リテンションマーケティングとは?重要視される背景や具体的な施策を解説
マーケティング手法は、新規顧客に向けたものと既存顧客に向けたものの2つに大きく分けられます。これまで主軸となっていたのは新規顧客を獲得するための手法ですが、近年は既存顧客に向けた「リテンションマーケティング」が重要視されています。なぜ既存顧客に向けた手法が重要視されるようになったのでしょうか?
そこで今回は、リテンションマーケティングとは何かを解説しつつ、重要視される背景や具体的な施策を紹介します。リテンションマーケティングについて理解したい方や、実際に導入を検討されている方はぜひ参考にしてみてください。
リテンションマーケティングとは?
リテンションマーケティングとは、顧客との良好な関係を継続して維持するためのマーケティング手法です。マーケティング手法の中でも新規顧客の獲得に向けたものではなく、既存顧客のリピート購入・定期購入などを促すために行うものになります。
従来のマーケティング(アクイジションマーケティング)との違い
従来のマーケティングは新規顧客を獲得することを主軸に考えられており、見込み顧客に対してアプローチをすることで、新規顧客の獲得を行ってきました。そのため、最初に商品・サービスやブランド、企業に対して認知を獲得し、集客したりリストを構築することが優先されていました。
しかし、リテンションマーケティングは獲得した新規顧客をつなぎ止め、売上やLTV(顧客生涯価値)の最大化を図ることが重視されています。顧客に対してリピート購入を促進し、さらにロイヤルティを形成することで何度も商品・サービスを購入してもらい、売上や生涯価値を向上させます。そのため、従来のマーケティングとは目的やターゲットなどが大きく異なるのです。
リテーションマーケティングが重要視される背景
現在リテンションマーケティングが重要視されているのには理由があります。
- LTV(顧客生涯価値)の重要性が高まったため
- SNSの拡大による影響力が年々高まっているため
- 技術の発展により顧客データの利活用が容易になったため
- ECやサブスクリプションビジネスが拡大傾向にあるため
それぞれの背景について解説していきます。
LTV(顧客生涯価値)の重要性が高まったため
1つ目の背景として、LTV(顧客生涯価値)の重要性が高まっている点が挙げられます。現在日本は少子高齢化によって人口が年々減少の一途をたどっています。さらに、市場が飽和状態にあるため、どの企業でも新規顧客の獲得が難しい状態です。
こうした中でLTVの重要性が高まっています。LTVは企業に対して顧客が生涯に渡りわたりどれくらいの利益をもたらすかを表す指標です。新規顧客の獲得が難しい中で利益を出していくには、既存顧客が離れていかないようにすることも重要となります。
LTVについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SNSの拡大による影響力が年々高まっているため
SNSの拡大により、多くの人が利用していることで影響力が高まっている点も、リテンションマーケティングが重要視される背景になっています。購買行動は時代と共に変化し、近年は購入する前にネットで口コミを調べたり、SNSから実際に使った人の投稿をチェックしたりするようになりました。SNSなどを介して情報収集が容易になったことで、購買行動にも大きく影響を与えるようになっています。
ロイヤルティの高い顧客の場合、自身がいいと思った商品・サービスを多くの人に伝えたいという気持ちから、SNSで紹介してくれる場合もあります。この意見を参考にして購入を決める新規顧客も多いため、リテンションマーケティングが重要となってくるのです。
技術の発展により顧客データの利活用が容易になったため
技術の発展に伴い、現在は顧客データを取得して利活用がしやすくなったことも、リテンションマーケティングの重要性に関連しています。顧客に関するデータを収集・分析できるツールが開発され、その情報に基づいてマーケティング戦略を打ち出せるようになりました。
顧客データの利活用が容易になったことで、顧客一人ひとりがそれぞれ興味・関心のある商品・サービスを提案できるようになりました。単に購買率が上がっただけでなく、顧客は不要な情報に振り回されなくなり、今自分が欲しいと思っているものをスムーズに購入できるようになります。こうした快適性・利便性によってロイヤルティが向上し、LTVの最大化も図れるでしょう。
ECやサブスクリプションビジネスが拡大傾向にあるため
経済産業省が実施した「令和5年度デジタル取引環境整備事業(電子商取引に関する市場調査)」によると、国内のBtoC-ECの市場規模は24.8兆円で、前年の22.7兆円から9.23%拡大していることがわかっています。ECサイトは以前から市場規模を拡大してきましたが、2024年時点でなお拡大傾向にあります。また、矢野経済研究所が実施した「サブスクリプションサービス市場に関する調査(2023年)」において、サブスクリプションサービスの国内市場規模は2022年時点で8,965億6,000万円、2025年には1兆118億5,000万円に拡大すると予測しています。
ECサイトやサブスクリプションビジネスは、顧客からの継続利用によって大きな利益がもたらされます。特にサブスクリプションは継続利用をしてもらわないとビジネスそのものが成り立たなくなる可能性もあることから、顧客をつなぎ止めるリテンションマーケティングが必要です。
リテンションマーケティングを実施する目的は「リテンション率」を高めるため
リテンションマーケティングは、リテンション率を高めることが主な目的となります。ここでは、リテンション率とは何かについて解説し、リテンション率の計算方法についても解説します。
リテンション率とは?
リテンション率とは、新規で契約した顧客のうち一定期間にわたり契約を継続してくれた顧客の割合を示すものです。「既存顧客維持率」や「リテンションレート」とも呼ばれています。リテンション率が高ければ高いほど顧客満足度が高く、長期的に契約を継続してくれる顧客が多いことがわかります。逆にリテンション率が低ければ、アプローチが十分でなく顧客と良好な関係が築けているとはいえません。
リテンション率を求めることで、ユーザーが商品・サービスにどれだけ定着しているか、継続しているかをチェックできますが、既存顧客と自社のつながりの深さも表しています。さらに、数値の定点観測を実施することで、離脱リスクの高いユーザーに対して最適なアプローチを図り、離脱を踏みとどまってもらうこともリテンション率を計算する目的といえます。
リテンション率の計算方法
リテンション率を求めるには、一定期間に獲得した顧客数と期間が終了した時点での顧客数を使って計算していきます。計算式は以下のとおりです。
リテンション率(%)=(期間終了時の顧客数-期間中に獲得した顧客数)÷期間開始時の顧客数×100
例えば期間開始時の顧客数が200人、期間中に獲得した顧客数が20人、期間終了時の顧客数が140人だった場合、上記の計算式に当てはめると(140人-20人)÷200人×100=60%になります。
リテンションマーケティングを実施するメリット
リテンションマーケティングを実施することで、主に以下のメリットが得られます。
- 顧客の継続利用率を高められる
- ブランドロイヤルティが向上する
- LTV(顧客生涯価値)が向上する
- 新規顧客獲得コストを抑えられる
- 口コミによる新規顧客の獲得につながる
- 休眠顧客を引き戻すことができる
顧客の継続利用率を高められる
リテンションマーケティングのメリットとして、顧客の継続利用率を高められる点が挙げられます。継続利用率が低く、初回または短期間で利用しなくなる顧客が多い場合、商品・サービスにはまだ改善の余地があるといえます。継続利用率を定期的に調査し、機能性やアフターフォローなどを強化していくことで、顧客の継続利用率を高めていくことが可能です。
継続して商品・サービスを購入してくれる顧客の割合が増えていけば、安定した収益と事業の成長も期待できるでしょう。
ブランドロイヤルティが向上する
ブランドロイヤルティとは、商品・サービスではなくブランドや企業に対して信頼や愛着を持っている顧客を指します。ブランドや企業に対して信頼や愛着を持っていることで、他のブランドからより安く、質の高い商品が出たとしても、同じブランドの商品を継続して買い続けてくれる可能性が高まります。そのため、企業にとってはブランドロイヤルティを高めることも重要です。
リテンションマーケティングは、顧客一人ひとりに向けて最適なアプローチをかけることで継続利用を促すことになります。従って、リテンションマーケティングの実施によってブランドロイヤルティの向上も期待できるのです。
LTV(顧客生涯価値)が向上する
リテンションマーケティングを取り入れることでリピート顧客が増加すると、顧客1人あたりが生涯もたらす利益が向上します。LTVが向上すれば、新規顧客の獲得だけに依存することなく、既存顧客の購買単価や頻度、継続期間を伸ばしていくことで、より確実性のある収益モデルを実現できます。
また、LTVの向上に向けて分析することで顧客と収益との関係性を発見でき、事業全体の収益構造を理解できるようになります。収益構造が理解できれば、収益を最大化させるための施策も立案しやすくなるでしょう。
新規顧客獲得コストを抑えられる
新規顧客を獲得するためのコストと既存顧客にリピート購入を促すためのコストを比較した場合、新規顧客に対するコストの方が5倍近く高くなるといわれています。これは「1:5の法則」と呼ばれるものです。
見込み顧客は商品・サービスについてよく理解していない、またはそもそも認知していない状態にあることから、まずは知ってもらうようにアプローチをかける必要があります。しかし、既存顧客ならすでに商品・サービスについて理解しているため、セールを実施した際のお得さがわかり、利用してもらえる可能性が高いです。リテンションマーケティングに注力することで、新規顧客獲得のコストを抑えつつ既存顧客のリピート購入により、安定した収益を促せることから、経営の健全化を図ることも可能です。
口コミによる新規顧客の獲得につながる
「リテンションマーケティングに注力していると新規顧客を獲得できないのでは?」と不安に感じる人もいるかもしれません。しかし、実際には新規顧客も合わせて獲得できる場合があります。
これは、自社の商品・サービスに対するファンが増えることで、継続して購入するだけでなくSNSでの自発的な発信や口コミによって、ポジティブな情報を拡散してくれる可能性があるためです。見込み顧客はネットの口コミやSNSの投稿を参考にして購入するかどうかを決める傾向にあるため、ファンの投稿を見て購入してくれる可能性が高まります。広告費をかけなくても見込み顧客の認知度が上がったり、実際に購入したりするケースがあるため、企業にとって大きなメリットといえます。
休眠顧客を引き戻すことができる
休眠顧客とは、自社の商品・サービスを一度利用してから、しばらく利用していない顧客を指します。マーケティングにおいて新規顧客を開拓するよりも、まずは休眠顧客にアプローチをかけた方が、すでに自社の商品・サービスに対して一定の理解があるため、再度利用してくれる可能性が高いです。
リテンションマーケティングでは、顧客のデータに基づいて一人ひとりに適したアプローチをかけていくことになります。粘り強くアプローチをかけていくことで、休眠顧客を引き戻せる可能性があります。
リテンションマーケティングの主な施策11選
実際にリテンションマーケティングを取り入れるなら、どのような施策があるのかも知っておく必要があります。自社の状況などに合わせてより効果的な施策を選ぶようにしましょう。リテンションマーケティングの主な施策は以下のとおりです。
- メールマーケティング
- SNSマーケティング
- リターゲティング広告
- レコメンド
- プッシュ通知
- 会員限定キャンペーン
- クーポン・ポイントの付与
- カスタマーサポートの充実
- サブスクリプションの導入
- オフラインイベントの開催
- ツールの活用
①メールマーケティング
メール配信を利用して既存顧客にリテンションを図るメールマーケティングは、主な施策の1つです。メールマーケティングにもさまざまな種類があり、既存顧客が現在どのような状態にあるかを把握した上で、どのようなメールの配信が適切なのかを検討する必要があります。
- メルマガ
- ターゲティングメール
- リターゲティングメール
- シナリオメール
- 休眠発掘メール
顧客の購買履歴や行動データなどに基づき、その顧客にパーソナライズされた情報を定期的に配信します。例えばユーザーの誕生月に配信する特別オファーや、以前購入した消耗品の値下げをお知らせするメールなどによって、リピート購入が促進されるでしょう。
②SNSマーケティング
SNSマーケティングは、各SNSに自社のアカウントを作成し、そこから商品・サービスに関する有益な情報や、お得なセール情報などを発信します。SNSで情報を発信することで拡散され、多くのユーザーの目に留まりやすくなります。メールマーケティングと違って不特定多数のユーザーにリーチできるのはメリットです。
また、SNSは単に情報を発信するためのツールではなく、企業と顧客の関係性を構築する上でも役立ちます。例えばSNSから顧客のフィードバックを受けて素早く対応したり、実際に商品・サービスを購入してくれた人にアプローチをかけたりすることで、顧客との良好な関係を構築することも可能です。
SNSマーケティングについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
③リターゲティング広告
リターゲティング広告とは、自社サイトを訪問したユーザーがサイトから離脱してからも追跡する広告です。リターゲティング広告はリピーターになる可能性が高いユーザーに絞って広告を表示しているため、費用対効果が高いともいわれています。
リターゲティング広告を出稿するためには、「GDN」または「YDN」に広告を出稿することで提携先広告枠に広告が表示されるようになります。GDNとYDNに出稿すれば、ネット上にある広告媒体の多くをカバーできるので、GDNとYDNから運用をスタートするのがおすすめです。
④レコメンド
レコメンドは、購買履歴や閲覧履歴などのデータをもとに、顧客のニーズに合いそうな商品を紹介する手法です。例えばECサイトやアプリなどを利用していると、「あなたへのおすすめ」や「この商品を購入した人はこちらも購入しています」と表示されるケースがありますが、これがレコメンドになります。
レコメンドの表示によって顧客は自分に合う商品をすぐに見つけられます。顧客の満足度を向上させつつ、クロスセル(関連商品も合わせて購入してもらうこと)やアップセル(検討中の商品よりグレードの高い商品を購入してもらうこと)にもつなげることが可能です。
⑤プッシュ通知
プッシュ通知は、アプリやサイトを利用した際にリアルタイムでメッセージを送信する手法です。ユーザーの行動履歴や興味・関心に基づいた情報を提供でき、適切なタイミングでリマインドをかけることができます。
例えばECサイトでカートの中に商品が入ったまま放置されている場合、ユーザーは購入を忘れている可能性があるため、プッシュ通知によって購入を促します。ただし、何度も通知があるとユーザーはうっとうしいと感じてしまい、印象が悪くなる可能性があることから適切な頻度で送信するようにしましょう。
⑥会員限定キャンペーン
自社の商品やサービスを継続して購入してもらうための工夫として、会員限定のキャンペーンを実施するのもおすすめです。会員限定のキャンペーンが用意されていると、会員になるメリットが大きくなり、登録してもらえる可能性があります。
会員登録によって顧客データを収集することもでき、そのデータを活かしてロイヤルティを向上させることも可能です。会員限定キャンペーンにもさまざまな種類がありますが、特に購買意欲を高める大きな割引キャンペーンなどは、会員登録をしようと考える人も増えやすくなります。
⑦クーポン・ポイントの付与
実店舗やECサイト、アプリなどを活用したことでクーポンやポイントが付与される場合もあります。このクーポンやポイントもリテンションマーケティングの主な施策に含まれます。
クーポンやポイントが付与されることで、別の店ではなくそのお店で利用した方がお得になると感じられるようになり、次回の利用につながります。この繰り返しによって顧客の定着化につなげているのです。顧客もお得になる分、嫌な思いをすることもないため、良好な関係を構築するのに適した手法といえます。
⑧カスタマーサポートの充実
カスタマーサポートに問い合わせる顧客は、基本的に自社の商品・サービスに関して問題を抱えている人になります。そのため、迅速で丁寧な対応を心がけることで、顧客は安心感を得られるようになり、ロイヤルティの向上にもつながるでしょう。
また、カスタマーサポートを充実させ、さまざまな窓口を用意しておくことも重要です。例えば電話やメールによる問い合わせ以外にも、チャットツールを活用したりLINEで気軽に質問できるようにしたりすると、利便性も向上します。
⑨サブスクリプションの導入
最初に登録すれば、あとは自由にサービスを利用できるようになるサブスクリプションの導入によって、顧客の定着化につながります。サブスクリプションは一度顧客を獲得できれば継続して売上を計上でき、経営の安定化も期待できます。顧客のデータを収集してニーズに合わせたサービスを提供することで、さらなる定着化を図ることも可能です。
また、商品・サービスの買い切りだと初期費用が掛かってしまうものですが、サブスクリプションなら初期費用を抑えつつ商品・サービスを利用できるようになります。
⑩オフラインイベントの開催
セミナーやワークショップなどのオフラインイベントを開催することも、リテンションマーケティングの手法になります。オフラインイベントは既存顧客と企業が直接交流を持てる場になり、さらに顧客同士の交流も深まるのでロイヤルティの向上が期待できます。
実際に商品・サービスを体験できる場でもあることから、オンラインよりも自社の商品・サービスに対する知識や理解が深まりやすい点もメリットです。
⑪ツールの活用
リテンションマーケティングを効果的に行うために、顧客データの収集・分析は必要不可欠です。そのため、施策を取り入れる際にはツールの活用も検討する必要があります。
CRMツール
CRM(顧客関係管理)ツールとは、顧客に関連する情報を集約して一元管理できるツールです。単に顧客情報をまとめておくだけでなく、顧客情報に基づいて細かくニーズを分析し、適切なアプローチ方法を探っていくことができます。
リテンションマーケティングに導入するCRMツールとしてご検討いただきたいのが、「LINKFUN」です。LINKFUNはLINEミニアプリを介して企業とユーザーがつながり、キャンペーンやロイヤルティプログラムの設定、ユーザー分析なども行えるツールです。
例えばレシートや納品書をトーク画面に送信するだけで応募できる「マストバイキャンペーン」を導入することで、顧客の離反を抑制しつつリピート購入を促せます。レシートデータや顧客の行動データは蓄積され、分析することも可能なので、より効果的なリテンションマーケティングにつなげることもできるでしょう。CRMツールを導入してリテンションマーケティングを行うなら、ぜひLINKFUNの活用をご検討ください。
また、CRMについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
SFAツール
SFA(営業支援)ツールとは、営業活動の自動化や効率化を図ることを目的とするツールです。顧客の基本情報や問い合わせ内容を管理するだけでなく、商談の進捗状況や業務報告、予実管理などが行えるようになります。
SFAツールも顧客データを活用してニーズを汲み取り、興味・関心のあるコンテンツの提供や状況に適したコミュニケーションをとることで顧客満足度の向上とリピート購入の機会を増やしていきます。
DMPツール
DMP(データマネジメントプラットフォーム)ツールは、ネット上に蓄積された顧客の属性や購買履歴、広告配信データなどの情報を一元管理するツールです。収集した情報から顧客ニーズを把握し、最適なアプローチにつなげていきます。
CRMツールやSFAツールと同じく、収集したデータをもとに一人ひとりに合わせて最適な提案を行えるようになります。しかし、DMPはアクセス解析ツールで取得した情報と、CRMツールなどのリード情報を同期させて管理できるため、ユーザーがサイトを訪問する前にどんな行動をとっていたのかも把握できます。また、自社の優良顧客の属性・行動を抽出し、類似ユーザーに向けて積極的にアプローチすることも可能です。
CDPツール
CDP(カスタマーデータプラットフォーム)ツールとは、顧客データの集約・統合・管理を担うツールです。顧客に関連するデータとして会員登録時の情報やWebログ、広告ログなどがありますが、いずれも収集した場所や形式が異なっているため、それぞれで分析することになってしまいます。しかし、CDPツールを活用することでデータを集約してまとめることができ、顧客ごとに統合していくため分析もしやすくなります。
顧客ごとの分析が可能となるため、パーソナライズされたアプローチも可能になり、リテンションマーケティングの効果も高まります。
CDPについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
まとめ:リテンションマーケティングについてお困りなら弊社におまかせ
リテンションマーケティングは、既存顧客との関係性を深め、継続利用を促進することでLTVの最大化を目指す取り組みです。本記事では、その基本的な考え方から具体的な施策事例、成功に導くためのポイントまでを解説しました。
新規顧客の獲得が難しくなっている今だからこそ、既存顧客の満足度を高め、ロイヤルユーザーへと育てることが成長戦略の中核となります。
こうしたリテンション施策を効果的に実行するには、現状の課題を可視化し、最適なコミュニケーションを設計するなど、多角的なアプローチが求められます。
アイリッジが提供する「ビジネスプロデュース支援」では、アプリ開発やCRM設計をはじめ、リアルとデジタルを融合させた施策の企画・実行を一括してサポート。戦略立案から運用まで一貫して伴走することで、リテンションマーケティングの成功を力強く支援します。まずはお気軽にご相談ください。
