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【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】 第4回:小さな接点から信頼へ─新規案件の受注につなげるプロセス設計

【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】 第4回:小さな接点から信頼へ─新規案件の受注につなげるプロセス設計

ビジネスプロデューサーというと、企画や進行管理の役割を思い浮かべる方も多いかもしれません。ですが、実際には新しい機会を見つけ、関係を築き、提案を形にする営業的な動きも担う存在です。私自身、アシスタントプロデューサーとして日々の業務に関わるなかで、「案件は提案書だけで動くわけではない」と痛感してきました。偶然ではなく、小さな接点や雑談、信頼の積み重ねといったプロセスの中に“案件化の芽”があります。本記事では、その具体的なプロセス設計と、私が現場で意識しているポイントをご紹介します。

新規案件は偶然ではなく“プロセス設計”から生まれる

プロデューサーというと、企画や進行管理のイメージが強いかもしれませんが、実は営業的な役割も担っています。
案件を動かすためには、新しい機会を見つけ、関係を築き、提案を通して形にしていく──アシスタントプロデューサーも、そのプロセスの中で重要な役割を担うことができます。

アシスタントプロデューサーとして日々の業務に関わる中で、私は「案件が形になるまでには、提案書だけでは足りない」ということを強く実感してきました。案件は、ある日突然大きな話として舞い込むわけではありません。その前には、相手との小さなやり取りや、雑談の中の一言、偶然の出会いなど、さまざまな“種”が存在しています。

そして、その種を芽吹かせるかどうかは、プロセスの設計次第です。
今回は、私が実務の中で意識している「新規案件が形になるまでのプロセス」と、その背景にある考え方をお話しします。

小さな接点をつくる

新規案件のスタート地点は、“初めての提案”ではありません。もっと前の、「何気ない接点」から始まります。例えば、イベントやセミナーでの立ち話、以前のやり取りから半年後に届いたメール、お客様からの軽い問い合わせ、あるいは「また今度相談したい」といった一言。

こうした一見小さな出来事が、後に案件につながる入口になります。
この段階で大事なのは、「思い出してもらう存在になる」ことです。
売り込みではなく、相手の頭の片隅に自分や自社を置いてもらうこと。
そのために私が意識しているのは、定期的な情報共有やちょっとした近況のやり取りです。“案件の話をする”のではなく、“関係を温める”ことを大切にしています。
いまはアシスタントプロデューサーとして“思い出してもらう”を丁寧に積み上げていますが、プロデューサーとなる段階では迷ったときに真っ先に名前が上がる『第一想起』を目指しています。
前回のブログでも述べましたが、「この領域といえばあのプロデューサーがいたな」と自然に想起してもらうことが重要だと感じています。

前回ブログ:【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第3回:Z世代視点の「第一想起」の作り方

課題の“兆し”を拾う

接点ができても、すぐに案件になるとは限りません。
そこで次に意識するのは、相手の課題の“兆し”を拾うことです。
課題は必ずしも「困っています」という形で表に出てきません。

例えば、打ち合わせの雑談で
「新しいサービスを始めたんですけど、思ったよりお客様に伝わっていなくて…」
「キャンペーンをやっているけど売上につながっていなくて」
「今までは○○だけの認知で売上を上げてきたが、最近はその力が弱まり数字が落ちてきている」といった何気ない言葉の中にヒントが隠れています。私の場合、こうした会話からすぐに小さな仮説を立てます。

「もし別のコミュニケーション方法ができれば、もっと早くお客様に届くかもしれない」
「キャンペーンの参加方法に変えると数字に直結するのでないか」
「認知から購買へのつながりが細っているので、購入体験やUGCを増やす仕掛けを追加すれば改善できるかもしれない」
このように、相手が自分ではまだ整理できていない“改善の可能性”を軽く投げかけることで、「確かにそれは課題かも」という意識を芽生えさせます。
これが、次のステップである方向性確認や提案に進むための、大事な橋渡しになります。

提案の方向性を確かめる

提案の方向性を確かめる

課題の兆しが見えてきたら、すぐに詳細な資料を作る…のではなく、一度方向性を確かめます。相手が本当に求めているのは、仕様やスペックの羅列ではありません。
「こうなったらいいな」という未来のイメージです。まず、簡単なメモや口頭ベースでアイデアを共有します。
「こんな解決方法も考えられますが、どう思いますか?」
この段階で方向性をすり合わせておくことで、後から“提案がズレる”リスクを減らせます。また、この時点で複数の選択肢を提示します。1つに絞り込むのではなく、方向性Aと方向性Bのように幅を持たせることで、相手が主体的に選べる状態をつくります。
このプロセスでは“手前の課題解決”で終わりがちです。だからこそ、プロデューサーは相手がまだ言語化できていない先まで仮説を立て、道筋を示します。私はこのプロセスを日々学び、実践しています。

こうした“方向性の壁打ち”の場面で、私たちには強い味方があります。グループ会社の 株式会社Qoilは「壁打ちが大好きな会社」。企業やブランド、サービスの本質的な課題と向き合い、解決のためのストーリーを描き、枠を超える鮮やかなアイデアを生み出して世の中に届けています。ときに最短距離で、ときに収穫のための寄り道をしながら、どんなときも伴走できるワンストップソリューション。そして何より「勝手に想像してぶつける壁打ちが大好き」というカルチャーは、方向性整理や新しい視点の発見において大きな力を発揮します。

株式会社Qoil

段階的に接触する

提案は一度で完結させる必要はないと感じています。
むしろ、何度か顔を合わせたりやり取りを重ねる中で、少しずつお互いの理解が深まり、「この人と一緒に進めたい」という気持ちが育っていくのではないでしょうか。
私自身が意識しているのは、“お話するたびに少しでも距離が縮まるように努めること”です。最初は、提案というより「最近こういう話題がありますよね」といった世間話に近い会話から始めることが多いです。

そこから「この前の件ですが、こんな方向性もありそうですね」と大枠のアイデアを共有し、最終的には相手の思いやご要望を反映した形で提案をまとめられればと考えています。大事なのは、回を重ねるごとに相手の言葉や表情から感じ取ったことを次に生かしていくこと。そうすることで「自分たちのことを理解してくれている」と感じていただける関係を少しずつ築けるのではないかと思います。

提案は“資料を渡すイベント”ではなく、“関係を深める時間”のひとつ。そんな意識を持ちながら、段階を踏んで進めていければと考えています。

信頼が“案件化”のスイッチになる

ご一緒できることが決まる瞬間は、これまでのやり取りを通じて信頼を少しでもいただけたときに訪れるのだと感じています。その瞬間は、長い準備の一つの区切りであり、同時に新しいスタートでもあるように思います。
その一言をいただくために大切なのは、提案書の厚みや条件の比較だけではなく、これまでの打ち合わせややり取りの中で少しずつ信頼を積み重ね、相手の不安や疑問をできる限り丁寧に解消していくことではないかと思います。

そして、「この人なら任せても大丈夫かもしれない」と感じていただける関係を築いていくことが欠かせません。
例えば、事前に社内事情や優先度を伺い、決裁に必要な材料を整えておくこと。
あるいは正式なご提案の前に方向性をご相談し、関係者の皆さまに共有しやすい形でお渡しすること。そうした一つひとつの積み重ねが、最終的に「お願いします」という言葉につながるのではないかと思います。

案件は、「信頼」と「今取り組むべき理由」が重なったタイミングで自然と動き出すもの。それは、確かな手応えを感じられる瞬間だと日々学ばせていただいています。

プロセス設計は再現できる

新規案件を動かすプロセスは、偶然や運に頼るものではありません。
接点づくり、課題の兆しを拾う、方向性確認、段階的な接触、信頼形成 これらは意識すれば誰でも実践できると思っています。
私自身、この流れを繰り返すことで「また声をかけてもらえる」機会が確実に増えたようにに思います。そして、その積み重ねが次の案件の土台になります。

最後に

新規案件を動かすことは、一発勝負や特別な営業スキルだけで成し遂げられるものではないように思います。むしろ、アシスタントプロデューサーとして日々の業務を積み重ねる中で見えてくる「小さなきっかけ」や「関係づくり」が、大きな力になるのではないでしょうか。提案書は、そのプロセスの中のほんの一部にすぎません。

打ち合わせの準備で調べた業界動向や、前回の会話を踏まえたちょっとした補足資料、相手の立場に立って組み立てた進行スケジュール。
そうした一歩一歩が、信頼を少しずつ積み重ね、結果として案件を自然に動かすことにつながるのだと感じています。

接点をつくる、課題の兆しを拾う、方向性をすり合わせる、関係を温める——これらはアシスタントプロデューサーだからこそ細やかに取り組める部分なのかもしれません。プロセスを意識しながら日々のやり取りに臨むことで、今はまだ形が見えない未来の案件が、少しずつ形づくられていくように思います。

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