LTVとは?計算方法や向上施策を解説!
「顧客生涯価値」を表すLTVは、顧客が自社を利用してから終了するまでの間、どれだけの利益を得られるか示す指標です。企業やブランド、商品・サービスへのロイヤルティが高ければ高いほど、LTVも高くなる傾向にあります。LTVを向上させていくためには具体的にどのような施策を講じれば良いのでしょうか?
そこで今回は、LTVの特徴や計算方法、向上させるための施策についてご紹介します。LTVへの理解を深めたい方や、具体的な施策の立案に役立てたい方はぜひ当記事を参考にしてください。
LTVとは
LTVとは、Life Time Valueの頭文字を取った略称で、日本語に訳すと「顧客生涯価値」になります。1人の顧客が自社を利用してから終了するまでの間、その顧客からどれだけ利益を得られるかを示す指標です。
顧客との取引が1回だけで終わってしまう場合もありますが、2回目以降もリピートで購入されると、その利益もLTVに含まれ、数値が高まっていきます。LTVを明らかにすることで、顧客がもたらすとされる利益を数値化できることから、マーケティングだけでなく企業活動においても重要な指標となります。
LTVの構成要素
LTVを構成しているのは、以下の6つになります。
- 年間平均顧客単価
- 粗利率
- 購入頻度
- 継続期間
- 新規顧客獲得コスト
- 既存顧客維持コスト
平均顧客単価は売上÷顧客数で算出でき、平均購入品数・平均商品単価を活用し、要素分解させることも可能です(平均購入品数×平均商品単価)。平均顧客単価を上げる方法としてクロスセルやアップセルの促進、商品の値上げなどが挙げられます。
他にも粗利率や購入頻度、継続期間を増やしたり、新規顧客獲得や既存顧客維持のコストを減らしたりすることで、LTVの数値は高まっていきます。
ROIとの違い
ROI(Return On Investment)は、投資した費用に対して得られる利益の割合を指します。1つの施策に対してどれだけの金額を投じ、それを上回る利益・効果を生み出したかどうかを求めます。100%を超えていれば収益性がある施策と判断することが可能です。
ROIはマーケティング施策において収益性を判断するのに用いられる指標ですが、ここでLTVも指標として活用することにより、戦略的に意思決定を下すこともできるようになります。たとえば特定のチャネルだけROIが低かった場合、LTVを改善することで収益性も向上する可能性があります。
ROIがプラスになることは投資が収益に対して効果があったと判断できるだけでなく、LTVとの関係も良好だと判断できることから、収益性の高いチャネルや顧客を特定するのにROIを使った分析も役立つでしょう。
ROIについては以下の記事でも解説していますので、参考にしてみてください。
ARPUとの違い
ARPU(Average Revenue Per User)は、顧客1人あたりの平均売上を表す指標になります。ARPUの累積値を求めると、収益化や購入額の増減を測定することも可能です。たとえば特定期間にキャンペーンや施策の効果を測ったり、想定したユーザー数と組み合わせて将来の売上予測に活用したりできます。
ARPUの指標は元々通信事業でみられる月額課金制のビジネスで活用されていましたが、近年はスマホゲームやSaaSなど、月額課金制のビジネスが他の業界でも活用されるようになったため、ARPUの活用も増えています。
LTVとARPUはいずれも顧客1人あたりの利益を算出する指標になりますが、ARPUは特定の期間に限定されており、LTVは顧客の生涯全体における利益を算出することになります。LTVの場合はユーザーそのものの価値を計測することになるため、このような違いがあることを認識しておきましょう。
LTVが注目されている理由
LTVが注目されている理由として、以下の3つが挙げられます。
- 競争優位性を確保するため
- 新規顧客獲得コストを抑えるため
- 既存顧客の価値を最大化するため
それぞれの理由について、詳しく解説していきます。
競争優位性を確保するため
競争が激しい市場において、少しでも競争優位性を確保することが重要になってきます。特に昨今はSNSの普及に伴い誰でも情報の発信や収集がしやすくなっていることから、UGC(ユーザーによって制作・発信されたコンテンツ)や口コミの重要度が高まっています。顧客ロイヤルティを高め、競合他社にユーザーが流れないようにして競争優位性を確保するためにも、LTVの改善が重要になってきます。
LTVの改善によって、競合他社との差別化を図ることも可能です。競争優位性の確保・強化を目指しているのであれば、LTVの改善に取り組むのがおすすめです。
新規顧客獲得コストを抑えるため
日本国内における総人口は、2008年の1億2,808万人をピークに徐々に減少しています。人口が減っていけば市場規模も徐々に減少していくことから競争率も激しくなり、新規顧客を獲得するハードルも高まるでしょう。
新規顧客を獲得するためには時間とコストもかかってくることから、施策によって新規顧客が獲得できたとしても、想定以上の利益を生み出さない可能性も少なくありません。そのため、企業が利益につなげるためには既存の顧客にリピート購買をしてもらった方が、企業の利益につながりやすいといえます。
LTVは既存顧客の生涯価値を高めていくためにも必要な指標です。新規顧客獲得コストを抑えつつ、企業の利益を増やしていくためにLTVが注目されているのです。
既存顧客の価値を最大化するため
LTVは新規顧客獲得コストを抑えるだけでなく、既存顧客の価値を最大化させることにもつながります。既存顧客は自社の商品・サービスを定期的に購入してくれることが見込まれるため、企業は既存顧客の価値を最大化させることで利益の向上を目指すことも可能です。
上記でも紹介したように、今後はさらに新規顧客の獲得が難しくなり、獲得するためのコストも上がっていくと考えられます。こうした背景もあり、既存顧客の価値を最大化させることは重要になっているのです。
LTVの計算方法
LTVを求めるには必要なデータを収集し、特定の計算式を用いることになります。ここで、LTVの計算にどんなデータが必要なのか、基本のLTV計算式についてご紹介します。
LTV計算に必要なデータ
LTVは顧客から取引期間中に得られる利益の総額になるため、計算するためにはLTVを構成する以下の要素の値を求めていく必要があります。
・年間平均顧客単価
売上÷顧客数
・粗利率
粗利(売上高-売上原価)÷売上高
・購入頻度
総購入回数÷顧客数
・継続期間
1÷解約率(今月の解約数÷前月までの顧客数)
・新規顧客獲得コスト
顧客獲得に費やした金額÷新規顧客獲得数
・既存顧客維持コスト
(期間終了時の総顧客数-期間中に増えた新規顧客数)÷期間開始時の既存顧客数×100
基本のLTV計算式
LTVは平均顧客単価×粗利率×購入頻度×継続期間を使って求めることが可能です。たとえば平均顧客単価が20万円で粗利率が40%、購買頻度は年間4回で、継続期間が10年間だったとします。計算式に当てはめると20万円×40%×4回×10年=320万円になり、LTVは320万円であることがわかります。
ただし、ここにはコストが含まれていません。コストを含めてLTVを求めるには、平均顧客単価×粗利率×購入頻度×継続期間-(新規顧客獲得コスト+既存顧客維持コスト)の計算式になります。
上記の例に加え、新規顧客獲得コストに100万円、既存顧客維持コストに50万円かかっていた場合は、320万円-(100万円+50万円)=170万円になります。なお、対象のサービスがサブスクリプション型だった場合は、解約率(チャーンレート)も考慮することが大切です。
LTVを活用する方法
実際の施策でLTVを活用する場合、具体的にどのように用いれば良いのか迷ってしまう方も多いはずです。ここでは、LTVを活用する方法について解説します。
- マーケティング戦略に活用するケース
- 顧客セグメントごとのLTV分析
- クロスセル・アップセル戦略にLTVを活かす
- 休眠顧客を再活性化させるために活用する
- 価格戦略の設計に活用する
- 売上予測にLTVを取り入れる
マーケティング戦略に活用するケース
LTVは継続して利益を上げていくために必要な要素であり、マーケティング戦略にも活用されるケースが多いです。たとえば1人の顧客に対して一度きりの商品・サービスの利用にしないために、いかに継続して購入してもらうかを考え、促していきます。
LTVを構成する要素の中でどこに問題点や課題があるのか見極めることも可能なので、その問題点・課題をクリアするためのマーケティング戦略を打ち出すこともできます。また、LTVをマーケティング戦略の成果指標に用いることで、企業の売上拡大だけでなく企業の成長につなげることも可能です。
顧客セグメントごとのLTV分析
LTVは顧客セグメントごとの分析にも役立ちます。そもそも顧客セグメントとは、対象の顧客を傾向ごとに振り分けたグループです。たとえば性別や年齢層、住んでいる地域、購買行動などでグループに振り分けます。
顧客セグメントによって平均顧客単価や購入頻度なども異なることから、それぞれのセグメントごとに計算・分析が必要です。顧客セグメントごとにLTVを分析すると、各セグメントにおける顧客の獲得や、特定のセグメントに対してどれくらいの投資が必要となるのか、そこからどれくらいの収益が見込めるのかを予測できるようになります。
顧客のニーズや目的によってLTVが変わるのは当然のことなので、顧客セグメントごとにLTVの分析を行わないとマーケティング施策に落とし込むのは難しいでしょう。
クロスセル・アップセル戦略にLTVを活かす
アップセルは顧客単価を向上させるための営業手法で、現在商品・サービスを検討している顧客や以前購入した顧客に対して、上位モデルに乗り換えてもらう手法を指します。一方、クロスセルは商品・サービスを検討している顧客に対して、別の商品をセットまたは単品で購入してもらうための営業手法です。これらのクロスセル・アップセル戦略にLTVを活用できます。
1回あたりの購入金額や購入点数が増え、顧客単価も効率良く上げられるクロスセル・アップセル戦略では、単に上位モデルの紹介や関連商品を勧めるだけでは意味がありません。むしろ顧客離れにつながる恐れもあります。顧客に対して丁寧にどのようなメリットがあるかを理解してもらった上で、良好な関係を構築してから上位モデルの紹介や関連商品を勧めることが大切です。
休眠顧客を再活性化させるために活用する
既存顧客の中には継続的に購入を続けている人もいれば、アカウントは作成されているものの1~2回しか利用しておらず、直近の利用がない顧客も存在します。新規顧客を開拓していくにはコストがかかってしまうものの、休眠顧客であれば多少なりともコストは必要ですが、新規顧客の獲得よりコストを抑えられる可能性が高いです。また、休眠顧客は1~2カ月以内に解約する可能性もあることから、再活性化に向けて最適なコミュニケーションを取っていくことが重要となります。
まずは製品の利用状況やエンゲージメント度合いなども考慮しつつ、行動に基づくセグメントを作成します。その中でも離脱するリスクが高い休眠顧客を絞り込み、具体的な対策を講じていくことで再活性化につながるでしょう。
価格戦略の設計に活用する
顧客の継続利用を促進させるためには、価格戦略の設計も重要となります。LTVは顧客単価を上げることで改善できますが、だからといってむやみに価格を上げると顧客離れにつながってしまうので注意が必要です。
逆に顧客を獲得するためにたくさん資金を使い過ぎてしまっても、事業を継続させていくのは難しくなります。価格戦略の設計にLTVを活用し、価格の最適化を図ることで事業継続につながるだけでなく、顧客離れのリスクを回避できるようになります。
価格戦略において顧客獲得コストを下げることも重要となります。一般的に顧客獲得コストを上げることで顧客数も増え、利益が上がっていきますが、規模の拡大に伴って顧客獲得コストも上昇していきます。成長していくためにより多くのコストをかけなくてはならないと考える方も多いですが、無理にコストを引き上げてしまうと失敗に陥る可能性が高いです。まずは価格の見直しを図り、ファネルの最適化やオンボーディング(初めて利用するユーザーに対して、サポートを通してサービスの価値を正しく理解してもらう)体験の改善も行うことで、適切な価格設計につながります。
売上予測にLTVを取り入れる
LTVは顧客の生涯価値を図るための指標となりますが、このLTVを活用して売上予測をすることも可能になります。近年は顧客を獲得するための競争も激化していたり、新たなサービスが台頭したりするなど、さまざまな変化が起きています。そんな中でもLTVを取り入れることで売上予測を安定化させることも期待できるでしょう。
なぜなら、LTVは顧客と取引を開始してから終了するまでの継続的な期間における利益を測るための指標であるからです。長期的な視点で売上を予測することになるため、予測の安定化にもつながります。
LTVを向上させるための施策
LTVを向上させていくためには、課題に合わせて最適な施策に取り組む必要がありますが、たとえば以下のような施策はLTVの向上に役立ちます。
- カスタマーサポートなどを改善し、顧客体験を向上させる
- サブスクリプションの解約防止や再購入促進の施策をする
- 個別ニーズに対応した提案やメッセージングの工夫をする
- ポイント制度や特典プログラムを活用する
- 関連商品や上位プランを提案する
各施策の内容について解説していきましょう。
カスタマーサポートなどを改善し、顧客体験を向上させる
カスタマーサポートなどを改善・強化していくことで、顧客との長期的な関係維持を実現できます。顧客との関係が維持できれば、その分LTVの向上にもつながります。
具体的な施策としては、たとえば商品・サービスを導入する際に、迅速に運用へつなげるための導入支援などが挙げられます。また、顧客の不満が迅速に解消されることも解約率の低減につながることから、カスタマーセンターにおける対応の強化や顧客自らが不満を解消できるようにFAQの改善・充実化なども効果的です。
さらに、顧客をLTVの高い順にハイタッチ・ロータッチ・テックタッチに分類し、それぞれのモデルに合わせたアプローチを図ることでもLTVの向上につながります。自社にとって関係維持のメリットが大きい顧客層(ハイタッチ)には担当者による訪問サポートや研修の開催など、リソースとコストをかけて丁寧な個別対応を行うのがおすすめです。
ハイタッチに比べて収益に与える影響が少ないと考えられる顧客層(ロータッチ)には、リソースやコストをかけられないことから、サポートをパッケージ化するなどが良いでしょう。収益への貢献度が低い顧客層(テックタッチ)に関しては、操作ガイドや動画マニュアル、FAQなど自動的なサポートを取り入れるのがおすすめです。
サブスクリプションの解約防止や再購入促進の施策をする
顧客の継続利用を促すためにサブスクリプションや定期購入を採用する企業も多いです。しかし、単にサブスクリプションや定期購入を採用したとしても、解約や購入停止が続いてしまえばLTVの向上にはつながりません。
解約や購入停止を防ぐためにも、まずはなぜ解約・停止に至ったのかその理由を特定する必要があります。理由を特定するには、解約時のアンケートに解約理由に関する項目を取り入れると良いでしょう。その結果を分析した上で解約される理由を特定し、改善するための施策を打つことで解約防止や再購入の促進につながります。
解約される理由に合わせて施策を打つことになりますが、たとえばカスタマーサポートを強化して商品・サービスを最大限利用してもらえるよう支援したり、直近で利用履歴が少なかった顧客に対し、商品やサービスに関する不満・不安をヒアリングしたりするなど、あらかじめ対策を講じることも可能です。
個別ニーズに対応した提案やメッセージングの工夫をする
LTVを向上させる上で、顧客のニーズに合わせて個別に対応することも大切です。顧客のニーズに対応することでその顧客の購買単価や購入頻度、継続期間などをより伸ばしていくことができ、安定した利益に期待できます。
また、メッセージングを工夫することで消費者の購買行動を促し、長期的な顧客関係を構築することも可能です。たとえば商品・サービスを提供する上で独自の価値を明確に伝えるメッセージングを行えば、特徴がつかみやすくなります。また、ニーズに合ったメッセージングによって顧客から共感を得ることもできるでしょう。
ポイント制度や特典プログラムを活用する
顧客が企業やサービスに対して強い信頼感や愛着を持てば、その分LTVの向上にもつながります。この信頼感や愛着は顧客ロイヤルティと呼ばれるものです。顧客ロイヤルティを高める方法として、自社独自のポイント制度や特典プログラムの活用が挙げられます。ポイント制度や特典プログラムを取り入れることで、顧客に「また利用したい」「もっと利用したい」と思わせられます。
ポイント制度は購入金額に合わせてポイントが付与され、そのポイントと商品を交換できる仕組みになります。ポイントを貯める行為に対してゲーム感覚で取り組むこともでき、アップセル・クロスセルの促進にもつながるでしょう。
ただし、ポイント制度や特典プログラムを取り入れる際には、購入金額に対してどれくらいのポイントを付与するか、交換レートをどうするかを決めなくてはなりません。さらに、交換できるものに魅力を感じられなければポイント制度を活用したいと思えないでしょう。顧客のニーズを把握した上で、ポイント制度や特典プログラムを活用してみてください。
関連商品や上位プランを提案する
LTVを向上させるには顧客単価を上げることも重要となってくるため、関連商品や上位プランも提案できるようにしましょう。
ただし、関連商品や上位プランを提案して顧客単価を上げるためには、すでに顧客と良好な関係が構築されている必要があります。顧客がすでに現在の商品・サービスだけで満足しているにもかかわらず、関連商品や上位プランを提案してしまうと、強引に商品を勧められているというイメージがついてしまい、前向きに検討してもらえなくなります。顧客のニーズを理解し、良好な関係を構築できている場合に関連商品や上位プランの提案も検討してみましょう。
LTV向上に役立つツール
LTVを向上させるための施策についてご紹介しましたが、自社に適した施策を実行することが重要となってきます。最適な施策を見つけたり、現状の把握や効果の分析を行ったりする際にはツールの活用がおすすめです。ここでご紹介するツールも活用して、LTVのさらなる向上を目指しましょう。
- CRMツール
- マーケティングオートメーションツール
- 表計算ツール
- ウェブ解析ツール
- フィードバック収集ツール
CRMツール
CRMツールとは、顧客管理や施策などを管理するためのシステム・ツールです。顧客情報を一元管理することができ、各顧客に適したアプローチをかけることによって、顧客満足度を高められます。また、CRMツールを用いれば長期的に顧客との信頼関係も築きやすく、LTVの向上にもつながるでしょう。
CRMツールは主に顧客情報の管理機能からメール配信、データ分析、既存システムとの連携機能などが搭載されています。顧客情報は氏名や住所などの個人情報に加え、購入商品や日時、購入した金額、購入回数なども記録されます。メール配信機能では単発のメールからメールマガジン、ステップメールの配信も設定可能です。
マーケティングオートメーションツール
マーケティングオートメーションツール(MAツール)は、顧客の行動データや購入履歴、サイトの閲覧情報などを管理できるツールです。MAツールに蓄積されたデータを分析することで、顧客のニーズやユーザーごとの興味関心に合わせてパーソナライズされたコミュニケーションも自動的に行えるようになっています。
MAツールは顧客一人ひとりに対して細かく分析することを得意としていることから、見込み顧客に対して適切なアプローチを図ることも可能です。また、見込み顧客と接点を作りつつ信頼関係を構築させていけば、商品・サービスの購入にも期待できるでしょう。
MAツールはデータの蓄積・分析以外にも、キャンペーンの管理機能やWebマーケティング機能が備わっています。キャンペーンの管理機能は、顧客一人ひとりに対して個別での施策が可能になります。また、Webマーケティング機能を活用するとLPや問い合わせフォームを作成できたり、Web行動の追跡が可能になったりするため、よりニーズに適した施策が行えるでしょう。
表計算ツール
Excelなどの表計算ツールもLTVの向上に向けて役立ちます。たとえば会社で収集した顧客データと注文データをCSVファイルで保存し、Excelにインポートします。あとは使用したいデータを抽出し、計算式に当てはめれば瞬時に計算することが可能です。
たとえばExcelに各月の顧客単価と解約率を平均すれば、LTVを算出することも可能です。特定のシステムやツールなどを活用しない場合は、表計算ツールを活用しましょう。
ウェブ解析ツール
ウェブ解析ツールは、自社サイトに訪問した人の数や行動パターン、各ユーザーの属性などを詳しく調べるためのツールです。アクセス解析ツールの活用によって、特定のECサイトに訪問し、サイトを離脱するまでの行動を追跡できます。このツールを活用すれば、新規顧客獲得コストの効率性を示すことができ、顧客との長期的な関係性を構築することも可能です。
たとえば、ウェブ解析ツールと注文データを組み合わせてみると、流入経路別のLTVを算出できます。流入経路からみた時、よりLTVの高い施策には予算をかけられるようになるため、会社全体の売上拡大にも貢献できるでしょう。
フィードバック収集ツール
フィードバック収集ツールは、その名の通り顧客からのフィードバックを収集・蓄積し、課題や問題点の特定、商品・サービスの改善に役立てるためのツールです。フィードバック収集ツールを活用すれば、顧客満足度やリテンション率の向上に加え、アップセル・クロスセルの促進などにも活躍します。
CRMツールやMAツールと合わせて活用されることも多いです。ツールに搭載されている機能は種類によって異なるため、使い方に合わせて複数のツールを組み合わせながら活用するのも良いでしょう。
まとめ:LTVを活用し、顧客価値を最大化しよう
LTVは、顧客一人から生涯にわたって得られる利益を示す指標です。LTVを正しく理解し、計算方法や改善施策を活用することで、収益性の高い顧客への注力や戦略的なマーケティング施策の立案が可能になります。本記事では、LTVの基本から向上策、活用ツールまでを解説しました。自社の課題に応じてLTVを分析・活用することが、今後の成長戦略において欠かせません。
また、「何から始めればよいのかわからない」と感じている方には、アイリッジのビジネスプロデュース支援が役立ちます。アプリ開発やCRMマーケティング、OMO戦略まで幅広い領域を一貫してサポートしており、APPBOXやLINEミニアプリなどのツールも活用可能です。戦略立案から施策の実行までをワンストップで支援するアイリッジとともに、LTVの最大化を図り、顧客との関係をより強固なものにしてみてはいかがでしょうか。
