美容室をリピートしない理由とは?リピートされるための接客・施策等を解説
リピート客の育成は、美容室の経営において欠かせません。
しかし、中には「一度は来店してもらえるものの、なかなかリピートにつながらない」「お客様がリピートしてくれない理由がわからない」という悩みを抱えている方も多いのではないでしょうか。
お客様がリピートしないのにはさまざまな理由があり、対処法もそれぞれ異なります。
安定した店舗運営のためには、自店舗がリピートされない理由を正確に把握し、改善策を練ることが大切です。
本記事では、顧客が美容室をリピートしない理由を解説するとともに、リピートされるために美容室が行うべき接客やマーケティング施策を紹介します。
リピート率の低迷に悩んでいる美容室経営者の方は、ぜひ参考にしてみてください。
美容室がリピート状況を把握する際のポイント
美容室がリピート状況を把握する際のポイントは、「初回来店後のリピート状況」と「複数回リピートしている顧客のリピート状況」でそれぞれ異なります。
「リピート」とひとことにいっても、何回リピートされたかによって状況が大きく異なるためです。
では、それぞれについて詳しく見ていきましょう。
初回来店後のリピート状況
初回来店後のリピート状況は、美容室にとって新たな顧客を継続的なリピーターへと変える重要なポイントです。
初めて来店するお客様が次回も来店してくれるかどうかは、必ずチェックするようにしましょう。
美容室の場合、初回来店から2回目の来店までの期間は約1ヶ月〜3ヶ月が一般的です。
この期間内に2回目の来店がなければ、その顧客はリピート客にはならなかったと考えていいでしょう。
また、美容室の新規顧客における平均リピート率は、90日間で30%程度といわれています。
これを下回る場合、リピート率向上の施策を行いましょう。新規顧客の場合、集客にかけている広告費とのバランス、いわゆるコストパフォーマンスを見ることも重要です。
既存顧客のリピート状況
複数回リピートしてくれているお客様、つまり既存顧客のリピート状況は、「何回リピートしてくれているか」をもとに把握するようにしましょう。
たとえば、2〜3回のリピートであれば、まだまだ店舗に定着しているとは言えず、離れてしまう可能性も高いです。
一方、4回以上リピートしてくれているお客様は顧客ロイヤルティ(店舗や企業に対する信頼・愛着のこと)が非常に高く、今後も通ってくれる可能性が高いといえます。
美容室の既存顧客リピート率の全国平均は約70%のため、これに満たない場合は既存顧客向けのリピート施策を行う必要があります。
リピート率の分析
効率良くリピート率を向上させるためには、まずは自店舗のリピート率を分析することが大切です。
リピート率を正確に把握することで、新規顧客向けのリピート施策に力を入れるべきか、既存顧客向けのリピート施策に力を入れるべきかが分かります。
リピート率を把握するための方法はさまざまありますが、おすすめなのは顧客リストに顧客の来店日時を記載していく方法です。
シンプルなやり方ですが、簡単にリピート率を把握できます。
最近では来店時に会員証をかざすと自動で来店記録をつけてくれるツールも多くあるため、活用するのもおすすめです。
リピート率の分析に便利なデジタル会員証については、こちらの記事で詳しく解説しています。
美容室をリピートしない理由
お客様が美容室をリピートしない理由には、以下のようなものがあります。
- 施術に満足しなかった
- 接客に不満があった
- 店内の雰囲気が気に入らなかった
- なんとなく
それぞれ詳しく見ていきましょう。
理由1 施術に満足しなかった
施術に満足しなかったという理由は、お客様が美容室をリピートしない一般的な要因です。
技術や接客などが期待に応えられなかった場合、「思っていたヘアスタイルにならなかった」「家に帰ってみたら髪がうまくまとまらなかった」などとお客様は失望感を抱き、がっかりするでしょう。
ヘアスタイルは見た目に大きく影響するため、髪型やヘアカラーなどの仕上がりにおいては、個々の顧客の希望に合わせた丁寧な仕事が求められます。
また、施術中のコミュニケーションやカウンセリングも重要であり、お客様にとって自分の要望が理解されていると感じられることが大切です。
理由2 接客に不満があった
「カウンセリングが不十分だった」「静かに過ごしたかったのに頻繁に話しかけられて不快だった」など、接客に不満があったという理由も、美容室のリピート率に影響を及ぼす重要なポイントです。
お客様が美容室で快適な時間を過ごすためには、美容師の対応が鍵となります。
無理な売り込みや不適切な言動、コミュニケーション不足などが、お客様の不満の原因となる可能性があります。
接客の質を向上させ、お客様に信頼感と居心地の良さを提供することが大切です。
理由3 店内の雰囲気が気に入らなかった
お客様が美容室をリピートしない理由には、店内の雰囲気が気に入らなかったというものも考えられます。
ホームページやSNSに店内の写真を載せていない場合、お客様が来店前に店内の雰囲気をイメージできず、いざ来店した後にがっかりしてしまうことがあるのです。
美容室の雰囲気やインテリアは、お客様がリラックスし、くつろぐための大切な要素です。
清潔感、快適な空間、落ち着いた雰囲気などを演出することはもちろん、事前にホームページなどで紹介しておくのもおすすめです。
理由4 なんとなく
「なんとなく」という理由は、感覚的な理由であり一見難解ですが、実は美容室をリピートしない理由の中でも大きな割合を占めます。
明確な理由はないものの、何かしらの違和感や不安を感じて、再来店しないということはよくあるのです。
繊細な気配りやカウンセリングを通じて、お客様がなんとなく感じる違和感に気づき、解消していくことがリピート率向上につながります。
また、近隣で繁盛している美容室の雰囲気や接客を参考にすることで、自店舗のマイナスポイントに気づくこともあるはずです。
お客様が美容室に行く理由
美容室のリピート率を向上させるためには、お客様が美容室に行く理由、いわゆるニーズを把握し、それに沿った接客や施策を行うことが大切です。
では、美容室に来店するお客様のニーズとはどのようなものなのでしょうか。
それは、「悩みを解決するため」です。
もちろん、美容室に行く理由としては「髪を切ってさっぱりしたいから」「カラーやパーマをしてイメチェンしたいから」というものもありますが、その裏には「くせっ毛を扱いやすくしたい」「白髪が目立たないようにしたい」などの悩みがあることがほとんどです。
自分の悩みが解決する美容室であれば、お客様は多少料金が高くてもリピートする傾向にあります。
しかし、お客様が初めて来店した美容室で自身の悩みを必ずしも打ち明けてくれるとは限りません。
美容師は、お客様の言葉の中からできるだけ細かく正確にニーズを把握することが重要なのです。
リピートされるために美容室が行うべき接客
リピートされる美容室にするためには、丁寧な接客が欠かせません。
ここでは、リピートされるために美容室が行うべき具体的な接客方法を紹介します。
- 過ごしやすい店内を作る
- カウンセリングは時間をかけて丁寧に行う
- ホームケアのアドバイスで満足度を高める
それぞれ詳しく解説していきます。
1 過ごしやすい雰囲気を作る
美容室がリピートされるためには、お客様一人ひとりに合わせた接客を心がけることが不可欠です。
人それぞれ異なる希望を持っているため、同じサービスを提供するだけではお客様のニーズに十分に応えられない場合があります。
例えば、「雑談をしたいし、スタイリストと話しながらセット方法なども聞きたい」というお客様がいる一方、「静かに過ごしたいからできるだけ話しかけないでほしい」というお客様もいます。
とはいえ、お客様の希望の過ごし方を詳細に聞き出すのは難しいでしょう。
お客様への接客にばかり気を取られてしまい、施術が疎かになってしまっては元も子もありません。
どんなお客様にも満足してもらえるようにするためには、まずは店内を過ごしやすい空間にすることが大切です。
具体的には、電子書籍を貸し出したり、ドリンクのサービスを行ったりすることです。
また、雑誌の内容やドリンクのこだわりから会話が広がれば、お客様も気楽に話せるようになり、よりコミュニケーションが取りやすくなるというメリットもあります。
2 カウンセリングは時間をかけて丁寧に行う
カウンセリングは、お客様とのコミュニケーションを通じて要望やニーズを理解し、最適な提案を行うために非常に重要な時間です。
そのため、カウンセリングは時間をかけて行うことが大切になります。
お客様がリラックスして要望を話せる環境を作り、急かすような印象を与えないよう心がけましょう。
予約時や来店時に大まかな要望を伝えられるように、事前にアンケートをとるようにしておくのもおすすめです。
また、お客様の髪の状態や過去の施術歴を確認した上で、できることとできないことを伝えることも重要です。
時には、お客様の要望通りにできないこともあるでしょう。そんな時には「できません」と答えるのではなく、何回施術すれば理想を叶えられるのか、代わりとなる提案などをあわせて説明することが欠かせません。
3 ホームケアのアドバイスで満足度を高める
お客様が美容室に行く理由の1つに、「自宅でのケア方法を知りたい」というものがあります。
実際、せっかく美容室に行ってきれいに整えてもらったのに次の日に同じようにセットできず、美容室へマイナスイメージを持ってしまう例も少なくありません。
施術が終わったら、お客様の髪の状態やヘアスタイルに合ったシャンプーやトリートメント、スタイリング剤の選び方や使用方法をアドバイスしましょう。
これにより、美容室での仕上がりを長く持続させることができ、美容室への信頼感を高めることができます。
また、アフターフォローとして、来店後にメッセージなどを送信するのもおすすめです。
改めてホームケア方法を紹介したり、季節に合わせたスタイリング剤を紹介したりすることで、「また行きたい」と思ってもらえるようになります。
美容室のリピートを増やす施策
最後に、美容室のリピートを増やすための具体的な施策を4つ紹介します。
- 顧客リストを整理する
- 特典を提供する
- SNSを活用する
- アプリを活用する
リピーターを増やす他の方法は、こちらの記事で詳しく解説していますので、こちらも併せてご覧ください。
それぞれの詳細、そして運用のポイントを見ていきましょう。
施策1 顧客リストを整理する
美容室のリピート率を増やすためには、顧客リストを整理し、顧客の特性や来店履歴を分析することが重要です。
リピーターの特定や顧客のニーズを把握するために、CRM(顧客関係管理)システムなどを活用してデータベースを整備しましょう。
これにより、ターゲットとなる顧客に対して的確な情報提供やキャンペーンを行うことが可能となります。
施策2 特典を提供する
リピート率を上げるためには、顧客に対して来店の特典を提供することも効果的です。
特典があるのとないのとでは、他店舗に流れてしまう割合に大きな差が出ます。
特典を決める際のポイントは、ポイント獲得のハードルを上げすぎないこと、そしてお客様にとってメリットがあるものにすることです。
「10回の来店で200円オフ」のような仕組みにすると、「1年以上通ってやっと200円オフか…」と、お客様にあまり魅力を感じてもらえません。
また、美容室は一般的に、4回目の来店までの難易度が高いといわれています。
そのため、「2回来店で500円オフ」「3回来店で試供品プレゼント」「4回来店でトリートメント代無料」など、何度もリピートしたくなる仕組みづくりが大切です。
施策3 SNSを活用する
SNS(ソーシャルメディア)は、美容室のリピート率向上において非常に有用なツールです。
特にInstagramやTikTokなどのビジュアル要素をメインとしたSNSは美容室との相性が非常に良いため、ぜひ活用しましょう。
SNSでは、施術メニューやビフォーアフター写真、店内の様子などを発信するのがおすすめです。
また、SNSを通じてキャンペーンや特典情報を発信し、フォロワーの顧客とSNS上でコミュニケーションをとることで関係を深めることもできます。
施策4 アプリを活用する
アプリを活用すれば、デジタル会員証やポイントカードを作成することができ、来店日時や来店回数などの顧客情報も管理することができます。
来店後にメッセージを送ったり、誕生日にクーポンを配信したりするなど、顧客属性に合わせた配信も可能になります。
例えば、来店回数に合わせてクーポンを自動配信する設定を行えば、施策2でご紹介した「特典を提供する」を実現することも可能です。
このように顧客にアプリを使ってもらうことができれば、アプリを通じてこちらからアクションを取ることができるようになります。
コミュニケーションの機会が増えることで、顧客の美容室に対する印象もポジティブなものになるでしょう。
美容室でのアプリの活用方法については、こちらの記事で詳しく解説しています。
まとめ
美容室のリピート率を向上させるためには、顧客の期待や不満、ニーズを深く理解し、適切な施策を展開することが欠かせません。
まずは自店舗の新規顧客・既存顧客それぞれのリピート率を把握し、その上で、自店舗にできる施策から始めてみましょう。
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