企業がすべき顧客をファンにする方法:「顧客を知る」「体験を作る」「顧客に届ける」
こんにちは、マーケティング部の堀です。
前回のブログでは『マーケティングの鍵は「ファン」〜ファンの定義と生み出す効果とは〜』というテーマで、なぜマーケティングをしていく上でファンが重要となるのか、ファンが企業やサービスにもたらす効果の重要性をお話しさせていただきました。
ではファンになってもらうにはどうしたらいいかというと、顧客の趣味嗜好やニーズ、企業(ブランド)に期待していることに合わせた体験を提供し続けることが必要になります。
今回は実際にファンになってもらうには、企業は何をすべきかというところを「顧客を知る」「体験を作る」「顧客に届ける」の3つのステップでご紹介します。
顧客を知る
顧客を知るために大切なのが「顧客情報」「購買データ」「行動データ」の3つの情報を集めることです。
特に顧客が商品やサービスを購入した際の「購買データ」と商品・サービスを購入するまでの「行動データ」の情報により、顧客情報だけでは知ることのできなかった顧客の姿を鮮明に知ることができます。
顧客の名前、年齢層や性別、電話番号やメールアドレスなどの顧客情報だけでは十分に顧客を知っているとは言えません。
その顧客がどのくらい商品やサービスに興味があったり、不満があったり、どうして購買まで至ってくれたのかは顧客情報だけではわかりません。
そこで「顧客情報」と合わせ、「購買データ」「行動データ」から顧客のことを知ることが重要となります。
では「購買データ」と「行動データ」がどのような情報で、どのように取得することができるか説明します。
購買データ
購買データはその名の通り顧客が購入した情報です。
「いつ」「どこで」「誰が」「何を」「どのように」購入したかという情報は蓄積させることで、どの顧客がどんな商品やサービスに興味を示しているかなどの詳しい情報を知ることができます。
顧客の興味や志向を理解することで、より顧客ニーズに合わせたマーケティングが行えるのです。
購買データを収集し蓄積していくことで、よりロイヤリティーの高い顧客を見つけ出すことが可能になります。
購買データはオンラインであればWebやアプリからデータを収集することができます。オフラインであればPOSレジなどが一般的ですね。
行動データ
行動データは「顧客が商品やサービスを購入した」、または「購入経路から離脱してしまった」、などの顧客の流入から購買までの行動を示すデータです。
行動データから購入フローや離脱フローを理解することで、顧客が購入に至ったポイントやボトルネックポイントを発見し、改善することで、より購買までシームレスな動線を作ることができます。
行動データはオンラインであれば Google Analytics や Marketing Automationツールなどで取得可能です。
近年では自社アプリを利用している企業も多いため、アプリ内の顧客行動データもマーケティング施作において重要な情報となり得ます。
オフラインで行動データを収集する方法としては、スマホが普及したこともあり、GPSによる位置情報やフリーWi-Fiでの屋内行動把握、リアル店舗でのBluetoothを利用した来店者の店内行動把握など、様々な方法でデータを取得することができます。
このようなオンライン/オフラインの「購買データ」「行動データ」を「顧客情報」と掛け合わせることで、より詳細に顧客を理解することができるようになります。
今まで自社の商品を購入している人やサービスを利用している人を直感的に予想し、「顧客を知る」という行動をせずターゲットを設定したり、それに合わせたサービス形態を考えてしまっていたという方もいるのではないでしょうか。
「顧客を知り、理解することによって、より顧客に喜んでもらえる体験を作る」というステップをぜひ実践いただけたらと思います。
体験を作る
それでは次のステップである「体験を作る」について説明します。
この体験を作るでは前述の「顧客を知る」で集めた情報をもとに、どのように顧客に知ってもらい、好きになってもらうのかの仕組みづくりをしていく段階です。
皆さんも日頃色々なお知らせメールやアプリ広告などを受け取る機会があり、その中で自分の「好き」とのミスマッチを感じるケースがあるのではないでしょうか。
それは企業側が顧客のことをよく知らずにマーケティング活動を行なっている可能性がありるから起こることです。
それでは顧客に商品やサービスを好きになってもらうことはできません。
アイリッジでは「体験を作る」について多くの企業が困っているところであり、かつ効果を左右する大きなポイントとなっていると考えます。
企業が体験を作るプロセスで最終的に目指しているゴールは、精度の高いセグメントに合わせた施策の立案となります。
しかし、ただなんとなくでセグメントを作成し、施策するだけでは、思うような効果を得られず終わってしまうことが多いです。
ではどうしたらミスマッチをせず、顧客にマッチした体験を作れるかですが、弊社では、より精度の高いセグメントを作成し、施策に落とし込むため、顧客の体験を作るというプロセスをさらに細分化し、以下の6つのステップ分けて考えます。
- ステップ1:ユーザーステージ定義
- ステップ2:シナリオ定義
- ステップ3:ファネル/KPI定義
- ステップ4:セグメント一覧作成
- ステップ5:アプリ内イベント統計
- ステップ6:施策一覧作成
次に、その施策をどのように「顧客に届ける」かをお話しします。
顧客に届ける
ここまで顧客を知って、それに合わせた体験を作りました。
最後に、この体験を顧客に届けましょう。
今ではメルマガ、プッシュ通知、広告などを利用することで、企業が体験を「顧客に届ける」ことができます。
一方で、数ある企業からの情報を取捨選択するのは顧客側です。
ここまで顧客に選んでもらうために、「顧客を知る」「体験を作る」プロセスを行ったので、ぜひ顧客に施策を届けたいですよね。
届ける手段もまた「顧客を知る」事でどの手法が一番顧客とのエンゲージメントが高いか知る事ができ、顧客にあった届け方をしてあげると良いでしょう。
この時重要なのが、最終的にコンバージョンに繋がらなかった時にどうするか。
どうかそこで終わりにしないでください。
もし、コンバージョンに繋がらず「体験してもらえなかった」「興味を持ってもらえなかった」としても、これも顧客のデータの一つで、顧客の新たな一面を知ることができたということです。
決して「顧客に届ける」の過程で終わりにするのではなく、「顧客を知る」「体験を作る」「顧客に届ける」「再度顧客を知る」・・・のサイクルを回すことを心がけてください。
新たに知った顧客の情報も収集・分析し、再度体験を作って顧客に届ける。
これを繰り返すことにより、どんどん顧客それぞれに最適な形でサービスが提供できるようになり、顧客にファンになってもらえるようになってきます。
最後に
ファンになってもらうために企業が行うべき「顧客を知る」「体験を作る」「顧客に届ける」をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
ファンになってもらうにはまず自社の顧客としっかり向き合う必要があることを理解していただけたら光栄です。
今回はわかりやすく説明するための例として、個客に視点を当ててお話ししましたが、もちろんセグメント分けしたグループに対してマーケティングを行う際にも、これらの3ステップは有効的です。
個客でもグループでもしっかりと「顧客を知る」「体験を作る」「顧客に届ける」ことを心がけることで、顧客をファン化し、「継続的な売り上げ増加」などの最終的な企業ゴールを達成することに繋げることができるでしょう。
アイリッジでは、アプリを利用したファンとのコミュニケーションを推進しています。
アプリなら、プッシュ通知などの情報発信を通したオンラインでのコミュニケーションも、デジタル会員証をはじめとする実店舗でのサービスを通したオフラインのコミュニケーションも、一気通貫でデザイン可能です。
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