スマホのプッシュ通知とは?メリットや活用する際のコツ等を解説

iPhoneやAndroidなどのスマホ端末に直接送り、アプリの起動やメッセージの開封を促すための機能が「プッシュ通知」です。

アプリが起動されていない状態でもユーザーに情報を届けられるため、マーケティングに役立ちます。

 

ただし間違った使い方をすると、効果が得られないだけでなく、アプリや企業へのマイナスイメージにつながってしまう恐れもあります。

プッシュ通知は配信する日時や内容、ユーザーの属性をしっかりと考えることが重要です。

 

そこで本記事では、スマホのプッシュ通知の重要性やメリット・デメリットを解説します。

プッシュ通知を活用する際のコツも紹介します。

プッシュ通知を上手く活用し、売上拡大や顧客ロイヤリティの向上を目指しましょう。

 

 

プッシュ通知とは

プッシュ通知とは、アプリの利用者の端末(スマホやタブレットなど)に直接送ることのできる通知です。

「本日からポイント3倍キャンペーン開催!」「アプリ限定のお得なクーポン配信中!」などとロック画面やホーム画面に表示され、タップすると通知元のアプリが起動します。

 

プッシュ通知はロック画面に表示されるため、アプリを利用していないときでもユーザーの目に止まりやすいのが特徴です。

また、プッシュ通知はもともとテキストのみの通知が一般的でしたが、最近では画像と一緒に表示させる通知も主流になりつつあります。

 

iPhoneとAndroidでのプッシュ通知の違い

プッシュ通知はiPhone・Androidどちらにも送ることができますが、通知の設定方法や通知の表示のされ方が少し異なります。

 

 

iPhone

Android

通知の受け取り設定

ユーザーがアプリごとに設定

デフォルトでオン

ロック画面での表示

ユーザーがアプリごとに設定

常に表示

 

iPhoneの場合、プッシュ通知を表示するかしないかはユーザー側が設定します

。App Storeから新しいアプリをインストールする際に「通知を受け取る」か「通知を受け取らない」かが選択でき、通知を拒否したアプリは再度オンにするまで通知が届くことはありません

 

一方、Androidの場合はアプリのインストール時、デフォルトでプッシュ通知の設定がオンになっています

通知をオフにするためには設定画面から1つ1つ設定する必要があるのです。

そのため、Androidユーザーはプッシュ通知をオンにしている傾向があります。

 

ただし、Android13以降のOSではiPhoneと同じくアプリインストール時の許諾制に変更になりましたので、今後はAndroid向けのアプリもそれに対応した仕様に変わっていくでしょう。

 

また、ロック画面でのプッシュ通知の表示も、iPhoneであればユーザーがアプリ単位で設定することが可能ですが、Androidのロック画面では常に表示される仕様になっています。

 

プッシュ通知の重要性

企業や店舗のマーケティングにおいて、プッシュ通知はとても重要だと言われており、その理由はスマホの普及率にあります。

 

総務省の調査(令和4年版 情報通信白書)によると、日本におけるスマホの保有率は88.6%です。

今や高齢者もスマホを使いこなす時代、ユーザーと接点を持つためにはアプリの活用が欠かせないのです。

 

さらにプッシュ通知はユーザーとアプリの接点を増やし、アプリへ誘導するために役立ちます。

ユーザーと接触する機会を増やしてユーザーの行動を促し、企業のマーケティングに貢献するのがプッシュ通知の役割です。

 

 

プッシュ通知の種類

プッシュ通知には、リモートプッシュ通知ローカルプッシュ通知の2種類があります。

それぞれ詳しく見ていきましょう。

リモートプッシュ通知

「リモートプッシュ通知」とは、iPhoneやAndroidなどのスマホがオンライン状態のときに、アプリから届く通知です。

チャットアプリの新着メッセージを知らせる通知や、ショピングアプリの期間限定セールのお知らせなどをイメージすると分かりやすいでしょう。

 

リモートプッシュ通知のメリットは、鮮度の高い情報をリアルタイムでユーザーに届けられる点です。

また、ユーザーがアプリを起動していなくてもロック画面やホーム画面に通知されること、スマホの電源がオフになっていても起動時に通知が届くこともメリットとして挙げられます。

 

ローカルプッシュ通知

「ローカルプッシュ通知」とは、ユーザーによる設定や、使用しているスマホの位置情報に応じて届く通知です。

具体的には、アラームアプリやリマインダーアプリ、スケジュールアプリが挙げられます。

リモートプッシュ通知と異なり、オフラインの状態でも通知が届くのが特徴です。

 

プッシュ通知のメリット

プッシュ通知には、以下のようなメリットがあります。

 

  • メールに比べて開封率が高く、メッセージが届きやすい
  • アプリの継続率を向上できる
  • 顧客ロイヤリティの向上を目指せる

それぞれ詳しく見ていきましょう。

メリット1 メールに比べて開封率が高く、メッセージが届きやすい

プッシュ通知はメルマガのような他の通知と比べると、開封率が比較的高い傾向にあります。

 

プッシュ通知を開くとそのままアプリ内のページに遷移するため、即効性のある集客や販促に役立ちます

メルマガの開封率が低くて集客に悩んでいるという方は、ぜひ一度プッシュ通知の実施を検討してみてください。

 

メリット2 アプリの継続率を向上できる

スマホのプッシュ通知は、アプリの継続率を上げることにも役立ちます。

 

アプリには、数回のみ利用して長い間放置してしまう人、いわゆる「休眠顧客」が存在します。

「多くのアプリをインストールしすぎて、このアプリの存在自体を忘れていた」なんて経験がある方も多いのではないでしょうか。

 

そんな休眠顧客に対して新着情報やお得情報などをプッシュ通知で配信すれば、再度アプリを利用してくれる可能性が高まります

クーポンやイベントの情報などをタイミングよく届ければ、リピート率の高いユーザーの獲得にもつながるでしょう。

 

メリット3 顧客ロイヤリティの向上を目指せる

プッシュ通知の活用は、顧客ロイヤリティの向上にも効果が期待できます。

顧客ロイヤリティとは、ブランドや商品、サービスへの信頼や愛着のことで、顧客単価やリピート率の向上につながります。

 

顧客ロイヤリティを高める手段としては、これまでメルマガやDMなどが効果的だとされてきました。

しかしこれらには、メールアドレスや住所などの個人情報が必要だったり、情報を発信してからユーザーの手に届くまでにタイムラグが発生したり、開封率が高くなかったりするなどのデメリットがあります。

 

スマホのプッシュ通知であればメルマガやDMのデメリットをカバーできるため、より「ファン化」してもらいやすくなるのです

 

プッシュ通知のデメリット

プッシュ通知にはメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。

 

  • ユーザーに配慮した配信設計が必要
  • アプリへの不信感につながるリスクがある

それぞれ解説していきます。

デメリット1 ユーザーに配慮した配信設計が必要

プッシュ通知は、送れば必ず効果が出るものではありません

例えば、何のお知らせか分かりにくいものや、仕事中や就寝中でスマホを確認できないときに届いたものなどは開封されにくいでしょう。

 

効果的なプッシュ通知を配信するには、アプリユーザーの行動や属性を把握したうえで、どのような内容や配信頻度・配信タイミングが喜ばれるのかなどをしっかりと検討することが重要です。

 

デメリット2 アプリへの不信感につながるリスクがある

プッシュ通知は、必ずしもユーザーにとって良いものだとは限りません

あまりにも通知が多かったり、内容に興味がなかったりすると、通知をオフにされたり、アプリ自体を削除されたりします。

実際、プッシュ通知が原因でアプリをアンインストールした経験がある方も多いでしょう。

最悪の場合、アプリや運営元に対する不信感にもつながりかねません。

 

そういったリスクを防ぐためにも、配信する側は内容や配信回数に気をつける必要があります

 

プッシュ通知を活用する際のコツ

では、プッシュ通知を配信する際には具体的にどのようなことに注意すれば良いのでしょうか。

プッシュ通知を活用する際のコツを3つ紹介します。

コツ1 ユーザーが興味を持つ文面を作る

まずは、ユーザーが興味を持つような文面を作ることが重要です。

前述したとおり、プッシュ通知はメリットがある一方、アプリをインストールされたり、アプリや企業に対してネガティブな感情を抱かせてしまったりするリスクもあります。

ユーザーが「開封したい」「自分にメリットがある」と思う内容を文面に落とし込みましょう

 

一般的に開封率が高いとされるプッシュ通知は、クーポン情報や期間限定商品のお知らせなどです。

とはいえ、実際にユーザーがどんな内容に興味を持つのかはアプリの特性やユーザー層によっても異なります。

ABテスト(※1)を複数回繰り返し、自社の正解を見つけましょう。

※1「ABテスト」
特定の要素1箇所を変更したAパターン、Bパターン(2つ以上のケースもある)を作成し、ランダムにユーザーに表示させ、それぞれの成果を比較することでより高い成果が得られるものを見つけるテストのこと。

 

コツ2 内容によって配信するユーザーを分ける

より効果的にプッシュ通知を配信するには、ユーザー層によって配信内容や文面を分ける方法もおすすめです。

 

一般的にプッシュ通知やメルマガなどは、自分にカスタマイズされていればいるほど開封率が高くなります。

例えば「〇〇アプリを使っている人限定のクーポン」よりも「25歳のあなただけの特別クーポン」のほうがより特別感を感じられ、見てみようという気持ちになりやすいのです。

 

そもそも、ユーザー属性によって何をお得に感じるかも異なるはずです。

ユーザーの性別や年齢、住んでいる地域、行動データなどをもとにプッシュ通知を配信することで、より高い効果に期待できるでしょう。

 

コツ3 配信時間を工夫する

プッシュ通知はいつでも配信できますが、いつでも同じような効果を得られるわけではありません。

文面が工夫されていても、朝早すぎる時間や夜遅すぎる時間はユーザーに嫌われてしまう可能性があるため、避けるのが無難です。

 

プッシュ通知におすすめなのは、通勤時間やお昼休憩時間、夕方以降の比較的ゆっくりできる時間帯です。

自分がどの時間帯にスマホを使用しているかを考えるとイメージがしやすいかもしれません。

 

ただし、効果を得やすい時間はアプリの内容やユーザー層によって異なります。

最適な配信時間を見定めるのにも、ABテストの実施がおすすめです。

 

 

プッシュ通知の仕組み

最後に、技術的な話になりますが、iPhoneやiPad、Androidにプッシュ通知が届く仕組みを解説します。

 

iPhoneやiPadの場合は、APNs(Apple Push Notification Service)という仕組みが使われています。

APNsとは、端末を識別するためのIDをAppleのサーバーに送信し、アプリ内でそのIDを読み取ることでサーバーからの通知を各端末にプッシュ通知として転送する仕組みです。

 

一方Androidでは、FCM(Firebase Cloud Messaging)という仕組みが使われています。

FCMは、ユーザーが通知設定をオンにするとIDがサーバーに送信され、サーバー内にメーセージの内容が送られると各端末にプッシュ通知が届く仕組みです。

これまでAndroidでは「GCM(Google Cloud Messaging)」という仕組みが使われていましたが、2019年4月の廃止によってFCMへの移行が行われています。

 

iPhoneやAndroidに関わらず、ローカルプッシュ通知の場合はIDは発行されません

アプリのシステムによってプッシュ通知を配信するため、上の2つと比べると比較的簡単にアプリに組み込めます。

 

まとめ

本記事では、スマホのプッシュ通知について、重要性やメリット・デメリット、効果的なアプリ運用のための活用法を解説しました。

日本におけるスマホの保有率が9割近い今、スマホのプッシュ通知は企業や店舗のマーケティングに欠かせません

 

スマホのプッシュ通知には、メールと比べて開封率が高い」「アプリの継続率を向上できる」「顧客ロイヤリティの向上を目指せる」などのメリットがある一方、「ユーザーに配慮した配信設計が必要」「アプリへの不信感につながるリスクがある」などのデメリットも存在します。

 

また、効果的なプッシュ通知を配信するにはユーザーが興味を持つ文面を作ること、内容によって配信するユーザーを分けること、配信時間を工夫することが重要です。

 

プッシュ通知を上手く活用してアプリをアピールできれば、アプリの継続率の向上につながります。本記事でご紹介したコツを参考に、プッシュ通知を有効活用できるようにしていきましょう。

 

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