アプリを継続して使い続けてもらうためには?〜プッシュ通知の有効活用〜
こんにちは。
マーケティンググループの松岡(まつおか)です。
マーケティングブログでは、アプリマーケティングを行う上で理解しておくべき概念やゴールの決め方、施策を行うヒントなどを発信しています。
本日はアプリマーケティングに欠かせない「プッシュ通知」の有効活用法についてご紹介します。
1. アプリが得意なこと
継続的なコミュニケーション
米調査会社ComscoreとCriteoの調査レポートによると、Webと比較してアプリの方が滞在時間が約18倍長く、購入率も約5倍高いというデータがでています。
そのため、お客様との継続的なコミュニケーションはWebよりもアプリのほうが得意であるということが言えます。
出典 : Comscore「The 2015 U.S. Mobile App Report」、 Criteo「グローバル調査レポート 日本版:2018年 第1四半期」
※画像は上記レポートをもとにアイリッジにて作成
では、アプリを継続的に利用し続けてもらうためにはどうすればいいでしょうか?
何も施策を行わないままでいると、30日後にはアプリユーザーの96%が離脱してしまいます。
出典:「Adjust Global App Trends 2019」
※画像は上記レポートをもとにアイリッジにて作成
アイリッジが言い続けているのは、「アプリは決して作って終わりではなく、使い続けてもらうための “施策” が重要」ということです。
その施策として、今回ご紹介する「プッシュ通知」 が非常に有効なのです。
2. プッシュ通知とは
プッシュ通知とは、アプリからメッセージやニュース速報、天気予報やセール情報などのお知らせをユーザーのデバイスに配信する機能のことです。
スマートフォンのロック画面やホーム画面に新着メッセージが表示されるのもプッシュ通知です。
アプリやブラウザを開いているときのみ表示される通知もプッシュ通知に含まれますが、区別するために「アプリ内プッシュ通知/アプリ内メッセージ」と呼ばれることもあります。
表示方法も複数の種類があり、アプリやサービスのアイコン上に表示される「バッジ」や、デバイス画面の最前面に表示しユーザーに操作を促す「ポップアップ」、画面の上部や右上に表示される「バナー」などがあります。
プッシュ通知のメリットとデメリット
アプリの継続率に効果的なプッシュ通知ですが、メリットの反面デメリットも存在します。
ここではそれぞれ3つずつご紹介していますが、両者を把握し効果的な運用をすることが大切です。
メリット
1.アプリ起動のきっかけに
アプリをダウンロードしていれば、アプリを自ら開かなくても通知が届きます。
2.高い開封率
従来のメルマガと比較すると、プッシュ通知の開封率が高くなるケースが多いです。
3.高度な配信設定
属性やアプリ内行動、位置情報などの多彩なセグメントごとの配信が可能です。
デメリット
1.事前許諾が必要
ダウンロードユーザーの中でもプッシュ通知を許諾していないユーザーには通知が届きません。
2.アンインストールのリスク
時間帯や頻度、内容によってはプッシュ通知が原因でアプリ自体をアンインストールされてしまうこともあります。
3.運用コスト増
ユーザーをセグメントし、内容・時間を考え施策を行うのは運用の工数がかかります。
3. ユーザーが喜ぶプッシュ通知とは
注意すべきポイント
デメリットの2番目で挙げたように、プッシュ通知は内容や頻度によってはアンインストールのきっかけとなるリスクも持ち合わせています。
下記図では、平均23%ものユーザーがプッシュ通知を理由にアプリをアンインストールしていることがわかります。
10代〜50代の男性(6,547人)女性(2,202人)へのアンケート調査
出典:アプリマーケティング研究所
※画像は上記データをもとにアイリッジにて作成
せっかくDLしてもらったアプリをアンインストールされないためにも、ユーザーに喜んでもらえる情報を配信する必要があります。
では、ユーザーはどういった情報を求めているのでしょうか。
プッシュ通知をONにしている理由を確認してみると、「セール情報やキャンペーン情報がタイムリーに確認できるから」「クーポンが届くから」「クーポンの有効期限やポイントの執行日を知らせてくれるから」という理由が上位にランクインしています。
お得情報や損しないための情報などユーザー自身が欲しいと感じる情報が届くのであれば、プッシュ通知の許諾も得られることがわかります。
出典:NTTコム オンライン「小売店 業種別 公式スマホアプリ調査2018 秋」
4. プッシュ通知のアプリ利用継続率に対する効果
6ヶ月後アプリ継続率25%
6ヶ月後のアプリ継続率をみてみると、プッシュ通知OFFのユーザーが13%の継続なのに対し、ONのユーザーは25%が継続しているという結果が出ています。
このようにプッシュ通知は、適切に配信することで継続率に大きな影響を与えることができる施策です。
1Urban Airship 使用の2400アプリケーション/5億プッシュによる統計
出典:アプリマーケティング研究所
※画像は上記データをもとにアイリッジにて作成
ユーザー状態に合わせた配信で開封率UP
また、プッシュ通知の開封率をあげる施策としては、全ユーザーへの一斉送信ではなく、ユーザの状態に合わせた配信を行うことが効果的であると言われています。
5. 【具体例】効果的なプッシュ通知の配信方法
開封率、アプリの継続率に直結するプッシュ通知の効果的な配信方法をご紹介します。
①クーポンの有効期限リマインド
ユーザーセグメント
クーポンを保持している/有効期限が残3日/クーポンが未使用
タイミング
有効期限3日前
内容
クーポン有効期限のリマインド
②お気に入り店舗(商品)のセール情報
ユーザーセグメント
お気に入り店舗 〇〇店/セール情報あり/セールの情報を受け取るにチェックあり
タイミング
セール開始3日前
内容
〇〇店のセール情報
プッシュ通知を活用し、アプリを継続的に使い続けてもらう
作って終わりのアプリではなく、プッシュ通知を通してユーザーと継続的に適切なコミュニケーションを図ることで、より便利に長くアプリを利用してもらいましょう。