ウェビナーとは?利用されるシーンや開催するメリット、開催時に意識すべきポイントも解説
インターネットやITツールの発展・普及によって、リアルイベントによるセミナーではなく、ウェビナーを開催する企業が増えています。ウェビナーは、マーケティングをはじめ、イベントや教育・研修などさまざまな用途で活用されています。そんなウェビナーとは具体的に何なのか、どのように活用できるのか疑問に思っている人もいるでしょう。
そこで今回は、ウェビナーの概要や主な利用シーン、活用するメリット・デメリット、開催時に意識したいポイントをご紹介します。自社の事業や採用活動などに取り入れたいと考えている方は、ぜひ参考にしてください。
ウェビナーとは?
ウェビナーは、ウェブとセミナーの言葉を組み合わせた造語です。セミナーというと一般的には参加者と登壇者が会場に集まって行われるものですが、ウェビナーは専用ツールを使ってオンライン形式で実施されるセミナーを意味します。オンラインセミナーやWebセミナー、リモート開催セミナーなどと呼ばれることもあります。
ウェビナーは、PCやスマートフォン・タブレットといった端末やインターネットが使える環境であれば誰でも参加可能です。ツールを通じてセミナーの映像や音声、資料を共有でき、リアルタイムでの参加であれば質疑応答にも対応できます。オンライン形式であれば、参加者は自宅からも参加可能なため場所を問わず開催でき、多くの人の参加を促すことが可能です。使用するツールやライセンス次第では、5万人規模のセミナーを開催することもできます。
ウェビナーとWeb会議の違い
ウェビナーとWeb会議は、インターネットとツールを使って行われる点は同じですが、利用目的に違いがあります。Web会議は、双方向コミュニケーションを前提に参加者各自の映像・音声・資料画面を共有するのが特徴です。具体的には、社内ミーティングや顧客との商談・打ち合わせなどを目的に活用されています。
それに対して、ウェビナーは視聴者に向けて登壇者の映像や音声を届ける形が基本です。説明会や講演会など、大勢の人に一方向で情報を届けたい場合に活用されます。必要に応じて投票機能やアンケート機能などを活用して参加者の情報収集が行われます。また、ウェビナーの後半はWeb会議と同じ形式で意見交換や質疑応答を行うケースも少なくありません。
ウェビナーが利用されるシーン
ウェビナーは、さまざまな目的・用途で活用することが可能です。ここで、具体的に利用されるシーンをご紹介します。
教育・研修
社内での教育や研修にウェビナーを活用することが可能です。研修というと、会議室に参加者を集めてセミナーを開いたり、社外に訪問して研修を行ったりするのが一般的です。しかし、ウェビナーであれば講師や参加者も会議室や社外の研修所に毎回移動することなく、その場で研修を実施できます。
会場の手配などにかかる時間やコスト、労力を大幅に削減し、効率よく研修を進めることが可能です。また、支店や支部などが離れていても、一斉に研修に参加できるのもウェビナーのメリットになります。
マーケティング活動
新規顧客の獲得やリードナーチャリングなどのマーケティング活動として、ウェビナーを活用するケースもあります。オンラインから参加できるので、国内外問わずたくさんの参加者にリーチできることがウェビナーの魅力です。
また、ウェビナーでは参加者とリアルタイムでコミュニケーションを取ることが可能です。質問や意見に対して直接応じることができるので、顧客との関係性を構築できます。顧客が興味・関心を持つ情報を提示するセミナーであれば、リードナーチャリングとして活用することが可能です。
ウェビナーでは音声やテキスト、グラフ・図表といったビジュアルを提示しながら説明や解説ができるので、複雑なトピックや情報もわかりやすく伝えられます。商品やサービスの魅力が伝われば、見込み顧客の購買意欲を高めることが可能です。
ウェビナーの映像は録画すれば、動画コンテンツとして再利用できるので、リアルタイムで視聴できなかった人や見直したい人へのフォローアップとして活用できます。
業界イベント
展示会や交流会、カンファレンスなど、各業界の企業や団体などが開催するイベントにもウェビナーは役立ちます。ウェビナーであれば、当日イベント会場に行けない人も気軽にイベントへの参加を体験することが可能です。
イベントに興味があるものの、会場が遠方だと多大な交通費や宿泊費などが発生します。しかし、ウェビナーであれば自宅などインターネットが使える環境であれば、どこでも参加できるので、イベントに参加するためのコストを抑えることができ、積極的な参加を促せるでしょう。ツールによっては、大規模なオンライン展示会やカンファレンス、株主総会などにも対応することが可能です。
商品・サービスのデモンストレーション
新商品・サービスのデモンストレーションとして、ウェビナーを活用できます。オンラインであれば、会場の収容人数に関係なく参加者を募集できるので、商品・サービスに対して興味・関心を持つ多くのユーザーに参加してもらうことが可能です。
また、パンフレットをダウンロード資料として配布できるほか、CMやPVなどの動画もスムーズに共有することが可能です。国内向けのデモンストレーションはもちろん、海外からの参加者も募集できるので、世界中の人々に参加して、製品・サービスの魅力を伝えて購買意欲を高めることができます。
広報活動
ウェビナーは、企業価値を向上させるための広報活動にも利用できます。広報では、組織とあらゆるステークホルダーが良好な関係を構築・維持するために、メディア関係者への対応や社外・社内への情報発信などの取り組みが必要です。
例えば、メディアの記者向けに新製品・サービスの説明会や、新事業や業務提携の発表といった記者会見にウェビナーを活用する方法があります。ウェビナーであれば、会場に移動する必要がないので、地域を問わず発表会に参加し、最新情報を入手することが可能です。
社員総会にウェビナーを利用すれば、社員全員が同じ時間に同じ場所に集まらずに総会を開催することが可能です。社員も気軽に総会に参加でき、また画像や動画などを共有してわかりやすく情報を伝えることができます。
採用活動
採用活動にもウェビナーは取り入れられています。採用活動では、就職セミナーや会社説明会といったイベントが開催されます。これらのイベントにウェビナーを活用すれば、大規模な会場を手配する手間やコストを省くことが可能です。
また、オンラインなら入場制限がなく、遠方の就活生もイベントに参加することができるため、リアルイベントのみのケースよりも多くの学生にリーチできます。大勢の学生にリーチできれば、実際にエントリーしてくれる人が増え、優秀な人材の確保につながる可能性が高いです。
ウェビナーを開催するメリット
企業や団体がウェビナーを開催することには、どのようなメリットがあるのでしょうか?ここで、開催するメリットを4つご紹介します。
リアルタイム配信と録画が可能
ウェビナーでは、リアルタイム配信と録画に両方を活用することができます。開催後に内容や成果を確認したい場合、配信映像を録画しておけば振り返ることが可能です。うまくウェビナーを開催できたか、反省点はあるかなど開催の評価が容易に行えます。
また、録画した映像をコンテンツとして活用することも可能です。後からオンデマンド配信を行えば、再度ウェビナーの内容を見たい人も内容を見返すことができます。リアルタイムでウェビナーに参加できなかった人にとってもメリットは大きいです。不要なシーンのカットやテロップの追加など編集も可能なので、より見やすい映像にして配信することもできます。
コスト削減につながる
ウェビナーの開催は、リアルタイムのイベントよりもコストを抑えて開催できます。リアルイベントとなると、ある程度大きな会場を手配しなければなりません。会場が大きくなるほど、会場費が高くなってしまいます。
会場費を抑えるとなると小規模な会場になりますが、今度は収容できる人数に制限をかけなければなりません。しかし、ウェビナーであれば、規模の小さい会場でもオンラインから大勢の参加者を募ることが可能です。
完全無観客での開催も可能であり、その場合は自社の会議室などを利用すれば会場の手配自体を省けます。外部の解錠に移動する必要もないので、交通費も抑えることが可能です。
双方向のコミュニケーションが可能
リアルタイム配信のウェビナーであれば、双方向でコミュニケーションを取ることができます。ツールによっては、挙手機能やコメント機能があるので、そこから参加者の質疑に答えることが可能です。
録画した動画によるセミナー・イベントでは、直接コミュニケーションを取ることができず、個別に問い合わせなど他の方法で質疑に対応しなければなりません。しかし、リアルタイム配信のウェビナーであれば、すぐに対応できます。また、同じ疑問を持つ参加者に向けて一度で質問に回答できるため、主催側も参加者側も手間がかかりません。
アンケート機能が設けられているツールもあります。リアルタイムでアンケートに答えられるほうが、終了後に別途アンケートを取るよりも回答率が高い傾向にあります。
手軽に参加してもらいやすい
参加者が手軽に参加できることもウェビナーのメリットです。リアルタイムイベントとなると、参加者はわざわざ会場までいかなければなりません。移動するにあたって交通費がかかったり、遠方だと移動自体が面倒に感じたりするでしょう。
ウェビナーであれば、視聴するための端末とインターネットが利用できる環境があれば、場所を問わず参加できます。そのため、リアルタイムイベントよりも参加しやすいと感じてもらうことができ、より多くの参加者を集められる可能性が高いです。
ウェビナーを開催するデメリット
ウェビナーの開催には注意点もあるので、しっかり把握して対策していくことが求められます。ここで、ウェビナーを開催するデメリットを見ていきましょう。
技術的トラブルのリスク
ウェビナーの開催では、技術的なトラブルが懸念されます。インターネットを通じて配信を行うので、参加者の通信環境によっては画質や音質に差が生じてしまうでしょう。天候などの影響で映像の乱れなどが発生する可能性があります。このようなトラブルは主催者側でも防ぎきれません。
また、撮影や配信に関する知識や技術を持っていないと、不慣れから配信トラブルが発生する可能性があります。技術不足から配信に不安があれば、専門業者に撮影・配信をサポートしてもらう必要があるでしょう。
セキュリティとプライバシーの懸念
ウェビナーの開催では、セキュリティとプライバシーにも注意が必要です。セキュリティ対策を行わないままウェビナーを開催すると、不正アクセスの被害に遭う可能性があり、機密情報や顧客情報などが流出する恐れがあります。不正アクセスの被害は、企業側が対策を怠ったという見方をされてしまい、企業イメージのダウンにつながる可能性もあるでしょう。
また、ウェビナーでは参加者が顔出しするケースもあります。顔出しは参加者同士や講師とコミュニケーションを円滑にするメリットがありますが、プライバシーが懸念されるでしょう。
時間帯の調整が難しい
ウェビナーの開催では時間帯の考慮も必要です。時間帯によって集客率は変わってきます。例えば、平日の日中は仕事をしていたり、学校に通っていたりする人が多く、参加者が集まりにくい傾向があります。
また、主婦層をターゲットにしている場合、家事や子育ての合間に参加できる時間帯での開催が必要です。その他にも業界ごとに適した時間帯は変わってくるため、その点も考慮して開催時間を設定しなければなりません。
ターゲットごとに開催に適した時間帯が異なるため、時間帯の調整が難しいことがデメリットです。ターゲット別に参加してもらいやすい時間帯・曜日を調査して、開催日時を決めましょう。
参加者のエンゲージメントの測定が難しい
ウェビナーでは、参加者のエンゲージメントの測定が困難というデメリットもあります。リアルタイムイベントでは、参加者の顔を直接見ることで熱量や意欲などがわかり、主催者は手応えを感じられるでしょう。
しかし、非対面が基本のウェビナーでは、参加者がどのように視聴しているのかがわかりづらく、熱量や意欲を測ることできません。そのため、参加者のニーズを満たせているかどうか把握しにくいです。
ウェビナーを開催する際に意識すべきポイント
ウェビナーで成果を出すためには、事前の準備が大切です。ここで、ウェビナーを開催する際に意識すべきポイントをご紹介します。
効果的なプロモーションを意識する
ウェビナーの参加者を集めるためには、プロモーション戦略が大切です。DM・メール・SNS・Webサイト・チラシ・交流イベントなどさまざまな方法で集客ができます。複数の集客方法を組み合わせ、多くのユーザーにリーチしていきましょう。
また、集客数を集めるためには、ターゲットにとって興味深い内容を届けるウェビナーにすることが重要です。セミナータイトルや説明文から、参加することでどのような情報を得られるのか伝えることが大切になります。専門家や著名人を招いたウェビナーも注目度が高いので、高いプロモーション効果に期待できます。
適切なツールと機材を用意する
ウェビナーの開催にあたって、ツールや機材の準備も必要です。ツールごとに機能が異なるため、必要な機能が備わったツールの選定が必要になります。例えば、参加者とコミュニケーションが取りたいときは、チャット機能や質疑応答機能、アンケート機能が必要です。
ウェビナーの映像を再利用したいときは、映像や音声の記録機能があると便利です。主催者側と参加者側の両方が使いやすいこと、サポート体制が万全であることも考慮しておきたいポイントになります。
ツール以外にカメラやマイクなどの配信に必要な機材も欠かせません。パソコンに内蔵するカメラの画質が悪い場合、4KやHDの画質に対応した外付けのWebカメラを用意しましょう。必要に応じて複数のマイクの音量を調整するミキサーや映像・音声の切り替えができるスイッチャーなどの機材も用意しましょう。
参加者のエンゲージメントを意識する
参加者のエンゲージメントを高めることも大切です。ターゲットにとって興味がある内容であり、視覚的にも魅力的なコンテンツにすることで、参加者の関心を引き付けられます。画像や映像、グラフ・図表を活用し、わかりやすいプレゼン内容にしていきましょう。
双方向でコミュニケーションを取れるようにして質疑応答ができたり、録画した映像を再利用したりすることも参加者のエンゲージメント向上につながります。開催後も収集したデータを分析し、今後の営業活動や業務、ウェビナー・イベントの開催などに活用していきましょう。
技術トラブルへの備えを徹底する
技術的なトラブルの対策に徹底しましょう。特にあるトラブルが、インターネット回線が不安定であるために、映像の遅延や乱れ、接続切れを起こすトラブルです。特に同時接続数が多い場合、回線が悪いと接続に関するトラブルが多発するリスクが高まります。
大人数でもスムーズに配信できるか、必要に応じて回線プランを変更するようにしましょう。ツールによって推奨される環境が異なるため、その点をしっかり把握して対応することが大切です。
プライバシーとセキュリティの確保を徹底する
ウェビナーの開催では、プライバシーとセキュリティを確保することも重要です。ハッキングや通信先のIPが露呈するといったリスクがあるので、万全なセキュリティ対策が求められます。
また、参加者の個人情報の収集するときや映像に顔が映ってしまうようであれば、プライバシーへの考慮も必要です。ウェビナーの参加にあたって、顔出しや個人情報を取得する際は、プライバシーに関する注意事項をしっかり説明して、同意の上で参加してもらうように対策しましょう。
まとめ:ポイントを押さえて効果的なウェビナーを開催しよう
ウェビナーは、インターネットを活用して場所を問わず実施できるオンラインセミナーとして、教育・研修、マーケティング、採用活動など幅広いシーンで注目されています。リアルタイム配信と録画を併用することで、情報共有の効率化やコスト削減、双方向のコミュニケーション促進といった多くのメリットが得られます。一方で、技術的なトラブルやセキュリティ面への配慮も欠かせません。ウェビナーを成功に導くためには、適切なツール選定や事前のプロモーション、参加者とのエンゲージメントを高める工夫が重要です。
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