大手通販サイトのIDでネットショッピングができる
ネットショッピングがどんどん進化しています。
そもそもユーザーがネットショッピングを利用するのは、簡単に便利にスピーディに買い物をしたいから。
会員情報登録にクレジットカード情報登録・・・。煩雑な手続きはサイトからの離脱率を高めてしまいます。
また、こうしたサイトはスマートフォンで操作すればいつでもどこでもショッピングが楽しめる一方、パソコンに比べて入力がさらに面倒で、これもまた離脱率を高める一因です。
そこで、今各社が次々と導入しているのが、大手通販サイトのID決済システムです。
商品をカートに入れたまま決済をしない「成約離脱率」は平均26%
始めて利用する通販サイトでありがちなのが、商品をカートに入れていざ決済というタイミングで、名前や住所・クレジットカードの番号を入力しながら面倒になって、買うのをやめてしまうこと。
そんな経験がある方も多いのではないでしょうか?
商品がカートに入れられたものの決済がされなかった割合を、「成約離脱率」と呼んでいます。
日本のあるマーケティング会社が2015年に大手サイトの成約離脱率を調べました。
テーマパークなどのチケット購入・食品などのデリバリーサービス・物販の3業種の中から、大手のそれぞれ3サイト・合計9サイトです。
9サイトの平均離脱率は26%。買う気があったのに買わなかった人がこんなにもいるのです。
中には、67%もの離脱率だったサイトもありました。
AmazonのIDがそのまま使える“Amazonログイン&ペイメント”
なぜ、決済がされなかったのでしょうか。理由は簡単、「面倒だから」です。
特に、初めて訪れた個別のネット通販サイトでは、あらためてアカウント作成のための会員情報登録等、たくさんの入力作業が待っています。
そんな面倒な作業を省きたい、持っているアカウントがいろいろなサイトの決済に使えたら便利なのに、という発想の元始まったのが「Amazonログイン&ペイメント」の決済システムです。
この決済システムは、Amazonのアカウント情報がそのまま決済に使えるという画期的なもの。
大手通販サイトの決済システムが使える例は、実はAmazonの他にもあります。
そんな中でAmazonログイン&ペイメントがすごいのは、決済のページに進んだ際「Amazonアカウントでお支払」という ボタンをクリックするだけでOKな上、Amazonのページに飛ぶことなくそのまま決済が進むところです。
Amazonログイン&ペイメントは、アメリカでは2013年から始まっているサービスで、日本はイギリス、ドイツ、インドに続いて5カ国目。
2015年5月からサービスが始まりました。
導入企業は日本では約200社ですが、海外では数千社がサービスを使っていて、注文成約率が10~34%も上がった企業もあるほどです。
大手通販サイトのポイントが貯まる
楽天のID決済システムも、個別の通販サイトで使うことができます。
このメリットは、個別の通販サイトの買い物でも、楽天のID決済を使うと楽天スーパーポイントが貯まるという点です。
また、ポイントが貯まるだけでなく、そのポイントが個別通販サイトでも使えるという優れもの。
楽天のポイントを集めているユーザーは、楽天のID決済を積極的に利用していると考えられます。
Amazonログイン&ペイメントもそうですが、企業が楽天のID決済を導入するのはもちろんタダというわけにはいきません。
導入する企業は、1件ごとに手数料を支払わなければなりません。
しかし、楽天のID保有者は1億人近くもいるのです。
手数料がかかっても、導入企業にとっては1億人がバックにいる新たな販促ツールという位置付けです。
通販サイトの懸念点、セキュリティ対策もバッチリ
新たに通販サイトで、自分の個人情報やクレジットカード情報を登録するのは、不安が付きまとうものです。
「このサイトのセキュリティ対策は大丈夫だろうか」と不安になりながらでは、せっかくの楽しいショッピングが台無しです。
しかし、Amazonや楽天ならいつも利用している通りの決済で安心です。
新しく登録する場合でも、「大手の通販サイトの決済システムだから」セキュリティの面で安心して使えるというのが大きなメリットです。
一方、個別の通販サイト事業者にとっては、Amazonや楽天の決済システムを導入することでセキュリティコストを削減することができるというメリットもあります。
未来の決済はたった1つのIDで可能に?
今は、複数の大手通販サイトのIDを持っているという人がほとんどですが、もしこれが1人1つのIDにまとまれば、ネットショッピングはもっと便利になります。
そのIDには、例えば、配送先住所・銀行口座・クレジットカード・ポイントカード・クーポンといった決済に必要な個人の情報がすべて、しかも安全に使えるように入っているというものです。
さらにはパスワードの入力も必要なくなるかもしれません。アメリカの決済サービス・ペイパルでは、すでに指紋で決済することが可能です。
指紋認証だけでなく、顔認証、静脈認証など様々な認証を経て、それに紐付いたIDを使って決済する、さらにはそれがスマートフォンでできれば、日本でも海外でも、またネットでもリアルでも、たった1つのIDで買い物ができるのです。
今よりも確かな安全性と利便性が両立するのが未来の決済の形です。
参考
http://eczine.jp/news/detail/2208?utm_source=dlvr.it&utm_medium=facebook
http://ecclab.empowershop.co.jp/archives/4013
http://www.opt.ne.jp/column/journal/detail/id=2876
http://app-review.jp/news/257560