アプリのダウンロード数の調べ方:アプリダウンロード数を増やす方法等も解説
多くの企業や個人がアプリ事業に参入する中、「新しいアプリを開発しても競合の中に埋もれてしまうのでは?」といった不安をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
アプリ事業を成功させるためには、競合調査や事前の市場調査が欠かせません。
そんな競合調査や市場調査に役立つのが、アプリのダウンロード数調査です。
自社アプリのダウンロード数はもちろん、リリース前にどのくらいの需要があるかを把握することにも役立ちます。
そこで本記事では、アプリのダウンロード数の調べ方を徹底解説します!
競合調査の方法やダウンロード数を見る際の注意点、ダウンロード数を増やすための方法も紹介しますので、ぜひ参考にしてみてください。
アプリのダウンロード数の調べ方
世の中にリリースされているアプリは、ネイティブアプリ、WEBアプリ、ハイブリッドアプリ、スーパーアプリやミニアプリと様々なアプリが提供されています。
その中で、一般的にスマートフォンアプリと呼ばれているのは「ネイティブアプリ」です。
「ネイティブアプリ」を大きく分けると、「iOSアプリ」と「Androidアプリ」の2種類になります。
iOSアプリはiPhoneやiPadなどのデバイスを対象に「App Store」からダウンロード・購入できるもの、Androidアプリは「Google Playストア」からAndroidデバイスにダウンロードできるものです。
Androidアプリは、Google Playストアからダウンロード数を調べられます。Google Playストアで、任意のアプリの詳細ページを開いてみてください。
一方iOSアプリは、App Storeからはダウンロード数を見ることができません。そのためiOSアプリのダウンロード数を調べるには専用のツールを使う必要があります。
下の表は、iOSアプリのダウンロード数を調べられるツールと特徴、注意点をまとめたものです。
それぞれ特徴が異なるため、自社に合ったツールや方法を選択しましょう。
ツール |
調べられるアプリの種類 |
特徴/注意点 |
App Analytics |
|
アプリページのPV数・遷移元・ダウンロード率・使用率など細かく把握できるApple純正の無料ツール。 |
Data.ai |
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アプリのマーケティングデータがまとめられているツール。 |
ダウンロード数の把握は競合調査にも活用できる
冒頭でも触れたとおり、アプリのダウンロード数を調べることは競合調査にも活用できます。
例えば競合のA社がリリースしたアプリのダウンロード数が多い場合、それだけ業界の需要があることが分かるでしょう。
また、A社以外の競合が開発したアプリのダウンロード数が少なければ、A社が市場を独占している現状も把握できます。
そうした場合、もしA社のアプリの足りない部分を補えるようなアプリを開発できれば、市場を独占できるかもしれません。
つまり競合アプリのダウンロード数を調べることは、「どんなアプリがユーザーに求められているのか」「現時点で最も使われているアプリにはどんな傾向があるのか」を分析するのに役立つのです。
競合調査の方法
競合調査の具体的な方法は以下のとおりです。
- 競合アプリを選定する
- 選定した競合アプリの現状を把握する
- 競合アプリの過去の履歴をチェックする
- 競合アプリの現状と履歴を照らし合わせる
まずは競合アプリを選定し、上で紹介したツールを利用してアプリのダウンロード数やアクティブユーザー(ある期間のうちに1回以上利用があったユーザー)数などをチェックしましょう。
ある程度の数値が把握できたら、次はランキング推移、広告出稿の有無や期間などを調査します。
機能改善の履歴を見るために、開発元のリリースノートやプレスリリースもチェックすると良いでしょう。
アプリストアでの星評価やレビューをはじめとする、口コミや評判を確認するのもおすすめです。
数値以外にも、アプリの名前や説明文、プッシュ通知やメルマガの内容、SNSアカウントなども参考になります。
広告出稿が行われている場合は、バナーのデザインや文言なども見てみましょう。
ダウンロード数の増減やランキングの推移と、広告出稿や機能改善の履歴を照らし合わせると、自然とその企業が過去に行っていた施策や運用方法が見えてきます。
どんな施策を行ってダウンロード数が増えたのか、反対にどんな施策で評判を落としたのか、自社アプリの運用に参考になるでしょう。
ダウンロード数を見る際の注意点
アプリのダウンロード数の調査は自社アプリの現状把握や競合調査に役立ちますが、注意しなければいけないこともあります。
それは「ユーザー数ではない」ことと「ダウンロードの経緯は把握できない」ことです。
アプリのダウンロード数はあくまでも「ダウンロードされた数」です。
累計で表示されるため、すでにアンインストールされたり、実際にはほとんど使わないまま放っておかれている可能性もあります
。ダウンロード数はアクティブユーザー数ではないことを理解しておきましょう。
また、ダウンロード数を調べるツールではどのような経緯でダウンロードされたかまでは確認できないことがほとんどです。
ユーザーがアプリを使用したくてダウンロードした場合は現在も使われている可能性が高いですが、キャンペーンの報酬に惹かれたなどの理由でとりあえずダウンロードした場合は、すでにアンインストールされている可能性もあります。
ダウンロード数とアクティブ率
前述したとおり、ダウンロード数と実際のユーザー数とはイコールではありません。
実際にどのくらいのユーザーが使用しているのかは、「アクティブ率」をチェックすると良いでしょう。
アクティブ率は、アプリをダウンロードしたユーザーのうち、どのくらいの人が実際にアプリを利用し続けているのかを示す数値です。
例えばあるアプリを100人がダウンロードしていたとして、その後80人しかアプリを使っていなかったとすると(残りの20人は1度も使用していないもしくはアンインストールしている)、アクティブ率は80%です。
どんなアプリでも、アクティブ率=100%になることはほぼありません。
実際、「ダウンロードはしたけど、1回も開いていない」という経験をしたことがある方も多いのではないでしょうか。
そうでなくても、何回か使用した後にアンインストールするケースもあると思います。
ダウンロードされた数より、利用され続けている数が少なくなるのは、どんなアプリでも起こる現象です。
継続率と休眠顧客
実際にアプリを運用するフェーズにおいての話のため、余談にはなりますが、継続率についても触れておきます。
アプリのアクティブ率を上げるには、ユーザーがどのくらい継続的にアプリを利用しているかを測る、「継続率」を上げていく必要があります。
継続率を上げるには、アクティブユーザーを維持するとともに休眠顧客を掘り起こすことが重要です。
休眠顧客とは、アプリをダウンロードはしたものの、その後一定期間利用がないユーザーを指します。
休眠顧客を掘り起こすには、ユーザーに再度アプリを使用したいと思わせる施策を練ることが必要です。
例えばアプリ限定のクーポン配布やプッシュ通知での情報発信などが挙げられます。
ユーザーにアプリを使い続けるメリットを提供し続けられれば、自然とアプリの継続率は向上するでしょう。
ダウンロード数を増やす方法
アプリのダウンロード数を増やすには、以下の5つの方法があります。
- 特典を提供するキャンペーンを行う
- アプリストアのフィーチャー枠に載る
- ASO(アプリストア内の最適化)を行う
- アプリ内/アプリ外の広告
- 公式サイト、公式SNSでの告知、紹介
もっとも行いやすく、効果が出やすいのが特典を提供してダウンロードを促すキャンペーンを実施する方法です。
クーポンを配布したり、限定インセンティブを提供したりすることは、休眠顧客の掘り起こしだけでなくダウンロード数の増加にも効果が期待できます。
また、アプリストア内の最適化、「ASO(App Store Optimization)」も重要です。
アプリストア内検索で上位表示させるために、アプリの名前や説明文には適切なキーワードを含めましょう。
ASOにはアプリのダウンロード数や、その後の継続率、レビュー評価なども含まれているとされているため、定期的にチェックするのがおすすめです。
ASO対策については、「ASO(アプリストア最適化)とは?対策を行う際のポイント等も解説」にて詳しく解説していますので、ぜひご参照ください。
その他に、アプリストア内のフィーチャー枠に載るのも1つの方法です。
フィーチャー枠とはApp StoreやGoogle Playストア内で独自に行われる特集のようなもので、取り上げられるとダウンロード数を一気に伸ばすことができます。
狙って載せられるものではないのですが、展開している国や地域を広げたり、ARなどの最先端の技術を取り入れたりすることが効果的とされています。定期的にアップデートしてアプリの品質を保つのも大切です。
ダウンロード数以外に重要になるアプリ運用の際の指標
アプリを効果的に運用していくには、ダウンロード数や利用率の他にも、以下のような指標を見るようにしましょう。
複数の指標を分析することでより精度の高い分析が可能になります。
- アプリの起動率
- プッシュ通知の開封率
- クーポンの利用率
アプリの起動率は、ダウンロードしたユーザーのうち実際どのくらいのユーザーがアプリを利用しているかの目安になります。
アプリの起動率が悪いということは、休眠顧客が多い可能性があります。掘り起こすための施策を考えると良いでしょう。
プッシュ通知の開封率は、内容はもちろんユーザー層や配信時間などにも関係します。
複数回に分けて配信テストを行い、自社アプリでのプッシュ通知の正解を見つけましょう。
また、利用率を上げるためにクーポンを配布しても、使われなければ意味がありません。
クーポンの配布後には、利用率もチェックしましょう。
ユーザー層によってクーポンの内容を変えてみるのもおすすめです。
まとめ
アプリのダウンロード数を調べるには、Google Playアプリの場合はストアから、iOSアプリの場合はツールを利用しましょう。
ールによっては、自社アプリだけでなく競合アプリや市場感の分析にも役立ちます。
とはいえ、ダウンロード数を見る際には、「実際に現在使用されている数ではない」ことと「ダウンロードの経緯は把握できない」ことに注意しましょう。
ダウンロード数=アクティブユーザー数ではないことも理解しておく必要があります。
また、アプリを実際に運用する際には、ダウンロード数以外に休眠顧客を掘り起こして利用率を向上させること、ダウンロード数以外にもアプリの起動率、プッシュ通知の開封率、クーポンの利用率などさまざまな指標でアプリを分析することが重要です。
アプリ開発や運用の成功を目指す際は、ぜひこうしたデータも参考にしてみてください。