冷蔵庫・電子レンジなどの家電から自動販売機、カーナビなどあらゆる機器でもプログラムを作動できます。さらにプログラムの実行速度が速く、セキュリティレベルが高いことから、古くから産業機器や家電の制御用プログラムの開発に用いられているのです。

組み込みアプリの開発には、ハードウェアに関する知識が必要となります。そのため、他のアプリ開発と比べて求められる知識が多く、初心者にとって開発の難易度は高めです。

Javaを使用してアプリを開発するメリット

Javaを使用してアプリを開発するメリット

Javaを使用してアプリ開発をするメリットは以下のとおりです。

  • 使用しているプログラマーが多いため情報量が多い
  • プラットフォームに依存しない
  • 大規模開発に適している
  • 豊富なライブラリとフレームワークを活用できる
  • セキュリティが高く信頼性のあるアプリ開発ができる

それでは、Javaによるアプリ開発のメリットについてご紹介します。

使用しているプログラマーが多いため情報量が多い

Javaを使ってアプリ開発を行うプログラマーはいまだに多く、情報量が膨大というのがメリットです。インターネットや書籍などでJavaに関する情報を収集できます。

例えば、開発したアプリにエラーが発生しても、インターネットでの検索や書籍を見ることで解決策が見つかる可能性があります。自力で解決できなくても、身近なプログラマーなどに質問や相談することで、解決策を教えてもらえることもあるでしょう。

Androidアプリの開発では、Kotlinが注目されています。Javaで書かれたコードを呼び出せたり、簡素なコードでアプリ開発ができたりすることが魅力ですが、Javaと比較すると情報量は少ないです。そして、現状はAndroidアプリの開発に特化していて、汎用性に欠けています。

そのため、AndroidアプリやWebアプリなど幅広いアプリの開発や大規模な開発では、Javaのほうが優位と言えます。

プラットフォームに依存しない

プラットフォームに依存せずにアプリ開発ができることもJavaの強みです。他のプログラミング言語は、プログラムが動作するOSやデバイスが限定されているケースが多いです。しかし、Javaは仮想マシンのJVM上でプログラムが動作する特徴があります。

JVMは、さまざまなプラットフォーム向けに存在し、Javaのソースコードをマシン語に変換できます。そのため、OSやデバイスに依存せずにプログラムを作動させることが可能です。

OSやデバイスごとにソースコードを書き換える手間がかからず、WebアプリをもとにAndroidアプリの構築といったことも可能です。それによって、開発コストを大幅に抑えてアプリのリリースを目指すことができます。

大規模開発に適している

Javaは、大規模開発に適したプログラミング言語です。大規模開発に向いている理由はさまざまありますが、その1つはオブジェクト指向での開発ができるからです。

大規模開発の場合、一度に大きなプログラムを作るのではなく、小さなプログラムに分けて複数人で開発するのが一般的です。機能ごとに小さなプログラムを分けて開発することで、大人数でも効率よく作業を進めることができます。

さらに、プログラムごとにエラー発生時の被害を最小限に留め、迅速な原因特定や改善に取り組めることもオブジェクト指向を取り入れた開発のメリットです。

豊富なライブラリとフレームワークを活用できる

Javaの場合、豊富なライブラリとフレームワークを使ってアプリ開発ができます。ライブラリは、開発で使われるコードをまとめたものです。それに対してフレームワークは、アプリの骨組み全体を指します。

フレームワークを使えば、すでに全体的な骨組みが完成しているので、必要な機能を肉付けするだけでアプリ開発が可能です。一からアプリを作るケースよりも開発にかかる時間を大幅に削減できます。

また、ライブラリを活用すれば、実装したい機能のソースコードをそのまま活用できます。既存のソースコードを使うことも、作業時間の短縮につながるというわけです。

Javaの場合、多様なライブラリ・フレームワークがあるので、効率よくアプリ開発ができます。

セキュリティが高く信頼性のあるアプリ開発ができる

Javaはセキュリティ性が高く、信頼できるアプリを作れることもメリットです。言語の開発当時からセキュリティ性を重視した設計となっており、セキュリティ性の高いアプリを作ることができます。そのため、金融機関など強固なセキュリティが求められるシステムの開発にもよく用いられています。

バックエンド開発においては、データの暗号化・復号化するためのライブラリの活用やサウンドボックスモデルによってシステムの不正アクセスを防ぐことが可能です。他にも認証やアクセス制御に関するAPIも豊富です。これらの機能を活用することで、セキュリティに強く信頼性の高いアプリ開発を実現できます。

Javaを使用してアプリを開発する際の手順

Javaを使用してアプリを開発する際の手順

実際にJavaを用いてアプリを開発する場合の手順は以下のとおりです。

  1. 開発環境を構築する
  2. アプリ開発の企画を練る
  3. アプリを設計する
  4. 開発に着手する
  5. 動作テストを行う
  6. テスト完了後リリースする

それぞれの手順について解説します。

開発環境を構築する

まずはJavaでアプリ開発できるよう、開発環境の構築を行います。開発環境を構築する場合、Androidアプリを開発するのか、それともWebアプリを開発するのかによって構築する環境が異なるため、注意が必要です。

Androidアプリを開発する際は、まずAndroid Studioをインストールします。Android StudioはGoogleから提供されているアプリの開発キットです。Android Studioのダウンロード・インストールが完了したら、追加で必要なSDK(ソフトウェア開発キット)やAPI(アプリケーションプログラムインターフェース)をインストールしておきます。

Webアプリを開発する場合、Windowsに搭載されている標準機能を活用する方法と、利便性の高い機能が備わった統合開発環境を使用する方法の2種類があります。特におすすめなのが、統合開発環境を使用する方法です。

統合開発環境のツールでよく利用されているのは、Eclipseです。Eclipseは日本語に対応していないため、日本語で使用したい場合には有志によって作成された日本語化プラグイン「Pleiades」を活用しましょう。

アプリ開発の企画を練る

開発環境が整ったら、どのようなアプリを開発するのか企画を考えていきます。ここで、アプリ開発の目的を達成するために、アプリでできることを決める「要求定義」、できることを実現するためにどのような方法を用いるかを決める「要件定義」を決めましょう。

ただし、要求定義で1つのアプリにできることを多く盛り込み過ぎてしまうと、かえって使い勝手の悪いアプリに仕上がってしまいます。利便性を高めることも重要ですが、シンプルで使い勝手のよいアプリにすることが大切です。

アプリを設計する

アプリ開発の企画を練ったら、具体的にアプリ設計を行っていきます。アプリ設計とは、アプリの仕様について固めていく作業です。十分に設計を行っていないと、プログラムが不完全になりやすく、動作が不安定になったりバグが出現しやすかったりするため注意が必要です。

また、アプリを設計する上で開発と同時並行に行わないように注意しましょう。同時並行に設計と開発を進めてしまうと、後から改修が必要になった際に手戻りが増えてしまい、ここまでかけていた膨大な工数が無駄になってしまう可能性が高いです。

また、開発予算を考慮した上でアプリ設計を行うようにしてください。多くの機能を追加していった結果、工数がかかってしまい、開発予算を大幅にオーバーしてしまうこともあります。そうなると結果としてすべての要件を満たせなくなってしまうので注意が必要です。

開発に着手する

アプリの設計が完了したら、いよいよ仕様書に基づいて開発に着手します。コーディングを行いながらこまめに単体テストを実施するようにしましょう。こまめに単体テストを実施しておくと、後で大規模な修正が出てしまうリスクも防ぎやすくなり、円滑に開発作業を進められます。

複数人でアプリ開発に着手する場合には、ガイドラインに則ってコーディングを行うことも重要です。アプリは開発だけでなく、リリースしてからもメンテナンスが必要となってきます。メンテナンスがスムーズに行えるようにするためにも、ルールに従ってコーディングを行うようにしましょう。

動作テストを行う

コーディングが完了したら、次に動作テストを実施します。動作テストを行うことで、不具合やバグをなくしておく必要があります。開発したアプリをデバイスにインストールさせ、動作テスト自体は簡単に行うことが可能です。

ただし、OSバージョンがいくつも存在するAndroidの場合、すべての機種に対応するかどうかテストをするのは困難です。そのため、Androidアプリを開発した際にはPC環境下でエミュレーターを活用し、デバッグを実施するのが一般的となっています。エミュレーターはAndroid Studioの「Device Manager」を使って行うことも可能ですが、それ以外にも「GENYMOTION」などがリリースされているので、使い勝手のよいエミュレーターを見つけておくと効率性も向上するでしょう。

テスト完了後リリースする

動作テストが完了したアプリは、受入テストをクリアした上でリリースされます。アプリの種類によってリリース方法は異なりますが、iOSやAndroidといったモバイル向けのアプリをリリースする場合は、AppStoreやGooglePlayからリリースしなくてはなりません。

AppStoreやGooglePlayからアプリをリリースする際には、審査に合格する必要があります。審査が不合格となった場合にはアプリを修正する必要があるので、アプリ開発のスケジュールはなるべく余裕を持たせて進めるようにしましょう。

Javaをアプリ開発する際の注意点

Javaをアプリ開発する際の注意点

Javaは汎用性が高く、豊富なライブラリとフレームワークを活用できることから、アプリ開発にもよく用いられているプログラミング言語です。しかし、その一方で注意しなければいけない点もあります。主に以下3つの注意点には気を付けてください。

  • 学習の難易度が高い
  • コードの記述量が多くなりやすい
  • 小規模アプリの開発には向いていない

学習の難易度が高い

Javaはオブジェクト指向の概念を持った言語となりますが、このオブジェクト指向のルールについて理解するまで時間がかかると言われています。オブジェクト指向を理解しないとJavaを活用したプログラミングの上達も難しいことから、オブジェクト指向の理解は必須と言えるでしょう。

その他にも、変数に対する理解や制御文、演算子の活用などさまざまな要素を学んでいかなくてはなりません。オブジェクト指向を理解するまでに時間がかかるのに、それからさらに学んでいかなくてはいけないことが多いのもJavaの注意点になります。

Javaは世界的に活用されているプログラミング言語ではあるため、理解を深めるための書籍で勉強したり、ネット上にサンプルコードなどが数多く公開されたりしています。勉強自体はしやすいものの、学習難易度は高いためプログラミング初心者にとってはハードルの高い言語です。

コードの記述量が多くなりやすい

Javaには文法やルールが他の言語に比べて多いです。文法やルールの数が多ければ、その分コードの記述量も多くなってしまいます。例えば文末にはセミコロンを付けたり、ドットの数が多く二重構造になっていたりすることも、コードの記述量が多くなっている要因です。

コードの記述量が多くなると、作業が増えるだけでなく、記述ミスが発生しやすくなるため注意が必要です。また、作業効率の悪化やエラー表示につながりやすいことから、Java用のフレームワークやライブラリをうまく活用し、効率性を高めましょう。

小規模アプリの開発には向いていない

汎用性が高く、さまざまなアプリ開発に活用されているJavaですが、小規模アプリの開発には不向きです。なぜなら、Javaが持つ拡張性の高さが活かしにくく、なおかつコードの記述量が多くなってしまうためです。

Javaはプラットフォームに依存せず、OSやデバイスに関係なく大量のデータを処理できる点や、セキュリティ性にも優れている点などから、大規模アプリの開発に適しています。小規模アプリの開発を検討している場合は、シンプルなコードで記述しやすい「Swift」や「Kotlin」を活用するとよいでしょう。

アプリ開発でお悩みならアイリッジに相談を!

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Javaは汎用性が高いプログラミング言語ですが、アプリ開発をするために専門的な知識が必要です。しかし、学習難易度が高いこともあり、Javaの知識や技術を持つ人材の確保に悩む企業もいるでしょう。

自社でのアプリ開発に悩んでいるのであれば、アイリッジにお任せください。Javaは使用していませんが、簡単にスマホアプリの内製が可能なAPPBOXの提供をはじめ、アプリ成長支援などが可能です。アプリの企画から開発、改善まで幅広いご相談に対応しています。アプリ開発の悩みがあれば、アイリッジへお気軽にご相談ください。

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まとめ:Javaを習得してアプリを開発しよう

まとめ:Javaを習得してアプリを開発しよう

Javaは、OSやデバイスを選ばず、汎用性の高さからWebアプリやデスクトップアプリ、Androidアプリ、組み込みアプリと多様なアプリ開発に用いられています。新しいプログラミング言語が登場する中でも、アプリ開発の現場で使われているので、今後も需要が絶えることがないプログラミング言語です。

Javaを習得すれば、大規模開発やさまざまな種類のアプリ開発が可能となります。学習の難易度は高めですが、学習する価値のあるプログラム言語と言えます。

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