LINEミニアプリとは?導入するメリット・デメリットや導入方法、導入事例を解説
「自社アプリを開発したいけど、できるだけ開発費用を抑えたい」「お客様とオンラインでの接点を増やしたい」という悩みはないでしょうか。
そんな企業や店舗の方におすすめなのが、「LINEミニアプリ」です。
LINEミニプリとは、コミュニケーションアプリ「LINE」のプラットフォームを利用して動作するアプリのことです。
通常のアプリよりも気軽に導入できる上にメリットも多いため、さまざまな企業や店舗が活用しています。
本記事では、LINEミニアプリの概要を解説するとともに、企業や店舗、そしてユーザーがLINEミニアプリを使うメリットなどを解説します。
LINEミニアプリの事例や開発にかかる費用の目安なども紹介しますので、LINEミニアプリの導入を検討している方はぜひ参考にしてください。
LINEミニアプリとは
LINEミニアプリとは、コミュニケーションアプリ「LINE」を提供するLINE株式会社が提供するアプリ開発サービスのことです。
母体となるアプリ「LINE」の中で動作する小さなアプリという意味で、「ミニアプリ」と呼ばれています。
LINEミニアプリでは、予約や順番待ち、デジタル会員証、モバイルオーダーなど、店舗やサービスの運営に必要なさまざまな機能が利用できます。
若い世代からシニア世代まで多くの人が利用している「LINE」上で自社サービスを展開できることが最大のメリットとして挙げられるでしょう。
LINEミニアプリの特徴は、スマホやタブレットなどの端末へのダウンロードが必要ないことです。
通常のアプリ(ネイティブアプリと呼ばれていて、SNSアプリや乗り換えアプリなどが該当します)は「App Store」や「Google Play ストア」などから端末にダウンロードする必要がありますが、LINEミニアプリはLINEさえインストールされていれば誰でも気軽に使うことができます。
LINEミニアプリが注目される理由
では、なぜLINEミニアプリは多くの企業や店舗で導入されているのでしょうか。
その理由は、アプリに対するユーザーの意識や行動が関係しています。
OMO(Online Merges with Offline:オンラインとオフラインの融合)やD2C(Direct to Consumer:製造者が消費者に対してダイレクトに取り引きすること)が加速している今、企業や店舗、ブランドはアプリをはじめとするデジタルツールの導入が欠かせません。
ユーザーにとって利便性の高いサービスを提供することで、囲い込みや顧客ロイヤルティを保つことができるためです。
しかし、ネイティブアプリはアプリケーションストアにアクセスしてダウンロードする必要があるため、それを手間に感じるユーザーも少なくありません。
中には、スマホやタブレットのホーム画面が散らかることを気にして、ダウンロードするアプリは最小限に収めている人もいるでしょう。
そんな中、端末へのダウンロードが必要なく、ホーム画面にアイコンが追加されないLINEミニアプリが注目されているのです。
LINEミニアプリでできること
LINEミニアプリでは、以下のようなさまざまな機能が利用できます。
機能 |
詳細・利用シーン |
受付予約 |
飲食店や美容院などの予約や調剤薬局の受付ができる機能。LINE公式アカウントと連携していれば、お知らせを通知することもできる。 |
順番待ち予約 |
整理券を配布できる機能。行列や店内の混雑を避けられるため、感染症対策としても効果的。前日にリマインドしたり、順番が回って来た際に通知したりできる。 |
テーブルオーダー(店内注文)/モバイルオーダー(店外注文) |
事前にLINEで商品を注文し、来店したらすぐに受け取れる機能。店員との会話が不要で、効率的な接客が実現する。決済機能を付ければ、レジでの金銭受け渡しも不要に。 |
デジタル会員証 |
QRコードを読み込むだけで会員登録ができ、会員証の提示もワンタップでできる機能。個人情報を紙に書き込んだり、会員証を持ち歩いたりする必要がないため、ユーザーの利用ハードルを下げられる。紛失の心配もない。 |
ここで紹介したのはあくまでも代表例で、LINEミニアプリは利用シーンに応じて個別に開発することも可能です。
「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」の違い
「LINEミニアプリ」と「LINE公式アカウント」は、どちらもLINEを活用したサービスですが、その目的と機能には大きな違いがあります。
LINEミニアプリは、LINE上で予約受付、デジタル会員証、順番待ち管理などのサービスを提供できるWebアプリです。新たなアプリをインストールすることなく、LINE内でさまざまな機能を利用できる点が特徴です。一方、LINE公式アカウントは、企業や店舗が開設し、ユーザーにメッセージ配信やクーポンの提供を行うことで、販促活動やリピート率の向上を目的としており、併用することで相乗効果が期待できます。
例えば、LINEミニアプリを利用するにはLINE公式アカウントの「友だち追加」が必要なため、ミニアプリの活用を通じて公式アカウントのフォロワーを増やし、販促効果を高めることが可能です。
LINE公式アカウントとLINEミニアプリの特徴を比較
LINE公式アカウントとLINEミニアプリの使い分けを考える上で把握しておくべき内容の1つが特徴です。それぞれの特徴を詳しく解説していきましょう。
使い分けや位置づけを考えるうえでしっかり把握しておきたいのが、その特徴です。LINE公式アカウントとLINEミニアプリとの違いは、大きく3つに分けることができます。
ビジュアル
LINE公式アカウントは、LINEのネイティブアプリ領域の一つである「トーク」内で運用されます。そのため、見た目も一般利用者同士がメッセージをやり取りする画面とさほど変わりありません。送信するメッセージにバナー画像を多用したり、リッチメニューを追加したりして見栄えや機能面を向上させることはできますが、あくまでトーク画面の制限の中でのことです。
一方LINEミニアプリは、LINEアプリ内のサードパーティが自由に設計できる領域内に構築されます。ここでは、WEBサイトで表現可能なデザインはすべて実現可能です。そのため、企業ごとに多種多様なビジュアルを構築することができます。
ユーザーデータの取得
2つめは、マーケティングを考えるうえで非常に重要な、ユーザーデータの取得についてです。
LINE公式アカウントは、ユーザーからは1対1のトーク画面として見えています。ですので、どのユーザーがメッセージを見たか、クーポンを取得したかなどのデータが取れそうに思えます。しかしながら、公式アカウントの運営側からは、配信対象の全ユーザーにおける既読率などの数値しか見ることが出来ません。
ではLINEミニアプリはどうでしょうか。LINEミニアプリのユーザーには、それぞれ固有のユーザーIDが付与されます。そのユーザーIDごとのデータを運営側で取得することができるのです。例えば、ミニアプリ上でアンケートを行い、その結果をもとにセグメント(※)を作ってよりリーチしやすいアプローチを行ったりということが可能です。
※セグメントについて詳しくはこちらの記事をご覧ください。
配信機能
3つ目は、配信機能の有無です。
LINE公式アカウントでは、ご存じの通りメッセージの配信が可能です。文字情報やスタンプだけでなく、クーポンなども配信できます。他にも、宅配便の再配達依頼など、便利な使い方がたくさんあります。
一方、LINEミニアプリにはメッセージの配信機能はありません。ミニアプリを利用中のユーザーに対して、アプリ内でバナーメッセージのようなものを掲出することは可能です。ですが、公式アカウントのようにパッシブにメッセージを送ることはできません。
LINE公式アカウントとLINEミニアプリの活用方法
ここまでで3つ、LINE公式アカウントとLINEミニアプリの特徴を挙げてきました。それぞれの得意なこと、不得意なことが見えてきたのではないでしょうか。ここで、その内容をわかりやすく表にまとめました。
LINE公式アカウント | LINEミニアプリ | |
ビジュアル | △ | ◯ |
ユーザーデータ | ✕ | ◯ |
配信機能 | ◯ | ✕ |
これらを踏まえて、アイリッジではLINE公式アカウントとLINEミニアプリを併用したマーケティングをお勧めしています。このやり方は、特に店舗をお持ちの業態の方にとって非常に効果的です。
上の図のように、店頭のQRコードからユーザーにLINEミニアプリを認証してもらいます。LINEミニアプリを認証すると同時に、ミニアプリに友だち追加のボタンが出ますので、そのまま同時に公式アカウントの友だちを増やすことができます。その後実際にユーザーにLINEミニアプリを使ってもらい、データを取得します。そのデータに基づいて、公式アカウントのトーク画面にパーソナライズされたメッセージを送ります。これを繰り返すことでサービスの魅力を伝え、ライトユーザーをリピーターへ、リピーターをロイヤルカスタマーへと育てていくことを目指します。
LINEミニアプリを使うメリット
LINEミニアプリを使うメリットを、ユーザー側と企業側(運営側)に分けて解説していきます。
【ユーザー側】LINEミニアプリを使うメリット
ユーザーがLINEミニアプリを使うメリットとして挙げられるのは、以下の2点です。
- ダウンロードの手間がかからない
- ホーム画面の見栄えや端末の容量が気にならない
ネイティブアプリをダウンロードする場合、「App Store」や「Google Play ストア」などのアプリケーションストアにアクセスし、端末にダウンロードする必要があります。
一方のLINEミニアプリは、LINE上でアプリを選択するだけで簡単に利用可能です。
アプリのダウンロードが面倒なユーザーにとっては、アプリ利用のハードルがかなり低くなるでしょう。
また、LINEミニアプリは起動から利用までLINE上で完結するため、ホーム画面の見栄えや端末の容量を気にしなくて良いのもメリットです。
「何回も使うか分からないクーポンのためにアプリを増やしたくない」「このアプリは全く使ってないから削除しよう」という事態を避けられます。
【企業側】LINEミニアプリを使うメリット
様々な機能が搭載されているLINEミニアプリには、企業側(運営側)にとってどんなメリットがあるのでしょう。主に挙げられるメリットは以下の4つです。
- 短期間・低コストで開発ができる
- ユーザー側の利用ハードルが低い
- 顧客との接点が増える
- ユーザーの行動データを取得できる
それぞれについて詳しく解説していきます。
短期間・低コストで開発ができる
LINEミニアプリの導入時には、既存のパッケージを利用するケースが多い傾向です。用途に合わせて既存の機能を選ぶだけで開発できる仕組みです。また、アプリといってもAndroidやiOSがあるため、それぞれ個別で開発する必要があると考える方もいますが、LINEミニアプリであれば個別開発する必要がありません。
高セキュリティかつ安定性のあるLINEのプラットフォームを活用するので、追加メンテナンスも必要ない点がメリットです。こうした特徴があることから、LINEミニアプリには独自のアプリを開発するよりも短期間での開発が可能な利点があります。開発コストを抑えることにもつながるので、比較的容易にアプリ導入できる部分が魅力だと言えます。
ユーザー側の利用ハードルが低い
LINEミニアプリはユーザーが手軽に利用できる点がメリットです。通常のアプリであれば、アプリストアからアプリをダウンロードする必要があります。通信料やストレージを消費する点にデメリットを感じる方もいるはずです。しかし、LINEミニアプリであればスマホのストレージを圧迫する心配がありません。アプリのアイコンが増えることもないため、スマホのホーム画面をすっきりと保つことにもつながります。
また、アプリを利用するためには新規登録のために個人情報を入力しなければいけないケースもあります。氏名や生年月日、メールアドレスやパスワードなど、あらゆる項目を埋める必要があるため、手間だと感じて登録を躊躇してしまう方も中にはいます。
しかし、LINEミニアプリであれば追加でアプリをダウンロードする必要がありません。利用するためにはQRコードやURLを読み込んでLINEを開くだけで自動でLINEユーザーIDと紐づけられる仕組みなので、数秒で利用をスタートできます。ログインへのハードルが下がれば、その分利用してくれるユーザーも増えることが予想できるはずです。
顧客との接点が増える
LINEミニアプリを導入すると顧客との接点が増える点も魅力です。ユーザーがはじめてLINEミニアプリを利用する際、認証画面が表示されます。その際にはプロフィール情報やトークメッセージの送信権限を確認できる仕組みです。LINEミニアプリでは、「公式LINEアカウントの友だち追加する」というオプションを表示できるため、ユーザーが友だちに追加してくれれば、そのユーザーとの接点が増える仕組みです。
LINEミニアプリを利用してもらうだけではなく、公式LINEアカウントへの流入を促せるため、継続的な接点を築けます。ユーザーに対しては、公式LINEアカウントを活用して、最新情報やお得な情報、クーポンやメッセージなどを定期的に配信できるので、顧客とのつながりを強化でき、リピート率アップの実現も目指せるようになります。
ユーザーの行動データを取得できる
ユーザーの行動データを取得できる点もLINEミニアプリ導入のメリットです。ユーザーがLINEアプリを利用していくと、顧客情報が蓄積されていきます。
LINEのユーザー情報だけではなく、お店への来店回数や最終来店日時、購入した履歴や離脱ポイントといったデータ内容です。これらのデータをマーケティングで活用すれば、満足度をさらにアップできるサービスや手法の改善に取り組めます。
例えば、LINEミニアプリのモバイルオーダーを活用してスイーツを多く注文していたユーザーに対しては、LINE広告でスイーツ関連のものを掲載すれば商品購入を促すことが可能です。従来活用していた、電話での来店予約や紙のポイントカードの活用、順番待ち発券機を活用したオペレーションなどでは手に入らない、膨大な行動データが手に入るのは、経営側にとっては大きな魅力となるはずです。マーケティング手法で悩んでいる方やユーザーに合った情報を提供したいのであれば、LINEミニアプリの導入を検討してみてください。
LINEミニアプリのデメリット
LINEミニアプリを導入すると様々なメリットが享受できます。しかし、その一方でデメリットとなる点もあるので注意が必要です。
- 独自性を出すのが難しい
- LINEに依存してしまう
- 一定のコストがかかってしまう
導入してから後悔しないためにも、あらかじめリスクを把握してから活用を検討してください。
独自性を出すのが難しい
LINEミニアプリでパッケージ版を利用する場合、コストを抑えられる点が魅力ですが、一般的なアプリとなるネイティブアプリのように店舗の独自性を出すことが難しいデメリットがあります。実装できる機能やデザインに制限があるため、他のお店との差別化が難しくなってしまいます。
オリジナル性を出すためにも、自社開発でLINEミニアプリの開発を検討する方もいますが、その場合はネイティブアプリを開発する時と開発コストが変わらなくなるケースもあります。LINEミニアプリ上には、同じ機能を持つ競合他社も多く存在しています。
差別化を図るため、ユーザーにより高い魅力を感じてもらうためにも、適切な宣伝の実施やマーケティングの戦略が必要になるでしょう。
LINEに依存してしまう
LINEミニアプリは母体となるLINEに依存してしまう傾向にあります。LINEミニアプリの機能面やUI/UX面で工夫をしたとしても、LINE側で仕様変更があればユーザビリティが大きく左右されるデメリットがあります。
また、LINEミニアプリを公開するためには、LINEによる審査を通過する必要もあります。LINEのガイドラインに準拠する必要性がある他、審査に時間がかかるケースもあります。公開までのハードルが高い点に注意してください。
また、LINE内で機能するので、LINEアプリをインストールしていないユーザーにはアプローチできません。日本ではLINEを活用しているユーザーは多数存在していますが、外国人の場合はLINEを活用していない方も多いです。その場合は、リーチできないのでネイティブアプリの方が使い勝手がよくなります。ターゲットに合わせた導入が不可欠です。
一定のコストがかかってしまう
ネイティブアプリと比較するとLINEミニアプリは開発コストを抑えられますが、一定のコストが必要になる点は覚えておきましょう。必要なコストとしては、初期費用や月額費用などが挙げられます。
コストがゼロになるわけではないので、予算を出してからの導入を検討してください。
LINEミニアプリと相性のいい業界と業界別活用法
LINEミニアプリは、さまざまな業界で活用できる柔軟なツールです。飲食、美容、小売、薬局、金融業界など、幅広い分野でその利便性が発揮され、顧客満足度や業務効率の向上につながります。ここでは、各業界ごとの具体的な活用方法を紹介します。
飲食業界
飲食業界では、LINEミニアプリを活用することで、業務の効率化や顧客とのスムーズなコミュニケーションを実現できます。たとえば、予約受付やテーブルオーダー機能を導入することで、顧客の利便性が向上し、スタッフの負担も軽減されるでしょう。
また、デジタル会員証を利用することで、来店客のデータをもとにしたリピーター獲得施策を容易に展開できます。このように、飲食業界での活用には大きなメリットがあります。
活用法1:テーブルオーダーシステムの導入
テーブルオーダーシステムをLINEミニアプリで導入することで、飲食店は大きく業務効率を改善できます。
顧客は、QRコードを読み取るだけで自分のスマートフォンから注文を行えるため、店員を呼ぶ必要がなくなります。また、顧客は自分のペースで注文でき、店側は注文ミスの減少やピークタイムの対応効率向上が期待できるでしょう。このシステムは顧客体験の向上に加え、人手不足解消やスタッフの負担軽減にも役立つ点が特徴です。
テーブルオーダーシステムはとくにファストフードやカフェなど、注文頻度が高い業態で効果的に利用されるでしょう。結果的に、店舗の運営効率が向上し、顧客満足度も高まるため、導入を検討する価値が十分にあります。
テーブルオーダーシステムの利点についてこちらのウェビナーで詳しく解説しています。
活用法2:ポイントカードやキャンペーンによるリピーターの獲得
LINEミニアプリを活用することで、ポイントカードやキャンペーンを通じたリピーターの獲得も効果的に行えます。
たとえば、来店時にポイントが自動で加算されるデジタル会員証を提供することで、顧客はスマートフォン一つで簡単にポイントを管理できます。また、特定の期間や条件に応じてクーポンや特典を配布するキャンペーンも容易に設定可能です。その結果、顧客は再来店する動機が強まり、店舗側は顧客の利用傾向に合わせたマーケティング施策を展開できます。
こうしたポイントカードやキャンペーンの活用は、とくに競争が激しい飲食業界で重要な差別化の手段となり、リピーターの増加につながるでしょう。
美容業界
美容業界でも、LINEミニアプリは顧客との接点を強化するツールとして活用されています。
予約管理や会員証のデジタル化により、店舗スタッフの負担を減らすだけでなく、顧客にとっても便利で快適なサービス体験を提供できるようになります。また、LINEを通じたクーポンやリマインド機能の活用により、リピーターを効果的に増やすことも可能です。
このように、美容業界では効率的なサービス運営が実現できます。
活用法1:会員証や予約管理の効率化
LINEミニアプリを利用することで、会員証や予約管理の業務を効率化できます。
たとえば、顧客はLINE上で予約の確認や変更が可能になるため、電話などの対応も減らせるでしょう。また、来店時に提示するデジタル会員証により、スムーズにサービスを受けられます。
この仕組みによって、予約漏れや重複予約といったトラブルが減り、スタッフの業務効率も向上します。さらに、顧客情報をもとにリピート利用を促すプロモーションも簡単に実施できるため、美容業界にとっては顧客満足度の向上と業務の効率化の両方を実現できる便利なツールとなるでしょう。
活用法2:クーポン配布・リマインダー機能の活用
クーポン配布やリマインダー機能を活用することで、顧客との関係をさらに深めることが可能です。
たとえば、LINEミニアプリを通じて利用期限の近いクーポンや、次回予約のリマインドを自動で送信することで、リピーターの獲得につながるでしょう。これにより、顧客が他の店舗を選ぶことを防ぎ、定期的な利用を促進できます。
また、顧客の誕生日や特別なイベントに合わせた特典メッセージの配信も容易に行えます。こうしたリマインドや特典の提供は、顧客とのつながりを維持し、長期的なリピーターを獲得するために効果的です。
小売業界
小売業界において、LINEミニアプリは、顧客に対する利便性を向上させ、店舗運営を効率化するための重要なツールとなるでしょう。
たとえば、オンラインショッピング機能や、最新のプロモーション情報を簡単に配信できる点は、顧客満足度を高めるだけでなく、販売促進にも役立ちます。
このように、店舗と顧客の距離を縮められる仕組みを導入することで、売上の向上が期待できます。
活用法1:オンラインショッピング機能の導入
オンラインショッピング機能をLINEミニアプリに導入することで、小売業界の店舗は顧客に対して24時間いつでも購入可能な環境を提供できます。
顧客は自宅や外出先からLINEを通じて商品を簡単に検索し、購入までスムーズに完結させることが可能です。この機能により、とくに店舗の営業時間外や遠方の顧客にも対応できるため、顧客基盤を広げられます。
また、購入履歴をもとにしたパーソナライズされた商品提案や、次回購入時に使えるクーポンの発行も簡単に行えます。このような機能を活用することで、顧客の購入意欲を刺激し、リピーター獲得にもつながるでしょう。
オンラインショッピング機能は、実店舗とオンラインの連携を強化し、より多くの購買チャンスを提供できる手段となります。
活用法2:チラシなどを用いた商品情報の配信
チラシや商品情報の配信をLINEミニアプリで行うことで、小売業界ではより効果的に顧客にアプローチできます。
たとえば、紙のチラシではなく、LINEを通じてデジタルチラシを配信することで、タイムリーに新商品やセール情報を届けることが可能です。また、顧客の購買履歴や興味をもとにパーソナライズされた情報を送信することで、より的確な商品提案ができます。さらに、LINEメッセージは高い開封率を誇るため、メールや紙媒体に比べて顧客の反応率が高くなる傾向があります。
このように、商品情報の配信は販促効果を最大化し、来店促進やオンライン購入の後押しとしても効果的です。
薬局・医療業界
薬局・医療業界でも、LINEミニアプリの導入は非常に有効です。
患者や利用者がLINEを通じて薬の予約や処方薬の管理を行えるようになることで、業務効率が向上します。
さらに、整理券の予約システムや診察待ちの管理を通じて、待ち時間の短縮や混雑の緩和も期待できるでしょう。こうした機能は、とくに忙しい薬局やクリニックでの運営に役立ちます。
また、患者とのコミュニケーションも簡素化され、利用者満足度の向上も図れます。
活用法1:処方薬のオンライン受付と管理
処方薬のオンライン受付と管理をLINEミニアプリで実現することで、薬局の業務効率が大幅に改善されます。具体的には、患者がLINEを使って事前に処方薬を予約できるため、薬局側はその情報をもとにスムーズに薬を準備できます。また、処方薬の準備が完了した際にはLINEで通知が送られ、患者は店舗での待ち時間を短縮できます。
このシステムは患者にとって大きな利便性を提供し、とくに高齢者や忙しいビジネスパーソンにとって非常に役立ちます。さらに、過去の処方薬の履歴を管理する機能を追加することで、継続的な薬の管理がより簡単になります。これにより、患者とのコミュニケーションが円滑になり、サービスの質も向上します。
活用法2:整理券などの予約システムの導入
薬局や医療機関で整理券の予約システムをLINEミニアプリで導入することで、混雑を避け、スムーズな診察や処方薬の受け取りが可能になります。
具体的には、患者はLINEを使って事前に整理券を取得でき、待ち人数や自分の順番をリアルタイムで確認可能です。これにより、店舗で長時間待つ必要がなくなります。また、順番が近づくと自動で通知が届くため、患者は外出中でも安心して待てます。このシステムは院内の混雑緩和にもつながり、感染症対策にも役立つでしょう。
とくに、診察や処方薬の受け取りに時間がかかる場合に効果的で、医療機関の運営をスムーズにする助けとなります。その結果、患者の満足度も向上します。
金融業界
金融業界において、LINEミニアプリの導入は、顧客の利便性を高めるための重要なツールとなっています。
具体的には、支払金額や利用明細を手軽に確認できる機能や、個別にパーソナライズされたメッセージを送信できる機能を提供することで、顧客の満足度が向上します。また、迅速な対応やタイムリーな情報提供が可能になるため、金融サービスの効率化と顧客の信頼獲得が実現します。
活用法1:支払金額や利用明細の確認
支払金額や利用明細の確認機能をLINEミニアプリで提供することで、顧客は自分のアカウント情報を簡単に確認可能です。
具体的には、月々の支払いや利用明細をLINE上でリアルタイムに確認できるため、従来のウェブサイトやアプリを開く手間が省けます。また、支払期限が近づくと自動でリマインドメッセージが届く機能を追加することで、支払遅延を防げます。さらに、リアルタイム通知により、急な変動や不正取引にも迅速に対応可能です。
このような機能を通じて、顧客は自分の金融状況をより管理しやすくなり、金融機関との信頼関係が強化されます。とくに、忙しいビジネスパーソンや若年層にとっては、この利便性が大きな魅力といえるでしょう。
活用法2:パーソナライズしたメッセージの送信
金融業界において、パーソナライズされたメッセージの送信は、顧客とのエンゲージメントを強化するための重要な手段です。LINEミニアプリを利用することで、個々の顧客の利用履歴や取引内容に基づいて最適化されたメッセージを送信し、個別のニーズに対応できます。
たとえば、特定のローンや保険商品を勧める際には、その顧客の過去の取引データを参考にした提案を行うことで、より高い確率で関心を引けます。また、顧客の誕生日や重要なライフイベントに合わせて特別なオファーを提供することも可能です。
このようなパーソナライズされた対応は、顧客の信頼を深め、長期的な関係を築くために重要な役割を果たします。
LINEミニアプリの導入事例
ここからは、LINEミニアプリを導入した企業による事例をご紹介していきます。自社で導入する際の参考にもなる内容です。
京王百貨店:購買情報からメッセージの最適化・リピーターの獲得
京王百貨店では、2021年に「Keio BEAUTY LINEミニアプリ」と「京王百貨店 新宿店LINEミニアプリ」をリリースし、販売活動のデジタルトランスフォーメーション(DX)を推進しました。LINEミニアプリを活用してデジタル会員証を提供することで、既存の会員とのオンラインでの接点を強化しています。
このミニアプリを通じて取得した購買情報をもとに、LINE公式アカウントから顧客にパーソナライズされたメッセージを送信しています。これにより、各顧客の購入履歴や嗜好に応じた最適な情報提供が可能となり、再来店やリピーターの獲得を促進しているのです。このような取り組みにより、顧客との関係が深まり、売上の向上にも貢献しています。
YAMADAYA:登録レスポイントカードアプリで新規会員獲得を促進
YAMADAYAでは、全国18ブランド151店舗で利用できるLINEミニアプリを活用し、新規会員の獲得を促進しています。このLINEミニアプリは、従来の面倒な登録手続きを簡略化した登録不要のポイントカードアプリです。ユーザーは新たなアカウント登録やアプリのインストールをせずにポイントサービスを利用できます。
これにより、店舗を訪れた顧客はLINEを通じて瞬時にポイントを貯めることができ、サービスへのハードルが大幅に下がりました。とくに、新規顧客に対して手軽に会員登録を促進できるため、ポイントカードを通じてリピーターの定着が可能になります。YAMADAYAはこのLINEミニアプリを活用し、効率的に顧客基盤を拡大しています。
阪急阪神ビルマネジメント株式会社:阪急阪神おでかけカードでクーポン配布
阪急阪神ビルマネジメント株式会社では、ショッピングセンター共通ポイント「阪急阪神おでかけカード」をLINEミニアプリに対応させ、顧客向けにクーポンの配布やポイント残高の確認ができるようになりました。このLINEミニアプリでは、阪急三番街やHEP FIVEなど、同社が管理する26の施設で貯めた「Sポイント」の残高確認に加え、実施中のキャンペーンに簡単にエントリーできる機能も提供しています。
このLINEミニアプリは「FANSHIP for ミニアプリ」を活用しており、LINE上での顧客管理やマーケティング施策の最適化が可能です。FANSHIPを通じて顧客とのエンゲージメントを強化し、パーソナライズされたメッセージ配信やクーポン提供を効率的に行えるようになっています。
カネボウ化粧品:ミニアプリによるオンラインでの顧客との接点強化
カネボウ化粧品は、美容部員による店舗での接客を強みとして、全国の百貨店や総合スーパーを中心に展開しています。しかし、コロナ禍により対面接客が難しくなったため、オンラインでの顧客とのつながりの重要性が高まりました。この流れを受けて、2020年10月から3つのブランドでLINEミニアプリの提供を開始し、デジタルツールを活用した顧客との絆づくりに力を入れています。
LINEミニアプリを通じて、顧客はオンライン上で簡単に接点を持つことができ、会員登録もスムーズに行えます。このオンライン接点の強化により、カネボウ化粧品は再来店を促進し、ECサイトでの購入率を向上させることで、顧客体験を改善しています。
阪急オアシス:ポイントカードとの連携やチラシ配信
阪急オアシスでは、スーパーマーケットの顧客向けにLINEミニアプリを導入し、ポイントカードとの連携やマイ店舗登録機能を活用してチラシを配信しています。LINEミニアプリとLINE公式アカウントを連携させることで、紙のチラシよりも認知度の高いデジタル販促が実現し、特売情報やポイント商品を効果的に訴求できます。
とくに、ネイティブアプリを使わないシニア層にも利用しやすい設計となっており、LINEミニアプリの登録者の約半数は50代以上の顧客です。この層は店舗利用が多く、LINEミニアプリを通じた販促活動が売上増加に直結しています。また、マイ店舗登録を通じて、特定の店舗に応じたカスタマイズされたチラシが配信され、顧客に適切な情報を届けることが可能です。
今回紹介しきれない分の事例は以下のウェビナーで紹介しています。ぜひご確認ください。
LINEミニアプリの開発費用
LINEミニアプリの開発費用の目安は、シンプルな機能のもので200〜500万円程度、個別開発が必要だったり開発が複雑だったりするものの場合500〜2,000万円といわれています。
ネイティブアプリと比較するとそこまで変わらないと感じる方もいるでしょう。
しかし、ネイティブアプリの場合はOS環境に合わせた開発が必要で、例えばiPhoneとAndroid両方で利用できるためにはiOSアプリとAndroidアプリの2つの開発が必須です。
一方、LINEミニアプリはLINEのプラットフォームに対応したアプリ1つの開発で済むため、大幅に開発コストを削減できます。
LINEミニアプリの開発費用は開発会社によって異なるため、より詳細な費用を知りたい場合には問い合わせてみましょう。
そこまで費用をかけられないという場合には、パッケージサービスの検討がおすすめです。
アプリ開発の費用相場については、こちらにまとめています。
LINEミニアプリのよくある質問
ここでは、よくいただく質問についてお応えしておきます。
ユーザーとの最初の接点はなぜ店頭がおすすめなの?
アイリッジでは、「店頭は最高のメディアである」とお話ししています。
TVCMや雑誌広告・インターネット広告と色々なメディアがありますが、自社やサービスのターゲット層に合致していて、なおかつ興味を持ってくれている状態という人にピンポイントで見てもらえるものはなかなかありません。少なくとも「アプリを利用してもらう」という目的に限って言えば、費用対効果はかなり低いと言わざるを得ないでしょう。
では、WEBサイトにLINEミニアプリへの導線を置くのはどうでしょうか。費用はあまりかからないのでデメリットは少ないですが、それをメインの導線とするのはおすすめしません。WEBサイト自体に店舗利用のユーザーが多く集まらなければ意味がありませんし、WEBサイトを見てアプリをダウンロードしようとする人は残念ながらごく稀です。
実際に店頭でLINEミニアプリへ誘導するのは、ユーザーが商品を購入する時が多いと思います。この時点でのユーザーは、商品やサービスに期待し満足したタイミングであるといえます。ここで、LINEミニアプリを使うことで、店舗の利用がより「お得」になったり、より「便利」になったりすることを知ってもらえれば、そのままアプリを導入してもらえる確率は高いはずです。
このように、店舗での顧客体験とLINEミニアプリ自体の「お得」「便利」を組み合わせることで、店舗とLINEミニアプリの魅力を相乗的に伝えることができるのです。これが「店頭は最高のメディアである」理由です。
最初の接点をLINE公式アカウントではなくLINEミニアプリにする理由って何?
LINEミニアプリは、QRコードを読んで認証すると公式アカウントへの友だち追加ボタンが表示されます。そのボタンを1回タップするだけで、LINE公式アカウントの友だち追加が完了します。
ですが、LINE公式アカウントを入口とした場合、LINEミニアプリへの導線がないのです。LINE公式アカウント側にリッチメニューを追加してLINEミニアプリへ誘導することも可能ですが、その場合でも複数の操作が必要です。必要な操作数が増えれば、その分LINEミニアプリへのコンバージョン率(CVR)も下がってしまいます。
ですので、アイリッジではお客様には「LINEミニアプリを起点とすることがベストである」とお伝えしています。
集客目的でのLINEミニアプリの導入なら「Kit-Curu」におまかせ!
「Kit-Curu」は、LINEミニアプリを活用した集客に特化したサービスを提供しています。飲食店や小売業、美容業など、さまざまな業界で効果的な集客施策を実現するため、シンプルで使いやすいLINEミニアプリを提供し、顧客とのスムーズな接点づくりをサポートしています。
本サービスでは、業務効率化と集客アップを目指し、LINEミニアプリの初期導入から運用までをトータルでのサポートが可能です。たとえば、デジタル会員証やクーポン配布機能を活用することで、店舗を訪れた顧客にリピート利用を促す仕組みを構築し、売上の増加につなげます。
「Kit-Curu」は、企業の集客目的に応じてカスタマイズされたLINEミニアプリを提供し、短期間での導入が可能です。
紹介資料は下記よりダウンロードが可能です。
まとめ:メリット・デメリットを理解してLINEミニアプリを導入しよう
コミュニケーションアプリ「LINE」上で動作し、スマホやタブレットなどの端末にダウンロードせずに利用できる「LINEミニアプリ」。
若い世代からシニア世代まで多くの人が利用している「LINE」上で自社サービスを展開できることもあり、昨今注目が集まっています。
LINEミニアプリはダウンロードの手間がかからない上にホーム画面や端末の容量を気にしなくていいため、通常のアプリ(ネイティブアプリ)よりも気軽に利用することができます。
企業側や店舗などにとっても、ユーザーに利用してもらいやすい、ユーザーとのつながりを獲得しやすい、開発費や手数料を安く抑えられるなどのメリットが期待できます。
「自社アプリを開発したいけど、できるだけ開発費用を抑えたい」「お客様とオンラインでの接点を増やしたい」という方は、LINEミニアプリを利用してみてはいかがでしょうか。
弊社アイリッジでもLINEミニアプリの開発を承っています。
パッケージ版「Kit-Curu(キットクル)」の提供も行っていますので、アプリの作成をご検討の企業様はぜひご相談ください。
