顧客VOICE:売上2桁増と好調な京王百貨店化粧品売場を支える「Keio BEAUTY LINEミニアプリ」の強さの秘密
百貨店の顔とも言える化粧品売場で、好調が続く京王百貨店様。
本店である新宿店では、2023年の上期(4~9月)実績で、売上が前年同期比約13%増に。
なかでも、観光客やインバウンドを除いた日本人客の売上は約22%増と、ファン層をがっちりと掴んでいます。
その裏側には、「京王パスポートカード」※と紐付けられるLINEミニアプリの躍進がありました。
※鉄道各社のグループ共通ポイントの先駆けでもある京王ポイント(旧・京王グループ共通ポイント)を通じた会員サービス
本インタビューでは、株式会社京王百貨店でLINEミニアプリを含む各種システムの導入や保守を担当されている、経営管理本部 経営企画部 部長の伊藤征監様と、システム開発係長の三木敬様にお話を伺いました。
京王百貨店新宿店のマーケティング起点となる、2つのLINEミニアプリ
──2021年3月にスタートした「Keio BEAUTY LINEミニアプリ」と、同年6月にスタートした「京王百貨店 新宿店LINEミニアプリ」の2つのミニアプリを提供されています。改めて、導入の経緯をお話いただけますか。
伊藤様:
京王百貨店新宿店においては、当時既に友だち登録者数5万人を超えるLINE公式アカウントを運営していました。
一方で、LINE公式アカウントでは自社会員情報と紐づけた施策は行えないため、会員情報に基づくお客さまへのサービスやアフターフォローは、紙のカルテやDMなど、主にアナログで行われてきました。
しかし、デジタル化の加速によりお客さまの購買行動が多様化していることや、コロナ禍で高まるECの購買需要への対応として、京王パスポートカードと紐づけたOne to Oneマーケティングをやろうということになりました。
──それぞれの棲み分けについても簡単に教えてください。
三木様:
「Keio BEAUTY LINEミニアプリ」は好調領域である化粧品専用ミニアプリで、コスメ関連のニュースや店舗で利用できるクーポン、アプリ内で告知する商品が購入出来るECサイトへのリンクなどを提供しています。
「京王百貨店 新宿店LINEミニアプリ」は新宿店全体のミニアプリで、催事情報やキャンペーン情報をはじめとした新宿店のニュースや、クーポン、ECサイトへのリンクなどをご利用いただけます。
京王パスポートカードをお持ちのお客さまは、店頭などに設置されたQRコードからそれぞれのミニアプリ登録画面にアクセスし、京王パスポートカード会員情報を入力することで、会員限定の特別優待や自分に合ったサービスが受けられるようになります。
──現在、LINEミニアプリ会員はどれくらいまで増えているのでしょうか。
三木様:
「Keio BEAUTY」が5万人超、「京王百貨店 新宿店」は6万人を超えています。
重複ユーザーもいるので合計11万人というわけではないですが、多くのお客さまにご利用いただいています。
アプリ会員の来店頻度は通常会員の1.5倍に
──会員獲得はどのように推進されているんですか?
伊藤様:
催事や優待、アップポイントをやる時にご案内して入っていただくことが多いですね。
特に「Keio BEAUTY」は各ショップの上位顧客を中心に会員になっていただいています。
──お客さまにご案内するのは化粧品売場であれば美容部員の方など、各ショップの方が中心になりますよね。ショップごとでも会員サービスがあるなかで、協力を得るのは大変だったのではないでしょうか。
伊藤様:
朝礼などのコミュニケーションの場で、丁寧に説明をしてきました。
当社としては定期的にアップポイントやキャンペーンを仕掛けますので、会員獲得のご協力をお願いしますと。
ショップと社員が一体になって進めてきて、その結果、いまがあります。
なぜショップ側も乗り気になってくれたかというと、早い段階で、アプリユーザーのほうがリピート率が高いことが見えてきたからです。
化粧品は特にリピート商品です。消耗品なので3ヶ月に一度なくなる。
そして3ヶ月に一度新商品も出ます。
そんななかで適切なコンタクトが取れるミニアプリが評価していただけたということですね。
実際、アプリ会員のほうが通常会員より来店日数(回数)が1.5倍くらいあります。
半数を占めることもある、アプリ会員の高い上位顧客比率
──化粧品業界の専門紙「週刊粧業C&T」の記事でも、アプリ会員限定アップポイントでの売上成果など、かなりLINEミニアプリを評価いただいていました。
伊藤様:
運用は我々とは別の部門がやっていますが、アップポイントしかり、優待しかり、キャンペーンをやるたびに伸びているのは事実です。
「Keio BEAUTY」はショップの上位顧客の比率が多く、ショップによっては半分以上を占めています。
ショップから見ると、低コストで上位顧客にアプローチできるんです。
手を掛けてDMを作らなくても、新製品のご案内ができて再来店につながるというサイクルです。
インセンティブ付きキャンペーンは諸刃の剣です。全員にばらまくと費用対効果が難しい。
でもアプリ会員数が5万人を超え、それなりのボリュームがあるので、会員限定でやっても十分なインパクトが出せるんですね。
ここは今後もより一層仕掛けていきたいと考えています。
あと、ECもミニアプリを始めてから動線が良くなり、順調です。
キャンペーンをやっても、バナーひとつでアクセスでき、利便性が上がりました。
コロナ以降、店頭へ人流が戻ってきていても、化粧品のEC売上は堅調です。
実績と知見のあるパートナーと組むことで、やりたいことを実現
──最後に、アイリッジを選んだ決め手や、その後のご評価なども伺っていいでしょうか。
三木様:
当時、数社から提案をいただいた中で、LINEミニアプリ開発経験が豊富だったアイリッジさんにお願いすることにしました。
リリースまでかなり短期間でしたが、ご提案を聞いて、そこも確実に乗り越えてもらえそうという安心感がありました。
伊藤様:
導入当時、私はアプリを運用する側の部署にいたので、開発担当に要望を伝える役割で参加していましたが、理想的な構成や技術的なことはアイリッジさんが知見もあるので、我々はインターフェースやデザインなどに集中することができました。
当時は素人でしたので、こうしてもらえないかと相談する機会も多かったですが、スピード感のあるサポートをいただけたのも良かったです。
アイリッジさんがLINEミニアプリ開発のリーディングカンパニーだったことでサクサクいったと思っています。
その後もイベント予約やオンライン接客などの機能追加を行い、先日は京王電鉄が運営する京王聖蹟桜ヶ丘ショッピングセンターでのミニアプリもスタートしました。
今後も外商事業部など、他の事業部への可能性を見出していきたいと考えています。
──ますますの広がり、私たちも楽しみにしています!本日はありがとうございました。