CRMとは?主な機能や導入メリット等をわかりやすく解説
CRMは「顧客関係管理」を意味するビジネス用語です。顧客との良好な関係性を維持するため、業務効率化の手段を目的に多くの企業で導入されています。しかし、中には「CRMがどんなものなのかわからない」「聞いたことがある程度で詳しい内容は知らない」とCRMについて理解していない方もいるはずです。
そこで今回は、CRMの概要をご紹介すると共に、SFAやMA、ERPとの違いを含め、なぜCRMが必要なのか、主な機能や導入するメリット・デメリットなどについてご紹介していきます。導入する際のポイントや効果的な運用方法、活用事例についても解説していくので、導入を検討している方は、ぜひ内容をチェックして業務にお役立てください。
CRMとは
「CRM」とは、「Customer Relationship Management」の略称で、日本語に訳すと「顧客関係管理」という意味の言葉です。
ビジネスシーンにおいては、円滑なコミュニケーションを通して顧客と良好な関係を築き、その関係性を保つこと、そしてそれを実現させるためにシステムやツールなどを利用して顧客を一元管理することを意味します。
また、顧客を一元管理するためのシステムやツールそのものを「CRM」と呼ぶケースもあります。
「CRM」という言葉は最近注目されるようになったものの、顧客を管理するという考え自体の歴史は古く、日本では江戸時代から続いているとされています。
そんな顧客管理を、現代のIT技術やAIを活用して誰でも簡単にできるようにとできたのが「CRM」なのです。
CRMとSFAの違い
CRMとよく似た言葉に、「SFA」というものがあります。CRMとSFAは似て非なるものですが、その違いを理解していない方も多いのではないでしょうか。
SFAとは、「Sales Force Automation」の略称で、営業支援ツールのことを指します。SFAを利用して営業活動における情報、例えば顧客の情報や商談の進捗などを管理することで、営業活動を効率的に進められるというメリットがあります。
CRMも顧客管理を行うツールという意味ではSFAと同じですが、SFAはあくまでも営業活動を管理するためのツールです。
SFAツールを活用して見込み客を顧客に変え、そこで得た顧客情報をもとに、CRMを活用して顧客と良好な関係を構築・維持していくと考えるとイメージしやすいでしょう。
CRMとMAの違い
SFAの他にも、CRMとよく混同されがちなものに「MA(Marketing Automation)」というものがあります。MAとは、その名のとおりマーケティング活動を自動化・効率化することやその過程で必要なシステムやツールのことを指します。
MAでは顧客になる前の「見込み客」に対してアプローチを行うのに対し、CRMでは実際に自社の顧客になった人を管理します。
ERPとの違いは?
ERPは、「企業資源計画」といった意味を持つビジネス用語で、「Enterprise Resource Planning」の略語です。
「統合基幹業務パッケージ」や「統合基幹業務システム」とも呼ばれています。
ITを活用して人やモノ、お金といったものの動きを統合管理して、経営の効率化を図るシステムとなり、従来は財務会計や販売管理、生産管理や人材管理は部門別や業務別で分類されていましたが、ERPでは1つにまとめて管理できる点が特徴となっています。
CRMとERPは企業が持つ情報資産を管理する点は同じですが、役割や扱っている情報に違いがあります。
CRMは顧客情報を管理するデータベースとなっていますが、顧客との関係性まで管理することで顧客満足度アップも図れるシステムです。
一方、ERPは基幹業務システムを統合管理するものとなり、企業における人やモノ、お金の動きを管理して経営効率化を図るシステムです。
製品やツールによって機能には違いがありますが、ERPの主な機能は以下のとおりです。
- 財務会計機能
- 予算管理機能
- 販売管理機能
- 購買管理機能
- 在庫管理機能
- 生産管理機能
- 顧客管理機能
- 人事管理機能
- 営業支援機能
- プロジェクト管理機能
- マーケティング管理 など
CRMの領域でもある顧客管理機能も含まれていますが、顧客関係に関する詳細なデータ管理を実施するケースはあまりない特徴があります。
なぜ現代のビジネスにCRMが必要なのか?
CRMが現代のビジネスにおいて、なぜ必要になったのか、その理由は以下のとおりです。
- ユーザーの価値観の変化に対応するため
- 顧客満足度向上による競争力の強化を図るため
- 営業プロセスの効率化とリソースの最適化を図るため
- LTV(顧客生涯価値)の向上による収益性の改善を図るため
それぞれを詳しく解説していきます。
ユーザーの価値観の変化に対応するため
企業が新規顧客を獲得してつなぎとめるためには、時代に合ったニーズだけではなく、潜在的なニーズを汲み取る必要があります。
時代の流れとともに、市場ニーズは変化し続けていきます。消費者も自分で手軽に情報を手に入れられるため、ニーズも多様化している時代です。
そんな中でも、企業が顧客満足度を向上させるためには、一人ひとりが求めるものやサービスに対応していくことが重要です。
この際に有効となるのが顧客情報の適切な管理です。性別や年齢、購入履歴や利用履歴などを分析することで、ニーズに見合う製品やサービスの提供ができれば、顧客維持や満足度を高めることにつながります。ニーズの変化にも柔軟に対応できるツールがCRMなのです。
顧客満足度向上による競争力の強化を図るため
時代の変化は顧客自身も感じ取っています。製品やサービスの魅力、トレンドなど、さまざまな要因の変化を見定めて、取引の継続もしくは他社への乗り換えを検討しています。
そんな中でも顧客の離脱を食い止めるためには、企業は既存顧客の状況を正確に把握するだけではなく、最適なアプローチ法を見出す必要があります。そのためにも、CRMの活用は有効です。
営業プロセスの効率化とリソースの最適化を図るため
顧客を多く抱えていると管理が複雑になってしまいます。手作業による管理では膨大な時間がかかり、その他の業務に支障が出てしまうケースも考えられます。そのため、業務の効率化と人的コストを削減するためにも、CRMの導入がおすすめです。
CRMを活用すれば、顧客情報は一元管理されます。担当者は顧客のニーズや履歴を把握しやすくなるため、無駄な時間や労力を使わずに済むのです。また、営業リソースの適切な配分も可能となるため、重点的にアプローチが必要な見込み客に対しても集中的にリソースを投入できます。営業成果向上が期待できるだけではなく、営業チームの生産性もアップするはずです。
LTV(顧客生涯価値)の向上による収益性の改善を図るため
企業が収益性の改善を図るためには、LTVの向上を目指さなければいけません。LTVとは、「ライフタイムバリュー」の略語で、「顧客生涯価値」を意味します。顧客が自社との取引をスタートしてから終了するまでの期間にどれだけ利益をもたらしてくれるかを示す指標となります。
高度成長期やバブル期においては、高品質で低価格な製品やサービスを作れば新規顧客を獲得でき、既存顧客も満足しやすい状況でしたが、現代では状況が異なります。顧客が満足する商品を生み出して購入してもらうためには、顧客の実態を正確に掴まなければいけません。CRMを活用すれば、顧客が求めるニーズを分析しやすくなるため、顧客に合わせた製品やサービスを生み出すことに役立ちます。
また、既存顧客に対してはCRMを活用することでアプローチを強化できます。長期的な関係性を築ければLTVの向上に役立つため、新たな製品やサービスの提供にもつながり、売上向上も期待できます。
CRMの主な機能
CRMには、具体的に以下のような機能があります。
- 顧客情報の管理
- 顧客の分析
- 問い合わせ管理
- メルマガの配信
- 他のシステムとの連携
- 案件管理
- ワークフロー機能
- データ分析とレポート作成機能
それぞれ詳しく解説していきましょう。なお、ここでの「CRM」とはシステム・ツールとしてのCRMを意味しています。
機能1 顧客情報の管理
CRMの基本機能の1つが、顧客の情報を管理する機能です。
顧客の会社名、名前、年齢、性別、電話番号、メールアドレスなどの基本情報はもちろん、購入履歴や購入金額などの購買情報も管理します。
機能2 顧客の分析
CRMでは、顧客情報の管理だけでなく分析も可能です。
CRMに蓄積されている膨大な顧客情報をもとに、「どの時間・時期に商品が売れやすいのか」「どんなターゲットに刺さりやすいのか」などを分析し、マーケティングに活かします。
機能3 問い合わせ管理
CRMの問い合わせ管理とは、過去に顧客からどのような問い合わせがあったのか、どういった対応をしたのかなどを履歴に残しておく機能です。
よくある問い合わせをまとめたり、対応漏れや二重対応を予防したりするのに役立ちます。
機能4 メルマガの配信
メルマガの配信機能は、キャンペーンやプロモーションの開催、新商品の発売などを顧客にお知らせできる機能です。
顧客一人ひとりに対してメールを作成する手間や時間を削減できるため、業務効率化に効果的です。
さらに、ほとんどのCRMでは顧客をセグメント分けしてメルマガを送信したり、開封率をチェックしたりすることもできます。
メルマガの精度を上げるのにも役立つでしょう。
機能5 他のシステムとの連携
多くのCRMには、他の外部システム・外部ツールと連携できる機能が備わっています。
この後詳しく解説する「SFA」と連携して営業支援に役立てたり、これまでバラバラに管理していた顧客データを1つにまとめ、情報の精度を上げたりすることが可能です。
機能6 案件管理
案件の取引先相手や取引の進捗状況、取引額といった内容を管理する機能を案件管理といいます。
売上や売上予測をシステムに反映することで、営業プロセスの効率化や企業の生産性をアップする仕組みです。
- 取引の売上金額や数量のリスト化
- 最新の顧客情報を反映した見積書の作成
といった機能もあるので、作業効率を上げるために役立ちます。
機能7 ワークフロー機能
ビジネスのプロセスを自動化するための機能がワークフロー機能です。タスクの管理や割り当て、進捗管理や承認、報告といった機能が当てはまります。従来では、これらを手動で実施していました。CRMであれば業務プロセスの管理を効率化できるので生産性アップが期待できます。
案件の進捗状況に応じてメールでの通知やタスクの割り当てを実施してくれる他、取引合意の承認や出張報告などの自動化も行えます。
機能8 データ分析とレポート作成機能
ビジネスにおける成果を可視化して意思決定のサポートを行うためにも重要な機能がデータ分析とレポート作成機能です。顧客データや売上データを集計、分析してグラフやレポートとして表示をしてくれる機能です。
さまざまな指標を設定でき、ビジネスのパフォーマンスや顧客の動向を把握するために活用できます。売上や顧客の傾向、マーケティングキャンペーンの効果などを定量的に把握していけば、戦略の見直しや改善策の立案に役立つはずです。
CRMを導入するメリット
企業やチーム内にCRMを導入するメリットは、以下のとおりです。
- 顧客情報を一元管理・可視化できる
- 業務効率化につながる
- 新たなマーケティング施策の考案に役立つ
- 顧客満足度の向上に期待できる
- コア業務に専念できる
- 業務の属人化を解消できる
- PDCAを加速できる
それぞれ内容を詳しく解説していきます。
メリット1 顧客情報を一元管理・可視化できる
まずは、先ほども解説したとおり顧客情報を一元化できることです。
CRMでは1つのシステム上でその企業が持つ顧客の情報をすべて管理できます。
さらに、顧客を一元管理することで顧客の状況を可視化ができるのもCRMのメリットです。
どんな顧客に商品が売れているのかなどの分析や、顧客ごとの状況の把握がしやすくなり、効率的なフォローができるようになります。
メリット2 業務効率化につながる
CRMの導入は、業務効率化につながるというメリットもあります。
Excelや紙を使って営業担当一人ひとりがそれぞれの顧客を管理することに比べ、管理のしやすさはかなり向上するでしょう。
また、CRMを導入するとチーム内はもちろん、他の部署への情報共有がリアルタイムで簡単に行えるようになります。
マーケティング部にかかってきた電話の内容を一つひとつ営業部に共有したり、営業状況の進捗を営業サポートチームに報告したりする必要がないため、結果として企業全体の業務効率化につながるでしょう。
メリット3 新たなマーケティング施策の考案に役立つ
CRMで顧客の分析ができるようになると、自然と顧客のニーズの把握ができるようになります。
「どんな商品を求めているのか」「どんなキャンペーンを実施するとウケが良いのか」などを詳しく分析できるようになるため、新たなマーケティング施策の考案に役立ちます。
また、前述したとおり、CRMでは顧客それぞれの情報や状況をチーム内や他部署間で共有できるようになります。
営業部とマーケティング部でデータを共有することで、新たな施策が生まれることもあるでしょう。
メリット4 顧客満足度の向上に期待できる
CRMを導入して顧客のニーズに沿ったマーケティングや営業活動を行うことで、顧客満足度の向上にもつながります。
また、CRMを活用して顧客情報を一元管理することで、担当者が変わってもこれまでと同じようにフォローを行えるようになります。
ゼロから関係構築を行う必要もなくなり、顧客と自社、お互いの関係維持に役立つのです。
メリット5 時間を効率よく使える
CRMはスマホやタブレットに対応しているものが多く、いつでもどこでも顧客情報にアクセス可能です。
外回り中やリモートワークでも社内にいるときと同じように情報を閲覧・入力でき、「会社でないとわからない・入力できない」ということがないため、その分コア業務に専念できるというメリットがあります。
ただし、顧客情報は機密性の高い情報です。外出先や自宅で顧客情報にアクセスする場合には、情報漏れなどのトラブルに十分に注意しましょう。
メリット6 業務の属人化を解消できる
CRMの導入は、属人化を解消できるというメリットもあります。
属人化とは、業務の内容や手順を一部の担当者しか把握できていない状態のことです。
専門性が高まったり、担当者の好きなように業務を進められたりするメリットの一方、担当者が退職や異動になった場合、その業務が滞ったり最悪の場合は顧客情報が消失してしまったりする可能性もあります。
そのため、一般的には、業務の属人化は防いだほうが良いとされています。
CRMを導入すると、顧客情報はもちろん、営業の状況などの情報を整理・共有できるため、属人化によるリスクを軽減できるでしょう。
メリット7 PDCAを加速できる
CRMを導入すると一つひとつの業務にかかる時間や手間を軽減できるため、PDCAを加速させることにつながります。
PDCAとは「Plan(計画)」「Do(実行)」「Check(評価)」「Action(改善)」の頭文字を合わせた造語です。
一般的にはPDCAのサイクルが早ければ早いほど仕事の質が向上したり、社員の成長につながったりするといわれています。
PDCAを高速で回していくことで、業務改善に役立ちます。
CRMを導入するデメリット
CRMの導入には多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットも存在します。
- 導入や運用にコストがかかる
- 導入直後に効果を得られるわけではない
それぞれ詳しく見ていきましょう。
デメリット1 導入や運用にコストがかかる
CRMの導入には、コストが発生します。CRMの料金形態はサービスによってさまざまですが、場合によっては毎月ランニングコストがかかるケースもあるでしょう。
さらに、運用サポートや研修などに費用がかかることもあります。
CRMを導入する際には、費用対効果をしっかりと算出し、コストに見合っているかを確認してから導入しましょう。
まずは最低限の機能のみのプランから始め、後からアップグレードしたり、無料お試し期間を利用して使い勝手を試してみたりするのもおすすめです。
デメリット2 運用ルールやマニュアルの作成が必要
CRMを導入しても現場で定着しなければ効果が発揮されないので意味がありません。システムを定着させるためには、運用ルールやマニュアルの作成が不可欠となります。運用システムが変われば操作ミスやデータ入力の遅延などが起きる可能性もあり、業務に支障が出ることも考えられます。これらのミスを発生させないためにも、運用方法に合ったマニュアルを作成しましょう。
その際には、これまでの営業プロセスとの整合性を図るためにも、具体的な業務の進め方を明確化しなければいけません。システムの導入前に、操作マニュアルや業務フローを見直せば、スムーズな移行に役立つはずです。
デメリット2 導入直後に効果を得られるわけではない
CRMは、膨大なデータを蓄積・分析してこそ本来の力を発揮するシステム・ツールです。
つまり、導入直後、まだ十分にデータが溜まっていない時期には効果を感じられないこともあるでしょう。
むしろデータの入力や統合作業で、コスパが悪いと感じてしまうかもしれません。
しかし、CRMは長期的に見ると顧客・自社双方に多くのメリットをもたらします。
CRMの重要性を随時確認しながら、運用体制をしっかりと整えた上で導入を進めていきましょう。
CRMを導入する際のポイント
CRMは、サービスによって機能や料金プランが大きく異なります。
数あるCRMの中からどれを選んだら良いのかわからない方も多いでしょう。
CRMを導入する際のポイントを紹介しますので、導入を検討している方はぜひ参考にしてみてください。
ポイント1 自社に必要な機能があるCRMを選ぶ
CRMと一言にいっても、機能や実現できることはさまざまです。
まずは、自社の目的を達成するために必要な機能があるかどうかを確認しましょう。
そのためには、まずは自社がCRMを導入する目的は何なのかを明確に定める必要があります。
現状どのような課題があり、CRMを導入して何を達成したいかをはっきりさせましょう。
また、現状の課題を抽出するためには、経営陣だけでなく現場メンバーの協力も欠かせません。
現場リーダーなどを通してメンバー一人ひとりが抱える課題を抽出し、それを解消できるCRMを導入しましょう。
ポイント2 使いやすさやデータの見やすさを確認する
CRMは、導入しただけで効果を得られるものではありません。
企業やチームのメンバー一人ひとりが活用してこそ効果を発揮します。
反対に、メンバーが使いにくいと感じて使うのを辞めてしまっては、せっかくかけたコストが無駄になってしまうこともあるでしょう。
そのため、CRMを導入する際には使いやすさやデータの見やすさも大切です。
営業部やマーケティング部をはじめ、より多くのメンバーが使いやすいと感じるシステム・ツールを導入しましょう。
ポイント3 他のツールと連携可能なCRMを選ぶ
CRMには、SFAツールやMAツールをはじめとした他の外部ツールと連携可能なものが多くあります。
CRMを導入する際には、連携できるツールの多さも重要ですが、現在社内で利用しているシステム・ツールと連携ができるものも選ぶのがおすすめです。
既存のツールと連携することで、さらなる業務効率化に期待できるでしょう。
ポイント4 導入実績や解説系のコンテンツが多いCRMを選ぶ
CRMを導入する際には、導入実績も確認するのがおすすめです。
導入実績が多いCRMは、それだけ汎用性が高く、どのような会社・人でも使いやすいことが多いです。
導入実績を確認する際には、導入者数だけでなく、導入している企業の業種も確認しましょう。
同じような業界に多く導入されているCRMは、自社でも使いやすいことが多いためです。
また、多くの企業で使われているCRMは、使い方を解説した記事や動画など、解説系のコンテンツが多いというメリットもあります。
導入する前に「〇〇(CRMの名称) 使い方」などと検索してコンテンツ量が多いものを選んでおけば、導入後に困った際も安心できます。
ポイント5 サポート体制やセキュリティ対策が充実しているサービスがおすすめ
前述したとおり、CRMは導入して終わりではありません。効果を実感するためには、長期的に使い続ける必要があります。
そのため、CRMが社内に定着するまで、十分なサポートを受けられるものを選ぶと良いでしょう。
電話やメールなどの問い合わせ方法や、問い合わせ可能な時間帯もチェックしておくのがおすすめです。
また、CRMでは大事な顧客情報を多く扱います。外部からの不正アクセスによって情報が漏れてしまうことは必ず避けなければいけません。
トラブルや企業の信頼損失を避けるためにも、セキュリティ対策がしっかりしているCRMを選びましょう。
効果的なCRMツールの運用方法
CRMを効果的に活用するためにも、以下の運用方法を理解することが大切です。
- データ入力ルールの徹底とメンテナンス
- KPIの設定と進捗管理
- 営業・マーケティング部門間の連携強化
- CRMデータを活用した顧客分析と施策実行
- 継続的なツール改善とトレーニング
システムの活用を成功させるためにも、ポイントを意識して取り組んでいきましょう。
データ入力ルールの徹底とメンテナンス
CRMの最大の特徴は、顧客データを一元管理できる点とリアルタイム性がある点です。しかし、これらを活用するためにはデータを素早くかつ正確に入力しなければいけません。データを得た際には、すぐに入力して社内で共有できればCRMのメリットを十分に受け取れる仕組みです。
しかし、データ入力に関するルールが定められていないとなれば、人によっては入力に時間がかかるケースもあります。データ共有を素早く行うためにも、ルールを作成して従業員間で徹底させることが大切です。また、メンテナンスも定期的に行って最新の情報を共有できるようにしましょう。
KPIの設定と進捗管理
CRMを効果的に活用するためにも、KPIの設定を忘れてはいけません。営業部門であれば、「見込み客の成約率」「顧客単価」「営業案件数」「受注期間」などが考えられます。マーケティング部門であれば、「PV数」「CTR」「回遊率」「客単価」「直帰率」といった項目が当てはまります。目指すべきゴールはBtoB、BtoCなど、企業によって違いがあるので、KPIを明確化させることも重要です。
そしてKPIを設定した後には、ビジネスに貢献できる体制を構築するためにも、定期的な効果を測定しながら進捗管理を実施していきます。また、KPIの設定はCRMに大きく関わる項目でもあるため、正しい知識を持って設定することが大切です。
営業・マーケティング部門間の連携強化
CRMを導入する上で、営業とマーケティング部門の連携は不可欠です。CRMの効果的な活用を目指すためにも、各部門間での連携を強化できれば業務の効率化が促進されるはずです。
例えば、営業チームが収集した顧客情報は、マーケティング部門が効果的に活用するため、そしてデータの共有をスムーズに行うためにもフローの構築が求められます。
営業部門が獲得した顧客情報をマーケティング部門で把握できなければ有効活用できないので、部門間の連携は積極的に強化していきましょう。
CRMデータを活用した顧客分析と施策実行
十分な量のデータが蓄積されたら、データの精査や掛け合わせなどから分析を実施し、施策の設定に役立てていきます。
例えば、収集したデータを分析することで、以下のような取り組みを実施することが可能です。
- 商談履歴をもとに成約率の高い顧客のタイプを特定
- よくある問い合わせをもとにしてFAQの充実化を図り顧客対応の効率化を目指す
- 購買頻度や購入額が他界顧客をリストアップして重点的なフォローアップを行う
マーケティング戦略や営業方法を再構築すれば、業績アップを目指せるはずです。
継続的なツール改善とトレーニング
CRMの効果を最大限発揮するためにも、ツールを導入した後も定期的に見直しを実施することが大切です。そのためにも、CRMの運用管理を担当するチームを設置して、責任者を明確にするといった体制を整備することが大切です。そして、営業戦略が変更になった際には、運用ルールを見直して実情に合わせて改善やトレーニングを実施していきます。
不要なルールがあった際には改善し、自社の戦略に合った活用がされているか、定期的にチェックすることが大切です。より使いやすいシステムにするためにも、重要なポイントです。
CRMの活用事例
最後に、CRMの活用事例を紹介します。
売上アップにつながった事例/ソウルドアウト株式会社
中小・ベンチャー企業を対象に、Webマーケティング支援を行うソウルドアウト株式会社では、顧客とのやり取りを最適化するためにCRMを導入。
CRMを活用して、見込み客に対するマーケティングを強化しました。
これまではアウトバウンド型の営業スタイルだった同社ですが、CRMを活用したインバウンド型に切り替えたことで、低い営業効率が解消されました。
商品やサービスに興味・関心のない見込み客にまでアプローチしてしまうことが減り、確度の高い顧客1社1社にしっかりと向き合う時間が増えました。
結果として、営業担当の負担を軽減できただけでなく、新規顧客の客単価が2倍にアップ。
CRMの導入によって複数の効果を得られた成功事例といえるでしょう。
業務効率化につながった事例/昭和シェル石油株式会社
日本の石油元売企業である昭和シェル石油株式会社(現在は出光興産株式会社と経営統合)では、これまで紙で管理していた顧客情報をCRMに一元化しました。
CRMの導入により、ペーパーレス化によるデジタル化の推進はもちろん、顧客からの電話やメールでの問い合わせ内容を整理できるようになり、顧客の管理業務が効率化されました。
さらに、わずか3カ月という短い期間で活用体制が整ったことも昭和シェル石油株式会社の事例の特徴です。
体制をしっかりと整えてからCRMを導入したことで、短期間でCRMが社内に浸透し、業務効率化の成功につながったのでしょう。
部署間での連携強化につながった事例/株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズ
ネットワーク事業やセキュリティ機器に関する事業などを行うBtoB企業の株式会社エヌ・ティ・ティピー・シーコミュニケーションズでは、営業業務の属人化を解消するためにCRMを導入しました。
営業担当が得た顧客情報や、営業部が独自で取得していたデータ、公式サイトのすべての問い合わせデータをCRMに集約しました。
するとこれまで営業担当しかわからなかった顧客行動が見える化され、マーケティング部と連携した施策を実施できるようになりました。
結果として確度の高い見込み客数の倍増や、9カ月で昨年比の2倍の受注の達成につながりました。
顧客満足度の向上につながった事例/株式会社ナノ・ユニバース
日本全国に展開しているアパレル企業の株式会社ナノ・ユニバースでは、O2O(ECサイトやSNSなどから、実店舗に、またはオフラインからオンラインに消費者を誘導するマーケティング戦略のこと)施策の一環としてCRMを導入しました。
CRMでは、顧客情報や顧客一人ひとりのポイントの獲得履歴・使用履歴の一元管理を行えるようにしました。
顧客情報の一元化により、顧客は店舗とECサイトを横断してポイントを使用できるようになり、顧客の利便性が向上しました。
さらに顧客情報を統合したことによって、さまざまな接点における顧客情報が集まり、顧客に合わせた情報の提供ができるようになりました。
CRMの導入によって顧客満足度の向上を実現した成功事例の1つです。
新たなマーケティング施策考案につながった事例/株式会社はなまる
全国に「はなまるうどん」を展開している株式会社はなまるは、CRMの導入によって新たなマーケティング施策の考案に成功した事例として広く知られています。
株式会社はなまるで実現したのは、CRMを基盤にしたオウンドメディアの立ち上げです。
これまでメルマガのみで配信していたコンテンツをオウンドメディア内で配信することで、顧客との接点を増やすことに成功しました。
同時にオウンドメディアを軸にしたSNSでの投稿も始め、約1年で2万人以上のフォロワーの獲得に成功したのです。
CRMを導入して顧客のニーズを把握し、それに沿ったコンテンツを配信したことが成功のカギといえます。
まとめ:CRMを活用して良好な顧客関係を構築しよう
「Customer Relationship Management」の略で、「顧客関係管理」を意味するビジネス用語「CRM」。
円滑なコミュニケーションを通して顧客と良好な関係を築き、その関係性を保つこと、そしてそれを実現させるためのシステムやツールそのものを指します。
顧客情報の管理をはじめ、顧客の分析や問い合わせ管理、メルマガの配信、他のシステムとの連携機能があるCRMは、顧客ニーズの理解や、業務効率化、顧客満足度の向上、属人化の解消に役立つとして、昨今多くの企業で導入されています。
導入コストや短期間では成果が出ないことなどのデメリットはあるものの、長期的に見ると顧客・自社双方に多くのメリットをもたらします。
CRMを導入する際には、自社に合ったシステム・ツールを導入すること、導入前に目的を明確に決めておくことが重要です。
アイリッジのCRMファンマーケティングなら、オンライン・オフラインのデータを統合し、最適な顧客体験を設計します。継続的なロイヤルティプログラムやキャンペーンを通じて、長期的な顧客関係を築くことが可能です。
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