LINEミニアプリって、何ができるの? LINE公式アカウントとの併用で顧客体験(CX)がこう変わる!【前編】
自社で作ったアプリがなかなかダウンロードされない。
LINE公式アカウントは持っているけど、あまり有効活用できていない……。
そんな企業にとって、新たな選択肢となるのが、「LINEミニアプリ」の導入です。
そこで、今回は4月21日に開催された株式会社トーチライトの永井将史さんと、サービス企画部 ミニアプリグループの中村巧が登壇したウェビナー「有効なユーザーエンゲージメントを実現できてる? LINEミニアプリとLINE公式アカウントを併用で実現する継続的な顧客体験」を再構成し、
「そもそもLINEミニアプリとは、普通のアプリと何が違うの?」
「LINEアカウントと併用することでどんな顧客体験を生みだせるの?」
について、2回に分けてご紹介していきます。
▼後編はこちら
良質な「顧客体験(CX)」を提供するには何が必要?
―まず、昨今のアプリ運用でよく名前があがる「CX」と「DX」とはどんなものなのでしょうか。
永井:CXはCustomer Experience(カスタマー・エクスペリエンス/顧客体験)の略称です。もっと詳しく言うと、ユーザーがある商品やサービスを利用する際の、比較検討から購入、その後の評価までといった、一連の体験を意味しています。
顧客体験が優良であればあるほどユーザーの行動を促進できるため、多くの企業でよりよい顧客体験の創出が求められています。なお、良い顧客体験(CX)を提供する上では、データの取得や蓄積、そして分析が欠かせません。
一方のDXはDigital Transformation(デジタルトランスフォーメーション)の略称です。これは、様々な環境やビジネス戦略、しくみなどをデジタルに置き換えることを意味しています。
DXを通じて、顧客の体験の場を提供し、顧客の行動に関するデータを蓄積し、管理分析し、課題があれば改善する。この一連の流れを繰り返すことで、より良い顧客体験を生みだすことができます。
CXとDXはもはや切り離せない存在で、両者をうまく循環させることが企業の成功につながります。
より上質な顧客体験を生みだす、LINEの活用方法とは
―CXとDXの融合がマーケティングにおいてより重要視されるなか、今回のテーマであるLINE運用にどうかかわってくるのでしょうか?
永井:世の中には様々なデジタルツールがありますが、LINEは月間ユーザー数9000万人(日本国内、2021年12月末時点)を越える巨大なチャネルのひとつです。
LINEを利用することで、より多くの顧客とのタッチポイントを生み、さらにそこで得た顧客データを上手に活用することで、より良質なCXの構築につながります。
―LINEでユーザーとタッチポイントを持つ場合は、どんなチャネルが考えられるのでしょうか?
永井:LINEを通じてユーザーと企業がコミュニケーションする場合の接点は、大きく分けるとLINE公式アカウントとLINEミニアプリの二つです。
まず、LINE公式アカウントでは、企業側が友だち登録したユーザーに向けて、自由にキャンペーン情報やクーポンの配布、アンケートなどを実施できる機能を持ちます。そのほか、ショップカードや会員証としても利用することが可能です。
たとえば、LINEを会員証として利用することで、ユーザーの商品購入日などもわかるため、購入1週間後にフォローメッセージを送るなどのアフターケアもできます。また、アンケートや会員証情報などを通じて得たデータを、分析・蓄積することで、ユーザー別にセグメントしたメッセージ配信などにも応用できますね。
LINEミニアプリってどんなもの?
―一方の、LINEミニアプリとはどんなものなのでしょうか?
中村:ミニアプリについて説明する前に、まずは、「スーパーアプリ」と呼ばれるアプリについて説明させてください。こちらは、LINEやPayPay、d払いなどが該当し、一つのアプリ内で複数のサービスを使うことができるアプリのことをいいます。
そして、そのスーパーアプリの中で展開できるアプリを「ミニアプリ」と呼び、「LINEミニアプリ」は、LINEアプリ内に展開できるミニアプリを指します。
LINEミニアプリは、普通のアプリとどう違う?
―ミニアプリは、ほかのアプリとどのような点が違うのですか?
中村:まず大きな違いは、ユーザーにアプリケーションをダウンロードしてもらう必要がない点です。LINEミニアプリは、LINEアプリを持っていれば新たにダウンロードをすることなく使えます。
店頭でのQRコードの読み取りや、LINE公式アカウントのリッチメニュー、その他友だち共有やウェブリンクなどの様々な導線から簡単にミニアプリを立ち上げることができます。初回起動時のみ認証を行えば、手軽に利用開始が可能です。
―ミニアプリのなかでも、LINEミニアプリにはどのような特性があるのでしょうか?
中村:LINEミニアプリが他社のミニアプリと大きく異なるのは、必ずしも決済をからめる必要がない点です。
他社のミニアプリは決済がからんでいるものが多いですが、LINEミニアプリでは必ずしもLINE Payを使わなくてもサービスとしてリリースすることができます。そのため、さまざまなサービスに活用されています。
―ブラウザ上で開けるウェブアプリや、スマホなどにダウンロードして利用するネイティブアプリと、LINEミニアプリの違いはなんですか?
中村:LINEミニアプリとウェブアプリとの違いはプッシュ通知が配信できる点、ネイティブアプリとの違いはダウンロードがいらない点です。
たとえば、ウェブアプリはダウンロードせずに使えるというメリットはありますが、一方でメールアドレスなどの情報を取得しないと基本的にはプッシュ通知を配信できません。
一方、ネイティブアプリはプッシュ通知を配信することはできますが、利用するにはダウンロードが必要です。昨今はアプリが飽和状態にあり、新しいアプリをダウンロードしてもらうのが非常に困難です。
その点、LINEミニアプリはダウンロード不要でユーザーが手軽に利用開始できる上、公式アカウントと連携することでプッシュ通知も可能になり、ユーザーの再訪を促進できます。
そのほか、LINEトーク画面に無料でメッセージを送れる「Service Message」の利用や、LINEのホーム画面へLINEミニアプリをブックマーク追加することなども可能になります。
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