会員証をアプリ化するメリット・デメリットとは?注意点・導入方法も解説
デジタル技術の進化により、私たちの生活様式は大きく変化してきました。
その一環として、従来紙ベースで提供されていたサービスやツールもデジタル化しています。
飲食店や小売店、美容院などの店舗でよく利用されている「会員証」もその1つです。
会員証をアプリ化することは、店舗・顧客それぞれにさまざまなメリットがあります。
そこで本記事では、会員証をアプリ化することによる店舗側・顧客側それぞれのメリットやデメリットを解説するとともに、会員証アプリを導入する際のポイントや具体的な方法を紹介します。
「会員証アプリの導入を検討している」という企業や店舗にとって必見の内容ばかりですので、ぜひチェックしてみてください。
会員証アプリとは
会員証アプリとは、従来の紙やプラスチック製の会員証をデジタル化して、スマートフォンやタブレットなどのデバイス上で利用可能にするアプリケーションのことを指します。
従来の会員証と異なり、スマホ1つでさまざまな店舗のデジタル会員証を管理できるため、持ち運びや保管の手間が必要ありません。
会員証アプリは店舗・顧客双方にさまざまなメリットがあり、実際にスマホの普及とともに多くの企業や店舗で導入が進んでいます。
キャッシュレス化やペーパーレス化が進む今、今後もますます導入企業は増えていくでしょう。
会員証のアプリ化で得られるメリット
会員証をアプリ化することは、企業や店舗側にとってはもちろん、顧客側にもさまざまなメリットをもたらします。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
企業・店舗側
会員証のアプリ化で店舗側が得られるメリットは、以下の4点です。
- コスト削減につながる
- プロモーションの幅が広がる
- 顧客情報を一元管理できるようになる
- 顧客情報をマーケティングに活かせる
それぞれ詳しく解説していきます。
メリット1 コスト削減につながる
会員証をアプリ化することで、会員証の導入コストや運用コストの削減につながります。
紙やプラスチックで作られた従来の会員証の場合、紙代や印刷代など多くのコストがかかっていました。
また、配布のための人員やそれにかかる費用、保管のためのスペースの確保なども必要です。
一方、会員証アプリの中には完全無料で利用できるものもあり、従来の会員証にかかっていたコストを大幅に削減することが可能です。
また、会員情報の変更や更新もアプリ内で行えるため、印刷や再発行に伴うコストも削減できます。
メリット2 プロモーションの幅が広がる
会員証アプリは、プッシュ通知やアプリ内のお知らせ機能などを活用して、顧客へのプロモーションや特典の提供が容易に行えます。
顧客をセグメント分けしてそれぞれに独自の特典を提供するなど、従来の会員証ではできなかったプロモーションを行うことも可能です。
アプリでのプロモーションは、顧客とエンゲージメントを高めることができ、結果的に顧客満足度や顧客ロイヤルティ(企業や店舗に対する信頼や愛着のこと)の向上につながります。
メリット3 顧客情報を一元管理できるようになる
アプリを通じて収集される顧客情報は、一元管理することが可能です。
これまで、お客様が来店したらアンケート用紙を配布して記入してもらい、それをスタッフがパソコンに打ち込むという形で会員管理をしていた店舗も多いのではないでしょうか。
しかしこれでは膨大な手間が必要になるほか、万が一その用紙を紛失してしまったら情報漏洩トラブルにつながりかねません。
会員証アプリを利用することで、こういった手間やリスクを最小限に抑えて会員管理をできるようになります。
メリット4 顧客情報をマーケティングに活かせる
アプリを通じて収集される顧客情報は、マーケティングの戦略立案に役立ちます。
例えば、顧客の行動や嗜好に関するデータを分析することで、顧客に合わせてクーポン内容やクーポン配信日時を指定したり、おすすめの商品をプッシュ通知でお知らせしたりすることが可能になります。
顧客の嗜好や購買パターンに基づいたマーケティング戦略を展開することで、顧客満足度の向上やロイヤリティの醸成が期待できます。
顧客側
会員証のアプリ化で顧客側が得られるメリットは、以下の3点です。
- スムーズに提示できる
- 紛失のリスクが少ない
- 財布やバッグがかさばらない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
メリット1 スムーズに提示できる
キャッシュレス化が進んでいる昨今、支払い時に財布を取り出さず、電子マネーやQRコードなどスマホ1台で支払いをされる方も少なくありません。
そんなとき、わざわざ財布やカードケースから紙の会員証を取り出すのは面倒でしょう。
一方、アプリ化された会員証であれば、スマホ決済の際に同時に会員証を提示することができます。
特に混雑した店舗や急いでいるときには、アプリ化された会員証の利便性が顕著に感じられるでしょう。
メリット2 紛失のリスクが少ない
紙の会員証は、紛失や破損のリスクが常について回ります。
会員証には名前や住所が記載されていることも多く、紛失リスクを懸念してあえて会員証を作らないという方もいるのではないでしょうか。
しかし、アプリ化された会員証はスマホやタブレット内で保管されているため、紛失や破損の心配がほとんどありません。
万が一の場合でも、デバイスのバックアップ機能を使って会員証情報を復元できれば、「これまでのポイントが無駄になった」という事態も防げます。
メリット3 財布やバッグがかさばらない
さまざまな店舗の会員証を紙で持っていると、その分財布やバッグがかさばることがあります。
また、せっかく会員証を作っても持ち運ぶのを忘れてしまうと、その会員証を使うことはできません。
一方、会員証をアプリ化しておければ、物理的なカードの数を減らすことができ、財布やバッグの中でかさばることはありません。
スマホ1つあればいつでも利用できるため、軽装で外出したいときや、最小限の荷物で過ごしたいときにも便利です。
会員証をアプリ化するデメリット
会員証のアプリ化にはさまざまなメリットがある一方で、以下のようなデメリットも存在します。
- 既存の顧客データを移行する手間がかかる
- すべての顧客にとって便利になるわけではない
- 情報漏洩のリスクがある
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デメリット1 既存の顧客データを移行する手間がかかる
すでに独自で顧客管理を行っている場合、会員証のアプリ化に伴い、既存の顧客データを新しいシステムに移行するのに時間や手間がかかる場合があります。
データの整理や変換、エラーの修正などの作業が必要となるため、それを面倒に感じることもあるでしょう。
特に大規模な顧客データベースを持つ場合、移行プロセスは複雑さを伴うことがあります。
とはいえ、会員情報の移行作業は最初だけ発生するものです。
会員証アプリの中にはエクセルやCSVデータを用いて簡単にデータを連携できるサービスもあるため、状況に応じて活用するのがおすすめです。
デメリット2 すべての顧客にとって便利になるわけではない
会員証アプリを利用するためにはスマートフォンやタブレットなどのデジタルデバイスが必要ですが、全ての顧客がこれらを持っているわけではありません。
特に高齢の顧客やデジタル技術に慣れていない顧客にとっては、アプリを利用するハードルが高い場合があります。
会員証のアプリ化は顧客にとってもメリットが多い一方、すべての顧客にとって便利になるわけではないということを理解しておきましょう。
デジタルデバイスに不慣れな顧客層が多い企業や店舗では、会員証のアプリ化は慎重に検討することが重要です。
デメリット3 情報漏洩のリスクがある
デジタル化された会員証は、オンラインの環境で管理されます。
そのため、セキュリティ対策が不十分な場合、情報漏洩のリスクは避けられません。
もしも顧客の個人情報が不正アクセスやハッキングの標的になり情報漏洩が発生すれば、信頼関係の損失や法的な問題を引き起こすことがあります。
会員証をアプリ化する際には、十分なセキュリティ対策が必要不可欠です。
会員証アプリを導入する際のポイント
会員証アプリを導入する際には、以下のポイントを意識するようにしましょう。
- 費用面で無理をしない
- 導入前に目的やゴールを明確に決める
- ユーザーの利便性だけでなくスタッフの手間も考える
それぞれ詳しく解説していきます。
ポイント1 費用面で無理をしない
会員証アプリの導入には、開発・設計などの初期費用に加え、管理やセキュリティ対策などの運用コストがかかります。
費用はアプリの規模や機能によって異なりますが、無理なく予算内で導入できるように計画することが重要です。
コスト削減や収益向上といった効果があるかどうかを事前に検討し、費用対効果を確認してから導入しましょう。
会員証アプリの中には無料トライアル期間があるものや完全無料で利用できるものもあるため、まずはそういったものを利用し、使用感や収益性を確認した後に有料のものに移行する方法もおすすめです。
ポイント2 導入前に目的やゴールを明確に決める
会員証アプリは、ただ単に導入すれば良いというわけではありません。
効率的かつ効果的に運用していくためには、会員証アプリを導入する目的やゴールを事前に明確に定義しておくことが重要です。
会員証のアプリ化によって顧客にどのような価値を提供し、自社内のどのような課題を解決するのかなどを事前に明確にしておきましょう。
具体的な目標を持つことで、アプリの設計や機能の決定がより具体的になり、効果的な導入計画を立てることができます。
ポイント3 ユーザーの利便性だけでなくスタッフの手間も考える
会員証アプリの利便性向上は重要ですが、同時に店舗スタッフの作業負担も考慮する必要があります。
せっかくユーザーの利便性が向上しても、スタッフも手間や負担が増え、不満が溜まってしまったらそれはスムーズな店舗運営とはいえません。
会員証アプリを導入する際には、事前に顧客対応やシステム運用にどのような影響があるかを検討し、シミュレーションしておきましょう。
社内体制を整え、スタッフがスムーズに運用できる仕組みを導入することで、業務効率の向上を図ることができます。
会員証アプリの導入方法
会員証アプリを導入する方法としては、以下の3つがあります。
- 自社で開発する
- 開発会社に依頼する
- LINE公式アカウントを利用する
以下の表にそれぞれの特徴やメリット・デメリットなどをまとめましたので、ぜひ参考にしてみてください。
開発方法 |
メリット |
デメリット |
自社で 開発する |
デザインや機能に制限がなく自由度が高い |
アプリ開発のためのノウハウ・人員・コスト・時間が必要 |
開発会社に 依頼する |
パッケージを利用すれば自社開発よりもコストを抑えてクオリティの高いアプリを開発できる |
認識にズレが生じないように密にコミュニケーションを取る必要がある |
LINE公式アカウントを利用する |
自由度が低くオリジナリティのあるアプリにはならない |
既存のテンプレートや機能を利用することで、コストや時間を抑えて簡単にアプリを導入できる |
まとめ
デジタル技術の進化により、最近では会員証アプリを導入する企業や店舗が多くなっています。
会員証アプリは、従来の会員証と比較して、コスト削減になる、プロモーションの幅が広がる、顧客情報を一元管理してそれをマーケティングに活かせるなどのメリットがあります。
アイリッジでも会員証アプリを開発することが可能です。
「煩雑になっている顧客管理をやめたい」「顧客の購買データを把握してマーケティングに活かしたい」などの課題は、アプリ化で解決できる可能性があります。
ぜひアイリッジにご相談ください。