リピート率とは?リピーター率との違い・計算方法・向上させる施策等を解説
ビジネスの成功のためには新規顧客の獲得が欠かせませんが、同じくらい重要なのが、その顧客に継続的に利用してもらうこと、すなわちリピート率を向上させることです。
リピート率は、どれだけの顧客が継続して購買や利用を行っているかを示す重要な指標です。
そこで本記事では、ビジネスにおけるリピート率の概念や重要視する理由を解説するとともに、計算方法などを紹介します。
リピート率がなかなか上がらない原因やそれを解消するための施策例も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
リピート率とは
リピート率とは、特定の期間内に新しく購買や利用を行った人のうち、複数回利用してくれた人の割合を示す指標です。
同じ顧客が一定期間内に2回3回と購入を繰り返すとリピート率は高くなり、一度きりの顧客が増えれば増えるほどリピート率は低くなります。
リピート率が高いということは、何度も店舗やブランドを利用してくれる人が多いということです。
顧客満足度が高く、その分売上も向上していきます。
つまり、高いリピート率を維持することは、ビジネスの成功において非常に重要な要素となります。
リピート率の計算方法
リピート率は、一般的に次のような方法で計算されます。
リピート率(%)=(特定期間内に複数回利用した顧客数÷その期間内の新規顧客数)×100
例えば、3ヶ月に新規で利用した人の総数が300人、そのうち2回以上利用した人の数が30人のA店の場合を考えてみましょう。
上の式に当てはめると、
リピート率(%)=(30÷300)×100=10
つまり、A店の3ヶ月のリピート率は10%ということになります。
一般的にリピート率というと、「初回利用から2回目の利用をした人の割合」を指すことが多いですが、「2回利用した後、3回目のリピートをした人の割合」「3回利用した後、4回目のリピートをした人の割合」などを計算する場合もあります。
また、上の例では3ヶ月のリピート率を計算しましたが、同じように「1ヶ月のリピート率」「1年間のリピート率」などを求めることも可能です。
業種や商品によってリピートされる頻度が異なるため、自社の性質に合わせて適切に期間を設定するようにしましょう。
リピート率とリピーター率の違い
リピート率とよく似た言葉に、「リピーター率」というものがあります。
この2つはどちらも顧客の継続利用に関する指標ですが、微妙な違いがあります。
リピート率とは、特定の期間内に初めてその企業やブランドを利用した顧客のうち、再度利用してくれた人の割合のことで、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する信頼や愛着のこと)の度合いを示すものです。
一方、リピーター率とは、特定期間内に商品を利用した顧客のうち、リピーターが占める割合のこと。
以下の計算式で求められます。
リピーター率(%)=(特定期間内に複数回利用した顧客数÷その期間内の総顧客数)×100
リピート率が新規顧客数をもとにしているのに対し、リピーター率は総顧客数をもとにしています。
リピート率は一般的に高いほうが良いといわれていますが、リピーター率はそうとは限りません。
リピーター率が高い=新規顧客を獲得できていない可能性があるという意味であるため、高すぎるリピーター率には注意が必要です。
リピート率の向上を重要視する理由
では、ビジネスの成功においてリピート率を向上させることはなぜ重要だと言われているのでしょうか。
その理由としては、主に以下の3つが考えられます。
- 売上アップや事業の成長を狙えるため
- コスト削減につながるため
- 顧客満足度の指標となるため
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由1 売上アップや事業の成長を狙えるため
リピート率を向上させることは、売上向上や事業の成長に直結する重要な要素です。
同じ顧客が何度も繰り返し利用してくれれば、その分安定的な収益につながります。
ロイヤルティの高い優良顧客が継続的に利用することで、効果的なクロスセルやアップセル(※)の機会も増え、単価の向上も期待できるでしょう。
つまり、既存の顧客が継続的に商品やサービスを購入・利用することは、単に一度の取引では得られない長期的な収益を確保するということであり、事業を成長させることにつながるということです。
※クロスセル・アップセル
普段利用している商品やサービスのついでに関連商品を購入してもらうための営業活動を「クロスセル」、普段利用している商品やサービスの代わりにより高価なものを購入してもらうための営業活動を「アップセル」といいます。
理由2 コスト削減につながるため
リピート率の向上は、コストの削減のためにも欠かせません。
新規顧客を獲得するためには、広告やマーケティング、セールスの活動などに多くのコストがかかります。
一方で、既存顧客はブランドや商品に既に興味を持ち、信頼を築いているため、新規顧客と比べるとマーケティングコストは比較的かからずに済みます。
つまり、リピート率を高く維持できていればそのぶん効率的に収益を獲得することができるということです。
それを分かりやすく表現しているのが、「1:5の法則」です。
これは、新規顧客の獲得にはリピーターの獲得よりもコストが5倍かかるということを意味していて、マーケティングの場で頻繁に活用されています。
理由3 顧客満足度の指標となるため
ビジネスの成功のためには、顧客満足度の向上が必要不可欠です。
顧客満足度を向上させることで、長期的な関係性の構築や口コミによる新規顧客の獲得にもつながります。
しかし、顧客満足度は「顧客が店舗やブランド、商品にどれだけ満足しているか」を示すものであり、それを数値で算出するのは簡単なことではありません。
そこで活用できるのが、リピート率です。
顧客が繰り返し購買や利用を行うということは、企業やブランドが提供している商品・サービスの価値や体験に満足していると考えることができます。
高いリピート率は、それだけ満足度が高いということを示しているのです。
リピート率が向上しない原因
リピート率が向上しない原因はさまざまありますが、大きく以下の3つに分けられます。
- 商品やサービスに不満がある
- 他社と比べて優位性が低い
- リピーター施策が足りない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
原因1 商品やサービスに不満がある
顧客が繰り返し利用をしない主な原因の1つは、提供されている商品やサービスに不満がある場合です。
製品の品質、機能、効果、価格などに満足していない場合、当然ながら顧客は同じ商品を再度利用しようとは思いません。
また、商品自体には満足していても、店舗での接客やアフターフォローなどに不満がある場合も、リピートはしないでしょう。
この問題を解決するためには、顧客の声をしっかりと収集し、改善点を把握して改善を行うことが重要です。
原因2 他社と比べて優位性が低い
競争が激しい業界では、他社との比較で優位性が低い場合、顧客が別の選択肢に流れる可能性が高まります。
例えば、「同じ値段でクオリティの高い商品が買える」「お得なポイント制度が利用できる」などの理由で、他社商品に乗り換えられてしまうことは珍しくありません。
自社商品を選んでもらいリピート率を向上させるためには、商品・サービスの特徴や価値提案をアピールすること、競合他社との違いを示すことが重要です。
原因3 リピーター施策が足りない
リピーター施策が足りないのも、リピート率が向上しない理由の1つです。
リピートしてもらうためには商品やサービスの魅力も大切ですが、それと同じくらい、利用してもらうための仕組みづくりも重要なのです。
また、新規顧客を獲得するためにさまざまなマーケティング施策を打つ必要があるように、リピーターを獲得するためにはそのための施策が欠かせません。
特別な割引やクーポン、会員特典、定期購入プランなどを通じて、リピーターになってもらうための工夫が必要です。
リピート率を向上させる施策
リピート率を向上させるためには、以下のような施策が効果的です。
- アフターフォローを手厚くする
- 顧客とのコミュニケーションを大切にする
- 顧客の利用状況に合わせたクーポンを発行する
- 会員制度やポイントカードを導入する
- 定期的にキャンペーンやセールを実施する
大切なのは、商品やサービスを顧客に満足してもらい、「また利用したい」と思ってもらうことです。
アフターフォローを充実させたり、定期的にコミュニケーションを取ったりすることで、利用後も企業やブランドの存在を忘れられないようにしておくことも大切です。
また、何度も利用することによって顧客側がメリットを感じられる仕組みを作ることも欠かせません。
クーポンの発行や会員制度・ポイントカードの導入、限定のキャンペーンやセールの実施などを行い、利用頻度を上げることを意識しましょう。
これらの施策を行うには、アプリを活用するのが便利です。
アプリを活用したリピーター施策については、こちらで詳しく解説しています。
まとめ
売上アップやコスト削減のためには、リピート率の向上が欠かせません。
リピート率は顧客満足度の指標にもなるため、企業や店舗を効果的に運営していくためには、常にリピート率を把握し、向上させるための施策を練ることが大切です。
まずは自社のリピート率を計算し、現状を把握することから始めましょう。
リピート率を向上させるにはアプリを活用した施策が効果的です。
リピート率向上の施策にアプリの活用を検討される企業様は、ぜひアイリッジにご相談ください。
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