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【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第3回:Z世代視点の「第一想起」の作り方

【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第3回:Z世代視点の「第一想起」の作り方

「このブランド友達のストーリーで見たバッグだ!」
──そんなふうに、ふとした瞬間に特定のブランドを思い出したことはありませんか?

私は最近、クライアントとの提案会議で「なぜあのブランドは指名買いされるのか?」という話題になり、自然と自分の経験を振り返りました。
Z世代である私にとって、「知っているだけのブランド」と「実際に選びたくなるブランド」には明確な違いがあります。
それは、“無意識のうちに頭に浮かぶ存在かどうか”──つまり、第一想起されるブランドかどうかです。

第一想起とは、あるシーンやカテゴリを思い浮かべたとき、真っ先に頭に浮かぶブランドやサービスのこと。
マーケティングの世界では重要な概念ですが、実際にクライアントからも「いかに第一想起を取るかが勝負」といった声を耳にすることが増え、アシスタントである私にとっても避けて通れないテーマだと感じています。

今回は、クライアント案件での気づきや、「なぜ記憶に残るブランドが選ばれるのか?」、そして「どうすればその状態を作れるのか?」をアシスタントプロデューサー視点で考えてみたいと思います。

前回までのブログのおさらい

プロデューサーになれるのか不安だった私」が見つけた、成長の入口

「プロデューサーになりたいけど、自分にできるか不安」 そんな気持ちを抱えていたアシスタントの私が、日々の習慣からスキルを育て、成長の入口を見つけていく様子を綴ったのが前回の記事でした。 特に、共感的ヒアリング力が他のスキルにも波及し、プロデューサーに必要な力へと広がっていった過程を描きました。
前回ブログ:【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第2回:「まだプロデューサーじゃない私」が見つけた、成長の入口

なぜこのテーマを選んだのか

なぜこのテーマを選んだのか

想起という言葉を意識するきっかけは、あるアパレルブランドのブランディング戦略を考えていた時でした。
クライアントから「SNSだけでは一次的な購買にはつながるが長期的な購買にはつながらない」と相談を受け、改めて「自分はどうやってブランドを選んでいるのか」を振り返ってみました。
第一想起という言葉を意識するようになってから考えると、サービス・ブランドが記憶に残るきっかけは業種や体験によって本当にさまざまです。
たとえば、

アパレル

  • ヒートテック=ユニクロ
  • あの水色(ティファニーブルー)=ティファニー

飲料・食品

  • ファミレス=ガスト
  • コンビニ
  • ファミチキ=ファミリーマート

エンタメ・サービス

  • 「タダン!」の音=Netflix
  • 「ペイペイ♪」=PayPay

つまり、想起は “広告の記憶”に限らず、音・色・名前・体験など複数の要素が積み重なって形成されるもの、言うならば日常の体験や五感がつくる「記憶のフック」だと思います。
このテーマに向き合うことは、プロデューサーへの一歩にもつながるはずです。
「ただ提案を通す」のではなく、「記憶に残り、共感され、選ばれる体験」をどう作るかを考えることが、アシスタントからプロデューサーへ成長するための鍵になると考えています。
そこで今回は、私自身の世代、Z世代としての実感と体験を軸に、“第一想起”とはなにかを掘り下げてみたいと思います。

Z世代としての“記憶のフック”

先ほど第一想起は、“広告の記憶”に限らず日常の体験や五感がつくる「記憶のフック」だと説明しましたが、Z世代の消費行動には今までの世代と違い、「リアルな口コミ」「共感」「自分ごと化」といった特徴があります。
広告そのものを否定的に捉えているわけではなく、内容に興味を持てるかどうかが肝になるのです。

広告より“リアルな口コミ

私たちZ世代は、誰かの“リアルな体験”に共感すると購買の動機が一気に高まります。
たとえば、あるバッグを買うときも、Instagramの広告ではなく、友達がストーリーで自然に使っている姿や、推しがYouTubeのVlogで持っていたことが決め手になったことがあります。
広告で「おすすめ」と言われるより、自分が信頼する人の“生活の一部”として登場するほうが圧倒的に刺さるのです。

ブランドへの共感

ブランドへの共感も大きな要素です。
例えば、環境配慮といったスタンスが一貫しているブランドを見ると、「このブランド、なんか好きだな」と“応援する理由”が増える気がします。
私自身、環境配慮型のリサイクル素材を使ったアパレルブランドを知ったとき、
「どうせ買うなら、少しでも意味のある選択をしたい」という理由で、そのブランドのTシャツを購入しました。
ただ服を買うのではなく、「自分もその活動の一部になれる」感覚が強いんです。
商品のスペックだけでなく「ブランドが何を大切にしているか」に共感して選ばれていると感じます。

自分ごと化

最近強く感じるのは、「自分が関わった感覚」があると、ブランドや人への記憶が圧倒的に強く残るということです。
たとえば、コスメの新作カラー投票に参加して、自分が選んだ色が実際に発売された瞬間、
「あの色、私が選んだやつだ!」と一気に特別な存在に変わる。

私自身、最近ダンスのオーディション番組をきっかけに、初めて“推し”を持ちました。
番組を通してパフォーマンスを追いかけるうちに、
「この人たちに共感して応援したい」という気持ちが自然と生まれ、気づけばグッズ購入やイベント投票など、参加することが応援=消費行動につながっていたのです。

この感覚は、UGCキャンペーンやSNS企画でも同じです。
自分の投稿が公式アカウントで紹介されたとき、「このブランドは私の一部だ」と感じ、強い第一想起として残る。

この “参加感”はZ世代の購買体験において大きな価値を持ちます。
「便利・安い」だけではなく、「一緒に作っている」「応援できている」という実感こそが、記憶に残る理由になるのです。

なので「Z世代はテレビ離れしている」「広告嫌い」と言われることもありますが、実は“広告が嫌い”なのではなく、“自分の生活や価値観とつながらない情報”に興味を持てないだけなのだと思います。

リアルな口コミ、ブランドへの共感、そして自分ごと化──これらの要素が組み合わさると、広告も記憶のフックとして強く機能すると感じます。
言い換えれば、「ブランドがどれだけ自然に生活や感情に寄り添えるか」が、Z世代の第一想起を生む最大のポイントだと思います。

提案として活かせた記憶のフックの重要性

提案として活かせた記憶のフックの重要性

アシスタントプロデューサーとして働く中で、「記憶のフック」を意識した設計が、ブランドを“選ばれる存在”に変える大事なポイントだと強く感じる場面がありました。
広告は認知のきっかけにはなりますが、1回見た程度ではすぐに忘れられてしまう。
先ほど上記で説明した通り、特にZ世代は、「リアルな口コミ」「共感」「自分ごと化」などを重視しているため、単なる広告露出だけでは印象が残りにくいと感じます。

そこで私の携わっている案件では、

  • サウンドロゴでブランドを耳に残す工夫
  • UGC(ユーザー生成コンテンツ)を促すキャンペーン
  • 参加型のライブストリーム
  • 複数ジャンルのSNS投稿による多角的な露出で自然な接触を増やし、生活の中に“何度も出会う”仕組みをつくる戦略

を提案しました。

この案件はZ世代だけを対象にしたものではなく、幅広い年齢層にブランドを浸透させる必要がありました。
だからこそ、Z世代的な「共感・参加感」の要素と、他世代にも響く「体験や五感の記憶」を掛け合わせた施策を意識しました。

クライアントからは、「“音”を軸にして記憶に残すアプローチは面白いですね。自然とUGCが生まれたり、SNS上でも共有されやすい流れが作れそうだと感じました」とのご感想をいただいており、接点設計に対しても前向きな反応を頂戴しています。

もちろん、これだけですぐに第一想起になれるわけではありません。
ただ、こうした接触の積み重ねが「思い出される存在」への第一歩だと強く感じています。

この発信も、「第一想起されるプロデューサー」になるための挑戦

ここまでお読みいただきありがとうございました。今回の発信は、Z世代としてのリアルな実感や体験に基づいて書いたものですが、実はこのアウトプット自体が、「特定の分野で第一想起されるプロデューサーになるための挑戦」でもあります。

クライアントワークの中で「第一想起をどう設計するか」を考え続けている一方で、私自身も「どんなプロデューサーとして記憶に残りたいか?」という問いと向き合っています。
たとえば、「Z世代向けのプロモーションならあの人に聞いてみよう」とか
「ビジネスプロデュースの相談なら、まずは彼女に声をかけたい」と思ってもらえる存在。

そんな“想起される存在”になるためには、クライアントに提案するだけでなく、日々の発信や思考の積み重ねを通じて、自分自身の文脈も形づくっていくことが大切だと感じています。だからこそこのブログも、単なる備忘録ではなく、「誰かにとっての“記憶のフック”になり得る言葉」を紡ぐことを意識しています。「まだアシスタント」だけど、「“第一想起されるプロデューサー”になるまでの道のり」を、発信という形で歩んでいる。
そんな気持ちを込めて、これからも考え続けていきたいと思います。

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