アプリのプロモーションの代表的な方法:成功事例も紹介
スマホの普及によりアプリを日常的に使う人が増え、それに伴い集客やマーケティング戦略の1つとしてアプリを活用する企業やブランドが増えてきています。
しかし、アプリは開発するだけでは意味がありません。
さまざまなプロモーション戦略を練り、多くの人に知ってもらう必要があります。
アプリ市場が激化しているからこそ、プロモーションの重要性はより高くなってきているのです。
本記事では、アプリプロモーションの代表的な方法を解説するとともに、実績のあるアプリプロモーションの成功事例をご紹介します。
アプリの集客とマーケティング戦略に役立つヒントがたくさん含まれているため、ぜひ参考にしてみてください。
アプリのプロモーションが重要な理由
新しいアプリを開発したら、プロモーションが欠かせません。
その背景にあるのは、アプリ市場の激化です。
スマートフォンが普及し、アプリの市場は非常に競争が激しくなっています。
実際、2021年にリリースされたアプリの数はiOSアプリとAndroidアプリを合わせて約200万本。
累計リリース数でいうと、2,100万を超えるともいわれています。
数多くのアプリがリリースされる中、プロモーションを行わなければ、アプリの存在をユーザーに見つけてもらうことさえ難しいでしょう。
入念にプロモーション戦略を練り、実行することで、多くのユーザーにアプリを知ってもらい、利用してもらうことができるのです。
また、適切にプロモーションを行うことでブランドイメージの確立にもつながります。
ブランドイメージの構築は、長期的な成功とユーザーのロイヤルティを獲得するために欠かせません。
アプリプロモーションを通して認知拡大や売上獲得を図るとともに、ブランドイメージの確立も目指しましょう。
アプリのプロモーションの代表的な方法
アプリのプロモーションの代表例としては、以下の方法が挙げられます。
- Webサイト
- SNS
- 広報活動
- プロモーション動画
- ASO
- インフルエンサー
- オフライン
- 口コミ
- イベント・キャンペーンの実施
それぞれ詳しく見ていきましょう。
方法1 Webサイト
1つ目は、「Webサイト」を使ったアプリプロモーションです。
ユーザーはアプリをダウンロードする際、「開発元の企業が信頼できるかどうか」を基準の1つとすることが多いです。
「気になるアプリを見つけたけど検索してみても何の情報も出てこない」というアプリは、ダウンロードするのが不安になってしまいます。
Webサイトは、アプリや開発元の信頼を高めるための有効的な手段となります。
また、Webサイトは、ユーザーにアプリの特徴や価値を正確に伝えるのにも役立ちます。
魅力的なデザインやスクリーンショットなどを用いてアプリの機能や使いやすさを紹介することで、ユーザーの関心を引きつけることができるようになるのです。
方法2 SNS
2つ目は、「SNS(Twitter・Facebook・Instagram・TikTokなど)」を使ったアプリプロモーションです。
最近はSNSを通じて情報を共有し意見を交換するユーザーが多いため、アプリをSNS上で宣伝することで多くのユーザーにリーチすることができます。
SNSを使ったアプリプロモーションには、以下の2つの方法があります。
- アカウント運用
- 広告配信
「アカウント運用」とはその名の通りアプリを宣伝するためのアカウントを用意し、運用することです。
「いいね!」やコメントを通してユーザーと直接やり取りできるため、より正確に情報を提供することができます。
「広告配信」は、SNS上で有料広告を配信する方法です。
多くのユーザーに一斉に情報を伝えられるため、効率良く宣伝することができます。
ユーザーの属性や興味、ライフスタイルなど、さまざまな軸でターゲットを絞って配信できるのも、広告のメリットです。
方法3 広報活動
3つ目は、「広報活動」を利用したアプリプロモーションです。
広報活動とひとことにいっても、その手法はさまざまです。
プレスリリースの配信、メディア向けのデモンストレーション、インタビュー記事の掲載などが挙げられます。
業界関連のメディアやブログに対して依頼し、記事やインタビューを通じてアプリを紹介してもらうのが目的です。
メディアを通じてアプリを宣伝する広報活動は、大規模なプロモーション戦略の一環として非常に有効です。
テレビや新聞などで取り上げられれば、Webを使っていない層にもアプローチできるでしょう。
また、第三者の意見として報道してもらえるのも、広報活動のメリットといえます。
自分たちで配信するWebサイトやSNSと比べ、高い信頼性を持ってアプリの情報を多くの人に届けることが可能です。
方法4 プロモーション動画
4つ目は、「プロモーション動画」を使ったアプリプロモーションです。
動画は、視覚的な情報を効果的に伝えるための優れたツールです。
アプリの機能や使い方を魅力的に表現することで、ユーザーの興味を引きつけることができます。
作成した動画は、WebサイトやSNS、YouTubeなどにアップロードしておくのがおすすめです。
基本的な使い方や活用方法を紹介した動画も作成しておくと、ダウンロード後の定期的な利用も期待できます。
方法5 ASO
5つ目は、「ASO」を活用したアプリプロモーションです。
ASOとは「App Store Optimization(アプリストア最適化)」の略で、アプリストア内での検索ランキングを上げるための手法を指します。
アプリストア内でのSEO対策と考えるとイメージしやすいでしょう。
具体的には、アプリストア内でのキーワードの選定やアプリ名、アイコン、スクリーンショット、説明文の最適化などがASOにあたります。
ただし、ただ単にキーワードを多数盛り込んだり、画像を増やしたりすればいいわけではありません。
ユーザー目線に立ち、分かりやすい説明を心がけましょう。
口コミ評価の高さもSNSに関係するため、現在使っているユーザーの顧客満足度を高めることも重要です。
ASOがうまくいけばアプリストア内で見つけてもらいやすくなり、ダウンロード数の増加が期待できます。
ASOについては、「ASO(アプリストア最適化)とは?対策を行う際のポイント等も解説」で詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
アイリッジでは、導入後のアプリに対する支援サービスも行っています。
ASOに対するきめ細かい支援も可能ですので、ご興味のある方は是非お問い合わせ下さい。
方法6 インフルエンサー
6つ目は、「インフルエンサーマーケティング」とも呼ばれている、インフルエンサーを起用したアプリプロモーションです。
インフルエンサーマーケティングは、有名な人物やコンテンツクリエイターを通じてアプリを宣伝する手法です。
インフルエンサーのフォロワーや視聴者に向けてアプリを紹介することで、信頼性や認知度を高めます。
消費者行動に「共感性」が重要だといわれているこの時代、インフルエンサーの起用はマーケティングにおいて非常に重要な手段です。
実際、インフルエンサーを起用してプロモーションを行う企業やブランドは年々増えてきています。
インフルエンサーマーケティングに成功するためには、自社のターゲットに合わせて適切なインフルエンサーを選定することが欠かせません。
方法7 オフライン
7つ目は、「オフライン」で行うアプリプロモーションです。
具体的には、チラシやポスターの作成、店舗内での声掛け、ノベルティの配布などが挙げられます。
近年、オンラインでの宣伝活動が注目されがちですが、オフラインでの広告活動も高い効果が期待できます。
特に地域に密着したアプリやイベント関連のアプリに効果的です。
オフラインでの宣伝活動であれば、普段Webを使用しない層へのアプローチも可能です。
方法8 口コミ
8つ目は、「口コミ」を使ったアプリプロモーションです。
アプリに限らず、商品を購入したりサービスに申し込んだりする際、口コミを参考にする人は少なくありません。
インターネットで「〇〇(商品名) 口コミ」と検索したり、実際に使用しているユーザーに使い勝手を聞いたりした経験がある方も多いのではないでしょうか。
口コミは第三者の意見のため信頼性が高く、消費者行動を促すのに非常に有効な手段です。
口コミが広がっていけば、雪だるま式にダウンロード数を伸ばすことができるでしょう。
ただし、口コミで良い評価を得るためには、そもそもアプリが良いものであることが大前提です。
ユーザーの声を反映させたり丁寧な対応を心がけたりして、「思わず口コミを投稿したくなるような」「友人に紹介したくなるような」アプリ作りを心がけましょう。
口コミを投稿してくれたユーザーに対し、クーポンなどのインセンティブを提供するのもおすすめです。
方法9 イベント・キャンペーンの実施
9つ目は、「イベント」や「キャンペーン」を利用したアプリプロモーションです。
イベントは、特定の期間や場所で行われるアプリに関連した活動や体験です。
例えば、ローンチイベント、ユーザー感謝イベント、コミュニティイベントなどがあります。
イベントを通じて、ユーザーとの直接的な交流や関わりを持ち、アプリの魅力や利点を体験してもらうことができます。
キャンペーンは、一定の期間内に特別なプロモーションや特典を提供する活動です。
割引キャンペーン、限定アイテムの提供、ポイントや報酬の配布などが挙げられるでしょう。
キャンペーンを通じて、ユーザーの関心や参加を促し、アプリへの新規登録やアクティブ利用を増やすことができます。
プロモーションとタイミング
アプリプロモーションを行う際には、手法だけでなくタイミングも考慮する必要があります。
例えば、アプリリリース直後の大規模なプロモーションは避けましょう。
リリースしたばかりのアプリはまだ完成度が低いことが多く、その時点で大きなプロモーションを行ってしまうと、リスクが高いためです。
もしも致命的なバグが見つかれば、良くない口コミを広げてしまうことになります。
せっかく高額な予算をかけても、無駄になってしまうという事態にもつながりかねません。
大規模なプロモーションを仕掛けるタイミングは、リリースからしばらく時間が経ってアプリの完成度が高まってからがおすすめ。
リリース直後は簡単であまりコストがかからないプロモーションからスタートし、ここぞというタイミングで大きな戦略を実行しましょう。
アプリのプロモーションの事例
ここからは、実際にアプリのプロモーションに成功した企業・ブランドの事例を紹介します。
ぜひ参考にしてみてください。
カーセンサー
中古車販売アプリ「カーセンサー」では、Webサイトを活用したアプリプロモーションを実施。
Webサイトを閲覧した人に対し、アプリの広告を出稿しました。
もともとWebサイトの閲覧数が多かったことを利用したプロモーション手法です。
その結果、2010年のアプリリリース時以降、「カーセンサー」はユーザーから高い評価を得続けています。
ターゲット層をしっかりと絞り、適切にアプローチしたことが成功の秘密といえるでしょう。
(参照 DiGiLaB「アプリのプロモーションの代表的な7つの方法を解説!成功事例も紹介」)
Coke On
コカコーラ社がキャンペーン企画の1つとして開発したアプリ「Coke On」では、オフラインを活用したアプリプロモーションに成功しています。
実際のキャンペーン内容は、自動販売機にアプリをリンクさせてドリンクを購入するとスタンプが貯まり、そのスタンプを15個貯めると無料でドリンクがもらえるというものです。
もともとの知名度も影響しているものの、2016年には「アプリ・オブ・ザ・イヤー」を受賞し、現在のダウンロード数は4,000万を超えています。
「利用することでお得になる」「利用しなければもったいない」というユーザー心理をうまく活用した事例といえます。
ロイヤルホスト
大手ファミリーレストラン「ロイヤルホスト」では、公式アプリのプロモーションとして以下の施策を実施しました。
- 既存メルマガ会員への周知
- アプリダウンロードユーザーへのインセンティブの提供
- 割引率が高いアプリクーポンの配布
その結果、「App Store」「Google Play ストア」それぞれで1位(フード/ドリンクカテゴリ内)を獲得しました。
1つの施策だけではなく、複数のプロモーション施策を組み合わせることによって相乗効果が生じたことが、成功の秘訣だったといえるでしょう。
(参照 EmberPoint「アプリの効果的なプロモーション方法とは?実際の好事例も紹介」)
GU
大手ファストファッションブランドの「GU」が運営する公式アプリ「ジーユーアプリ」。
「ジーユーアプリ」では会員証の提示やチラシの表示、クーポンの利用など、さまざまな機能が利用できます。
アプリ会員のみが利用できるクーポンも定期的に発行され、アプリダウンロードの価値を高めることで、多くのユーザーを獲得しています。
そのほか、SNSや口コミを活用したアプリプロモーションや、GU全店舗が一体となってアプリの認知拡大に注力したことも、ダウンロード数が増えた要因の1つです。
メルカリ
フリマアプリ「メルカリ」は、インフルエンサーを活用したアプリプロモーションを行いました。
アプリをリリース後、ターゲット層となる20〜30代の女性に人気のタレントを起用し、テレビCMを放送しました。
その後、タレントを起用しないCMなども制作し、タイミングによって使い分け、20〜30代の女性以外にも認知度を広げていきました。
その結果、ダウンロード数は5年間で7,500万に達し、現在では全世界でダウンロード数1億を超えるまでになりました。
多くのユーザーを獲得することに成功した事例と言えるでしょう。
JAL
大手航空会社「JAL」が運営する「JALアプリ」は、飛行機の予約が行えるアプリです。
「JALアプリ」では、アプリのリニューアルに合わせて「アプリをダウンロードした人の中から抽選で国内線往復チケットが当たる」というキャンペーンを実施しました。
このキャンペーンはすでにアプリを使っている人も対象にし、アプリをアップデートしたユーザーもキャンペーンに応募できるようにすることで、利用促進にもつなげました。
新規顧客の獲得と既存顧客の利用促進、両方に効果的なアプリプロモーション事例といえます。
まとめ
アプリプロモーションの手法としては、WebサイトやSNS、プロモーション動画、インフルエンサー、口コミなどを活用する方法があります。
そのほか、ASO、広報活動、イベント・キャンペーンの実施や、複数の手法を組み合わせた方法も効果的です。
アプリはユーザーに使ってもらわなければ、作った意味が無くなってしまいます。
本記事で紹介した手法や事例を参考に、自社・自店舗に合ったものをぜひ試してみてください。
株式会社アイリッジではアプリリリース後のデータ分析やマーケティング支援も行っておりますので、ぜひお気軽にご相談ください。