デジタル会員証とは?機能・メリット・導入する際のポイント等を解説

飲食店や美容院などの店舗を経営する中で、顧客管理を行うことで集客効果やリピート率の向上につながる場合もあります。しかし、具体的に顧客管理はどのように行えば良いのかわからない方もいるかもしれません。そんな方におすすめしたいのが、デジタル会員証の発行です。

 

今回は、デジタル会員証の機能やメリット、導入する際のポイントなどをまとめて解説します。デジタル会員証を作成できるおすすめのアプリ・サービスについても解説しているので、ぜひ参考にしてください。

 

デジタル会員証とは

デジタル会員証とは

デジタル会員証とは、スマホやタブレットなどのアプリを使って利用できる会員証を指します。従来の紙やプラスチック製の会員証は、顧客情報を正確に管理することは難しく、ユーザーの紛失リスクが高いというデメリットもあります。しかし、デジタル会員証なら購入履歴やポイントの確認、管理などが可能となり、顧客管理も行えるようになりました。

 

アプリ会員証の利用実態調査によると、「日常的に利用している会員証をすべて選んでください」という問いに対して、すべての年代がアプリ会員証を最も利用していることがわかっています。特に15~19歳は物理カードを使っている人は17%しかおらず、20代以降も60歳以上を除いて50%以上を占める年代はありませんでした。この結果から、すでに多くの年代でデジタル会員証の活用が主流となっています。

 

また、デジタル会員証の導入に興味をお持ちの方は、ぜひ以下のホワイトペーパーをご覧ください。実際の利用実態やユーザーが抱える課題、導入後の成功のカギとなる運用改善のポイントまで詳しく解説しています。無料でダウンロード可能ですので、今すぐご確認ください。

 

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デジタル会員証の主な機能

デジタル会員証の主な機能

デジタル会員証の導入には、主にアプリが使われます。

どのようなアプリを開発するか、またはどのアプリサービスを利用するかによってアプリに搭載される機能やその詳細に違いはありますが、デジタル会員証と以下のような機能を連動させることが一般的です。。

 

機能

詳細・利用シーン

会員証

アプリ上にバーコードなどで会員証を提示できる機能。アプリを開くだけで利用できるので会員証を持ち歩いたりする必要がなく、ユーザーの利用ハードルを下げられるのが特徴。

ポイント付与・管理 

オンライン上でポイントの付与や管理ができる機能。実店舗でもECサイトでも同じポイントを利用できるため、OMO(※)の実現につながる。

スタンプカード

来店回数や利用金額に応じてスタンプを付与できる機能。スタンプの数に応じてクーポンや割引券を配布するなど、リピート施策に効果的。

予約管理

ユーザーの予約状況を一元管理できる機能。スタッフの業務効率化につながる。

プッシュ通知

ユーザーの端末にお得情報やクーポンを届けられる機能。メールでの配信よりも開封率が高いのが特徴で、リピート率の向上や休眠顧客の掘り起こしに効果的。

自動メッセージ送信

会員登録したタイミングや誕生日月など、ユーザーの状況に応じて自動でメッセージを送信できる機能。スタッフの負担軽減だけでなく、リピート率の向上も期待できる。

分析・システム連携

顧客の購入履歴や利用状況などを分析したり、POSレジなどの外部システムと連携したりできる機能。マーケティング施策の立案や効果検証、改善に役立つ。

 

このように、予約管理からポイント管理、顧客データの分析まで1つのアプリ内でできるようになります。

 

※「OMO」

「Online Merges with Offline」の略で、オフラインとオンラインの融合を意味します。

 

デジタル会員証を導入するメリット

デジタル会員証を導入するメリット

企業や店舗がデジタル会員証を導入するメリットとしては、以下の4点が挙げられます。

 

  • 会員管理を簡単に行える
  • 会員情報を活用したマーケティング施策を行える
  • 顧客ロイヤルティや利用率が向上する
  • コストを削減できる

 

それぞれ詳しく解説していきましょう。

 

メリット1 会員管理を簡単に行える

デジタル会員証を導入すると、名前や住所などの会員情報のほか、その会員がどこ(実店舗・ECサイト)でどんなものを購入したかが自動でデータベースに蓄積されていきます。

 

紙やカードで1つ1つ管理していたときと比較すると、会員管理にかかる工数や手間は大幅に削減できるでしょう。

 

メリット2 会員情報を活用したマーケティング施策を行える

デジタル会員証を導入することで、会員情報を活用したマーケティング施策も行えるようになります。例えばデジタル会員証を使用するユーザー全体の傾向を把握したい場合は、全ユーザー数や新規ユーザー数などを確認します。また、アプリとユーザーの接点がどこにあるのか、どれくらいの頻度で通知を出すと効果的なのかを把握したいのであれば、利用ユニークユーザー数や各機能の利用率などのデータを見ることで分析することが可能です。

 

さらに、顧客情報に基づいて性別・年齢などでセグメントを分け、配信するメッセージの内容を変えたり、利用状況に合わせてお得なクーポンを配布したりするなど、よりパーソナライズされたサービスを提供できるようになります。紙やプラスチック製の会員証でも会員情報をもとにマーケティング施策を行うことは可能ですが、精度の高い運用ができるのはデジタル会員証のメリットといえます。

 

また、デジタル会員証の導入や活用方法をさらに詳しく知りたい方は、ぜひアイリッジの無料ホワイトペーパーをご覧ください。アプリを活用した効果的なマーケティング施策の方法や、アプリ利用データ分析の具体的な指標について、実践的なノウハウを紹介しています。データ活用のコツを掴み、店舗や企業のマーケティング力を高めましょう。

 

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メリット3 顧客ロイヤルティや利用率が向上する

デジタル会員証は、ユーザーにとってもメリットが多いサービスです。

限定クーポンを配信したり、会員限定の先行情報をお知らせしたりすることで、顧客ロイヤルティ(※2)の向上に期待できます

 

さらにデジタル会員証は、カードを日常的に持ち歩いたりする必要がありません。

「店舗はよく利用するけど会員証を持ち歩くのは面倒」と考えているユーザーも取り込みやすく、利用率の向上も期待できます

 

※2「顧客ロイヤルティ」

忠誠心を表す言葉「ロイヤルティ」をもとにしたビジネス用語で、特定の企業や店舗、ブランドに対して愛着や信頼、親しみを持つことを指します。一般的に、顧客ロイヤルティが高い顧客ほど単価が高かったり、第三者へ商品やサービスを宣伝してくれたりする可能性が高いです。

 

メリット4 コストを削減できる

デジタル会員証は消費者1人1人が持っている端末(スマホやタブレットなど)内で利用できるため、登録や提示の際に紙やカードを使う必要がありません。

運営側にとっては、印刷コストを削減できるというメリットがあります。

 

デジタル会員証を導入するにあたってアプリやツールなどの開発費または利用料がかかりますが、なかには無料で利用できるものもあります。

 

また、デジタル会員証を活用してユーザーと直接コミュニケーションが取れるようになると、予約サイトなどに支払う広告コストの削減にもつながります

 

デジタル会員証を導入する際のポイント

デジタル会員証を導入する際のポイント

デジタル会員証を導入する際には、以下のポイントを意識しましょう。

 

  • 紙やカードからの移行方法を決めておく
  • 顧客によっては不便になるケースがあることを理解しておく

 

紙やカードからの移行方法を決めておく

まずは紙やカードからの移行方法を決めることが大切です。デジタル会員証を作るには、アプリを一から開発する方法と、大手企業が運営するプラットフォーム内で発行する方法、アプリ開発サービスを活用する方法の3つが挙げられます。アプリ開発は専門的な技術やノウハウがないと開発が難しいため、一から開発するよりもプラットフォーム内での発行やアプリ開発サービスの活用がおすすめです。

 

プラットフォーム内での発行はシステム開発を行う必要がないものの、フォーマットが固定されており柔軟にカスタマイズができない場合もあります。また、会員証から収集できる顧客情報が制限されている場合もあるため、注意が必要です。一方、アプリ開発サービスは会員証に必要な機能がモジュールで備わっており、コストを抑えながらスピーディに開発が行えます。

 

顧客によっては不便になるケースがあることを理解しておく

デジタル会員証は顧客にとって利便性を高めるシステムではあるものの、顧客によっては不便に感じてしまうケースもあります。例えばデジタル会員証のアプリをダウンロードしたものの、ボタンの配置や動作、タップエリアなどが一般的なものと異なっており、操作がわかりづらかったり、初期の設定が完了するまでにステップが多すぎて離脱してしまったりする場合もあるのです。デジタル会員証のアプリを開発した場合でも、顧客によっては不便に感じられるケースがあることも最初に理解しておくことが大切です。

 

なお、こうしたアプリの使いづらさに関しては、UI/UXの改善を図ることで、使いやすくわかりやすいアプリになります。

 

デジタル会員証の利便性を最大化し、ユーザー離脱を防ぐには、顧客視点に立ったアプリ設計が欠かせません。UI/UXの重要性やユーザーが離脱する原因、具体的な改善方法についてより詳しく知りたい方は、ぜひ以下のホワイトペーパーをご覧ください。

 

「アプリユーザーの継続率をUP離脱する5つの理由とリテンションのテクニック集」ダウンロード

 

デジタル会員証の導入方法

デジタル会員証を導入するには、以下の3つの方法があります。

 

  • 自社でゼロから開発する開発会社へ依頼して開発する
  • アプリやツールを利用して開発する

 

以下の表は、それぞれのメリット・デメリットをまとめたものです。

 

導入方法

メリット

デメリット

自社での開発

・オリジナルの機能を装備できるなど、カスタマイズ性が高い

・保守や運用がしやすい

・開発に時間やコストがかかる

・専門的な知識・ノウハウが必要

アプリ開発会社へ依頼

・自社に開発環境がなくてもクオリティの高いアプリを開発できる

・どんな業種でも依頼しやすい

・リリース後のサポートやメンテナンスが十分でないことがある

・オプションを追加すると高額になりやすい

既存のアプリやサービスの活用

・開発費用を抑えられる

・短期間で開発できる

・シンプルな機能が多くわかりやすい

・カスタマイズ性が低い

・データがプラットフォームに依存する可能性がある

 

このように、デジタル会員証の3つの導入方法にはそれぞれメリット・デメリットがあります。

どの方法が最適なのかは企業や店舗の状況によって異なるため、現状を整理したうえで方法を検討しましょう。

 

おすすめのデジタル会員証を作成するアプリ・サービス

おすすめのデジタル会員証を作成するアプリ・サービス

最後に、デジタル会員証を作成できるおすすめのアプリやサービスを紹介します。

それぞれ特徴が異なるため、自社に合ったサービスを選びましょう。

 

LINEミニアプリ

LINEミニアプリは、LINEのプラットフォームを活用してさまざまな機能・サービスを提供できるアプリ開発サービスです。日本国内で月間9,800人以上(2025年3月末時点)が利用するLINEアプリの中でサービスを提供しているのが大きな特徴で、ユーザーはわざわざ別途店舗や企業のアプリをダウンロードせずに済みます。LINEのIDに紐づけられたユーザー情報をもとに、パーソナライズされたサービスを提供することも可能です。また、無料で専用の通知機能が備わっており、順番の呼び出しや予約のリマインドなども簡単に利用できます。

 

LINEミニアプリの開発には専門的な技術・ノウハウも必要となりますが、アイリッジの「LINEミニアプリ開発サービス」を活用すれば、デジタル会員証やクーポン、メッセージ送信などが備わったアプリの開発もしやすくなります。また、低コストに抑えられるパッケージ開発(Kit-curu:キットクル)と、既存の会員システムとの連携も可能な個別開発の2つから開発方法を選ぶことも可能です。

 

利用できる機能 デジタル会員証、クーポン発行、メッセージ送信、決済、予約、販促キャンペーン、スタンプカード、LINEIDとの連携 など
料金

【アイリッジのパッケージ開発(Kit-curu:キットクル)】
初期費用:50万円
月額料金:5万円~

【アイリッジの個別開発】
初期費用:開発内容による
月額費用:開発内容による

 

アイリッジのLINEミニアプリパッケージ開発(Kit-curu)について詳しくはこちら
アイリッジのLINEミニアプリ個別開発サービスについて詳しくはこちら

 

みせめぐ

みせめぐ」は、会員登録数15万人、導入店店舗数は4,600店舗を超える人気サービスです。

導入費用やランニングコストが完全無料ながら、デジタル会員証はもちろん、プッシュ通知機能や購入履歴、モバイルオーダーなど、必要な機能が十分備わっています。

 

POSレジシステムを提供している株式会社ビジコムが運営しているため、POSレジとの連携がしやすいのも特徴です。

電子レシートを発行できるなど、ペーパーレス化や印刷コスト削減を目指す企業や店舗にもおすすめです。

 

利用できる機能 

店舗紹介ページ作成、デジタル会員証、プッシュ通知配信、ポイント情報の表示、電子レシート、購入履歴、モバイルオーダー、お店検索、ポイント交換サービス、データ分析(購買履歴、顧客管理)、POSレジ・クラウドシステムとの連動

料金

初期費用:無料

月額料金:無料

 

P+KACHIFREE(ピーカチフリー)

iPadで利用できるデジタル会員証サービス「P+KACHIFREE」。

会員証以外にも、ポイント管理機能やアンケート機能などが利用できます。

 

無料プランから有料プランまで複数プランが用意されているのも嬉しいポイントです。

まずは無料プランから始めてみて、使い勝手が良ければ有料プランに移行する方法もおすすめです。

 

利用できる機能 

無料プラン:デジタル会員証、ポイント(クーポン交換、ポイント履歴、有効期限設定)、ログイン権限管理、メールサポート


有料プラン:無料プランで使えるすべての機能、顧客管理、顧客分析、会員ランク、特別会員、アナログカード、メール配信、アンケート、くじなど

料金(税込)

初期費用

・FREEプラン:無料

・RSPプラン:33,000円/店舗

・MULTIプラン:55,000円/店舗

月額料金:

・FREEプラン:無料

・RSPプラン:9,900円/店舗

・MULTIプラン:22,000円/店舗

 

SMART会員証

SMART会員証」は、セキュア環境で顧客管理ができるデジタル会員証アプリのサービスです。

これまでの実績をもとに必要な機能があらかじめそろっているうえ、操作性や使いやすさにもこだわっています。

実際に「クオール薬局」や「東急百貨店」なども導入していて、実績に関しては申し分ないといえるでしょう。

 

既存のシステムを連携することで、既存会員の移行がスムーズに行えるのも「SMART会員証」のメリットです。

 

利用できる機能 

デジタル会員証、ポイント、プッシュ通知、クーポン、スタンプカード、システム連携、分析、セキュアなど

料金

初期費用:要問い合わせ

月額料金:要問い合わせ

 

クレアンスメアード

クレアンスメアード」は、ポイントプログラムやECサイトとの連携できるデジタル会員証アプリのサービスです。

CRMやPOSレジなどのデータベースとの連携も可能です。

 

また、ホテルやディーラー、アパレル、コンビニなど、導入している業種が豊富なのも「クレアンスメアード」の強みといえるでしょう。

 

利用できる機能 

デジタル会員証、ポイント、クーポン、プッシュ通知、CMS、ショップリスト、購買明細連携、EC連携など

料金

初期費用:要問い合わせ

月額料金:要問い合わせ

 

QUIC-on-LINE@

QUIC-on-LINE@」は、LINEを活用して利用できるデジタル会員証サービスです。

LINEの友だち登録をすれば自動で会員登録まで完了するため、スムーズに会員証を発行できます。

また店舗側もiPhoneやiPadにアプリをダウンロードするだけで利用でき、専用の端末は必要ありません。

手軽に独自のポイントサービスがスタートできます。

 

LINEの友だち登録をしてもらうことで、クーポンやメッセージの配信もできるようになり、顧客との接点を持つことが可能になります。

 

利用できる機能 

デジタル会員証、ポイント

料金(税別)

初期費用

・無料プラン:無料

・レギュラープラン:150,000円

月額料金

・無料プラン:無料(30日間)

・レギュラープラン:6,000〜200,000円(登録ユーザー数によって変動)

 

まとめ

スマホやタブレットのアプリを使って利用できるデジタル会員証

紙での会員証と比較すると顧客管理がより簡単に行えるうえ、顧客情報の分析にも役立つため、マーケティング施策の1つとして導入する企業や店舗が増えてきています。

顧客ロイヤルティの向上やコストの削減という点でも、企業や店舗にとってメリットが多くあるでしょう。

 

そんな「デジタル会員証」は、自社でゼロから開発するほか、開発会社に依頼したり、既存のアプリやサービスなどを利用したりすることで導入可能です。

アイリッジではスクラッチ開発やパッケージアプリサービスといった多彩な選択肢をご用意しています

デジタル会員証の導入を検討している方はぜひ試してみてください。

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