最終回【OMOとは。CX最大化への道】〜OMO実践のためのデータ活用〜
本シリーズでは、マーケティンググループ ディレクターの石永より、OMOを実施・成功させるうえで参考になるような情報や、アイリッジとしての見解を発信してきました。
本シリーズも、いよいよ今回でラストなります。
第1回目:【OMOとは。CX最大化への道】〜O2Oの再確認とOMOへのアプローチ〜
第2回目:【OMOとは。CX最大化への道】〜オムニチャネルの再確認とOMOに向けた思考法 〜
第3回目:【OMOとは。CX最大化への道】〜OMOについての思考 〜
前回の第3回目では、OMOを実践するにあたってのオムニチャネルとの関わり、ニューリーテール、IMC(Integrated Marketing Communication)の実行についてご紹介しました。
特に4P(商品視点)から、今は4C(顧客視点)を重視する活動を意識した戦略作りが大切であることをお伝えしました。
シリーズ最終回の本日は、これまでのO2O・オムニチャネル・OMOを実践するにあたって必要になるデータの活用についてをご紹介します。
マーケティングプロセスの中でのデータ活用
下記の図は、マーケティングを行う上でのフレームワームをプロセスごとに整理したものです。
背景が薄いピンクになっている箇所がデータ取得やデータ活用が可能な領域で、濃いピンクで囲っている箇所がOMOを行う上でのデータ活用が特に重要になる箇所になります。
要約すると、4Cでのデータ収集とそれを活用したプロセスを高速でPDCAを回しましょうとなりますが、これを実現するにあたってCDPというプラットフォームが活用されることが多くあります。
顧客データ活用プラットフォーム「CDP」
CDP(カスタマー・データ・プラットフォーム)は、主に顧客へのOne to Oneのアプローチが可能であることが特徴です。
これまでの解説で、OMOでは4C(顧客視点)での顧客に関するデータの活用が重要になることをお伝えしてきましたが、CDPには1st Partyデータ、個々の顧客情報や、それに紐づく活動ログが収集、蓄積できる機能が付いていることが一般的です。
また、そのデータを分析・アクション装置で実行することも可能です。
CDPの活用によって、顧客のCXを最大限高めて、OMOを実現させる事がCDPの大きな役割になっています。
では、以前からあるDMP(データ・マネジメント・プラットフォーム)とCDPは何が違うのかと疑問を持たれる方も多いかと思いますが、DMPとCDPは機能に大きな差はありません。
ただし、CDPは個人情報を扱い One to One のアクションが可能であることがDMPとの違いです。
OMOを実施したいと考えている企業さまで、CDPの導入を検討されている場合は、個人情報が扱える利用規約や契約になっているかも確認しながら検討を進めていくことをお勧めします。
また、CDPの導入後に課題をお持ちの企業さまも少なくありません。
CDPを導入する事自体が目的となり、活用イメージや顧客へのゴール設定が曖昧で、どうCDPを使ったらいいのを悩まれる企業さまを多く見かけます。
CDPを提供する各社は広告連携やCRM領域など、それぞれ強みを持っている場合が多いので、どの様な顧客へのアプローチを重視してCXを高めようとしているかを先にしっかり検討してからCDPを導入することをお勧めします。
OMOの解説では、オンライン・オフラインのデータを活用して、個々のユーザーの消費ステップでUXの最大化を目指しましょう!とお伝えしました。
それぞれのUXを繋げることで、CX最大化を生み、OMOを実現しましょうともお話しています。
なによりも大事なのは、データをオンライン・オフラインでどの様に活用をするかをイメージしたうえで、データを正確に取得し、利用できる状態に整えることです。
そして、各消費ステップで効果測定を行い、改善のPDCAを高速でまわすことがOMOの成功の近道ではないかと考えています。
最後に
これまでO2O、オムニチャネル、OMO、CDPとマーケティング観点でご案内をしてきました。
OMOがうまく活用出来ている事例は、オンライン・オフラインが自然に融合されているので、意識しないとデータがどこで取得・利用されているのか分からない場合が多いです。
その様なケースが、OMOがうまくいっている状態だと私は考えています。
【身近なOMO】シリーズ でOMOの事例をあげております。
一例ではありますが、表面的な顧客体験の参考とその中でどの様にデータが活用されているかなども考察しながら読んで頂けると嬉しいです。
マーケティンンググループ ディレクター 石永孝士