イベントレポート:代表取締役社長 小田健太郎がRakuten Optimism 2023 ビジネスカンファレンスにてトークセッションに登壇しました

2023年8月4日に開催されたRakuten Optimism 2023 ビジネスカンファレンスにて、アイリッジ代表取締役社長 小田健太郎がトークセッションに登壇いたしました。

本記事ではセッションの内容をレポートします。

Rakuten Optimism 2023とは

2023年8月2日から8月6日の5日間にわたり、パシフィコ横浜で開催された楽天グループが主催するグループ最大規模のイベントです。

楽天モバイルの5G技術等を活用したVR・AR体験、AIを活用したゴルフスイング解析やフォトコンテンツなど最新テクノロジーを体感できるフューチャーフェスティバルと、テクノロジー、コマース、フィンテック、マーケティングなどさまざまなシーンで活躍する国内外からの注目の業界リーダーを招き、楽天グループが関わる幅広い領域をテーマとした講演およびパネルディスカッションを通じて意見を交わすビジネスカンファレンスの2つの世界が用意され、幅広い客層が参加できるイベントとなっていました。

 

OMO(Online Merges with Offline) のこれまでを紐解き、これからを考える

 

本セッションは楽天グループ株式会社 執行役員の石角裕一様とともに、「OMO(Online Merges with Offline) のこれまでを紐解き、これからを考える」と題し、日本におけるOMOの歴史や海外の状況、OMOの今後について取り上げました。

 

登壇者紹介

■楽天グループ株式会社 執行役員 コマース&マーケティングカンパニー マーケティングパートナー事業 ヴァイスプレジデント
 石角 裕一 様(写真右)

■株式会社アイリッジ 代表取締役社長
 小田 健太郎(写真左)

 

OMOについて詳しくご紹介した記事はこちら

OMO戦略とは?顧客体験の設計手順・メリット・施策例等を解説

 

オンラインとオフラインの歴史を振り返る

 

楽天グループの石角様がオンラインとオフライン融合の歴史をご紹介され、それに合わせてアイリッジの小田がビジネスを展開する中で見てきたことをお話しました。

2000年代はインターネットの普及期にあたり、オンラインとオフラインの融合という観点ではクリック&モルタルという言葉が主流でした。
クリック&モルタルとは、実店舗とオンラインを組み合わせて相乗効果を図るビジネス手法を指しています。

そしてiPhoneが日本に上陸し、Androidもサービス提供を開始した2008年、アイリッジが創業しました。アイリッジではモバイルインターネットの可能性を感じ、スマートフォンアプリ、特にO2O領域においてビジネスを展開していきます。

 

2010年頃から使われるようになったO2O(Online to Offline)という言葉は、オンラインで集客し、実店舗へ送客する手法を指していました。これにはスマートフォンの普及により、アプリを通して企業が位置情報を得やすくなったという事情があります。位置情報を活用してアプリユーザーに情報提供をすることで、実店舗へ誘導するという考え方です。

これが次第に送客だけでなく、オンライン・オフライン問わずに顧客と正しくコミュニケーションをとっていくことが重要視されるようになり、オムニチャネルやOMO(Online Merges with Offline)という言葉が多く使われるようになったというのが現在の状況であるということでした。

 

海外におけるOMOの現状とは

 

OMOというのはオンラインとオフラインを統合する、つまりチャネルを区別しないということです。オンラインでの買い物で獲得したポイントが実店舗でも利用できるなどがわかりやすい例です。

これを実施するためには、オンラインとオフラインの間で顧客データ、特に誰がいつどこで何を買ったかという購買データが統合されることが必要です。

そのためには決済データが重要になってきます。中国ではモバイル決済が圧倒的に利用されていることもあり、モバイル決済を通してすべての購買データが顧客IDと紐づいている状況です。その他に、位置情報を利用した顧客の移動情報や行動情報などを掛け合わせることで、実店舗でもデータを活用した効果的なマーケティングが可能となります。

 

こうした現状を踏まえ、現在シンガポールにお住まいだという石角様より、東南アジアでよく使われているアプリ・Grabについてご紹介がありました。

東南アジアではここ5年ほどで日本よりもオンライン決済が浸透しており、その代表的アプリであるGrabはUberなどと同様に配車サービスからスタートしたスーパーアプリなのですが、アプリがただ決済データを取得するだけでなく、フィジカルの存在であるドライバーがオフラインとオンラインの間をつなぐ存在となっているということでした。

 

オンラインとオフラインのこれから

 

さて、オンラインとオフラインの融合について、過去と現在を見てきましたが、今後どのような未来が待っているのでしょうか。

これまではオンラインとオフラインの融合は、企業の視点からのさまざまな顧客データの統合をメインに行われてきました。それが、これからは消費者側の体験においてリアルとデジタルの融合が進んでいくのではというのが小田の見解です。

例えば、ウェアラブルグラスを装着することで店舗内で商品の情報を見ることができたり、生体認証のような形で決済ができたり、そういった視覚情報だけでなく聴覚・嗅覚においてもリアルとデジタルが融合していくのが未来の生活ではないでしょうか。

 

石角様からも、現在顔認証の精度が非常に上がっており、これが進むことで店舗を訪れた際にこの人がこれから何を買おうとしているかがわかって、適切な接客ができるというような方向になっていくのではとのお話がありました。

実際に中国ではそのような方向に進んでいるということで、技術の進化による新たなオンラインとオフラインの融合がもたらす消費者体験というものが非常に楽しみになる内容でした。

 

Rakuten Optimism2023 アーカイブ動画

イベントの様子はRakuten Optimism2023 アーカイブ動画でも公開されています。
ぜひご覧ください。

 

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