盛り上がっているのはFintechだけではない?!お金にまつわるアプリ
弊社でもFintech関連のソリューション開発を進めていますが、今回はtoC向けに盛り上がりを見せているお金にまつわるアプリについて紹介させて頂きます。
1. 身の回りのモノを現金化するアプリ「CASH」
株式会社バンクが運営する、いわゆる質屋を模したアプリで、自分の身の回りにあるモノを撮影し送信すると現金が得られるというもの。
現金引き出しは銀行振込 or ローソン受け取りのいずれかで即日対応され、現金引き出し後は2か月以内に返金 or 撮影した現物を同社に配送のいずれかを行います。
そして何よりすごいのが、このアプリ利用に必要な情報は携帯電話番号(SMS認証)のみ。
かなりぶっとんだサービスですよね。
しかしあまりにぶっとんだサービスだったためか、2017年6月28日のリリースからわずか16時間でサービスを停止を余儀なくされています。(※2017年7月25日現在)
なお、サービスだけではなく、ビジネスモデルも非常に特徴的です。
事業のメインはあくまで古物流通業であり、参入あたって労力やコストのかかる貸金業法や質屋営業法にはあてはまらない、との解釈のもと、
①手数料ビジネス(現金引き出し時の手数料250円、引き出した現金を返す際の手数料15%)
②古物売却(引き出された現金が戻らなかった際の現物売却)
の2点で収益化を図ろうとしています。この発想は非常にトリッキーで驚かされました。
<2017.08.24 追記>
2017.08.24よりサービス再開がアナウンスされました。
今回のサービス再開にともない、キャッシュ上限金額を設定し、上限金額までの残額表示を行うことになったようです。
また、当初は15%としていたキャンセル手数料を無料にし、発送期限を2週間以内に変更したようです。
このほか、ユーザーの評価制度も導入されています。
2. 自撮りでお金が貯まるアプリ「S-chop」
スコップ株式会社が運営する、いわゆる広告主のバイラルマーケティングを実現するためのカスタマーサイドアプリです。
ミッションと呼ばれるいろいろな自撮りのシチュエーションをクリアすることで、報酬が得られます。
これまで、「ポケモンぬいぐるみと自撮り(100円)」「堀江貴文著 「99%の会社はいらない」 と自撮り(200円)」「Pepperくんと仲良く撮影(2,000円)」など、少額から高額までバラエティに富んだミッションが豊富です。
報酬の出金は銀行振込 or 慈善団体への寄付(ユニークですが炎上回避の配慮でしょうか)のいずれかで、2,000円以上溜まると出金可能になります。
仮想通貨やポイントといった概念ではなく、あくまで現金獲得を明示しているものの、アプリ上では「見つけたお金」というすこしソフトな表現にしている点などは炎上リスク回避の配慮のように見受けられます。
同社いわく、2016年8月23日のリリース以降これまでに炎上やクレームなど起きていないとのこと。
コンセプトであるインフルエンサーマーケティングに潜むステマリスクの回避、一般ユーザーによるシミュラークル型マーケティングの実現を運営会社自身が体現しているところなど、非常によく考えられています。
3.まとめ
これまでtoC向けのお金にまつわるアプリといえば、リワード(≒お小遣い稼ぎサービス)が主でしたが、今回紹介したアプリのようにこれまでとは違った視点でビジネスモデルを構築するケースも出てきました。
もちろんお金にまつわるだけあって、非常にシビアにビジネス検討をしなければなりませんが、お金に興味ある人が多くを占めるであろう市場の中で新規事業検討するのは非常にやりがいがありそうです。
みなさまもいかがでしょうか?