アプリマーケティングの一種である「アプリインストール広告」とは？
数あるアプリマーケティングにおいて、ユーザーを効果的に獲得する方法の一つが「アプリインストール広告」です。アプリの普及が進む中、アプリインストール広告は多くの企業で取り入れられています。しかし、具体的にどのような仕組みや種類があるか、詳しくは知らないという方も多いのではないでしょうか。
この記事では、アプリインストール広告の基礎知識をはじめ、配信可能な媒体や実際に配信する際のポイントについて詳しく解説します。これからアプリインストール広告を導入しようと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
アプリマーケティングとは？
まず、アプリマーケティングとは、スマホやタブレット向けのアプリを活用して消費者とのつながり（エンゲージメント）を深め、商品やサービスの購入促進を目指す活動を指します。
アプリマーケティングでは、自社が運営するアプリの利用者を一時的に増やすだけでなく、継続して利用してもらうことが重要なポイントです。具体的には、アプリ限定のクーポンを配布したり、新商品の情報を配信したりすることで、顧客を店舗やサービスに誘導できます。これにより、顧客との継続的な接点を増やし、リピーター獲得や売上拡大を目指します。
アプリマーケティングは、消費者に直接アプローチするための強力かつ効果的な手段であり、効率的なエンゲージメント構築に欠かせない戦略です。
アプリマーケティングが必要な理由
アプリマーケティングが注目される背景には、スマートフォンの普及と利用状況の変化があります。現在の日本では未成年も含めてスマホが1人1台の時代となっています。新型コロナウイルス感染症の影響も相まって、モバイルデバイスの利用時間が増加しました。特に感染拡大時には、1年で約12%も使用時間が伸びたというデータもあります。
また、20代から40代のユーザーの8割以上がWEBブラウザよりアプリを利用する傾向にあり、スマホ利用時間の92%がアプリの操作に費やされています。このような状況からアプリマーケティングは、消費者との接点を効果的に作り、ビジネスチャンスを拡大するために欠かせない方法として注目されています。
アプリマーケティングの一種である「アプリインストール広告」とは？
アプリインストール広告はインターネット広告の一種で、一言で言えば「アプリのインストールを目的とした広告」のことです。主にスマートフォンやタブレット向けのアプリを宣伝する際に、よく利用されます。
また、アプリインストール広告は、ユーザーがアクセスする可能性が高い場所に表示されるのが特徴です。たとえば、GoogleやYahoo!の検索結果、アプリストアの検索画面、SNSのタイムライン上にも掲載されます。これにより、幅広いユーザー層にリーチしやすく、効率的なプロモーションが可能です。
さらに、アプリインストール広告はクリックによってインストールページに遷移するため、「アプリダウンロード広告」とも呼ばれます。ダウンロード数の増加を狙った広告戦略として、多くの企業に活用されています。
アプリインストール広告の仕組み
アプリインストール広告の仕組みは運用型広告に似て、柔軟性が高いという特徴があります。広告の掲載枠は固定されておらず、企業の予算や目的に応じて自由に運用が可能です。たとえば、特定のユーザー層をターゲットにした配信設定ができる点もメリットです。
また、アプリインストール広告は「クリック課金型」、または「アプリインストール課金型」が採用されており、どちらもユーザーが実際に広告をクリックするかアプリをインストールした場合にのみ費用が発生します。コストを抑えながら効果を測定しやすく、費用対効果を感じやすい点がメリットです。
このような仕組みにより、インターネット広告市場全体が成長を続ける現在でも、アプリインストール広告は特に安定した拡大を見せています。
アプリインストール広告の種類は？
アプリインストール広告には種類があり、今回詳しく解説している「アプリインストール広告」と、ブランド認知や利用促進を目的とする「非アプリインストール広告」の2種類に分けられます。それぞれの特徴や活用方法を見ていきましょう。
アプリインストール広告
冒頭でも解説したとおり、アプリインストール広告は、ユーザーにアプリをダウンロードしてもらうことを直接の目的とした広告です。具体的には、ストア系やSNS系、ニュース系の広告が該当します。
アプリインストール広告では、ユーザーが広告をクリックすると、アプリストア内のインストールページに直結して移動する仕組みになっています。アプリに興味を持ったユーザーがスムーズにダウンロードまで進められます。このような特徴から、アプリインストール広告はアプリの利用者を効率的に増やす手段として広く利用されています。
また、広告のデザインやメッセージは、アプリの魅力を短い時間で効果的に伝えるよう工夫され、ユーザーのアクションを促しやすい構成にするのが一般的です。
非アプリインストール広告
非アプリインストール広告は、アプリの直接的なインストールを目的としない広告です。検索連動型広告などが該当し、多様なデバイスやユーザー層に対応しながら、アプリの認知拡大と利用者獲得を狙えます。主にランディングページ（LP）への誘導を通してインストールを促進します。広告をクリックするとLPに移動し、アプリの特長や魅力を詳しく伝える仕組みになっています。これにより、ユーザーにより深くアプリを理解してもらうことが可能です。
特にPCユーザーを対象とする際に効果的で、PCから直接アプリをダウンロードできない場合に活用されることが多くなっています。たとえば、スマートフォンへの切り替えやQRコードの利用を促すLPを設置することで、PCで広告を見たユーザーにもアプリを意識してもらえます。
アプリインストール広告が配信できる8つの媒体
アプリインストール広告を成功させるためには、適切な配信媒体を選ぶことが重要です。続いては、アプリインストール広告が配信可能な8つの媒体を紹介します。それぞれの特徴を押さえて、自社の目的に最適な広告戦略を立てましょう。
Apple Search Ads
「Apple Search Ads」は、Appleが運営するApp Storeで利用可能な配信媒体です。大きな特徴として、検索結果の最上部に広告が表示され、広告枠は1枠のみという希少性があります。関連キーワードを設定することで、ユーザーが検索した内容に応じて広告が表示される仕組みです。
広告単価は他媒体と比べて高めになる傾向がありますが、実際にアプリがインストールされた際にのみ料金が発生するため、費用対効果を感じやすくなっています。
また、「Apple Search Ads」ではメタデータを活用して広告が自動生成されるため、クリエイティブ制作に不安がある初心者でも手軽に始められる点がメリットです。
Googleアプリキャンペーン
「Googleアプリキャンペーン」は、Googleの幅広いプラットフォームを活用できる配信媒体です。Google検索やGoogle Play、YouTube、Discover、Googleディスプレイネットワークなど、主要サービス全体で広告を表示できるため、より多くのユーザーにリーチが可能です。
広告の細かな設定やキーワードの選定は不要で、指定した広告文やアセット（アプリストアの情報）が自動的に組み合わされ、最適な広告が生成されます。広告作成に手間をかけず、効率的にターゲットユーザーにアプローチできるのが特徴です。
「Googleアプリキャンペーン」を活用することで、新たなユーザーにアプリのインストールを促すだけでなく、既にアプリをインストールしているユーザーに対しても特定のアクションを起こすよう働きかけられます。
Yahoo!検索広告のアプリダウンロードキャンペーン
「Yahoo!検索広告のアプリダウンロードキャンペーン」は、Yahoo! JAPANの検索結果でアプリのインストールを促進することを目的とした配信媒体です。検索結果の上位に表示され、ユーザーがクリックした際にのみ料金が発生する仕組みを採用しています。
Yahoo!は「Yahoo!天気」や「Yahoo!ショッピング」など、多くの関連サービスを展開しており、特に40代から60代の利用者が多い点が特徴です。そのため、Googleとは異なる層へのリーチしたいときに役立ちます。幅広い年代にアプローチしつつ、効率的な広告運用が可能です。
ただし、「Yahoo!検索広告のアプリダウンロードキャンペーン」は、アプリダウンロードを狙っていることから、配信先はスマートフォンやタブレットに限定されます。
Yahoo!ディスプレイ広告のアプリ訴求キャンペーン
「Yahoo!ディスプレイ広告のアプリ訴求キャンペーン」は、Yahoo!ディスプレイ広告の配信面を活用してアプリインストールを促進する広告です。目的をアプリ訴求に設定しています。
シンプルな文章のみで構成された「テキスト広告」や画像やデザインを使った「バナー広告」、柔軟にサイズや配置を調整する「レスポンシブ広告」、複数の画像や動画をスライド形式で表示する「カルーセル広告」といった4種類の広告タイプを使って配信可能です。広告の表示形式を柔軟に選べるため、効率的な運用に役立ちます。
課金方式としては、コンバージョン数の最大化などを採用しており、アプリインストールやその他のコンバージョン数を自動的に最大化する仕組みが利用できます。
Facebookのモバイルアプリ広告
「Facebookのモバイルアプリ広告」は、「Facebook」「Messenger」「Instagram」「Audience Network」などのプラットフォームを活用して、アプリインストールを効率的に促進できます。App StoreやGoogle Playストアへのリンクが直接設置されているため、広告を見たユーザーがスムーズにアプリをインストールできるのが特徴です。
また、アプリインストール後のユーザーに特定のアクションを促すキャンペーンを展開でき、顧客満足度の向上も狙えます。
さらに、複数の配信面を横断して広告を表示できるため、幅広いユーザー層へのアプローチが実現します。
Xのアプリインストール数キャンペーン
「X（旧Twitter）のアプリインストール数キャンペーン」は、広告を複数の表示場所に配信できるのが特徴です。ホームタイムラインや検索結果、投稿の詳細ページ、プロフィール画面にも広告が掲載されます。
また、アプリカードを活用してアプリの情報を登録するだけで、ユーザーがクリックするとアプリストアに直接アクセスできる仕組みが整っています。モバイル市場に最適化された広告を表示することで、タイムライン上からシームレスにアプリをインストールできる点もメリットです。
「Xのアプリインストール数キャンペーン」では、日常的に利用されるプラットフォームで自然な形で広告を目にしてもらえるため、アプリの認知度を高めながらインストールを促進できます。
LINEのアプリインストールキャンペーン
「LINEのアプリインストールキャンペーン」では、LINEの多彩なプラットフォームを活用して効果的に広告を配信できます。具体的には、トーク画面の上部に表示される「Smart Channel」や「LINE NEWS」、「タイムライン」に広告を掲載可能です。「LINE マンガ」や「LINE チラシ」など、他の関連サービスにも広告を展開できます。
広告の目的は、アプリの新規インストール数を増やす「アプリのインストール」と、既存ユーザーのアプリ起動回数を促進する「アプリのエンゲージメント」の2つの中から1つを選択可能です。これにより、アプリの認知拡大だけでなく、利用頻度を高めるための施策も展開できます。
SmartNews Ads
「SmartNews Ads」は、スマートフォンアプリ「SmartNews」内のニュース記事や、コンテンツに並んで表示される広告媒体です。運用型の広告には「Standard Ads」と「Premium Ads」の2種類があり、前者は運用予算に応じた広告配信ができるメニューで、後者は様々なチャンネルのファーストビューに広告配信ができるメニューとなっています。
課金方式には、広告がクリックされた際に料金が発生するCPC課金と、広告が表示された回数に応じて費用が決まるCPM課金の2種類が用意されています。これにより、目標に応じた費用対効果の高いキャンペーン運用が可能です。
SmartNews独自のニュース閲覧層にリーチできるため、幅広いユーザーにアプローチし、アプリインストールの促進を目指す際に最適です。
アプリインストール広告を配信する際のポイント
アプリインストール広告の成功には、ターゲット・ペルソナを明確にし、ユーザーの興味を引くクリエイティブを制作することが不可欠です。さらに、データ分析と効果検証を徹底し、改善を重ねることで効率的な成果を得られます。続いては、それぞれのポイントを詳しく解説します。
ターゲット・ペルソナを明確にする
アプリインストール広告を配信する際には、まずターゲット・ペルソナを明確にすることが重要です。具体的なターゲット像を描けていないと「誰に広告を配信すべきか」「どのようなクリエイティブが響くのか」が分からず、効果的な広告運用が難しくなります。
たとえば、ユーザーの年齢、性別、趣味、行動パターンなどを詳細に設定することで、よりターゲットに適した広告媒体やクリエイティブが自然に定まり、成果が期待できる運用が可能です。一方で、ターゲットをぼんやりと捉えたまま広告を出して、仮に多くのユーザーに届いたとしても効果を実感しづらくなります。そのためペルソナ設定は、広告の方向性を固めるために最も大切なポイントです。
ターゲットに刺さるクリエイティブを作成する
アプリインストール広告を効果的に運用するためには、ターゲットの興味を引きつけるクリエイティブの作成が不可欠です。
まず、アプリの特徴や魅力を簡潔に伝える内容を心掛け、視覚的な要素を活用しましょう。たとえば、文字情報だけでなく、デバイス上でアプリが動いている様子を画像や動画で見せて、利用シーンを具体的にイメージさせると効果的です。
また、アピールポイントとなるデータや実績を盛り込み、アプリの価値を数字で伝えることも重要です。
さらに、広告を見た人に期待する行動を明確に示すことで、スムーズなアクションへつなぐことができます。たとえば、カルーセル広告を用いて複数の機能や利用例を紹介するのも効果的です。
データ分析・効果検証を行う
アプリインストール広告の効果を高めるためには、継続的なデータ分析と効果検証も重要です。
まず、「Facebook SDK」や「Google Analytics」といった計測ツールを導入し、広告の成果を詳細に把握する環境を整えましょう。次に、複数の広告を配信してパフォーマンスを比較し、最も効果的な広告に重点的に予算を配分します。これにより、限られた予算を効率よく活用でき、成果を最大化できます。
また、データを元にクリエイティブやターゲティングの改善を繰り返すことで、同じ広告媒体を使用し続けても、より高い成果が期待できます。このサイクルを習慣化すれば、広告運用の精度が向上し、目標達成へとつなげることができます。
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