飲食店のリピート率を上げるには?リピーターを増やす方法や平均値を解説

飲食店を経営していると、リピーターの存在が重要になってきます。
特に開店直後は客足も多かったものの、しだいに落ち着いてきて常連と呼べるお客様の存在しか頼れないと感じた場合、少しでも新たなリピーターを獲得したいと考えるでしょう。
しかし、どうやってリピーターを増やすのか、どのような方法でリピーターを確保するのかという悩みを抱えている飲食店も少なくありません。
この記事では、飲食店でリピーターが重視されている理由に加え、自店舗の現状を把握するためのリピート率の計算方法、目指すべき平均値、そしてリピーターを増やす具体的な方法まで解説します。
飲食店にとってリピーターが重要な理由

飲食店にとって、リピーターの存在は欠かせません。その理由は、主に3つあります。
- トレンドに左右されずに売上が安定する
- 集客にコストがほとんどかからない
- 新規顧客獲得につながる
それぞれ詳しくみていきましょう。
理由1 トレンドに左右されずに売上が安定する
リピーター客は、何度も飲食店を訪れる常連のお客さんです。
すでにその店の料理やサービスに満足しているため、顧客離れが起こりにくく、売上が安定するという大きなメリットがあります。
実際、株式会社リクルートライフスタイルの「飲食店リピート実態&リピート要因調査」によると、1か月に1回以上の外食をする人のうち、80%近くの人が新規の飲食店ではなく、すでに来店したことのある飲食店を選ぶという調査結果が出ています。
新規顧客の獲得は不確実性が高く、季節や経済状況、SNSなどのトレンドに影響を受けやすい点があります。
リピーターがいることで、そういったものに左右されずにある程度の売上を確保することが可能です。
例えば、客単価が5,000円の飲食店の場合、週に2回リピートする顧客が10人いれば、それだけで毎週100,000円の売上が確保できることになります。
安定した収益は飲食店の運営において非常に重要であり、リピーターの存在が経営の安定化に大きく貢献するのです。
理由2 集客にコストがほとんどかからない
新規顧客を獲得するには、広告や宣伝、キャンペーンなどに多額のコストがかかることがあります。
いくら新規顧客を獲得できても、そのために膨大な費用がかかっていたら、経営状況は一向に安定しないでしょう。
一方で、リピーター客にはそれらの費用がほとんどかかりません。
リピーターは過去の良い経験から自発的にまた訪れるため、集客のコストを最小限に抑えることができます。
リピーターの集客にかかるコストは、新規顧客の獲得コストの5分の1ともいわれています。
飲食店業界には「5:25の法則(客離れを5%改善することで利益率が25%アップする)」というものもあり、これを見ると、リピーター獲得がいかに重要かがわかるでしょう。
理由3 新規顧客獲得につながる
リピーター客は、新規顧客の獲得にも重要な役割を果たします。
満足したリピーターが友人や知人にお店を紹介することで、新たな顧客を呼び込むことができます。
高額な費用をかけなくても、自然な形で新規顧客を獲得できるのです。
実際、「友だちに紹介された飲食店に行った経験がある」という方は多いのではないでしょうか。
知人や友人からの紹介は信頼性が高いため来店されやすく、来店後の満足度も高くなりやすい傾向にあります。
顧客の口コミは非常に強力な広告手段であり、新規顧客を獲得したり、その顧客がさらにリピーターとなり新規顧客を連れて来たりといった好循環が生まれやすいのです。
飲食店が目指すべきリピート率

リピート率は高ければ高いほど良いものですが、具体的にはどのくらいの数値を目標にしたらよいのでしょうか。
飲食店が目指すべきリピート率は、一般的には10%以上を目標にするとよいといわれています。
この数値は、実際に新規顧客が2回目の来店をする割合の平均です。
そのため、自店舗のリピート率が10%を下回る場合、なんらかの対策を行うべきといえます。
ただし、飲食店のリピート率は、店舗の特性や業態、地域などによっても異なりますので、あくまでも参考値であることを理解しておきましょう。
リピート率を改善するためには、まずは自店舗の現状を把握することが大切です。
「アンケートを取る」「会員カードを利用する」などの方法でリピート率を算出しましょう。
まずは自店舗の現状把握から!リピート率の計算方法
リピート率は、以下の計算式で算出できます。
リピート率(%) = 特定期間のリピート客数 ÷ 特定期間の総客数 × 100
例えば、1ヶ月の総客数が500人で、そのうち2回以上来店したお客様が50人だった場合、リピート率は10%となります。
まずはこの計算式を用いて、自店舗の正確なリピート率を把握することから始めましょう。
お客さんが飲食店をリピートする理由

そもそも、訪れてくれるお客さんはどのような理由からリピートしてくれているのでしょうか?
ここでは、リピートの理由についてみていきましょう。
料理・サービス・雰囲気がよいから
お客さんがリピートする理由として、料理やサービス、雰囲気のよさを重視していることがわかっています。
自分自身も飲食店にまた行きたいと思った時、上記と同じ理由を思い浮かべるのではないでしょうか。
いつ行ってもおいしくない、サービスが悪い、店の雰囲気がよくないという場合、もう足を運ばないと誰もが思うでしょう。
しかし、料理・サービス・雰囲気のよさを感じれば、何度も足を運びたくなるのは当然です。
そのためには、店側もお客さんが満足できる料理やサービス、雰囲気作りなどを意識してみましょう。
料理の質をアップするのはもちろんですが、ここでしか味わえない料理やサービスなどを考えてみるのがおすすめです。
特に料理の質は重要なので、試行錯誤しておいしいと思ってもらえる味を提供できるようにしましょう。
来るたびに新しさや楽しさがあるから
顧客やリピーターになっている人は、毎回安定しておいしさを感じたり気に入っているメニューがあったりするからです。
しかし、いつ行っても同じメニューしかないことをしだいに新鮮さに欠けると感じる顧客もいます。
定期的に訪れてもらうには、新鮮さを感じるメニューや料理の提供などを考えてみましょう。
例えば、季節や旬の時期に合わせて新作メニューや期間限定メニューを開発し、お客さんに事前に予告することで来店するきっかけを生み出せます。
メニュー数を増やしたくない、売れるか気になるという場合はランチやディナー限定メニューや数量限定にするのもおすすめです。
訪れたタイミングでしか出会えないメニューとなれば、新しさや楽しさを感じてもらえるでしょう。
お得感があるから
お店に訪れることで、お得になるという理由もリピーターを増やすために欠かせない要素です。
そのためには、お客さんの誰もがお得に感じなければなりません。
例えば、1回来店につきポイントが貯まるポイントカードを取り入れて、全部集まったら割引やドリンク無料などのサービスが受けられるというのもひとつの方法です。
他にも、特定の数字が付く日は一品料理サービスであったり、ディナータイムはビールが割引になったりなど、お得感の内容を考えて提供するのもよいでしょう。
また、雨の日や雪の日など客足が遠のきそうな天候の日限定の割引などもおすすめです。
どのような内容でも、お客さんにお得だと思ってもらえる内容を意識してみてください。
自分たちの意見を反映してくれるから
お客さんにとって、また行こうと思える理由のひとつに「自分たちの意見を反映してくれるかどうか」という部分もあります。
お客さんの意見すべてを取り入れていたら、お店の経営ができないと考えるかもしれません。
しかし、このような意見はお店と顧客とのコミュニケーションのひとつであり、このやりとりや関わりを楽しく感じてくれる方もいるのです。
特にお客さんからの意見は、率直にもっと店をよくしたいという利用者目線でアドバイスしてくれることも多く、意見の反映によってリピーターが増えることもあります。
もちろん、お店のポリシーなどで反映するのが難しいこともありますが、できるだけお客さんの意見に耳を傾けて改善していくとリピーターが増えていくでしょう。
リピーターが来店しなくなる理由

お店を開店してしばらくはリピーターがいたものの、しだいに来なくなってしまった場合、どのような理由が考えられるでしょうか?
ネガティブな体験をしたから
「いつも週末には来ていたお客さんが来なくなった」「毎週1回はランチに来ていたお客さんを見かけない」など、リピーターが来ないと感じたことはありませんか?
このようなケースで考えられるのが、ネガティブな体験があったかどうかです。
ネガティブな体験の内容には、期待していた料理がおいしくなくなった、メニューがマンネリ化してきた、接客態度が悪くなってきた、料理に対して価格が満足できないなどの理由が考えられます。
お客さんが店を利用した時に、抱いていた期待値を大幅に下げてしまったのは確実です。
正しい理由はお客さん本人でないとわからない部分もありますが、その後の客足などを調べてから理由を検討する必要があるでしょう。
いつもの魅力がなくなったと感じたから
お店のリピーター以外にも、しだいに客足が遠のいてきたと感じる場合は、お店自身の魅力が落ちてきて可能性があります。
この魅力という部分には料理の味、接客、店内の清潔感、雰囲気、利便性などさまざまな理由が隠されています。
最近料理の味を変更したり、新たな調味料を使い始めたりした場合は、そこに原因が隠されているかもしれません。
スタッフなどに試食してもらい、味の変化がないかを確認してみましょう。
また、接客態度はどうなっているか、店の掃除が行き届いているか、食事しにくい雰囲気がないかなど、細かな部分も再確認してみるのがおすすめです。
忙しくて目が行き届かなかったことが理由かもしれないので、この機会に新たなチェック体制などを設けるとよいでしょう。
他に魅力的な選択肢を見つけたから
お客さんは、魅力的なお店に惹かれます。
自身も買い物などで訪れるお店を選ぶ時に、欲しいものが揃っていたり選択肢が多かったりする店に行くでしょう。
飲食店選びも同じで、他に魅力的なお店を見つけてしまえばリピートしなくなってしまいます。
リピーターが減ったと感じた時には、周囲に新たな飲食店がオープンしていないか確認してみましょう。
新たな飲食店はできていないものの、今まで継続していたサービスを辞めたり、内容を変更したり、価格を上げたりしている場合はこれらが原因になっている可能性が高いです。
少しでも思い当たることがあれば、再度魅力的に感じてもらえるように新たなメニュー開発やサービスなどを検討してみるのもひとつの方法です。
個人的な事情で来られなくなったから
リピーターが来店しなくなったのは、お店側にすべての原因があるわけではありません。
リピーターの個人的な理由で来られなくなることもあります。
例えば、転勤や移動で住んでいた環境が変わった、経済的に外食できる余裕がなくなった、引っ越しをした、病気をしてしまったなどさまざまな原因が考えられます。
これらの理由はリピーター個人の理由であり、お店側の変化によって遠のいているわけではありません。
リピーターが来なくなった=店に原因があると考えがちですが、このような状況もありえることを覚えておきましょう。
離脱理由を知るための工夫も必要
リピーターが来なくなった時、なぜリピートしなくなったかという理由に向き合うことが大切です。
環境やニーズの変化などに対応していき、今後もリピートされる飲食店になるには、離脱理由について向き合うことも必要です。
離脱理由を知る方法として、顧客アンケートの実施やインターネット上の口コミの確認、競合店との比較、データ分析、過去の来店状況の確認などができます。
既存の顧客やしばらく来店していないお客さんに対して、LINEなどの公式アカウントを通じてアンケートを実施してみましょう。
ここで離脱の理由や不満に思っている部分が確認できます。
他にも、書き込みしやすいインターネットの口コミなどで、どのような意見があるかをチェックしてみましょう。
ただし、インターネットの口コミは訪れていないのに評価が下げられているケースもあります。
正しい内容かどうかを確認しながらフィードバックしてみてください。
飲食店がリピーターを増やす方法

飲食店がリピーターを増やすためには、以下の施策が効果的です。
- メニューを工夫する
- 積極的に声がけを行う
- クーポン・チケットを配布する
- SNSで情報発信を行う
- ポイントカードを発行する
- DMを送る
それぞれの詳細や運用のポイントをみていきましょう。
飲食店の集客アイデアについては、こちらで詳しく解説していますので、ぜひご覧ください。
方法1 メニューを工夫する
メニューの工夫は、リピーター獲得のために効果的な手段です。
「〇〇を食べに行くならこのお店しかない」という定番メニューができれば、自然とリピート率は高まるでしょう。
また、定期的に新しい料理や季節に合わせたメニューアップデートを行うことで、リピーターは常に新しい味を楽しむことができます。
季節の野菜や果物を使用したメニューやイベントに合わせた期間限定メニュー、そのお店でしか味わえないオリジナルの料理を提供し、お客さんを飽きさせない工夫をしましょう。
さらに、お客さんの要望や嗜好を取り入れたカスタマイズオプションを提供することも効果的です。
これらの工夫によって、飲食店はリピーターの興味を引き続けることができます。
方法2 積極的に声がけを行う
お客さんにとって快適な食事体験をもたらすためには、親しみやすい接客と積極的な声がけも重要です。
リラックスした雰囲気を作り出し、顧客とのコミュニケーションを大切にすることで、顧客が再来店する可能性が高まります。
新メニューや期間限定メニューが出た時には紹介したり、帰り際に「お楽しみいただけましたか」などちょっとした声がけを意識したりしましょう。
特に、帰り際の接客はそのお店の印象として顧客のなかに強く残るため、印象の良い接客を心がけることが大切です。
方法3 クーポン・チケットを配布する
リピーターを獲得したいならアプリやチラシなどでクーポンやチケットを配布してみましょう。
アイリッジが実施した「アプリクーポン利用実態調査」では、「店舗を利用する際、割引等の特典があるクーポンを利用しますか」という質問に対して「必ず利用する」「ときどき利用する」という回答が90%となっています。
また「クーポンがあることで店舗を利用した」「もともと行く予定はあったが、クーポンがあることで予定より早いタイミングで店舗を利用した」という回答が59%となりました。
これらの結果から、クーポンやチケットの配布には一定の効果が期待でき、来店をきっかけにリピーターが増える可能性が期待できます。
継続した来店を促すために「次回割引クーポン」「リピーター限定特典」「友達紹介クーポン」などの発行で新規顧客獲得にもつながるでしょう。
アプリクーポンの最新利用動向やユーザーの行動変化をもっと詳しく知りたい方は、アイリッジによる調査レポート『アプリクーポン利用実態調査2025』をご覧ください。
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方法4 SNSで情報発信を行う
Instagram・Twitter・Facebook・TikTokなどのSNS(ソーシャルメディア)は、リピーター獲得において重要な役割を果たします。
飲食店は定期的に料理の写真やイベント情報などをSNSで発信することで、「もう一度来店したい」という気持ちを促進できます。
特に、InstagramやTikTokなどのビジュアルをメインとしたSNSは、飲食店との相性が良いためおすすめです。
また、SNSのコメントやメッセージを通してユーザーと積極的にコミュニケーションを取ることで、顧客ロイヤルティ(店舗や企業に対する愛着心のこと)の向上にも役立ちます。
方法5 ポイントカードを発行する
リピーター獲得後、継続した顧客を維持するには、ポイントカードの発行もおすすめです。
リピーターになるきっかけには、来店に応じたポイントで受けられる特典やサービスを期待している方もいるからです。
このような理由からポイント制度はお客さんにとって魅力的であり、リピート率の向上にもつながります。
最近は、アプリを使ってポイントや会員証の機能をも持たせるサービスも増えてきています。
アイリッジが実施した「アプリクーポン利用実態調査」で「最近ダウンロードしたアプリについて教えてください」という質問の回答では、約70%が会員証やポイント機能のあるアプリを新規ダウンロードしていることがわかりました。
しかし、ただポイントを貯めるだけではリピーターが獲得しにくいので、できるだけ特典を得やすい内容を意識してみましょう。
利用につき1ポイント、20ポイントでご利用料金200円引きなどお得に感じやすい内容や利用しやすさに注目してください。
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また、ポイントカードは必ずしも紙で作る必要はありません。
アプリを使ったポイントカードについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
方法6 DMを送る
顧客のメールアドレスや住所を把握している場合、定期的にDM(ダイレクトメール)を送ることも効果的です。
チラシやはがき、メールのほか、最近ではSNSや店舗アプリを活用してDMを送信する方法もあります。店舗アプリのメリットについては、こちらの記事で詳しく解説しています。
個別にリピーターに向けて最新の情報や特別なイベント、割引情報などのメッセージを送ることで、リピートを促進することができます。
誕生日のお祝いや特別クーポンなどで特別感を演出できれば、より効果は高まるでしょう。
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まとめ

飲食店にとって、安定的な売上やコスト削減に寄与するリピーターの存在は欠かせません。
リピート率を上げるためには、まずは自店舗の現状と顧客がリピートする・しない理由を把握することが大切です。
その上で、自店舗で取り入れやすい施策から導入してみましょう。
リピーター獲得にアプリの活用をご検討されるのであれば、ぜひアイリッジにご相談ください。
アイリッジでは、クーポンやスタンプカード発行が可能なパッケージアプリやLINEミニアプリなどもご用意しております。
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