飲食店の集客アイデア17選:オフラインとオンラインに分けて紹介
競合店が増え競争が激化するなかで、飲食店の集客はますます重要な課題となっています。
「何かしらやるべきだとは思っているけど、具体的な方法が分からない…」と悩んでいる飲食店経営者の方も多いのではないでしょうか。
しかし集客戦略とひとことにいってもオフラインで完結するものからオンラインを活用するものまでアイデアはさまざまで、それぞれ特徴やアプローチできる層が異なります。
集客を成功させ繁盛店を目指すためには、どんな施策があるのかを理解したうえで、自社に合った方法を選択することが重要です。
そこで今回は、飲食店でできるオフライン施策とオンライン施策、合計15の集客アイデアを紹介します。
各施策を行ううえでのポイントや実際の成功事例なども紹介しますので、飲食店の集客に悩んでいる経営者の方々は、ぜひ参考にしてみてください。
飲食店が集客を行う際のポイント
まずは、飲食店が集客を行う際に意識しておくべき4つのポイントを紹介します。
- 飲食店経営で基本となる3つの指標を理解する
- ターゲットを絞り込む
- 消費者のニーズや市場動向に合わせる
- オフラインとオンラインの施策を組み合わせる
それぞれ詳しく見ていきましょう。
ポイント1 飲食店経営で基本となる3つの指標を理解する
飲食店の集客を成功させるためには、まずは飲食店経営の基本となる「QSC」について理解する必要があります。
「QSC」とは以下3つの指標の頭文字を取った言葉で、それぞれ飲食店において重要となる要素です。
- Quality(クオリティ):料理の質
- Service(サービス):接客サービスの質
- Cleanliness(クレンリネス):店内の清潔さ
まず、料理の質はお客様にもっとも直接的に影響を与える要素です。
美味しい料理を提供することで、リピーターの獲得や口コミでの広がりが期待できます。
また、接客も重要な要素の一つと言えます。
お客様に心地よい体験を提供できなければ、集客力は下がっていくでしょう。
さらに、店内の清潔さも忘れてはなりません。
特にコロナ禍を経た現在では、清潔な環境はお客様に安心感を与えます。
具体的な集客方法を考える前に、まずはこの要素をもとに自店舗の現状を振り返ってみましょう。
「質の良い料理を提供できているか」「お客様の満足する接客サービスを提供できているか」「店内は常に清潔に保たれているか」、それぞれ自店舗に点数を付けるイメージです。
自店舗の評価が分からないという場合は、グルメポータルサイトやGoogleマップなどに掲載されている口コミを参考にしてみるのもおすすめです。
実際に店舗を利用してくれているお客様の意見を参考にすることで、客観的な評価ができるようになります。
ポイント2 ターゲットを絞り込む
飲食店に限った話ではありませんが、店舗型ビジネスで集客を成功させるためには、ターゲットを絞り込むことが重要です。
「どんなお客様でもウェルカム!」という考えだと、かえって店舗のコンセプトや雰囲気が固まらず、どの客層にも響かないという事態を招いてしまいます。
ターゲットと聞くと難しいかもしれませんが、以下のような情報をもとに、「どんなお客様に来て欲しいか」を考えてみましょう。
- 年齢層:20代、30代、40代など
- 性別:女性、男性、両方
- ライフスタイルや家族構成:共働き、子育て中、独身、シニアなど
- 所得レベル:高所得、中所得、低所得など
- 地域性:都心部、郊外、アクセスの良さ、車の有無など
- 心理的要素:ターゲットの関心事、嗜好、ニーズなど
どのような層のお客様をターゲットにするのかを明確にしたら、その層に合わせたサービスやメニューを提供することが求められます。
例えば、ファミリー向けのレストランであれば、子供向けのメニューや遊び場の設置など、家族連れに対する配慮が必要です。
一方で、大人向けの高級レストランであれば、上質な食材やワインリストの充実など、大人のニーズに合わせた演出を検討すると良いでしょう。
ポイント3 消費者のニーズや市場動向に合わせる
ターゲット層がどんな店舗や料理を求めているのかだけでなく、その時々の経済状況や市場に合わせた店舗作りも大切です。
例えば、2020年から始まったコロナ禍では、これまで外食をしていた多くの人が外食を一時的に自粛し、その一方で中食(お弁当やお惣菜を購入して自宅などで食べること)や内食(材料を購入して自分で料理して食べること)のニーズが高まりました。
多くの飲食店がデリバリーやテイクアウトを導入したのは、記憶に新しいのではないでしょうか。
このように、時代背景に合わせ、消費者が何を求めているのかをいち早く察知し、対応できるようにしましょう。
コロナ禍のように大きな出来事でなくても、消費者の嗜好やトレンドは常に変化しているため、マーケット調査や顧客のフィードバックを活用して常に最新のニーズを把握することが大切です。
市場動向を把握するためには、「飲食関連産業の動向(経済産業省)」「外食産業市場動向調査 令和4年(2022年)年間結果報告(日本フードサービス協会)」などの資料も定期的にチェックしておくのがおすすめです。
ポイント4 オフラインとオンラインの施策を組み合わせる
飲食店経営で多いのが、一つの集客方法に絞ってしまうことです。同時に複数の方法を始める必要はありませんが、ある程度今やっている施策の集客効果が把握できているのであれば、違う施策を組み合わせて実行してみるといいでしょう。
その際に気をつけたいのが、オフラインとオンラインの施策を組み合わせて、これまでと異なるターゲット層に向けた施策にするということです。
例えば、これまでチラシのポスティングだけを行っていたのであれば、ウェブ広告やTwitter・InstagramなどのSNSの活用を検討しましょう。
チラシのポスティングは店舗近くに住んでいるお客様がターゲットになりますが、SNSでは住んでいる場所に限定されずに認知を拡大していくことができます。
観光客をターゲットにできるほか、英語での記載やハッシュタグの工夫をすれば、海外のお客様への訴求も可能です。
このように、通常オフラインとオンラインではターゲット層が異なります。
そのため、これまでオフラインの施策を実施しているのであればオンラインの施策を、逆にオンラインの施策を実施しているのであればオフラインの施策を検討するといいでしょう。
うまく組み合わせて活用することで、集客力をアップさせることができます。
飲食店が集客を行う際の2つの情報発信
飲食店の集客力をアップするためには、新しいお客様に来店してもらうための情報発信と、一度来店してもらったお客様にリピートしてもらうための情報発信が大切です。
両方に注力して集客を行うことで、安定的な売上を手に入れることができます。
ここでは、新規顧客の来店を促すための情報発信とリピーターを増やすための情報発信、それぞれについて詳しく解説していきます。
新規顧客の来店を促すための情報発信
新規顧客の来店を促すためには、お客様がどのようなきっかけでお店を知り、どのような心理で来店まで至っているのかを理解しておくことが大切です。
以下で紹介するそれぞれのステップに合わせた情報発信を意識することで、集客につなげることができます。
- 認知(お店の存在を知る):
新規顧客はまず、広告やメディア、口コミ、Webサイトなどを通じて飲食店の存在を認知します。この際に必要なのは、お店の基本情報(店舗名、住所、営業時間、何屋なのかなど)が伝わることです。そもそも飲食店であることが伝わらなければ、興味を持つきっかけにすらならないでしょう。
- 興味・関心(お店の詳細を調べる):
2ステップ目は、お客様に興味を持ってもらえるかどうかです。メニューや店内の雰囲気、価格帯、他店との違いなど、お店の強みやオリジナリティがお客様に伝わる必要があります。
- きっかけ(「行ってみたい」と思う):
お店自体に興味を持ってもらったからといって、必ずしも来店してくれるわけではありません。実際、興味を持ったお店をいつの間にか忘れてしまい、結局来店しなかったなんて経験がある方も多いでしょう。
実際にお店に来店してもらうためには、来店のきっかけ作りが非常に大切です。期間限定のメニューやクーポンなど、すぐに来店するメリットを伝える必要があります。
- 来店(実際に足を運ぶ):
1〜3のステップを経て、期待を胸にお客様は実際に店舗まで足を運びます。そのため、その期待どおりの料理や接客、演出などを提供することが大切です。
リピーターを増やすための情報発信
一度来店していただいたお客様にリピートしてもらうためには、お客様にお店の存在を忘れないようにしてもらうことが大切です。
例えば、メルマガを送ったりポイント制度を導入したりして、「飲食店を選ぶ際にお店を思い出してもらう」工夫をしましょう。
イベントや新メニューの情報など、1回目の来店時とは異なる体験ができることを伝えるのも効果的です。
しかしそのためには、お客様のメールアドレスを知っていたり、SNSへのフォローやLINEのお友達登録をしてもらったりする必要があります。
1回目の来店時、登録フォームやQRコードなどを用意して顧客情報を獲得する工夫をしましょう。
あくまでもお客様の負担にならない程度の手間で登録してもらえるようにすることが大切です。
また、そもそも1回目の来店で料理や接客などにお客様が満足していない場合、リピート施策にいくら注力したとしてもほとんど意味がありません。
前述したとおり、まずはお客様が120%満足する料理やサービスを提供することが大前提となることを忘れないようにしましょう。
オフラインでできる飲食店の集客アイデア7選
オフラインでできる飲食店の集客アイデアとしては、以下のような方法が挙げられます。
集客アイデア |
新規orリピート |
費用の目安 |
難易度 |
即効性 |
チラシのポスティング |
新規 |
数円/1枚〜 |
中 |
△ |
ダイレクトメール |
リピート |
60円/1通〜 |
中 |
◯ |
地域紙広告 |
新規 |
3万円〜 |
中 |
△ (認知拡大がメイン) |
駅看板広告 |
新規 |
1,600~84,000/7日間~ |
高 |
△ (認知拡大がメイン) |
看板・のぼりの設置 |
新規 |
看板:2万円前後〜 のぼり:1,000円前後〜 |
低 |
◯ |
紹介割引制度の実施 |
新規・リピート |
0円〜 |
低 |
◎ |
ポイント・会員カード |
リピート |
0円〜 |
低 |
◯ |
それぞれ詳しく見ていきましょう。
1 チラシのポスティング
チラシを店舗がある地域の住宅などにポスティングする方法です。
ポスティングによって地域の注目を集められ、興味を持った人々が来店する可能性があります。
リピート施策というよりも、近隣の新規顧客の来店を促すための方法といえるでしょう。
印刷コストはかかるものの、広告の掲載などと比べると比較的安価でできるのがチラシのメリットです。
費用をできる限り抑えたいという場合は、チラシデザインを自作したり、配布を自分や従業員で行ったりするのも1つの選択肢です。
その場合、どうしても製作や配布に時間がかかってしまいますので、費用対効果を事前によく検討してください。
チラシには魅力的な料理の写真や特典、営業時間などの情報を掲載しましょう。
また、ポスティングする際には、まずはお店の近くの地域に配布することが重要です。
お店の近くだからといって、残念ながらお店が認識されているとは限りません。
2 ダイレクトメール
特定の地域や顧客層に直接ハガキなどを郵送する方法で、昔から利用されている集客方法の1つです。
住所を知っている顧客にしか郵送できないため、新規顧客の獲得ではなく、リピート客の獲得に向いています。
新メニューの情報や割引クーポンを付けて送付することでお得感を提供し、再来店を促しましょう。
誕生日クーポンなど、「自分だけに送ってもらっている」という特別感を伝える方法も高い集客効果が期待できます。
3 地域紙広告
地域の新聞や情報誌、フリーペーパーなどに広告を掲載する方法です。
地域紙は地元住民に広く読まれる媒体であり、特に地域に根ざした飲食店であれば高い効果が見込めるでしょう。
とはいえ、どちらかというと集客より認知拡大としての役割が大きいため、新規オープンの飲食店におすすめの方法です。
また、特集記事などに出稿すれば、広告っぽさや宣伝っぽさを最小限に抑えて店舗をアピールすることができます。
広告の内容は魅力的な料理や特典、イベントなどを目立つように訴求しましょう。
読者層や配布エリアを確認し、ターゲットに合った地域紙を選定することが重要です。
4 駅看板広告
駅のホームなど駅の中に広告を掲示する方法です。
駅看板は多くの人々の目に触れるため、効果的な集客手段となります。
特に、通勤・通学する利用客をターゲットとしている飲食店におすすめです。
広告のデザインは分かりやすく、目立つようにしましょう。
ポイントとしては、駅の周辺で競合店舗の状況や広告の設置期間などを考慮し、最適なタイミングと場所を選ぶことが重要です。
ただし、駅看板は費用が高額になりがちというデメリットがあります。
費用対効果をきちんと算出したうえで、出稿を検討しましょう。
5 看板・のぼりの設置
自店舗の付近に、看板やのぼりを設置する方法です。
鮮やかな色や明快なメッセージを使うことで、「ちょっと行ってみようかな」と、通行人の目を引く効果を期待できます。
特にオフィス街での新規顧客獲得に向いている方法です。
自宅や会社の近くに飲食店があっても、認識されていないケースは多々あります。
看板やのぼりを設置することで、飲食店がここにあるということを認識してもらいやすくなるのです。
また、看板やのぼりを設置する際には、他の店舗と差別化することが大切です。
せっかく設置しても、他の飲食店の中に埋もれてしまってはもったいないので、店舗の位置やメニューが一目でわかるように工夫しましょう。
ただし、看板の設置には規制があるケースがあります。
市町村の条例によって、高さや面積、色やデザインに制限がある場合があるため、事前に規制を確認してから作成するようにしましょう。
6 紹介割引制度の実施
既存の顧客が新たな顧客を紹介することで、特典を得られる割引制度です。
顧客の口コミによって、新規顧客の来店を促進する効果があります。
飲食店に限った話ではありませんが、友人や知人からの紹介は信頼性が高く、「行ってみようかな」と思うきっかけ作りとして非常に効果的です。
実際、ネット上の口コミなどがどれだけ多くても、友人が実際に行って「おいしかった」と感想を聞けた飲食店のほうが安心感があり、魅力的に思えるでしょう。
紹介を促すためには、紹介した側・紹介された側の双方にメリットを用意することが重要です。
「友人・知人の紹介でお会計から10%オフ」「ポイントカードを持っている人と一緒に来店するとドリンク1杯無料」など、お得感を感じてもらえるような仕組みを作りましょう。
7 ポイント・会員カード
顧客が飲食店を利用する度にポイントを貯められたり、会員カードを利用することで特典や割引を得られたりするシステムです。
2回目以降のリピート率を向上させる効果に期待できます。
ポイントカードや会員カードを作る際は、通えば通うほどメリットが大きくなるような仕組みづくりを行うことが大切です。
「5回来店で小鉢1品無料」「10回来店で看板メニュー1皿プレゼント」など、通いたくなるような仕組みを作りましょう。
ただし、あまりにもポイントを貯めるハードルが高かったり、苦労して貯めてもあまりにも小さすぎる特典だったりすると、お客様のモチベーションを保つことは難しいです。特典を受けるまでのハードルを上げすぎないよう、注意しましょう。
また、ポイントカードや会員カードは紙である必要はありません。
アプリなどで作成したい場合は、こちらもご覧ください。
オンラインでできる飲食店の集客アイデア10選
オンラインでできる飲食店の集客アイデアとしては、以下のような方法が挙げられます。
集客アイデア |
新規orリピート |
費用の目安 |
難易度 |
即効性 |
ウェブ広告 |
新規 |
5万円前後〜 |
高 |
◎ |
ローカルSEO・MEO |
新規 |
0円〜 |
低 |
◯ |
SNS |
新規・リピート |
0円〜 |
低 |
△ (認知拡大がメイン) |
グルメサイト |
新規・リピート |
0円〜 |
中 |
◎ |
ホームページ |
新規 |
0円〜 |
高 |
△ |
メールマガジン |
リピート |
0円〜 |
中 |
◯ |
LINE公式アカウント |
リピート |
0円〜 |
低 |
◯ |
デジタルクーポン |
新規・リピート |
0円〜 |
低 |
◎ |
キャッシュレス決済 |
新規・リピート |
0円〜 |
中 |
◯ |
アプリ |
リピート |
0円〜数千万円 |
高 |
◯ |
それぞれ詳しく解説していきます。
1 ウェブ広告
インターネット上の広告媒体や検索エンジンで広告を配信する方法です。
Google広告やSNS広告などのプラットフォームを使い、ターゲット層に対して効果的に広告を表示することで、店舗の認知拡大や集客につながります。
また、ウェブ広告にはいくつかの種類があり、それぞれ特徴が異なります。
- リスティング広告:
Google、Yahooなどの検索エンジンの検索結果ページに表示される広告。「新宿 居酒屋」「22時以降 カフェ 東京」など、ユーザーが検索するキーワードに応じた広告が表示されるため、ユーザーのニーズに合わせてアプローチできる。また、クリックされた場合のみ課金されるため、費用対効果が比較的高い。
- リターゲティング広告:
自社サイトに一度アクセスしたことのあるユーザーに配信する広告。自社サイトにアクセスした=少なからずその飲食店に興味を持っている、と考えられるため、コンバージョン率(予約率)が高い傾向にある。
- SNS広告:
FacebookやInstagramなどのSNS上に表示される広告。SNSは目的を持たずに閲覧している人が多いため、潜在層にアプローチできる。また、広告にも通常の投稿と同じように「いいね!」やシェア機能がついているため、バズを生みやすく、話題性のあるキャンペーンを展開することもできる。
- ジオターゲティング広告:
スマートフォンの位置情報を利用して、特定の場所に現在滞在している・少し前まで滞在していた人に配信できる広告。エリアを絞って広告を配信したい飲食店におすすめ。
ウェブ広告の特徴は、「〇〇駅を中心に半径〇km」「30代男性」「ワインに興味がある」など、広範なユーザー層の中からターゲットを絞り込んでアプローチできることです。
また、テレビや新聞などへ広告を掲載するよりも、比較的低コストで運用できること、さらに効果測定がしやすいこともウェブ広告のメリットです。
ただし、ウェブ広告を効率的に運用するためにはある程度の知識や経験が必要になります。
広告に関する知見がほとんどない場合は、運用会社に委託するのがおすすめです。
2 ローカルSEO・MEO
ローカルSEO・MEOは、飲食店のウェブサイトやオンラインプロフィールを最適化し、特定の地域での検索結果で上位に表示させる方法です。
「◯◯(地名) ▢▢(料理ジャンル)」などで検索した際に上位表示させられれば、高い集客効果が見込めます。
代表的なサービスとしては、Googleの「Googleビジネスプロフィール(旧Googleマイビジネス)」や、Yahoo!の「Yahoo!プレイス」などが挙げられます。
どちらも無料で利用できるため、飲食店を経営している場合は必ず登録しておきましょう。
検索結果で上位に表示されるためには、店舗の基本情報(店舗名、住所・アクセス、営業時間、定休日、外観の写真など)を充実させることや、料理メニューや店内の写真を定期的に更新するなどして、情報を更新していくことが大切です。
口コミも投稿できるため、口コミキャンペーンを実施し、口コミを集め、信頼性を高める方法もおすすめです。
3 SNS
Instagram、Facebook、Twitter、TikTokなどのSNSを活用して飲食店の情報を発信する方法です。
消費者が個人で簡単に情報を取得・発信できるようになっている今、SNSを活用して情報を収集している人も多くいます。
そのため集客ツールとして確立されてきており、実際にSNSで集客に成功している店舗も少なくありません。
SNSのメリットは、ほとんどのサービスが無料で利用できるため導入ハードルが低いことにあります。
さらにバズりや流行りを生み出しやすいのも、SNSが注目されている一因といえます。
SNSを利用する際のポイントは、投稿する内容や届けたいターゲットによって使うSNSを分けることです。
- Instagram:
写真やビジュアルコンテンツが中心のプラットフォーム。写真映えする料理や雰囲気のある店内の飲食店におすすめ。飲食店の場合は、美味しそうに見えるメニューの写真は必須。
最近は10〜30代の女性を中心にInstagramの「ハッシュタグ」を利用して飲食店を検索しているユーザーも多いため、投稿時にはハッシュタグの選定も必要。
- Facebook:
SNSの先駆けであり、利用者数が非常に多いプラットフォーム。実名での登録が基本となっているため、情報の信頼性が高いのが特徴。若い世代よりも、30代以降のビジネスパーソンをターゲットとしている飲食店におすすめ。
- Twitter:
ユーザーが140字以内の短いテキストメッセージを投稿するプラットフォーム。リアルタイム性が高く、リツイート機能によって拡散力が高いのが特徴。キャンペーン情報やお得な情報を早く広く広めたい場合におすすめ。
- TikTok:
15秒から60秒の短い動画、ショートムービーを中心とした動画共有プラットフォームで、特に若年層のユーザーに人気がある。写真だけでは伝えきれない情報やビジュアル映えする商品の宣伝におすすめ。
SNSでの話題性を狙うのであれば、「写真を撮りたい」「動画に撮りたい」と思ってもらえるようなメニューを提供することが大切です。見た目にこだわった料理や、お客様の席でチーズやソースをかけるなどパフォーマンス性の高いメニューを考案しましょう。
また、SNSを利用する際には、定期的に投稿することを意識しましょう。新鮮な情報を定期的に伝え続けることで、新規顧客・リピート客両方の集客効果が見込めます。
ただし、SNSを利用する場合は炎上のリスクに十分気をつけましょう。
4 グルメサイト
飲食店の情報や口コミが掲載されているグルメ専門のウェブサイトを活用する方法です。
代表例としては、「食べログ」や「ぐるなび」、「ホットペッパーグルメ」などが挙げられます。
登録方法や手数料が各サービスによって異なるため、比較検討した上で自店舗に最適なものを選ぶことが重要です。
グルメサイトのメリットは、予約率が高いことです。
グルメサイトにアクセスするユーザーはすでに飲食店を予約しようと考えている人が多いため、グルメサイト内で見つけてもらえさえすれば予約が入る可能性が高いです。
また、大手のグルメサイトであれば、サイト自体に集客力があるのも魅力の1つです。
自力での集客に自信がないという飲食店は、グルメサイトへの掲載を検討してみましょう。
店舗の情報を充実させることで信頼性や集客効果が高まります。
中には無料で掲載できるグルメサイトもあるため、ぜひ試してみてください。
5 ホームページ
飲食店専用のウェブサイトを作成し、店舗の情報やメニュー、予約フォームなどを掲載する方法です。
「グルメサイトに掲載していれば十分では?」と感じる方も多いと思いますが、決してそんなことはありません。
例えば、あなたが行ってみたいなと思った飲食店の店名で検索したとしましょう。
もし検索結果にホームページが表示されなかったら、「本当に実在するのかな?」「もう閉店してしまったのでは?」と思われる可能性があるのです。
ホームページを用意しておけばそのような事態を防げるだけでなく、検索エンジンからの集客も期待できます。
ホームページには、以下の内容を記載しましょう。
- 店舗の住所・アクセス
- 電話番号
- 営業時間
- メニュー・料金
- 店内の雰囲気
- 画像・映像
自店舗でホームページを作るのが難しい場合は、制作会社などプロの手を借りるのもおすすめです。
6 メールマガジン
顧客に対して定期的にメールで情報を発信する方法です。
メニューの新着情報や特別なイベント、割引クーポンなどをメールで配信し、顧客の関心を引きます。
すでにお客様のメールアドレスのリストを持っているのであれば、リピート客の育成に役立ちます。
メルマガを配信する際のポイントとしては、メールの頻度や内容のバリエーション、個別の顧客属性に合わせたセグメント化を行うことが重要です。
また、これからメルマガ登録者を増やしていこうと考えている場合は、メルマガ登録で割引やプレゼントが受けられるなど登録の特典を必ず用意しましょう。
ただし、メールは日常的に使用していない人も多く、開封率も決して高くありません。
すでにお客様のメールアドレスのリストがあればいいですが、これから新たに始めるのであれば、SNSやLINE公式アカウントの活用も検討した方が良いでしょう。
7 LINE公式アカウント
LINE公式アカウントを活用して、飲食店の情報発信や顧客とのコミュニケーションを行う方法です。
メニューの案内や予約受付、イベントのお知らせなどをLINE上で行い、顧客の興味関心を引きます。
LINE公式アカウントの特徴は、他のSNSよりも閉じられた空間を作ることができ、密なコミュニケーションを図れることです。
定期的にお得情報をお知らせしたり、ポイントカード機能を提供したりすることで、顧客ロイヤルティ(企業やブランドに対する信頼や愛着のこと)を高めることができ、リピート率の向上が期待できます。
また、LINEは国民の70%以上の人が利用しているアプリのため、ユーザーが登録するハードルが低いのもLINE公式アカウントの特徴です。
実際、飲食店をはじめとする37万件以上の店舗や企業がLINEを導入しています。
フリープランであれば初期費用無料でスタートできるため、「とりあえず試してみる」ということも可能です。
LINEを活用するのであれば、LINEミニアプリの活用もおすすめです。こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
8 デジタルクーポン
オンライン上で提供する特別な割引クーポンや特典を活用する方法です。
ウェブサイトやSNS、メールマガジンなどのチャネルを通じてデジタルクーポンを配布し、顧客の来店を促進します。
紙のクーポンよりも利便性が高く、無くしてしまうリスクも少ないのがデジタルクーポンの魅力です。印刷コストを抑えられるというメリットもあります。
顧客が飲食店に来店する際、「美味しそう」「雰囲気が好き」などの理由のほか、何かしらのきっかけがあることが多いです。
デジタルクーポンはそのきっかけ作りの1つとして、比較的簡単に導入できる方法です。
「お得そうだったから」という理由は、新規顧客だけでなく、リピート客の再来店のきっかけにもなるでしょう。
デジタルクーポンを配布する際のポイントは、クーポンの内容や利用条件を分かりやすく示しておくことです。
また、期間限定や数量限定などの限定性を設けることで効果を高めることができます。
9 キャッシュレス決済
クレジットカード決済やQRコード決済などの非現金決済手段を導入する方法です。
昨今、飲食店をはじめとする店舗型ビジネスではキャッシュレス決済の導入が著しい速さで進んでいて、中にはキャッシュレス決済のみしか受け付けていない店舗も存在します。
今や当たり前となったキャッシュレス決済を取り入れることで、決済方法の選択肢を広げ、顧客の利便性を向上することができます。
キャッシュレス決済を利用するユーザーの4割以上が「キャッシュレス決済が使えない店舗を避ける」という統計データもあり、キャッシュレス決済の有無が「その店に行くかどうか」の決め手になっている一面もあると言えます。
(参照 経済産業省 令和3年度「キャッシュレス決済の中小店舗への更なる普及促進に向けた環境整備検討会」第3回検討会 事務局説明資料)
また、キャッシュレス決済を利用することで、飲食店は顧客の購買履歴や嗜好に関するデータを収集することができます。
顧客の嗜好や傾向を把握し、ターゲットに合わせたマーケティング戦略を展開することが可能になるのです。
データ分析を通じて、効果的な販促やキャンペーンを展開し、集客効果を最大化することができるようになるでしょう。
10 アプリ
飲食店独自のアプリを開発し、顧客との直接的なつながりを強化する方法です。
アプリの導入には、以下のようなメリットがあります。
■ユーザー側のメリット
- プッシュ通知でお店の情報をリアルタイムで受信できる
- ポイントカードやクーポン券を持ち歩く必要がない
■店舗側のメリット
- DMやメルマガなどよりもメッセージの開封率が高い
- 顧客情報を収集・分析できる
- リピート率向上に期待できる
アプリを通じて顧客に特典や割引情報を提供したり、ポイント制度や会員限定の特典を設けたりすることで、顧客のロイヤルティやリピート率を向上する効果に期待できます。
ただし、アプリの開発にはコストがかかるため、導入ハードルが高いのがデメリットです。
まずは試してみたいという場合は、無料プランやお試し期間がある店舗アプリ作成サービスを利用してみましょう。
店舗アプリ作成サービスについては、こちらで詳しく解説しています。
飲食店の集客の成功事例
最後に、実際に集客に成功した飲食店の事例を紹介します。
牛角
大手焼肉チェーン『牛角』は、集客の成功事例として業界内で注目されている飲食店の1つ。
『牛角』で行われていたのは、「いい肉の日」に合わせて11月29日からの20日間、お得な特別メニューを提供するというキャンペーンです。
「いい肉の日」という特別な日をテーマにしたキャンペーンは、イベント性があり、顧客にとっては普段よりも特別な体験やお得な機会となります。
語呂が良く覚えやすいことも、SNSなどでの口コミや共有が広がったきっかけとなりました。
また、SNSではリツイート数によって当たるお食事券の金額がアップしたり、牛角アカウントのフォロー・いいねで「カルビ無料券」が当たったりするキャンペーンが実施され、話題となりました。SNSの特性を活かした成功事例といえるでしょう。
スシロー
大手回転寿司チェーンの「スシロー」は、LINEミニアプリを導入したことによって、リピーターの集客に成功しました。
スシローのLINEミニアプリでは、受付をするとLINE上で番号が発行され、時間になるとLINEで通知してくれるという機能を設けました。
「スシロー」では、これまでもオリジナルアプリ内で予約機能を提供していましたが、わざわざアプリをダウンロードしてしてもらうことがユーザーにとってのハードルとなり、なかなか利用率は上がりませんでした。
しかし多くのユーザーを抱えているアプリ「LINE」上でミニアプリを展開したことで、利用者数の成長は前月比で1.4倍を維持し、店舗での行列や混雑も減り、顧客のストレス軽減にもつながっています。
LINEミニアプリという利用のしやすさからリピートするユーザーも増加し、顧客の再来店に繋がった事例です。
ケンタッキーフライドチキン
世界中で人気のフライドチキンチェーン「ケンタッキーフライドチキン」、通称「ケンタッキー」では、オリジナルのアプリを開発・運用して集客に役立てています。
ケンタッキーのアプリで特徴的なのは、「チキンマイル」と呼ばれるオリジナルのポイント制度です。
チキンマイルは、貯めれば貯めるほどお得な特典を受けられるため、リピート率向上に大きく貢献しています。
新規顧客の獲得はもちろん、リピート客に対する施策も行っている事例です。
居酒屋一休
関東を中心に30店舗を展開する『居酒屋一休』は、新規顧客を獲得する目的でSNSを活用しています。
SNSでは、食材の仕入れ情報やイベント情報を発信しているほか、フォローしたユーザーの中から抽選でギフト券が当たるキャンペーンも実施されています。
フォロワーを増やし、より多くの人の目に情報が触れるよう工夫しています。
ニューカムラ
2020年2月にオープンした『ニューカムラ』は、愛知県名古屋市に店舗を構える餃子酒場です。
オープン直後には新型コロナウイルスが流行し、決して良いとはいえない状況の中、これまで経営を続けてきました。
そんな『ニューカムラ』では、LINE公式アカウントに登録した人にドリンクやサイドメニューを無料で提供するキャンペーンを実施しています。
さらに、来店が2回目以降のリピート客には、ハイボールをずっと1杯10円で注文できるという太っ腹な特典も提供しています。
これらの施策により、店舗にはビジネスパーソンをはじめ、近隣に住んでいる家族やカップル、学生など、幅広い層の顧客を獲得し、リピート率はなんと80%だそうです。
1つのツール導入で、新規顧客、リピート客どちらも獲得できた成功事例です。
ボナペティ
『ボナペティ』は、2020年4月、広島市南区にオープンしたビストロ食堂です。
オープン前から20〜30代女性をターゲットにし、ニーズに合わせた料理や店内の雰囲気作りに取り組みました。
さらにターゲットの特性を活かし、人気アニメに登場する料理やアニメのキャラクターをモチーフにしたドリンクなど、SNS映えするメニューを提供しています。計画通りSNSで話題となり、多くの来店客を獲得しました。
また、2021年5月には大学や企業、高齢者施設などにキッチンカーで向かって料理を提供する販売スタイルも導入し、これまでにはいなかった層の獲得も成功させました。
オンラインとオフライン、それぞれの特性を活かして幅広い世代の顧客の獲得に成功した事例です。
まとめ
飲食店が効率的に集客するためには、オフラインでできる施策とオンラインでできる施策の両方の特性を理解し、ターゲットや自店舗の特徴に合わせた施策を選ぶことが大切です。
また、新規顧客に来店してもらうための施策、そしてリピート率を上げる施策をバランスよく取り入れることで、安定的な売上を手に入れることができます。
とはいえ、数多くある集客施策をむやみに導入すればいいわけではありません。
自店舗のターゲット層やアピールポイント、集客にかけるコスト・予算を明確にした上で、最適な方法を選択しましょう。
アプリを活用した集客施策をお考えであれば、ぜひアイリッジにご相談ください。
アプリと言っても、ゼロから開発する方法やパッケージを活用する方法、LINEミニアプリを活用する方法などさまざまな方法があります。
それぞれの企業様に合わせてご提案することも可能ですので、まずはお問い合わせください。