アプリ開発プラットフォームとは?開発方法や種類、選び方を徹底解説
アプリ開発は外注できますが、コストの削減などを理由に自社開発を選択するケースも多いです。自社でのアプリ開発では、専用のプラットフォームを活用するケースが増えています。アプリ開発が可能なプラットフォームには種類があり、さらにサービス自体の数も多いので、どのような基準で選べばわからないという方もいるでしょう。
そこで今回は、アプリプラットフォームの概要や種類、選び方のポイント、導入のメリット・デメリットなどについてご紹介します。アプリの自社開発を検討している方は、ぜひ参考にしてください。
アプリプラットフォームとは?
アプリプラットフォームは、パッケージアプリとも呼ばれますが、ベンダーが提供するアプリの構築・提供に必要な機能が備わった開発環境です。インターネットに接続しているパソコンやスマートフォンからアプリ開発が可能です。開発だけではなく、アプリの提供から運用まで1つのプラットフォームで完結します。
本来、アプリ開発には専門的な知識・スキルが必要です。しかし、プラットフォームでは、必要な機能が搭載された既存のプログラミングの土台やテンプレートを使用できます。そのため、高度な知識やスキルを持っていない人でも簡単かつ短時間でアプリ開発が可能です。
アプリプラットフォームの登場によってアプリ開発のハードルが下がり、今では大企業だけではなく中小企業・店舗でも導入が広まっています。
アプリ開発の4つの方法比較
アプリ開発のやり方には、以下4つの方法があります。
- フルスクラッチ開発
- アプリプラットフォームの活用
- オプションアプリの活用
- 外注しての開発
ここで、各開発方法の特徴を見ていきましょう。
フルスクラッチ開発
アプリの機能や設計・デザインなどをすべて独自に考えて、完全自社開発する方法です。どのようなアプリを作るのか要点定義から始まり、使用するプログラミング言語やデータベース、搭載する機能を決めます。UI/UXに考慮してアプリを設計し、アプリの構築後はテストやデバックといった作業も必要です。
フルスクラッチ開発の場合、自由度が高いので高品質なアプリを開発ができることが大きな魅力です。外部システムと連携しやすいアプリにしたり、柔軟にアップデートメンテナンスができたりするメリットがあります。
その一方で、開発コストが高くなりやすく、アプリの品質は自社エンジニアのスキルに依存する傾向にあります。また、自力でトレンドを把握して機能などを決めたり、セキュリティ対策・保守運用の負担が大きくなりやすかったりする点もデメリットです。
アプリプラットフォームの活用
ベンダーが用意する基盤やテンプレートを使い、自社でアプリ開発を行う方法です。コードの記述をせず、ドラッグ&ドロップなど簡単な操作でアプリ開発ができるタイプもあります。
アプリプラットフォームは、アプリ開発の専門知識を持つ社員がいない状況でも高品質なアプリを制作できることが強みです。プラットフォームのバージョンアップによって、新しい機能が追加されることがあります。また、プラットフォーム側が保守運用・セキュリティ対策を行ってくれることもあるでしょう。
ただし、プラットフォーム側ですでに用意された枠組みでしか、外部連携や機能・デザインを実装できない可能性があります。同じ自社開発でもフルスクラッチ開発よりも自由度が低くなりやすいです。
オプションアプリの活用
オプションアプリは、ECプラットフォームやCRM、MAなどの他サービス・システムに付帯されるアプリです。対象のサービス・システムとスムーズにデータ連携ができます。無料でアプリ開発できるものが多く、試しにアプリ開発をしてみたい場合におすすめです。
オプションアプリの活用では、ベンダーが特定の企業に限定される点がデメリットです。また、外部システムとの連携にも制限があることに注意しましょう。
外注しての開発
外部のアプリ開発会社に外注するのもスタンダードな方法です。アプリ開発のプロが揃った会社であれば、自社の希望に合わせた質の高いアプリケーションを作ることができます。自社でアプリ開発を行う人材がいない、人材の確保に手間をかけたくないときに外注は便利です。
ただし、アプリ開発の外注では高額な開発費用がかかる可能性があります。保守管理まで担当してもらう場合、開発後にはランニングコストが発生するのも考慮して依頼しなければなりません。そのため、保守管理も含めて事前に開発費の見積もりをとって検討する必要があります。
アプリ開発を依頼する際の費用相場などについては、以下の記事で解説していますので、参考にしてみてください。
アプリプラットフォームの種類
アプリの自社開発に便利なプラットフォームには、以下の種類があります。
- テンプレート型プラットフォーム
- ノーコード開発型プラットフォーム
- ハイブリッド型プラットフォーム
種類ごとに特徴が異なるため、それを把握して自社に合ったプラットフォームを選ぶ必要があります。ここで、各種アプリプラットフォームの特徴と活用方法を見ていきましょう。
テンプレート型プラットフォームの特徴と活用方法
事前に用意された機能を組み合わせてアプリ開発ができるプラットフォームです。開発費用を抑え、短期間でアプリを作れる特徴があります。ただし、機能やデザインがパッケージ化されているためカスタマイズ性が低く、外部システムの連携が難しい点がデメリットです。
アプリに実装する機能やデザインが他のアプリと似てしまう傾向にあるので、独自性や拡張性を重視したアプリ開発をしたいときには向いていません。しかし、低コストで気軽にアプリ開発をしたいときには向いているプラットフォームと言えます。
ノーコード開発型プラットフォームの特徴と活用方法
コード記述なしで簡単にアプリ開発ができるプラットフォームです。プログラミングスキルがなくても、ドラッグ&ドロップなど直感的に操作できることが強みです。
コードの記述作業をなくして開発工程を民主化することで、多くの人がアプリを作れるようになります。その結果、アプリ開発のスピードや俊敏性を高めることが可能です。
ノーコード開発も機能のカスタマイズ性が低い点や外部システムの連携が制限されやすいことに注意が必要です。機能のカスタマイズが限定されるので、複雑な機能を実装したアプリの開発には適していません。CRMやMAなどの外部システムと連動するアプリを開発したいときは、何と連携ができるのかベンダーに確認をとる必要があります。
ハイブリッド型プラットフォームの特徴と活用方法
ハイブリッド型は、プラットフォームとスクラッチ開発の両方の要素を兼ね備えた開発環境を指します。プラットフォーム側が提供する機能を使えば、簡単かつ短時間にアプリ開発が可能です。
さらにスクラッチ開発ができるので、他の種類のプラットフォームを比べてカスタマイズの自由度が高くなり、外部システムとの連携も可能です。開発期間とコストのバランスに考慮しつつ、ある程度オリジナリティなアプリ開発がしたいときに適しています。ただし、カスタマイズの度合いに応じて開発コストが増大するので、予算管理に徹底してアプリ開発を行わなければなりません。
アプリプラットフォームを選ぶ際の5つの重要ポイント
プラットフォームを活用してアプリ開発をするためには、自社に合ったプラットフォームを選定する必要があります。アプリプラットフォーム選びで重要となるポイントは、以下のとおりです。
目的に合ったプラットフォームを選ぶ
プラットフォーム選びでは、開発するアプリの目的に合わせて選ぶことが大切です。そのため、まずはどのような目的でアプリを開発するのか、明確にしましょう。
作りたいアプリによって、必要となる機能は異なります。そのため、必要な機能が実装できるアプリプラットフォームを選ばなければなりません。飲食業向けのアプリならデリバリーの注文やオンライン予約といった機能を実装できるアプリプラットフォームが必要です。
作りたいアプリとそのプラットフォームでできることに違いがあると、想定していたアプリを作れず、余計に開発コストをかけることになります。それを回避するためにも、目的を明確にした上で、それを達成できる機能を搭載したプラットフォームを選びましょう。
対応OSで選ぶ
アプリプラットフォーム選びでは、アプリを提供するOSに対応しているかどうかも重要です。多くのアプリプラットフォームはマルチプラットフォームとなっているため、WindowsやiOS、Androidといった複数のOSに対応しています。
しかし、中には特定のOSに限定されているケースもあるので、事前に確認しておきましょう。プラットフォームによっては、料金プランによって対応するOSの範囲が変わることもあります。
大勢のユーザーに使ってもらうことを望んでいるのであれば、マルチプラットフォームがおすすめです。スマートフォンアプリだけではなく、デスクトップアプリやPWAなどの開発・提供に対応していれば、各アプリを開発して幅広いユーザーを獲得できます。
機能とカスタマイズの柔軟性で選ぶ
アプリプラットフォームの選定にあたって、使える機能とカスタマイズの柔軟性を確認しましょう。上記で述べたとおり、アプリプラットフォームでは目的に合わせて選ぶ必要があります。基本的な機能をチェックして、アプリに必要な機能を実装できるのか確認してください。
基本機能にない場合でもオプションで機能を追加できたり、別途で開発ができたりするケースもあります。そのため、機能の追加が可能かどうかベンダーに相談してみましょう。
サポート体制やセキュリティ対策面で選ぶ
サポート体制やセキュリティ体制が万全なアプリプラットフォームを選びましょう。アプリ開発中に予期せぬトラブルに直面する可能性があります。サポート体制が万全なプラットフォームであれば、トラブルや開発における疑問が生じた際に電話やメールを通じて速やかに回答がもらえるので、スムーズに問題を解決できます。
また、安全にアプリ開発や提供をしていくためにも、セキュリティレベルの高いプラットフォームを選ぶことも大切です。どのようなセキュリティ対策を行っているのかチェックしましょう。
費用とコストパフォーマンスで選ぶ
アプリプラットフォームの利用にかかる費用とコストパフォーマンスの良さを確認しましょう。プラットフォームの多くは基本料金が記載されていますが、開発要件や追加したオプションなどによって変わります。そのため、正確な費用は見積もりをとって確認しなければなりません。
しかし、1つのアプリプラットフォームから見積もりをとっても、金額が適正であるのか、コストパフォーマンスが良いのか判断は難しいでしょう。複数のプラットフォームから相見積もりをとって、比較検討することが大切です。
アプリプラットフォームを導入するメリットとデメリット
アプリプラットフォームの導入には、メリットとデメリットの両方があります。メリットだけではなく、デメリットも理解して導入を検討するようにしましょう。
メリット
アプリプラットフォームを導入する主なメリットは以下のとおりです。
- 低コストでアプリ開発と運用ができる
- 簡単かつスピーディーにアプリ開発ができる
- 必要に応じてさまざまな機能を拡張できる
- アプリの保守やセキュリティ対策までサポートできることがある
- マルチプラットフォームに対応できる
アプリプラットフォームであれば、外注と比べて低コストでアプリ開発と運用ができます。テンプレートやローコードでの開発ができるので、簡単かつ短期間でアプリを作れることも魅力です。最近のプラットフォームは多様な機能が備わっているので、ポイント会員証やクーポンの配信などさまざまな機能をアプリに追加することが可能です。
アプリのメンテナンスやセキュリティ対策をプラットフォーム側が行ってくれることもあります。他にもAndroidとiOSの両方に対応したスマートフォンアプリの開発などマルチプラットフォームに対応しているケースが多いこともメリットです。
デメリット
アプリプラットフォームを導入する主なデメリットは以下のとおりです。
- 開発の自由度が低い
- ランニングコストがかかる
- アプリ開発から運用まで自社で行うことが前提になる
アプリプラットフォームは基本的に、すでに用意された枠組みやテンプレートを使うため、カスタマイズが限定されてしまいます。そのため、構想から構築まですべて独自に手掛けるフルスクラッチ開発と比べると開発の自由度は低めです。
また、アプリプラットフォームの導入後は、月額料金などのランニングコストが発生します。開発規模に合わせて適切なプラットフォームやプランを選び、コスト管理を徹底しなければなりません。
また、基本的にアプリ開発から運用まで自社で行うことになります。運用においては、マーケティングのノウハウが不足しているとアプリの利用者が増えないという状況に陥る可能性があるでしょう。ノウハウの不足が懸念される場合、プラットフォームで運用のアドバイスが受けられるかどうか確認してください。
アプリ開発のコスト目安
アプリ開発にかかるコストは、開発方法やアプリの種類などによって大きく変わってきます。開発費用の相場は以下のとおりです。
開発方法 | アプリ開発の費用相場 | |
アプリプラットフォーム | テンプレート型 | データベースの連携なし:200万円~ データベースの連携あり:400万円~ |
ノーコード型 | 数万円~500万円 | |
ハイブリッド型 | 150万円~ | |
フルスクラッチ開発 | 250~3,000万円以上 |
フルスクラッチ開発にかかる費用はアプリの種類にもよって大きく変わり、数百万から数千万円の規模になることが多いです。それと比べると、アプリプラットフォームの相場は安い傾向にあります。ただし、アプリプラットフォームでも種類によって費用相場は変わるので注意が必要です。
テンプレート型は、データベースの連携の有無によって相場が変わります。ノーコードはプログラミングによる開発が不要なため、ゼロから開発するケースよりも大幅にコストを抑えることが可能です。ハイブリッド型はフルスクラッチ開発と比べて安価ですが、開発規模によっては高額な費用になることがあります。
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まとめ:アプリプラットフォームを活用してアプリ開発をしてみよう
自社でアプリ開発をしたいときは、アプリプラットフォームを活用してみましょう。プラットフォームを活用すれば、高度な知識・スキルがなくても高品質なアプリの開発と提供を実現できます。外注やフルスクラッチ開発と比べて開発コストを抑えられることも大きなメリットです。
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