【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第2回:「まだプロデューサーじゃない私」が見つけた、成長の入口
「プロデューサーって、なんだか難しそう」
「プロデューサーになりたいけど、自分にできるか不安」
この記事では、”まだプロデューサーじゃない”アシスタントプロデューサーである私が、現場で経験しながら見つけてきた「成長の入口」について綴っています。肩書きはまだ”アシスタント”。でも、日々の気づきや行動の積み重ねが、確かに次のステージにつながっていると実感する瞬間があります。これからプロデューサーを目指す方、いま不安の中にいる方にこそ、届けたいお話です。
ステップで理解する「ビジネスプロデューサーのキャリアマップ」
ビジネスプロデューサーといっても、最初からすべてを担うわけではありません。アイリッジでは、個人の成長段階に応じて段階的に役割を広げていくキャリアパスが存在します。
ここでは、“現時点の自分の認識”として整理した、「プロデューサーのキャリアマップ」をご紹介します。
アシスタントプロデューサー
役割のイメージ:プロデューサーの“右腕”として、実行力を支える存在
- プロデューサーが描く構想や提案方針を理解し、資料作成・情報整理・会議準備などの実務を担う
- 社内外の調整、議事録作成、スケジュール管理などを通じてプロジェクトの土台を支える
- 日々のやり取りを通じて、「提案とは何か」「事業における本質的な課題は何か」に触れていく
- 走りながら考え、数をこなすことで提案の感覚を養う
- アイデアの“叩き案”をつくることで、議論の土台や選択肢を広げる
身につける力
- 情報収集と要点整理のスキル
- 論点を掴む思考力と、細部への目配り
- 社内外とのコミュニケーション調整能力
- 能動性(=動きながら学ぶ)
- アウトプットを前提とした思考(=叩き案をつくる)
アシスタントだからといって“指示を待つ”だけではありません。むしろ、自ら動いて手を動かし、先回りして仮説を立ててみる──そうした姿勢を日々意識しながら、いまも実践と試行錯誤をくり返している最中です。
プロデューサー
役割のイメージ:“前に立ち”、企画と実行に責任を持つ存在
- クライアントやパートナーとの信頼関係構築を前提に、提案〜実行の責任を担う
- チーム編成、プロジェクトの進行・リスク管理、施策評価などを主体的に行う。課題解決のための構想を描き、それを形にしていくプロジェクト推進力が求められる
身につける力
- 案件全体を俯瞰して設計・管理する力
- チームを巻き込むリーダーシップ
- 顧客の本音や背景を掴むヒアリング力と提案力
ビジネスプロデューサー
役割のイメージ:事業と共に“育つ”、構想設計の核となる存在
- 単発の施策ではなく、中長期視点での事業成長に寄り添う
- ビジョンを言語化し、組織設計・予算設計・KPI設計なども含めて、全体戦略をプロデュース
- 事業パートナーと共に“つくる側”に立ち、施策を超えた価値を提供する
身につける力
- 事業構想を描く力と戦略的思考
- 多様なプレイヤーと協業する調整・交渉力
- 経営層との対話力と、意思決定のための材料設計力
その他のプロデューサー像
テクニカルプロデューサー
テクノロジーに精通し、戦略に落とし込む専門家
- 技術的な知見を武器に、DX施策や新規サービス構築をリード
- エンジニアやデザイナーと同じ目線で議論し、実現可能な解決策を描く
エグゼクティブプロデューサー
複数案件・事業を統括し、経営視点で価値を生み出す存在
- チームの育成やナレッジ共有の仕組みづくりを担う
- 経営層・社外パートナーと接続し、長期的な事業価値を構想・推進する
キャリアは“一直線”ではない
プロデューサーの道には、決まった正解はありません。
アシスタントから一歩ずつ経験を重ねる中で、自分に合った強みや領域を見つけ、徐々に役割を広げていけるのがアイリッジのプロデューサーキャリアの特徴です。
小さな積み重ねが育てた、最初に得たスキル
ビジネスプロデューサーという職種には、多くのスキルが求められます。
しかし、そのすべてを最初から持っている人はいません。
私自身、アシスタントプロデューサーとして働き始めた当初は、どこから何を始めればいいのか、手探り状態でした。
そんな中で私が頼りにしていたのは、「まずやってみる」こと。
小さな行動を続ける中で、「これは少し得意かも」と思える感覚が芽生え、それが自信や次の挑戦につながっていきました。
スキルというのは“気づいたら身についていた”というよりも、日々の実践を通して少しずつ輪郭を持ち始めたように思います。
私が最初に得た3つのスキルはいずれも日々の業務の中で育ち、アシスタントプロデューサーという立場だからこそ、自然と身につけていったものでした。
それぞれのスキルが、どのような場面で育ち、どう役立っていったのか。
そのプロセスを、実体験とともにお伝えしていきます。
アイリッジ版「9つのコアスキル」から見える、自分の現在地
前回ブログでご紹介した通り、アイリッジではビジネスプロデューサーとして必要な力を「9つのコアスキル」として定義しています。
これは、プロデューサーとしての成長を自己評価するための“地図”のようなもの。以下がその一覧です。
前回ブログ
- 共感的ヒアリング力
- 構造化する力
- ファシリテーション力
- ストーリーテリング力
- 計画設計力
- 実行推進力
- 巻き込み力
- 柔軟な意思決定力
- 価値変換力
最初からすべてのスキルを完璧にこなす必要はありません。
むしろ、まずは1つでも手応えを感じられるスキルを育てること。
そして、それを起点に他のスキルへと連鎖していく──。
私にとっては、次の3つのスキルがその出発点でした。
アシスタントプロデューサーとして、最初に習得した3つのスキル
実行推進力──まずはやってみる、が自分を動かした
右も左も分からない。そんな中でも、私が意識していたのは「何かひとつ、自分にできることを見つけてやってみる」ことでした。たとえば、議事録は会議が終わったらすぐにまとめて共有する。次回の会議で使いそうな情報は先に調べておく。
会議の進行役も、「誰かがやるのを待つより、自分でやってみたほうが、自分の成長につながるかも」と思ってチャレンジしてみました。
“役割を待つ”のではなく、今自分ができることを自分で見つけて動く。その積み重ねが、少しずつ「任される」経験を増やしてくれました。
“動いてみることでしか見えない景色がある”という感覚を、私はここで初めて知りました。
共感的ヒアリング力──背景や意図に目を向ける視点を育てた習慣
業務が少しずつ広がる中で、「言われたことをそのまま受け取る」だけでは足りない場面が増えてきました。
「なぜこの順番なのか?」「この修正指示の意図は?」 言葉の裏側にある背景や感情を想像するようになったのです。
私は毎日1記事ニュースを読み、その内容を要約し、感想を書くことを習慣にしていました。
最初は、「とにかく情報を集めておこう」「自分の引き出しを増やしたい」という気持ちから始めたもので、インプットの蓄積が目的でした。けれど、続けるうちに自然と「なぜこの施策が選ばれたのか?」「どんな背景や課題があって、どういう意図で打たれたのか?」と、表面的な事実ではなく、その裏にある“仮説”や“思考の流れ”に目が向くようになっていきました。この習慣は、仕事の中でも相手の依頼や発言の“意図”を考える癖につながり、共感的ヒアリング力を育ててくれたと感じています。
相手の言葉の表面だけでなく、その背景や意図を読み解こうとする姿勢──共感的ヒアリング力──は、この小さな習慣の積み重ねから育っていきました。
巻き込み力──「1人ではできない」を、どう乗り越えるか
プロジェクトを進める中で、自分ひとりで完結できる仕事は、実はほとんどありませんでした。わからないこと、手が足りないこと、他の人の知見や判断が必要な場面は日常的にあります。だからこそ私は、「どうすれば協力してもらえるか?」を常に考えるようになりました。
特に、同じグループの先輩の姿勢から学んだことはとても大きかったです。
その先輩は、どんなに忙しい場面でも相手に敬意を持ち、「背景」や「目的」まで丁寧に伝えることで、自然と周囲を巻き込んでいく。
「お願い」だけでなく、「一緒に進めたいと思っている理由」や「どう役に立ってほしいか」をセットで伝えていて、その姿を見て、「頼ることは甘えではなく、チームで動くためのスキルなんだ」と思うようになりました。
相手の立場や状況を考慮した“伝え方の工夫”が、巻き込み力を育てる一歩だったと今では実感しています。
自分の仕事を“チームで進めるもの”として捉え直したとき、初めてプロデューサーとしての視点が芽生えた気がしました。
スキルの土台をつくった「日々の基礎習慣」
振り返ってみると、スキルは“突然できるようになる”ものではありませんでした。
小さな習慣をくり返していくうちに、少しずつ身についていったものばかりです。以下は、私が意識していた「基礎習慣」の一例です。
これらはどれも、派手なスキルではありません。
けれど、「なんとなくやっていた」ことが、「気づけばスキルになっていた」。
そんな積み重ねが、私の原点です。
もちろん、今もまだまだ勉強中ですし、課題にぶつかる日々でもあります。
それでも「小さな習慣が自分をつくる」という実感があるからこそ、これからも一歩ずつ、地道に力を育てていきたいと思っています。
“育てられる”から、“育っていく”へ
プロデューサーの仕事には、決まった正解がありません。 特にビジネスプロデューサーは、「お題のないところに問いを立てる」ことが求められます。「この判断は本当に正しいか?」「他の視点はないか?」と自問しながら、判断軸をつくっていく。 その地味な作業の積み重ねこそが、“自分なりの提案”を生み出す力になると、少しずつ感じています。
「自走する」というと、なんでも1人で進めることのように思っていました。 でも実際は、視野を広げ、選択肢を見つけ、必要に応じて頼ったり、巻き込んだりしながら、「プロジェクトを進められる自分」であることなんだと気づきました。自分の意志で動き、自分の目で見て、自分の言葉で伝える。 その一歩一歩が、自分なりの「育ち方」になっていくのだと思います。
最後に:不安の中にこそ、伸びしろがある
私はまだ“プロデューサー”ではありません。
でも、不安や迷いの中で一つずつ積み上げてきた経験が、確かに今につながっていると感じています。「このスキルが身についた」と自信を持てる日が、少しずつ増えてきました。そして今は、「もっとできることを増やしたい」と思えるようになっています。今後、身に着けたスキルを「どう応用していくか」、そしてその先にある「提案を形にするプロセス」について、より具体的な事例を交えてお伝えしていきたいと思います。
