拓殖大学 情報工学科で日本で初めてのノンプログラミングVUI演習を実施
〜30名の学生がAmazon Alexa上で動作する音声ボット作成にチャレンジ〜
2019年 2月26日
株式会社アイリッジ(本社:東京都港区、代表取締役社長:小田健太郎、東京証券取引所マザーズ:3917、以下「アイリッジ」)が提供するノンプログラミングスキル制作ツール「NOID(ノイド)」は、拓殖大学工学部の佐々木整教授との共同企画により、2018年12月12日(水)に開催された情報工学科の専門科目「情報サービス演習」でのVUI(音声ユーザーインターフェース)学習ツールに採用されました。
IT業界で活躍するプロをめざし初歩から実践レベルへ技術を磨いていく拓殖大学 情報工学科では、コンピュータの基礎知識から時代を進める高度なプログラミングまで、ソフトウェアを中心に学んでおり、VUIに関する実習も積極的に取り入れています。今回の演習の対象者である3年生30名は、全員がActions on Google※1での会議室予約アプリ(β版)の開発経験もありますが、今回開発工程よりも企画・設計を重視して学ぶ目的から、画面に従い視覚的にVUIのシナリオを作成しスキル制作できる「NOID」を用いたAmazon Alexaスキル※2の制作実習が開催されることになりました。
※写真:上段左から「実習風景」「スキル企画用ワークシート」
下段左から「NOIDでスキル設計」「Amazon開発者コンソールでデモ」「最後に動画で実習レポート報告」
スキル制作実習では、まずワークシートを使ってスキル利用者のペルソナやニーズの企画を立て音声AI・Alexaとの会話見本の作成などを行い、それをもとにNOID上で実際に会話シナリオを設計してスキルを作成するところまで、学生が一人一つずつAlexaスキルの企画・制作にチャレンジしました。アイリッジでは、NOIDの有料プランの無償開放とともに、ワークシートやスキル企画ノウハウの提供、NOIDやAmazon開発者向けコンソールの利用サポートなどの支援を行いました。
VUIデザイナー・エンジニア育成の必要性
スマートスピーカーなど、声で呼びかけて操作できるVUIデバイスは、スマートフォンに続く生活者とのタッチポイントとして世界的に利用が拡大しており、米国では消費者の約41%がスマートスピーカーを所有しています※3。また、全世界で使われるAlexaスキルは、2018年12月に7万個を超えたと発表されました※4。一方2017年秋頃にスマートスピーカーが入ってきた日本では、デバイスは今年度中に普及率16%まで伸びると言われています※5が、Alexaスキル数は同時点で2,000個を超えたばかりとなっています。
これは、スキル開発の仕様が外部開発者に開放されてまだ1年経っていないこともありますが、VUIでは、PCやスマホなどのGUI向けアプリと求められる要素が全く異なり、VUIに最適な企画・設計が出来る人材が日本ではまだ非常に少ないという現状があります。ボタンや入力エリアなど画面の案内に従い手(マウス・キーボード・タッチパネル等)で操作していくGUIに対して、音声をベースにしたVUIでは、声で操作したい利用シーンやコンテンツ、自然な会話を意識したインターフェースなど、すべてゼロから設計し直す必要があります。今後、スマートスピーカーやVUIデバイスがさらに普及すると、適切なVUIデザインの行える技術者の需要は急速に高まることが予想されます。
拓殖大学工学部教授 佐々木整先生のコメント
VUIは今後普及が非常に期待できるものであり、これからのIT業界で活躍する人材を育成する上で、スキル開発の技術は是非とも修得させたいトピックの一つです。しかし、まだ新しい技術であることから、進歩のスピードが非常に早く、学習という点でのノウハウも十分蓄積されているとは到底いえないため、スマートスピーカーの使用経験がほとんどない学生に対して、授業でスキル開発を行うことには少なからず不安がありました。
そのような状況の中で、今回NOIDの存在を知り『これなら授業でスキル開発を扱える』と実施に踏み切ることができました。NOIDだけでなく、アイリッジ社から提供頂いたワークシートも利用させていただき、短時間で集中して、スムーズに学生一人ひとりがオリジナルのスキル開発を行うことができました。この授業を開始した時点では、スマートスピーカーを所有している学生はおらず、興味・関心もあまりなかったようですが、スキル開発を通してVUIはもちろんのこと、周辺技術についても学生の興味・関心が高まったように感じています。また、9月に体験したActions on Googleでの開発方法との対比も含めて、NOIDによるノンプログラミングスキル制作は、学生には非常に良い経験になりました。
今後の展開
NOIDは現在、個人法人問わず使えるフリープランと、セッション数やデータ転送量の制限がなく商用スキル制作もできる有料プランを提供しており、自分用のスキルを作りたい方から商用スキルのテスト開発を行いたい方、企画力やシナリオ作成力の高いプロクリエイターや制作会社の方まで、幅広いユーザーに使っていただいています。また、利用促進やコミュニティ形成の一環として、さまざまな方を対象としたハンズオンセミナーやイベントも定期的に行っています。
今後も機能改善・拡張を進めるとともにVUIデザインに関する啓蒙活動や教育機関との連携も積極的に進め、VUIのリーディングカンパニーとして、市場拡大への貢献を目指してまいります。
拓殖大学 情報工学科 情報サービス演習 Amazon Alexaスキル制作実習 概要
日程 :2018年12月12日(水) 15:00-18:10
会場 :拓殖大学 八王子国際キャンパス工学部棟(東京都八王子市館町815-1)
講師 :拓殖大学工学部教授 佐々木整先生
受講者 :3年生30名
拓殖大学 情報工学科について
インターネットの発展で常に社会から注目されるIT業界で活躍するプロをめざし、初歩から実践レベルへ技術を磨いていく情報工学科。コンピュータの基礎知識から時代を進める高度なプログラミングまで、ソフトウェアを中心とした学びを、「システムエンジニアリングコース」、「コンピュータソフトウェアコース」、「インターネットサービスコース」、「スマートコンピューティングコース」の4つのコースとデザイン学科とのコラボレーションで行う「ビジュアルコンピューティングコース」、「Webデザインコース」の2つのコースで行っています。
※1)Google社のスマートスピーカー「Google Home」シリーズ等で動くアプリを作成するための開発プラットフォームのこと
※2)Amazon社のスマートスピーカー「Echo」シリーズ等で動くアプリのこと
※3)出典:TechCrunch「Smart speakers hit critical mass in 2018」
※4)出典:voicebot.ai「There are Now More Than 70,000 Alexa Skills Worldwide, Amazon Announces 25 Top Skills of 2018」
※5)出典:「2018年アクセンチュアデジタル消費者調査」
スマートスピーカーとは
スマートスピーカーは対話型の音声操作に対応したAIアシスタント機能を持つスピーカーで、内蔵されているマイクで音声を認識し、情報の検索や連携家電の操作を行います。「スキル」や「アクション」と呼ばれるアプリを追加することでさまざまな機能拡張が出来ます。日本ではAIスピーカーとも呼ばれ、2017年秋の発売開始後、2018年1月時点で出荷台数が100万台を超え普及率は約8%になるなど、スマートフォンの立ち上がり当時を超えるペースで大きく成長してきています。全世界での2018年の年間出荷台数は前年末から2.5倍の成長となる1億台以上と予想され、2018年12月時点のアプリ数は7万個を超えており、日本でも今後市場が急速に拡大していくと考えられます。
※出典一覧:「2018年アクセンチュアデジタル消費者調査」、ロボスタ「全世界スマートスピーカー出荷台数、2018年内に1億台、2022年に3億台超へ。Amazon、Google、Appleのシェア変動は?」
Alexaスキルとは
Alexaスキルとは、Amazon社のスマートスピーカー「Echo」シリーズ等で動くアプリを指し、スマホアプリと同様、サードパーティーの事業者や個人が開発・制作することが出来ます。作成したAlexaスキルは、Amazon側の審査を通過するとAmazon Alexaスキルストアに公開され、Alexaを搭載したデバイスに「アレクサ、●●(作成したスキル名)を起動して」などと呼びかけて使えるようになります。
NOIDについて
NOIDは「まるでノートに書き出すように」をコンセプトにしている、プログラミング不要で簡単にスマートスピーカーアプリが作れるクラウドサービスです。WebブラウザからNOID管理画面にアクセスし、画面に従って「ユーザーのどんな呼びかけに対して(input)」「音声アシスタントに何をさせるか(output)」をマウス操作あるいはテキスト入力していくだけで、アプリの制作からストア公開まで直感的にワンストップで行うことが可能です。利用には無料/有料の2つのプランをご用意しており、自分用のアプリを作りたい個人の方から商用にアプリ開発を行いたいプロクリエイターや法人の方まで幅広く利用していただけます。
・公式サイト:https://www.noid.ai/
・操作画面デモンストレーション動画:https://vimeo.com/288283634
本件のお問い合わせ
株式会社アイリッジ 広報担当(電話:03-6441-2325)
メールアドレス:pr@iridge.jp FAX:03-6441-2425
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