【アシスタントプロデューサーが感じた!アイリッジビジネスプロデューサー入門】第6回:紙の限界を越えて、継続につなげる。森乳サンワールドのデジタルポイントプログラム設計の裏側

前回の記事では、森乳サンワールド様がLINE公式アカウントを起点に、リアル店舗・飼い主さん・自社の三者をつなぐ接点を再設計した背景とプロセスをご紹介しました。
今回は、その次の打ち手として開始した「LINEポイントプログラム」を取り上げます。本施策は、購入レシートを用いてポイントをため、キャンペーン参加へつなげるポイントプログラムです。
紙カード運用では難しかった「お客様の可視化」「参加導線の改善」をLINE上で実装し、継続の入口をつくることを目指しました。
本記事では、導入背景、企画設計の考え方、店舗負担を増やさない運用設計、審査対応、そして今後の発展構想まで、インタビュー内容をもとに解説します。
狙いと設計思想を、アシスタントプロデューサー目線でまとめてお届けします。
森乳サンワールド様のLINE公式アカウントはこちら
まず向き合ったのは“紙の限界”

従来、森乳サンワールド様では紙のポイントカードや会員カードを中心に、継続施策を行っていました。
一方で、運用を続ける中で次のような課題が少しずつ浮かび上がってきました。
- リーチや参加の広がりに限界がある
- 継続利用がどの程度起きているのか可視化しづらい
- 新規顧客への導線が弱い
これらの背景には、「紙の施策が悪い」というよりも、紙という手段でできることが限界に近づいていたという認識がありました。
購入はしてくれているが、どのくらい継続しているのか分からない。
施策を打っても、どこで効果が出ているのか見えにくい。
店舗には迷惑が極力かからないようにしたい。
こうした声が社内で積み重なり、「顧客との継続的な関係を、もう一段きちんと設計する必要がある」という議論が本格化していきました。
手段を模索されていた中で弊社へお問い合わせをいただき、どのような手段がよいのかの段階から伴走支援させていただきました。
その結果、今回“顧客継続率を高めるデジタルポイントプログラム”としての再設計がスタートしています。
今回のキャンペーンは“ポイント施策の第一歩
今回実施したキャンペーンは、いきなり高度なCRMや複雑な会員制度を目指したものではありません。
位置づけとしては、「まず参加してもらい、継続の入口をつくること」を目的としたポイントキャンペーンです。
設計の軸となったのは、
- LINE上で簡単に参加できること
- 購入・応募という行動を起点に、デジタル接点を持つこと
- まずは“参加体験”をポジティブなものにすること
という考え方でした。
ポイントプログラムは、始めた瞬間に完成する施策ではありません。
運用しながら育てていくものだからこそ、最初の体験でつまずかせないことが、その後の継続を大きく左右します。
そのため今回は、条件を複雑にせず、「参加しやすさ」を最優先に設計されています。
応募しやすさ”が最初の設計テーマ
設計段階で最も重視されたのが、応募数をしっかり確保できるかどうかでした。「応募しやすい企画か」「応募したいと思える景品か」という点は、早い段階から議論されています。
一方で、応募数を追いすぎることで店舗負担が増えてしまっては本末転倒です。逆に条件を厳しくしすぎると、参加自体が広がりません。
そのバランスをどう取るかについては、何度も検討が重ねられました。
最終的にたどり着いたのが、“まずは参加してもらう設計を優先する”という判断です。
最初の敷居を低くし、体験としてのハードルを下げる。そのため、対象商品に関しては森乳サンワールド様の商品全てを対象としました。
また、今回のキャンペーンは、参加していただくだけで森乳サンワールド様が運営されているもふもふ部の会員証明書がもらえる、“参加するとちょっと嬉しい” をしっかり感じてもらえるようにしています。
さらに、ポイントを貯めるスタンプカードは、肉球型のアイコン を取り入れた可愛いデザインに。
視覚的にも「押したくなる」「集めたくなる」体験を作ることで、応募モチベーションを自然に高められるようにしました。
キャンペーンLP:https://morinyu-pet-lp.stamp.iridgeapp.com/
LINE上で実施した理由と、検討のプロセス
今回のデジタルポイントプログラムでは、ネイティブアプリという選択肢も検討されていました。
中長期的なCRMを考えれば、アプリには多くのメリットがあります。
一方で議論の中では、「新たなアプリインストール自体がユーザーのハードルになる」「まずは参加者数をしっかり作りたい」「店舗・顧客の双方に説明しやすい導線が必要」といった、現実的な視点が重視されました。
その結果、「まずはLINEで参加の入口をつくり、継続の土台を整える」という方針が選ばれました。
- 会員登録のハードルが低いこと
- 参加導線が短いこと
- 双方向のコミュニケーションが可能であること
- そしてコスト面でも現実的であること
続けてもらうことを目的とした今回の施策において、LINEは最も摩擦の少ない接点としてフィットしました。
店舗の負担を極力増やさない設計は“絶対条件”
今回のポイントプログラム設計において、最初から関係者の間で共有されていた大前提が、「リアル店舗のスタッフさんの負担を極力増やさないこと」でした。
BtoBtoCの施策では、メーカー側がどれだけ魅力的な企画を用意しても、店舗側の運用負荷が増えれば、現場での浸透が止まります。
特に、店頭での説明が難しい、オペレーションが増える、問い合わせ対応が発生するといった要素は、日々の業務に直結するため、継続的な展開の障壁になりやすいポイントです。
そのため今回のポイントプログラムでは、ユーザー体験の分かりやすさ・参加のしやすさに加え、「店舗の追加負担を極力発生させない」という条件を設計の中心に置きました。
現場とユーザーの両方にとって無理のない形を優先し、運用で回り続ける状態をつくること。
それが結果的に、施策を広げ、育てていくための土台になっています。
運用して初めて施策は育つ。だからこそ「運用設計」まで含めて考える
ポイントプログラムは、開始した時点がゴールではなく、運用を重ねる中で初めて価値が育っていくものだと考えています。
森乳サンワールド様においても、現在は応募数がまだ十分とは言えない状況ではありますが、その背景には施策そのものの魅力不足というよりも、参加までの導線や伝え方に改善余地がある可能性が見えてきています。
たとえば、
- そもそも施策の存在がきちんと届いているか
- 内容やメリットが直感的に伝わっているか
- 参加までの手順に迷いや手間がないか
- 参加後に「やってよかった」と感じられる体験になっているか
こうした一つひとつのポイントを整理し、どこでつまずきが起きているのかを可視化していくことで、より効果的な改善につなげていけると考えています。
私たちは、単に施策を実施するだけでなく、運用を通じて得られる気づきをもとに、対話しながら改善を重ねていくパートナーでありたいと考えています。
今後も一緒に検証を重ねながら、より成果につながる形をつくっていきたいと思っています。
部署横断で“会社の話ができる場”が生まれた

LINE施策の推進は、単なる販促施策にとどまらず、社内のコミュニケーションにも前向きな変化をもたらしたとお客様からお伺いしています。
部門を越えて課題や気づきを共有できるようになったことで、施策は単なる販促施策ではなく、組織全体をつなぐ共通テーマへと発展しました。
デジタル施策が、結果として社内の一体感や共通認識を育てる役割を果たしている点は、継続的な取り組みを進めるうえで大きな価値と言えると考えています。
これからの発展:広がっていく、次のステージへ

ポイントプログラムは、スタートして終わりではなく、ここからが本当のはじまりです。
森乳サンワールド様では、今後 会員ランクアップの導入 や 一人ひとりに合わせた情報提供 など、よりパーソナルで“楽しく続けたくなる”体験へと進化させていく構想が描かれています。
まずは小さく始め、無理なく運用しながら、実際の反応や声を丁寧に拾って改善していく。
その積み重ねが、自然と「また来たくなる理由」を生み出していきます。
来店のきっかけをつくり、体験を重ね、関係性を深めていく。
ポイントプログラムは、単なる仕組みではなく、ブランドとお客様をつなぐ“成長し続ける仕組み”として、これからも進化していきます。
デジタル化は“効率化”ではなく“関係づくり”

私たちは、デジタル施策を単なる効率化やコスト削減の手段として捉えていません。
LINEを活用することや、ポイントをデジタルで管理すること自体が目的なのではなく、その先にある“お客様との関係性をどう育てていくか”を何より大切にしています。
今回の取り組みを通して見えてきたのは、デジタル化によって「何が起きているのか」を把握できるようになるだけでなく、「次に何をすべきか」「どうすればより良い体験につながるか」を考えられる土台が生まれるということでした。
紙からデジタルへ移行することで、施策は“一度きり”ではなく、改善を重ねながら育てていけるものになります。
私たちは、そうした継続的な関係づくりを支える仕組みとして、デジタルの力を活かしていきたいと考えています。
LINE導入についてなど、マーケティングやビジネス戦略に課題を感じている企業には、iRidgeの「ビジネスプロデュース支援」がおすすめです。アプリ開発やCRM施策、統合マーケティング支援を通じて、戦略立案から実行までをワンストップでサポート。業務の効率化と顧客体験の最大化を目指し、伴走型の支援を提供しています。ご興味のある方は、ぜひお気軽にお問い合わせください。


