プッシュ通知の新トレンド!シチュエーションマーケティングへの活用
今回は、プッシュ通知の活用方法に関する新たなトレンドについて、ご説明をさせて頂きたいと思います。
1. One to Oneレコメンド情報のプッシュ配信
これまでのプッシュ通知は、一斉配信、セグメント別配信、位置連動配信といった配信方法が一般的でした。
一斉配信による一律キャンペーン告知、セグメント別配信による大まかな顧客属性にあわせたキャンペーン告知、位置連動配信による店舗の商圏顧客向け来店促進告知やタイムセール告知等です。
もちろん、前述の各種プッシュ通知は施策の認知向上、来店促進や購買促進等に有効ではあるのですが、本来、ニーズもシチュエーションも顧客1人1人毎に異なるはずです。
最近ではアプリと会員情報を連携させた運用を進める企業も増え、それに伴い、「購買データ」と「行動データ」を紐づけた上で、1人1人に異なる情報をプッシュ配信するという事が始まっています。
例えば、過去の購買履歴やお気に入り履歴のみならず、訪問したが購入に至らなかったなどの店舗での行動情報、来店回数や頻度なども統合的に把握した上で、おススメの商品の入荷があったタイミングにプッシュ通知を配信するといった運用も実現しつつあります。
2. シチュエーションマーケティング
現在、多くのプッシュ通知の運用担当者は「朝7時~8時頃は通勤時間帯なので、プッシュ通知を送ると電車に乗っている人々に開封されやすいだろう」「平日の12時頃は働いている方々は昼休みなので、プッシュ通知が開封されやすいだろう」といったかたちで、過去の経験則に基づいて仮説を立てながら配信内容や配信タイミング等を検討されていると思います。
しかしながら、デモグラフィック属性が同一であったとしても、1人1人のシチュエーションは異なります。
1人1人のシチュエーションを踏まえた上で、その人が「読みたい内容」のプッシュ通知を「読みたいタイミング」に「読みたい場所」で配信する事で、プッシュ通知の効果を最大化する事が可能となります。
弊社の実験では、1人1人の普段の行動パターンから、例えば「各々が家でくつろいでいるシチュエーション」をシステムで推定しプッシュ配信を行った場合(配信タイミングや場所は人により各々異なる)と通常のプッシュ配信とを比較し、開封率が1.6倍向上したという結果を得ることができました。
出張のために新幹線に乗ったシチュエーション、恋人とのディナーを終えたシチュエーション、フェスイベント参加後の気分が高揚したシチュエーション等、個々人の様々なシチュエーションを踏まえ、その状況において個々人が最も心地の良いと感じられるプッシュ通知を配信するというような事が可能になりつつあります。
3. 自動最適化
上述のOne to Oneレコメンド、シチュエーションマーケティングを実現するためには、大量のデータを扱い、かつ高速にPDCAを回していく事が必要となるため、システムを活用した自動最適化が必要不可欠となります。
どのような内容のプッシュ通知をどのようなシチュエーションの際に配信するとどのような結果が得られるかをユーザー1人1人毎に蓄積し、ユーザー1人1人毎に最適なコミュニケーションの図り方を学習し、実践を続ける事により、幅広い層のお客様と関係性の強化を図る事が可能となります。
プッシュ通知活用の新たなトレンド、いかがでしたでしょうか。
一斉一律にキャンペーンの告知を送る、売れ筋の情報を配信する、過去に見た情報に直接的に関連する情報だけを延々と送り続ける、という時代から、1人1人の興味、関心、嗜好性に加え、ユーザーがどのような状態・シチュエーションにあるかを想定した上で、最適なコミュニケーションを図るためにプッシュ通知が活用されるという時代に差し掛かっています。
常にユーザー視点を最重視しつつ、企業とユーザー間でのコミュニケーションを活性化させていくためにはどうすべきか?という考え方を持って、プッシュ通知という技術を活用していきたいですね。