もうすぐ実用化?人手不足を解消する無人装置の紹介
アメリカでは、アマゾン・ドット・コムが決済不要、買い物のスピード化が図れる新型店「Amazon Go(アマゾン・ゴー)」の展開を発表しました。その実現には、店舗内やレジにおいてセンサーやカメラ、人工知能(AI)が活用されています。日本でも労働力人口の減少による人手不足を解消するために、最新技術を用いた様々な取り組みが行われています。
1.総人口の推移と少子高齢化
国立社会保障・人口問題研究所の調査結果によると、日本の人口は2010年の国勢調査結果では 1 億2,806 万人でした。推計によると、今後長期の人口減少過程に入り、2030年に 1 億 1,662 万人に、2048年には 1 億人を割って 9,913 万人となり、2060年には 8,674 万人になるそうです。(出生中位推計の結果)
また、労働環境を考えるうえで重要となる「生産年齢人口(15~64歳の人口)」は2010年の時点で8000万人以上だったものが、2030年に6700万人ほどになり、生産労働人口約1.8人で高齢者1人を扶養することになると言われています。
2.ロボットによる人手不足解消への取り組み~無人レジの実用化に向けた実証実験~
ローソンとパナソニックはコンビニエンスストアで商品の会計や袋詰めを自動化する無人レジの実証実験を始めました。
買い物後のカゴをレジに置くと、自動で会計金額が表示され、現金またはクレジットカードで支払いをすますと、自動で袋詰めを行うというもの。
実証実験のスタート時点では、商品のバーコードをカゴに取り付けた読み取り機に顧客自身がかざすという仕組みでしたが最終的には商品ひとつひとつに電子ダグをとりつけ、顧客自身が読み取り機に商品をかざす手間をなくす予定です。
ただし、1枚10~15円と言われる電子タグの価格が実現に向けた大きな障害ではあります。
流通業界全体への普及によるコストダウンが実現へのポイントになりそうです。
3.ロボットによる人手不足解消への取り組み~千葉市幕張新都心を中心としたドローンによる配送の実証実験~
国家戦略特区に選ばれた千葉市では、航空法の規制を緩和してドローンを活用した様々な宅配サービスの実証実験を行っています。
2016年4月と11月には実際にドローンとスマホアプリを使ったデモンストレーションを実施。イオンモール幕張新都心からの物資搬送(ワインボトル720ml)と打瀬3丁目公園から高層マンションへの垂直飛行による市販薬の搬送、専用のショッピングアプリを活用したモバイルバッテリーと書籍の配送の3回の実証実験は成功に終わったようです。
千葉市では実証実験を踏まえて2019年にはドローン宅配を実現したいとのこと。周辺住民の安全や騒音問題、飛行経路等の法整備をはじめとした課題は多いものの、周辺の臨海部には物流倉庫が多い幕張新都心の立地特性を生かした新しい宅配サービスの実現に期待したいですね。
昨今、即日配達や不在再配達による宅配ドライバーの長時間労働や小売、飲食業での人手不足など様々な問題が顕在化してきましたが、新しい技術開発やその検証が進むことで、人々の生活が便利に豊かになることはそんなに遠くはないのかもしれません。