|
タグ:
フロッピーディスクはもう古い?最新の保存アイコンとは
こんにちは。
UIUXチーム、デザイナーの斎藤です。
面白いアプリの企画があっても、ただ形にしただけでは他アプリとの差別化が難しくなってきています。
日々大量にリリースされるアプリのなかで埋もれないものを作るためには、魅力的なデザインと効果的なユーザビリティをもつアプリデザインが必要です。
そのため、私達UIUXチームでは、デザイン、心理、人間工学、ユーザビリティをどのように組み合わせればよいのかを日々研究しているわけですが、その重要な要素のひとつにアイコンがあります。
「戻る」「進む」「トップへ」「ブラウザでみる」「共有する」など。限られた小さい画面で、ユーザーへ気持ちよく的確に情報を提供するためには、細部まで考えられたアイコンが不可欠です。
今回は、そんなアプリデザインに欠かせないアイコンのなかでも、特に話題になりやすい保存アイコンについて書きたいと思います。
UIUXデザインに携わっているとたまに見かける保存アイコンの問題。保存を表現するのにフロッピーディスクって古くない?という問題です。
続いて、私が愛用しているアイコン・ピクトグラムサイト「The Noun Project」で「save」を検索した結果がこちら。
圧倒的にフロッピーディスクのイラストが多いです。
では、現在、どれくらい、フロッピーディスクが使われているかというと…
調べるまでもなく、今ではほとんど使われなくなりました。
少なくとも私の周りでは使われていませんし、中学生に見せても何だか分からないという話を聞きます。
有名なdribbbleでも保存アイコンの問題は取り上げられています。
多くのデザイナーが新しいアイコンを模索しているのが分かります。
眺めていると、フロッピーディスクをより美しく描くことに注力したアイコンが減って、『保存する』という行為自体を見直したものが多くなっています。
・ネットワークの世界からデータ保存する=下向き矢印のもの
・ローカルのデータをクラウドに保存する=上向き矢印のもの
・ローカルとクラウドのデータを同期する=保存=回転矢印のもの
など、保存の方法に幅がでてきたことに伴って、保存アイコンも多様化しています。
メタファーは、物事を分かりやすくし、よい感情を引き起こします。
しかし、刻々と変化する環境に合わせていくためには、ユーザビリティを考慮したイディオムに則ったデザインが重要です。
携帯電話の縮小化からアプリ多様化まで、その流れをみても分かる通り、物体としての進化が求められた時代から進化するシステム作りが求められる時代に移り変わりつつあります。
物を連想させるデザインから学習しやすいデザインへ。
それぞれのアプリに合ったアイコンをしっかり検討することが必要なのだと思います。
参考URL:
http://graphicdesign.stackexchange.com/questions/323/new-generation-of-save-icon-that-is-not-a-disk
http://www.amazon.co.jp/dp/4788509210
http://memo.goodpatch.co/2013/04/about-save-icon/
http://www.yasuhisa.com/could/article/icon-as-idiom/
http://www.usability.gr.jp/alertbox/9605.html
保存アイコン=フロッピーディスク?
これは「save icon」というキーワードで画像検索した結果です。
上位10枚、すべてフロッピーディスク
なぜいまだに保存アイコン=フロッピーディスクなのか
では、なぜ、過去のものとなりつつあるフロッピーディスクが、いまだに保存アイコンとして使われているのでしょうか。 そこには「メタファー」と「イディオム」このふたつの言葉が関係しているようです。メタファーとは… 物事のある側面をより具体的なイメージを喚起する言葉で置き換え簡潔に表現する機能をもつ。
イディオムとは… 慣用句、熟語などと訳される用語。 連結によって、慣習的に用例と意味が固定しており、字面から意味を推測できないことも多い。少し難しいですが、今回の話でいえば、 過去の人が「保存する」という行為を、保存するもの(フロッピーディスク)に置き換えることで表現したのが「メタファー」 フロッピーディスクのイラストがあれば保存アイコンだと気づくこと、それが「イディオム」 です。 メタファーの考え方に則れば、もう使われていないものでその行為を表現することは間違っているように思います。 ですが、イディオム(慣用句)とは、それがありえなくても、過去のものでも、慣習によって共通の理解を得ることができるものです。 イディオムの考え方で捉えれば、古いから理解できないのでなく、古いからこそ理解できる、となります。 メタファーの手法によって作られたアイコンが今の時代に適さなくなっても、ユーザーが学んだために、その形を見ただけで、行動を促すことができるようになった。 いまだにフロッピーディスクが保存アイコンとして使われている理由は、このような進化の過程だと考えられます。
次世代の保存アイコンとは
メタファーからイディオムへと進化した保存アイコン。ユーザが期待することへの適合という意味では、使い続けることに問題がないように思います。 「デザインの慣習から外れることはよくない。物事がいつも同じように動いていれば、何が起こるかいちいち心配する必要はない。」ユーザビリティの権威、ドナルド・ノーマンもヤコブ・ニールセンも言っているように「定番を使う」というのはユーザビリティの常識としてあります。 しかし、定番ばかりでは、ユーザーが満足しないのも事実です。 冒頭であげたように、膨大なアプリの中で差別化を計るために、より感情に訴えるデザインが必求められています。 これはデザイナーが新しい保存アイコンを模索している様子です。
New generation of Save icon that is not a “disk”?

「Floppy Disk Boycott」という言葉も
