SNSブランディングとは?具体的な手法や手順、成功に導くためのポイントも解説

SNSブランディングとは?具体的な手法や手順、成功に導くためのポイントも解説

マーケティングにおいては広報としてSNSを活用する企業が増えていますが、ブランディングにも役立つツールです。SNSの特徴や利用者層を的確に把握すれば、ブランドの認知や浸透を効率的に進められます。しかし、どういった手法があるのか知らない方もいるはずです。

そこで今回は、SNSブランディングとは一体どういった内容なのか基本概要を解説すると共に、活用する上でのメリットや注意点、ブランディングにおすすめのSNS、手順などを解説していきます。成功するためのポイントも解説していくので、自社での導入を検討している企業担当者の方や運用する際の注意点やコツなどを知りたい方は、ぜひ参考にしてみてください。

SNSブランディングとは?

SNSブランディングとは?

消費者がSNSを活用して、企業や製品、サービスを他と区別し、多くの方々にその価値を認知してもらい、加えて消費者との関係性を強化するためのデジタルマーケティング戦略の一種がSNSブランディングです。企業や製品、サービスに対して、特定のイメージを持ってもらうための手法がブランディングなので、拡散性のあるSNSを活用することでより多くの方々にブランドイメージを浸透させられます。

SNSブランディングの一例としては、企業が行っている環境問題へと取り組みをアップする方法です。自然環境に配慮された取り組みをしていることで、企業イメージがアップします。また、新商品のお知らせやニーズに関するアンケート、キャンペーンで製品の名前を募集するといったユーザー参加型の取り組みにおいて、ブランドに親しみを持ってもらえればブランドイメージのアップにつながります。

SNSブランディングが注目される背景

SNSブランディングが注目される理由として「SNSの利用者増加」が挙げられます。SNSの利用者数は日本国内だけでも非常に多いことがわかっています。総務省の「令和6年度版情報通信白書」によれば、日本のSNS利用者数は2023年時点で1億580万人に達しています。今後も増加していくことが予想されており、2028年には1億1,360万人に達する見込みです。

全世界に広げると、SNSのユーザー数は2023年時点で49億人となっており、2028年には60億5,000万人に増加する予想です。日常におけるコミュニケーションツールとして定着しているため、今後も増加傾向が続くといわれています。この結果から見てもわかるように、SNSを活用したブランディングを行えば、外部浸透やイメージ構築に大きく役立つと考えられているため、SNSブランディングが広く注目されているのです。

また、ユーザーの消費行動の変化も理由の1つです。スマホの普及やSNSの浸透により、情報収集や商品の購入をネットで完結させる傾向が強まっています。SNSでの製品紹介や口コミなどを活用して買い物をするユーザーも増加しているため、SNSでの情報発信が企業でも欠かせなくなっています。

SNSブランディングのメリット

SNSブランディングのメリット

ここからは、SNSブランディングを企業が取り入れるメリットを解説していきます。

ブランド認知度の向上につながる

SNSブランディングに取り組めばブランド認知度の向上につながります。前述したようにSNSは拡散力が非常に強いです。企業が投稿した内容に興味を持ったユーザーが拡散すれば、フォロワー以外のSNSユーザーにも自社や自社製品を知ってもらえます。人気企画を取り入れたコンテンツの投稿やトレンドになっているハッシュタグの活用で、多くのユーザーへのリーチが狙えます。

また、「○○の製品は質が良くて使いやすい!」「△△の商品はかわいい」といった投稿をユーザーがするだけでも認知度拡大につながります。投稿に対して「いいね」をすれば、フォロワーのおすすめに表示される機能もあるので、SNSならではの機能性を活かせればブランドの認知度向上に活用できます。

UGCの増加につながる

UGCの増加につながる点も魅力です。UGCとは、一般ユーザーによって生成されたコンテンツを指します。具体例としては、レビューや個人的な投稿となるため、ブランドに関する写真のアップなどが挙げられます。

UGCには実際のユーザーの率直な感想が含まれているので、製品の購入やサービスの利用を検討しているユーザーには価値のある情報です。好意的なUGCが増加すれば、より多くの購買を促せます。

広告費用を削減​できる

製品やサービスを世の中に発信する際にはテレビCMやポスター、新聞広告などの活用が挙げられますが、広告費用が掛かる点がデメリットです。しかし、SNSブランディングであれば、広告費用の削減が可能です。SNSでアカウントを作る場合、無料となるため運用コストは掛かりません。オプションで掛かる費用をプラスしたとしても、広告よりもコストを抑えられる可能性が高いです。

SNSを活用しての発信が広告の代わりにもなるので、ブランディングの予算を確保しにくい企業でも取り組みやすい手法です。

顧客との信頼関係を築くことができる

SNSを活用すれば顧客との信頼関係を築くこともできます。投稿した内容に反応してくれたユーザーに対してリアクションをしたり、メッセージを送りあったりすれば、ブランドをより身近に感じてもらえます。良好な関係を築ければ信頼関係を深めることも可能です。

顧客との信頼関係が深まれば、ユーザーの購買意欲アップや口コミにもつながります。口コミが増えれば新たなユーザーの獲得にも役立つでしょう。

リピーターの増加につながる

リピーターを増やすためにもSNSブランディングは有効です。自社の投稿に対してユーザーが興味を持ってアカウントをフォローしてくれれば、発信する情報を優先的に見てくれるようになります。製品の購入やサービスの利用を促しやすく、一度のみならず継続的な利用にもつなげられます。リピーターが増加すれば、売上の安定化を図れるでしょう。

リピーターの獲得でお悩みであれば、以下の記事をチェックしてみてください。

ユーザーの意見を直接受け取れる

定期的に配信するメールを通じてブランドイメージの構築を図るメルマガによるブランディングも可能ですが、メルマガの場合は氏名やメールアドレスといった個人情報を入力してもらう必要があります。しかし、SNSを活用すればフォローするだけで企業の情報を受け取れるので、メルマガよりもハードルが低い点が魅力です。メルマガでは一方的に情報を発信するだけなので反応を知ることはできません。

しかし、SNSであれば「いいね」といったリアクションやコメントで直接コミュニケーションを取ることが可能となり、リアルタイムでユーザーの反応を把握できます。時には悪い反応がくるケースもありますが、製品やサービスの改善に役立つ貴重な意見です。ユーザーが参加できるキャンペーンでもさまざまな意見が聞けるので、ぜひ取り入れてみてください。

SNSブランディングを行う際の注意点

SNSブランディングを行う際の注意点

ここからは、SNSブランディングを実行する際に考えられる注意点をご紹介していきます。

炎上するリスクがある

SNSを活用する場合、不適切な投稿による炎上リスクに注意してください。何気なく発信した文章や画像が火種となり問題視される可能性があります。

一度ついた悪いイメージは払拭することが難しいため、投稿する内容には十分な配慮が必要です。不適切な表現や差別的な内容、不快な言葉が含まれていないか複数人によるチェック体制を構築しましょう。明確な運用ルールを定めることも大切です。

対応に時間と手間が掛かる

SNS運用は多くの時間と手間が掛かります。ブランドの浸透は短期間では実現しないので、中長期に渡るユーザーとのコミュニケーションが不可欠です。拡散力があるので認知獲得に関しては短期間でも実現できる可能性がありますが、ブランドが根付くまでには時間がかかるので、時間をかけて取り組む必要がある点に注意してください。

リソース不足によって運用が停止しないよう、SNS運用専任スタッフの採用や運用代行を検討するのも得策です。

情報のコントロールが難しい

SNS上では、それぞれのユーザーにどんな情報が表示されるかは、SNSのアルゴリズムが影響しています。ユーザーの行動データで表示されるコンテンツを最適化するためのルールをアルゴリズムといい、興味を持っていると思われる投稿が優先的に表示される仕組みです。

必ずしも狙ったユーザーに届くとは限らないので、想定しているユーザー層の認知拡大に時間がかかってしまうケースもあります。

SNSブランディングにおすすめのSNS5選

SNSブランディングにおすすめのSNS5選

SNSといってもさまざまな種類があります。自社に合うツールを活用することが大切なので、それぞれの特徴を解説していきましょう。

Instagram

画像や動画の投稿がメインのSNSです。視覚的なアピールが必要なので、デザインやビジュアルにこだわった投稿をすることでブランディングや消費行動につながりやすいです。アパレルや飲食、ライフスタイル関連のブランドに向いているSNSです。ストーリー機能やアンケート機能、ハッシュタグ検索などの特徴を持ち、インフルエンサーとコラボしたブランディングも可能です。

個人アカウントとビジネスアカウントがあり、ビジネスアカウントにはパフォーマンスをトラッキングする機能があります。ブランディングを行う際にはビジネスアカウントの利用がおすすめです。

X(旧Twitter)

Xは短文での投稿がメインのSNSです。リアルタイム性に優れているというメリットがあり、ユーザーに対して最新の情報を素早く届けられます。ハッシュタグ機能やリポスト機能があり、キャンペーンを実施する場合には条件にリポストを含めれば拡散力によって多くのユーザーの目に留まりやすくなります。トレンドのハッシュタグやエゴサーチで市場調査も行えます。

ただし、拡散力が非常に高いので悪い情報もすぐに拡散される点に注意が必要です。

TikTok

ショート動画に特化したSNSです。利用者は10代や20代といった若年層が中心でしたが、近年では30代以降の利用率も高まっています。多くの世代に訴求できるようになってきましたが、50代や60代などの層は利用率が低い傾向です。

拡散力が高くバズりやすいので、一度注目を集めれば断続的な話題につながりやすいです。

Facebook

実名登録制のSNSです。炎上リスクが低いので、情報の信頼度が高くなりやすい点が魅力です。テキストや画像、動画などのコンテンツが投稿でき、利用者は30代以降の層がメインとなります。しっかりと読むコンテンツも多いので、作り込んだコンテンツ投稿が必要です。

ビジネスアカウントがあり、アクセス解析や広告運用機能を利用できます。

YouTube

世界最大の動画プラットフォームです。長尺の動画コンテンツが主流です。テキストや画像だけの投稿よりも多くの情報を訴求できる点が特徴です。ただし、動画の作成に手間が掛かる点がデメリットです。

近年では短尺の動画も投稿でき、ショート動画を活用したアプローチも行えます。短い動画なので最後まで視聴されやすく、長尺動画と比較すると作成の手間も抑えられます。

SNSブランディングの手順を6STEPで解説

SNSブランディングの手順を6STEPで解説

ここからは、SNSブランディングの手順を6STEPに分けてご紹介していきます。

STEP1:競合の調査をする

はじめに、競合調査を行います。競合の製品やサービス、価格や販売戦略、評判などの情報を集めて自社の強みや弱みを分析してみてください。3C分析やSWOT分析を用いて自社のポジショニングを行えば、他社との違いとなる要素を見つけられます。

また、競合が活用しているアカウントも調査をして、フォロワー数や投稿している頻度、内容やエンゲージメント数などを調査します。これらを把握することで、自社が狙うべき層を考えるヒントが得られるだけではなく、コンテンツ作りを円滑に進めやすくなります。

STEP2:ターゲットを設定する

次にターゲットの選定です。販売実績があれば、CRMのデータを分析し、どういったユーザーが購入しているのか洗い出します。実績がない場合には、商品モニターやアンケートの実施で、商品の購入意欲のあるユーザーを仮説立てできます。

ターゲット設定ではペルソナを具体的に作ることで、目指すべき方向性を明確化しやすくなります。

STEP3:コンセプトを設計する

ターゲットを設定したら、コンセプトの設計に移ります。ブランディングを行う上での方向性やコンセプトを明確化するSTEPです。重大な要素となり、コンセプトに沿ったメッセージをユーザーに送ることで、効果的な訴求がしやすくなります。

一貫したメッセージを届けられればユーザーからも認知されやすくなります。「誰にどんな価値を提供したいのか」をキャッチコピーのように一言で表現するのがポイントです。

STEP4:SNS媒体を選定する

ブランディングを行うためのツールとなるSNSを選定します。ポイントとしては、ターゲット層に合うツールを選ぶことです。SNSといっても利用者層や特徴は異なるので、それぞれを理解した上で自社にとって最適なツールを選ぶ必要があります。

STEP5:投稿内容を決める

投稿するSNS媒体を決めたら、投稿する内容も決めていきます。その際には、ブランドの方向性がブレないようにガイドラインを作成しておくと便利です。ブランドカラーやフォント、ロゴや画像などを指定しておくことで、投稿内容に統一性が生まれます。

投稿内容では、響くコンテンツを作成するのがポイントです。興味や共感が得られなければ意味がないので、ターゲットのニーズや興味を把握するためにも、市場調査を実施するのも有効です。

STEP6:効果測定と改善を行う

SNSに投稿を行った後には効果測定をしなければいけません。SNSのビジネスアカウントでは、アナリティクスツールがあるのでパフォーマンスの分析が可能です。

  • リーチ数
  • クリック数
  • いいね数
  • 保存数
  • コメント数

などの分析を行っていきますが、年齢や性別を分類して分析すると、どういった人たちがどんな反応をしているのか傾向が掴みやすくなります。もし反応が悪い場合には、画像や写真の変更、投稿時間の変更など、少しずつ変更を行い、数値の変化を細かく見ていきましょう。改善方法がわからなければ、SNS上でどんな情報が拡散されやすい傾向なのか、トレンドやいいね数の多い投稿を参考にして自社のSNSで活かしてみてください。

SNSブランディングを成功に導くためのポイント

SNSブランディングを成功に導くためのポイント

最後にSNSブランディングを成功に導くためのポイントを解説していきます。

目的やターゲットを明確にする

成功に導くためには、目的やターゲットを明確化させておく必要があります。ブランドの認知や浸透をどういったユーザーに対して行いたいのかを明確にするためにも、詳細なペルソナを設定しなければいけません。

ターゲットを具体化したペルソナを設定できれば、実態に即した対策の実行が可能です。年齢や性別だけではなく、価値観や嗜好、行動傾向といった部分まで詳細に定義してください。自社と良好な関係を築いている優良顧客の特徴が参考になります。

​継続的に​一貫性のある発信を行う

一貫性のある発信を続けることもSNSブランディング成功の鍵です。さまざまなターゲットに訴求したいからと、多彩なジャンルの記事を発信したいと考える方もいますが、特定のジャンルに絞って配信した方がターゲットに内容が伝わりやすいです。多くのターゲットに訴求しようとしても響かない内容を発信しても意味がありません。

また、企業の場合はSNS運用を行う担当者が複数いるケースも多いです。その場合は、内容に一貫性を持たせるためにもそれぞれがキャラクターになりきってコンテンツ作りをしていくようにしてください。

プラットフォームの特性を理解する

SNSブランディングを実施する際には、プラットフォームの特性を理解する必要があります。ターゲットのニーズや価値観を把握して適切なSNSを選定しましょう。

例えば、ビジュアルを通してブランドイメージを構築しないならInstagram、拡散力の高さやユーザーとのコミュニケーションを深めたいならXの活用がおすすめです。それぞれの特性に合わせて、効果的な戦略を立てていきましょう。

ユーザーとのコミュニケーションを大切にする

SNSブランディングでは、ユーザーとのコミュニケーションを大切にしてください。SNSを通じて積極的なコミュニケーションを図れば、信頼性のアップにつながるだけではなく、ニーズや要望を理解するために役立ちます。顧客満足度が向上すれば、リピーター獲得にもつながります。

ユーザーからのコメントに返信するだけではなく、キャンペーンの実施も有効な手段です。例えば、フォローやシェアをキャンペーンの参加条件にする他、特定のハッシュタグでレビューをしてくれたユーザーに対して、クーポンや特典をプレゼントする、抽選で景品が当たるといった企画にすればユーザーとのやりとりを活性化できます。交流が盛んになれば認知拡大につながるので、ブランディング効果が期待できます。

まとめ:SNSブランディングなら弊社におまかせ

まとめ:SNSブランディングなら弊社におまかせ

ブランドの認知度向上やUGCの増加、顧客との信頼関係構築などにSNSブランディングは役立ちます。しかし、実施するとなれば炎上リスクや対応に時間や手間が掛かるといった注意点もあります。適切なSNSを活用しなければ期待していた効果が得られない可能性もあるので注意が必要です。

専門的な知識や技術が必要になるので、SNSブランディングでお悩みであれば、ぜひ弊社までご相談ください。戦略立案から施策の企画、実行までトータルで支援してまいります。効果的にSNSブランディングを行いたい場合は、弊社までご相談ください。

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