店舗アプリの導入費用はどれくらい?初期費用やランニングコスト等に分けて解説
近年、多くの店舗が顧客とのコミュニケーションを強化し、ビジネスの成長を促進する手段として、店舗アプリを導入しています。
店舗アプリの普及により、顧客はこれまでよりも手軽に商品やサービスの情報を得ることができ、簡単に購買行動に移ることが可能となりました。
そんな中、「店舗アプリを導入するためにはいくらくらい必要?」「店舗アプリの導入を考えているけどコストはできる限り抑えたい」という疑問や不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
そこで本記事では、店舗アプリを導入する際にかかる費用の相場や、導入後にかかるランニングコストなどについて詳しく解説していきます。
店舗アプリに付帯する機能の費用相場、店舗の種類による費用相場の違いなども詳しく紹介するので、ぜひ参考にしてみてください。
店舗アプリとスマホサイトの違い
店舗アプリ=スマホで閲覧できるサイトと思っている人も多いですが、その目的や特徴にはいくつかの違いがあります。
以下に店舗アプリとスマホサイトの違いをまとめましたので、ぜひチェックしてみてください。
店舗アプリ |
スマホサイト |
|
特徴 |
スマホやタブレットにダウンロードして使用する |
Webブラウザを使って直接サイトにアクセスして閲覧する |
導入の目的 |
集客・販促 (主にリピーター向け) |
認知度アップ (主に新規顧客向け) |
機能 |
スマホ機能(カメラ・位置情報・プッシュ通知)が利用できる |
ブラウザ上で動作するため利用できる機能に制限がある |
通信環境 |
一部の機能はオフライン時でも利用できる |
オンライン時のみ利用できる |
店舗アプリとスマホサイトはそれぞれ異なる特徴を持っていますが、決してどちらかが良い・悪いというわけではありません。
店舗アプリとスマホサイトの特徴をそれぞれ理解し、組み合わせながら効果的に活用することが重要です。
店舗アプリを導入する際にかかる費用相場
では、店舗アプリを導入するためにはどのくらいの費用がかかるのでしょうか。
店舗アプリの初期費用は、主に以下の4つの要素に分けられます。
- 開発費用
- デザイン費用
- UIカスタマイズ費用
- その他の費用
一般的に初期費用の合計は数百万〜数千万円程度です。
この金額に幅があるのは、アプリによって開発にかかる人件費や期間、必要になる設備などが異なるためです。
一方、店舗アプリパッケージサービスを利用すると、初期費用をかなり抑えてアプリを開発することができます。
店舗アプリパッケージサービスとは、飲食店や美容院などの店舗ビジネスに必要なアプリ機能がすでにパッケージ開発されていて、それらを組み合わせてオリジナルアプリを開発できるサービスです。
ゼロから開発する工数がかからないため、低コストで開発できます。
ただし、店舗アプリパッケージサービスでは搭載できる機能に限りがあるのが一般的です。
そのため、まずは自社に必要な機能を整理することが重要です。
アプリの開発費用については、こちらで詳しく解説しています。ぜひご覧ください。
店舗アプリの導入後にかかるランニングコスト
店舗アプリは、導入して終わりというわけではありません。
効果的に集客につなげるためには継続的に運用させることが必要で、そのためには以下のようなランニングコスト(ほとんどの場合は月額費用)がかかります。
- サービス利用料
- 運用・保守費用
- サーバー代
- SSL証明(インターネット上で通信データを暗号化するための電子証明書)費用
- OSアップデートにかかる費用
アプリの機能などによって必要なランニングコストは異なります。
開発費用と併せて必ず事前に確認するようにしましょう。
また、トラブルや不具合などが発生した場合、別途費用がかかるケースもあるため、その点も確認が必要です。
店舗アプリに付帯する機能の費用相場
店舗アプリの費用は、一般的に、必要な機能の数と複雑さが増えるにつれて上昇する傾向があります。
以下に、代表的な店舗アプリの機能を紹介します。
- チャット・メッセージ
- プッシュ通知
- 決済システム
- 位置情報
同じ機能でも開発会社によって費用に幅が生じます。
ここで紹介した機能はあくまでも一例であり、それぞれの店舗によって必要な機能は異なります。
また、機能の数と複雑さが増えるにつれて費用は上昇するということを理解しておいてください。
「店舗アプリの費用相場」と「店舗の種類」
店舗アプリの費用相場は、導入する店舗の業種によっても幅があります。
飲食店、美容院、小売店など、導入する店舗の種類によって、アプリで必要となる機能が異なるためです。
例えば、飲食店の場合はモバイルオーダーシステムやテイクアウト機能、順番待ち機能などが実装されることが多いです。
一方、美容院の場合は、予約管理機能や予約忘れをお知らせする通知機能、ヘアスタイルを掲載するギャラリー機能などが便利でしょう。
店舗アプリの費用を算出するには、まずは自店舗に必要な機能を整理することが大切になります。
「店舗アプリの開発費用」と「初期費用」
店舗アプリの導入に必要な初期費用の中で、大部分を占める「開発費用」。
ではその開発費用にはどんなものが含まれ、どのように決まっているのでしょうか。
詳しく解説します。
開発費用に含まれる固定費
「開発費用」と聞くと、アプリの開発に使用した機材やエンジニアの人件費などを想像すると思います。
もちろんこれらはアプリの開発費用の一部ですが、それ以外にもさまざまな固定費が含まれているのです。
■店舗アプリの開発費用の内訳
- 開発に使用する機材代
- 開発にかかるスタッフ(設計者・エンジニア・デザイナーなど)の人件費
- ドメインの取得費用
- サーバー代
- 「App Store」や「Google Play ストア」などのアプリストアへの登録費用
このように、アプリの開発には多くの費用が必要になります。
そのため、「初期費用」といわれるコストの中でも開発費用が大部分を占めています。
アプリ開発に必要な人件費・期間
店舗アプリの開発にかかる費用は、さまざまな要因によって大きく変動することを解説しました。
では、なぜ費用は変動するのでしょうか。
もっとも大きな要因になるのが、開発にかかる人件費です。
アプリ開発においては、エンジニアやデザイナー、プロジェクトマネージャーなどに対する給与や報酬のことを指します。
特に、エンジニアは人によってスキルが異なり、作業できる難易度にも差が生じます。
つまり、どんなエンジニアに依頼するかによって開発費が変動するのです。
一般的に、より多くの作業を効率的に行える、いわゆる上級エンジニアに依頼した場合、報酬が高額になる傾向があります。
また、開発費は開発期間によっても変動します。開発期間が伸びれば伸びるほど多くの人件費が必要になるため、当然といえば当然でしょう。
店舗アプリの開発費用を抑えるポイント
店舗アプリの開発費用はさまざまな要因によって決定することを解説しましたが、少しでも費用を抑えたいと思う方も多いでしょう。
ここでは、店舗アプリの開発費用を抑える5つのポイントを紹介します。
- アプリパッケージサービスを利用する
- 複数の開発会社を比較検討する
- レベニューシェア型の開発会社に依頼する
- 自社でできるところは自社で行う
- 実装する機能は必要最低限にする
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1 アプリパッケージサービスを利用する
1つ目は、先述した店舗アプリパッケージサービスを利用することです。
あらかじめ用意された機能やテンプレートを使用するため、開発に関する知識やノウハウがなくても比較的簡単に店舗アプリを作成できます。
アプリ開発会社に依頼するよりも、低コストかつ短期間で開発可能です。
アプリ開発サービスの中には、利用できる機能は限られているものの、初期費用がかなり安く利用できるものもあります。
まずは自社で簡単なアプリを作成してみて、さらに機能が必要になった際に改めて本格的なものを制作するという方法も良いでしょう。
店舗アプリパッケージサービスについては、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
弊社でも店舗アプリパッケージサービスをご提供しています。
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ポイント2 複数の開発会社を比較検討する
開発会社にアプリ開発を依頼する場合、複数の開発会社から見積もりを取り寄せ、比較検討することが重要です。
先程も解説したように、アプリ開発はエンジニアのスキルによって大きく異なります。
同じ開発内容でも、制作会社によって見積もりの金額に差が生じるのです。
複数の見積もりを比較する際には、細かな項目ごとの費用やサービス内容をよく理解し、トータルのコストだけでなく、サポートや保守などのアフターサービスも考慮しましょう。
開発会社の経験や実績、クライアントの評判なども考慮して選ぶことが重要です。
ポイント3 レベニューシェア型の開発会社に依頼する
レベニューシェアとは、複数企業が相互に協力して事業を行い、その結果として得られる収益を分配するビジネスモデルのことです。
アプリ開発にかかる費用を制作会社にも負担してもらう代わりに、アプリを通して得た収益を分け合うという仕組みです。
レベニューシェア型の開発を依頼することで、初期費用を抑えることができます。
ただし、レベニューシェア型の契約ができるアプリはかなり限られます。
利益が確実に出ることの根拠がなければ、開発費用を負担してもらうことに納得してもらえないでしょう。
また、レベニューシェア型の契約では、開発会社との協力体制が必要不可欠になります。
双方が利益を最大化するために協力し、アプリの収益向上に向けて戦略を立てること、そして報酬の割合や契約条件など、明確なルールを定めることが必要になります。
ポイント4 自社でできるところは自社で行う
要件定義やデザインから運用・保守まで、開発工程すべてを依頼しようとすると、どうしても費用は高額になりがちです。
アプリの企画やデザインなど、自社内で対応可能なタスクは自社で行うことで、外部に依頼するコストを抑えることができます。
自社でできることと外部に依頼することを適切にバランスさせることで、開発費用のコントロールが可能です。
企画やデザインなど、自社で得意とする部分を活用し、技術的な部分や専門知識が必要なタスクを外部に委託することで、効率的な開発が実現できます。
ポイント5 実装する機能は必要最低限にする
開発費を抑えるためには、実装する機能は必要最低限にするのも効果的です。
アプリで利用できる機能を増やせば増やすほど開発のための人件費や期間が必要になるため、費用は高額になる傾向にあります。
アプリに搭載する機能を必要最低限に絞ることで、開発費用を抑えることができるのです。
必要最低限の機能に絞るためには、ユーザーのニーズやアプリの目的を明確にし、その目的に適した機能のみを取り入れることが重要になります。
ムダな機能の追加は開発コストを増加させるだけでなく、ユーザーの利便性を損なう可能性もあります。
シンプルで使いやすいアプリを提供し、ユーザーの満足度を高めることを意識しましょう。
アプリ開発会社の選び方は、こちらにもまとめています。
店舗アプリのメリット
店舗アプリには、以下のようなメリットがあります。
- プッシュ通知やメッセージ機能で顧客とコミュニケーションが取れる
- 会員証やポイントカード機能によりリピーターの確保が行いやすい
- 顧客情報を活用したマーケティングができる
- 業務効率化につながる
店舗アプリには、プッシュ通知やメッセージなどの機能があります。
プッシュ通知やメッセージ機能を活用することで、新商品やセール情報、イベントなどの最新情報を顧客に直接かつリアルタイムに配信できるため、顧客は店舗からの通知を効率的に受け取れます。
また、会員証やポイントカード(スタンプカード)機能は、顧客のリピート施策として効果的です。
「ポイントカードを持っているから」と、リピートしてもらえる可能性が高まります。
一見、利用者側にメリットが多いように見える店舗アプリですが、店舗側にとってもメリットはあります。店舗アプリを導入すると「誰が」「いつ」「どんな商品」を購入したのかを詳細に分析することができます。
店舗アプリならではの機能や強みを活かせば、効果的なマーケティング戦略が立てられるようになるでしょう。
クーポンを手渡したり、個別にDMを送信したりする必要もないため、業務効率化にもつながります。
店舗アプリのデメリット
店舗アプリの導入には多くのメリットがある一方、以下のようなデメリットもあります。
- 通信トラブルや不具合が発生する可能性がある
- 顧客にダウンロードしてもらう必要がある
まずは、通信トラブルや不具合が発生する可能性があるという点です。
店舗アプリはインターネットに接続して動作するため、通信環境によるトラブルの発生リスクはどうしてもゼロにはなりません。
運用体制を整えたり外部に委託したりするなど、すぐに対処できる体制を整えることが大切です。
また、顧客にダウンロードしてもらう必要がある点も店舗アプリのデメリットといえるでしょう。
アプリのダウンロードは一定のハードルがあるため、全ての顧客にアプリの導入を促すことは容易ではなく、せっかくダウンロードしてもらってもすぐに使われなくなるリスクもあります。
定期的にクーポンを発行するなど、ユーザー離れを防ぐ工夫が必要です。
店舗アプリのメリット・デメリットについては、こちらで詳しく解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
まとめ
店舗アプリの導入にかかる費用は、アプリの規模や種類、制作にかかる人件費・期間、実装する機能の数と複雑さなど、さまざまな要因によって決定します。
アプリ開発を制作会社に依頼する場合は、相見積もりを取り、複数の会社を比較検討するようにしましょう。
その際、トータルの開発費用だけを見て、アプリ開発の依頼先を決定するのはおすすめできません。
その開発費用に何が含まれているのか、見積もりの内訳をよく確認して検討するようにしてください。
また、コストを無駄にしないためには、誰に向けてどんなアプリを作りたいのか、事前に自社内で明確にしておくことが重要です。
開発会社に丸投げせず、まずは自社内で整理することから始めてみてはいかがでしょうか。
アプリ開発の費用をはじめ、その開発方法や運用方法など、ご不明点やお困りのことがあれば、是非アイリッジまでお気軽にお問い合わせください。