まずアプリを使いはじめてもらうには?ポイントと課題の見つけ方 |アプリグロースハック#3
今あるアプリをさらに成長させたいという時に、ぜひ取り入れていただきたいのがアプリグロースハックの手法です。
最初にアプリの現状分析を行い、自社の状態を把握できたら、次はその結果をもとにアプリを改善していくための具体的な課題発見と目標設定が必要となります。
本記事では#1で紹介したAARRRモデルのうち、最初のAcquisition=ユーザー獲得したあとの2つ目のフェーズ、Activation=ユーザー活性化のフェーズに課題を持っているケースを例に、定量分析の観点で考えていきたいと思います。
1.Activation=ユーザー活性化とは
まず、Activation(アクティベーション)=ユーザー活性化のフェーズとはどういう状態なのかからお話ししていきます。
アプリグロースハックをする上で意識してほしいことのひとつに、AARRRモデルというフレームワークがあります。
AARRRモデルにおける2段階目をActivation=ユーザー活性化といいます。
ユーザーがアプリをダウンロードした後に、アプリに魅力を感じて実際に使用していくフェーズを指しています。
この段階でユーザーにしっかりアプリ利用を促すことに成功すれば、継続利用やプラスの口コミの発信など、アプリにとってプラスの方向へ繋げていくことができます。
そのため、ここはぜひ意識して注力していただきたい、重要なフェーズです。
では、アプリに魅力を感じて実際に利用してもらうには何が必要でしょうか。
もっとも大事にしたいのが、ダウンロード直後のユーザー体験です。
ユーザーがアプリを使い続けてくれるかどうかは、ダウンロード直後にいい体験をしたかどうかに左右されます。
そのため、現状分析でユーザー活性化のフェーズにあるとわかった場合、まずはこのユーザー体験に問題がないか考えてみるといいでしょう。
ユーザーのつまずきのポイントを早期に発見し改善していくことで、ユーザーは2度・3度とアプリを利用してくれるようになります。
そうすれば、まずは「ダウンロードされたきり使われない」という問題は解消し、グロースハックも次のフェーズへ移ることができます。
とはいえ、一度改善すればもうユーザー活性化が不要かというとそうではありません。
定期的にモニタリングして改善してを続けていくようにしましょう。
ここからは、実際にアプリのどこに課題があるのかを探っていきたいと思います。
2.ファネル分析で課題発見
ここでは、具体的な課題発見と目標設定の手順について説明します。
(1)ユーザー活性化フェーズにおける達成基準の確認
まずは、ユーザー活性化フェーズにおける達成基準をあらためて確認しておきましょう。
これは、自社アプリの性質にあわせて、次フェーズである“Retention(リテンション)=継続”に繋がる第一段階といえるようなユーザーのアクションを基準とするのが望ましいです。
例)
-短期間での再訪率◯% (期間は◯時間後なのか、◯日後なのかアプリ利用シーンによって異なる)
-会員登録率
-短期間での利用数 など
(2)ユーザーがつまづく要因の把握
次に、ユーザーがつまづく要因がどこにあるかを定量的に把握していきます。
そのためには、アプリの初回ダウンロードから、先ほど(1)で決めたゴールまでのユーザーの行動プロセスを洗い出し、ファネルに起こします。
例えば短期間での再訪をゴールとした場合だと、下の図のようになります。
(3)プロセスごとのユーザー数の集計
アプリ内行動のデータをもとに、(2)で作成したファネルの各プロセスごとにユーザー数を集計します。
各々の数値を比較していき、離脱する割合が大きいプロセスがあれば、そこが課題となっている部分だとわかります。
アイリッジの提供するFANSHIPではイベントトラッキングを実装することで、レポートにて上記のようなファネル分析をすることが可能です。
(4)改善に向けたKPIの設定
(3)で課題を見つけることができたら、早速改善をしていきます。まずは課題となる部分に対してKPIを設定するところから始めるといいでしょう。
KPI設定例)
・チュートリアル完了率◯%
・会員登録率◯%
・再訪率◯% など
その後、KPI達成に向けた施策を立案し、実行していきます。
KPIの設定数値もそうですが、施策についても最初からあまり難易度を上げないようにしてください。
結果をすぐに実感できず、改善のためのモチベーションが保てなくなってしまう恐れがあります。
ハードルが低いものから少しずつ進めていく方が効果的です。
今回ご説明したようなファネル分析による課題の探し方は、グロースハックにおけるさまざまな場面で有効です。
アプリに限らず、サービスやプロジェクトがうまくいっていないと感じたら、ぜひこのファネル分析を活用してみてください。
まとめ
今回は、Activation=ユーザー活性化を例にとり、ファネル分析による課題発見の方法とその後に実施すべきオンボーディング施策について解説しましたが、いかがだったでしょうか。
アプリ内におけるユーザー行動データの数値をもとにファネル分析を行うことで、ユーザーが離脱してしまうポイントを洗い出し、課題を発見することができます。
その後のオンボーディング施策と併せて、皆さまのアプリの成長の参考になれば幸いです。
次回は、UXリサーチに基づいた定性データの観点からのアプリグロースハックについてお届けします。
アプリグロースハックシリーズのご紹介
グロースハックの概要やフレームワークについて
アプリの現状分析の方法について