顧客VOICE:お客様の利便性アップが現場の負担軽減にも直結 「TXアプリ」の強みは徹底したユーザー目線
つくばエクスプレス(TX)を運営する首都圏新都市鉄道株式会社様。
リアルな列車アイコンで「TX-3000系」などの車両形式まで一画面で確認できる列車走行位置の表示機能や、遅延証明書のリアルタイム発行機能など、実用性と面白みを兼ね備えた「TXアプリ」をリリースされました。
ユーザーからも評価される同アプリですが、リリースまでには数々の課題や苦労があったそうです。
本インタビューでは、アプリの開発プロジェクトを推進された経営企画部 経営戦略課 岩沢 公貴様にお話を伺いました。

写真左から、経営企画部 経営戦略課 遠藤 夢乃様、川崎 智弘様、岩沢 公貴様、情報システム課 内田 穣様、経営戦略課 佐藤 由香様
現場で生まれた思いを実現したアプリ開発プロジェクト
──導入の経緯について教えてください
実はアプリの開発自体は2020年頃に話が上がっていたのですが、アプリの必要性、活用法などが社内で決めきれない中、コロナ禍の影響もあり、実現には至りませんでした。
私は2023年10月に現職へ異動してきたのですが、現場にいた頃の体験から、列車走行位置がわかるアプリを提供したいという思いがありました。そこで、再度、社内での調整を重ね、2024年10月にプロジェクト立ち上げ、2025年8月に無事アプリをリリースすることができました。
大手の鉄道会社様はアプリを出されている中、我々は大手ではなくとも、ある程度の輸送人員がある中で提供ができていない。そこを変えるためにも、段階を踏んでアップデートをしていく前提で、まずは鉄道の運行情報に特化してアプリを出そうということで、アイリッジさんに声を掛けさせていただいたという経緯です。
正確な情報提供と費用の両立を実現。豊富な実績が安心材料に

──アプリ開発にあたって、課題などはありましたか?
今までアプリ開発を進められなかった要因でもありますが、「列車走行位置を提供する」という点で大きな課題がありました。
どうやって走行位置情報をアプリ側に出すのかというところに頭を悩ませました。大規模な設備改修をしてしまうと工期が長くなったり、費用が高くなったりするなどの問題があるため、いかに費用を抑えながら正確な情報提供を行うかという事をクリアするのが大変でした。
──アイリッジを選んでいただいた決め手はありますか?
素晴らしいコンペ、プレゼンの内容で「安心して任せられるな」と感じたため選ばせていただきました。
そもそも、アイリッジさんは鉄道アプリの開発実績が豊富なため、ノウハウをお持ちだと感じています。鉄道アプリ以外にも様々な開発実績があることが安心材料になりましたし、今後のアプリの拡張を考えてさまざまなアイデアをいただけるというのもポイントでした。
密なコミュニケーションで、リアルなユーザー目線を反映したアプリへ

──アイリッジとの開発の進め方はいかがでしたか?
初めの頃は、毎週Web会議などをしていただきました。いろいろな相談・要望を出して、コミュニケーションを頻繁に取り、詳細を丁寧に説明していただいて。例えば、「列車走行位置のアイコンを出せますか」という要望に対しても、さまざまな方法や、表示する文言、情報など、たくさんのご提案をいただきました。
どのようなアプリにしたいかという構想はある程度持っており、機能面ではある程度こちらの要望に沿って進めていただきながら、要望の可否や実現方法を詳しくアドバイスいただけたのはよかったです。
結果として、限られた予算の中で要望を実現でき、不安感のようなものはほとんどありませんでした。
アイリッジさんにお願いできてよかったなというのが率直な感想です。
──ワークショップを実施して、ペルソナ作成とカスタマージャーニー作成もご一緒させていただきましたね。取り組みの中で気づきなどはありましたか?

ワークショップの様子。詳細はこちら▶︎「誰のためのアプリ?」から始まった共創プロジェクト
結構あったと思います。やっぱり我々の目線だと「当社線の運行情報をとにかく伝えなきゃ」というところがあったんですけど、ワークショップを経て「遅れていないときにどう使ってもらうか」という視点が不足していたと気づきました。
どういう人が使うのかというのを、沿線に住む会社員とか、私学の学生でこういう子いるよねというリアルなところを出していきながら、「カスタマージャーニーでこういうパターンもあるよね」みたいなものを出していって。
これまでより一層リアルに、「日常的にもこういうところで使えるものなんだ」という社内での共通認識ができたと思います。
──ここでの気づきは今回の開発や今後の開発に活かされる部分はありましたか?
列車走行位置で車両のアイコンをつける部分は、元々やりたい気持ちがありつつも本当に必要なのかを考え、見定めをしました。他社さんのアプリを見ていると、アイコンで出している会社さんって結構少ないですよね。結構シンプルな形で。
利用者としてはどちらがいいのかというのをすごく考えて、ワークショップやアイリッジさんとの打ち合わせを踏まえて、やはり普段から使ってもらうために少しでもアプリを開いたときの楽しさを提供できればという考えになり、実装に至ったという経緯があります。
トップ画面に弊社のキャラクターのスピーフィやユニールを出しているのも、少しでも楽しんでもらえる要素をということで入れています。こういうキャラクターを入れることで少しでも明るくなって、さらにキャラクターの認知にも繋がっているというところで、社内からの評価も得られているかなと思います。
開発者は鉄道オタク?現場で拾ったニーズがユーザーから高評価

──こだわりを随所に詰め込んだアプリになったと思うのですが、アプリに対する評価などを耳にすることはありますか?
XなどSNSのコメントやアプリストアのコメントは、非常に好意的な評価をいただいています。
列車走行位置がアイコンで分かり、「○○系」という車両情報までわかるようにしていることで、「開発担当者は鉄道オタクなのではないか」というコメントもありました。
ちなみに、私はまったく鉄道オタクではありません(笑)
私が駅で勤務していたときに「3000系って次はいつ走りますか」とか「どこを走っていますか」と聞かれることがあったので、そういうニーズってやっぱりあるのかなとは思っていました。
そうした方にも喜んでもらえるようにという視点を持って作っていたので嬉しかったです。

——社内からも反響などはありますか?
列車の走行位置や、遅延証明書を自動生成するところなど、お客様に情報提供するのはもちろん、現場の負担軽減に繋げたいという意図も持っていました。
電車が遅れてしまったときに、「次の電車はどこにいるのか?」と問い合わせを受けたり、遅延証明書をもらうために駅係員のところにお客様の列ができたりするのをアプリで少しでも解消したいなと。
実際、現場からは駅員への問い合わせ件数が少しずつ減ってきていると聞いています。駅構内のポスターや車内のモニターなどで啓発を進めているのもあり、少しずつアプリで解決していただけているのかなと感じています。
他にも、アプリでスタンプラリーをやりたいとか、沿線の情報発信をしたいなど、いろんな要望が届くようになりました。自分たちのメディアを1つ手に入れたということで、これを使ってお客様にもっと何かを届けたいという思いが、会社として根幹にあるのかなと思います。
利便性の向上で日常的に使われるアプリへ

——今後の展望などがあれば教えてください
まずはやりたいことを取捨選択して最低限のものでリリースをしたので、次は鉄道に関する情報提供以外の部分を強化していくところが大きなテーマでしょうか。当社から二次交通へのつながりを充実させて移動をしやすくするなど、利用者の利便性を向上させていきたいです。
社内から挙がっている要望やワークショップで出た気づきなどもあるので、それをどれだけ実装するのか、どうやって実現していくかというところもあります。
アプリの運用面でもどうすれば良いのかを考えているところがあり、お客様にとって良い塩梅を見つけていきたいですね。ダウンロード数も大事なのですが、継続的に日常的に使っていただけるアプリにしていきたいと考えています。

——今後もアイリッジに期待することはありますか?
アイリッジさんは鉄道に限らずアプリ開発の実績が豊富なので、経験から出てくるアイデアを提供していただく、支援をしていただくというのは期待するところです。
他の鉄道会社ではこういうことをやっているという情報や、鉄道以外のアプリでも最近のトレンドがどうなっているという情報をいただいて、機能選定の参考にしたいなと思っています。
アプリのプロモーションについても実施予定のものはありますが、まだまだ手探りな部分があります。いろいろとご提案をいただくことで、私たちもプロモーションの全体像から学べることがあると思っていますので、そういったところでもご支援いただけることを期待しています。
今後のアップデートなどでもお世話になると思っていますので、引き続きよろしくお願いします。
