アプリマーケティングとは?主な施策・KPI・成功事例をわかりやすく解説

アプリマーケティングとは、アプリのダウンロード促進だけでなく、継続利用や売上向上につなげるための施策全般を指します。
ASOやWeb広告、SNS、プッシュ通知など、目的に応じて施策を使い分けることで、ユーザー獲得から継続利用、収益化まで一貫して設計できます。
本記事では、アプリマーケティングの基本的な考え方から、主な施策、見るべきKPI、成功事例までをわかりやすく解説します。
アプリマーケティングとは
アプリマーケティングとは、自社アプリの認知拡大やダウンロード促進、継続利用、売上向上につなげるためのマーケティング施策全般を指します。
具体的には、ASO(アプリストア最適化)やWeb広告、SNS活用によって新規ユーザーを獲得し、プッシュ通知やポイント施策、CRM施策によって継続利用を促進していく考え方です。
また、アプリマーケティングは単にアプリを広めるだけでなく、アプリを通じて企業そのものや商品・サービス、店舗への接点を増やし、LTVの向上や収益化につなげる役割も担います。
競争の激しいアプリ市場において、自社アプリをユーザーに認知してもらい、選ばれ、使い続けてもらうためには、アプリマーケティングの設計が欠かせません。
アプリマーケティングが必要な理由
アプリマーケティングが重要視されている背景には、スマートフォンの普及によって、生活者が情報収集や購買、予約、決済などをアプリ上で完結する機会が増えていることがあります。
ニュース閲覧、音楽視聴、EC利用、飲食店のモバイルオーダー、金融サービスの利用など、さまざまな行動がアプリ経由で行われるようになりました。
一方で、アプリ市場には多くの競合が存在するため、単にアプリを公開するだけでは継続的に使ってもらうことは難しくなっています。
ユーザーにアプリの存在を知ってもらい、インストールしてもらい、その後も継続利用や購買につなげるには、目的に応じた施策設計が欠かせません。
そのため、アプリをビジネス成果につなげるには、認知拡大から継続利用、収益化までを見据えて取り組むアプリマーケティングが必要になります。
アプリマーケティングのメリット
アプリマーケティングには、新規ユーザーとの接点を増やすだけでなく、継続利用や顧客ロイヤルティの向上、ユーザーデータの活用につなげやすいというメリットがあります。
ここでは、企業がアプリマーケティングに取り組むことで得られる代表的なメリットを紹介します。
顧客接点を増やせる
アプリを活用すると、企業はユーザーと継続的な接点を持ちやすくなります。
たとえば、プッシュ通知やメール配信を使えば、キャンペーン情報や新着情報を適切なタイミングで届けることが可能です。
また、アプリ内で最新情報やクーポン、会員向けコンテンツを提供することで、ユーザーが日常的にブランドやサービスに触れる機会も増えます。
このように、アプリは一度きりの接触で終わらず、継続的なコミュニケーションを設計しやすい点が大きなメリットです。
継続利用・リピーター獲得につながる
アプリマーケティングは、継続利用やリピーター獲得にも効果的です。
たとえば、アプリ限定の特典やポイント制度を設けることで、ユーザーに再利用の動機を与えられます。
さらに、ユーザーの行動履歴に応じておすすめ商品やコンテンツを表示したり、プッシュ通知で新商品やキャンペーン情報を届けたりすることで、再訪のきっかけを作ることも可能です。
こうした取り組みを積み重ねることで、利用頻度の向上や長期的な収益拡大につながります。
顧客ロイヤルティを高められる
アプリは、顧客ロイヤルティを高める手段としても有効です。
会員限定コンテンツやポイント制度、特典配信などを通じて、ユーザーに特別感を提供できるため、ブランドへの愛着や信頼を育てやすくなります。
また、問い合わせ対応やサポート導線を整えたり、誕生日や記念日に合わせたメッセージを配信したりすることで、企業との距離を縮めることも可能です。
こうした積み重ねによって、継続利用や口コミ、新規顧客獲得につながる可能性があります。
ユーザーデータを活用しやすい
アプリを活用すると、利用頻度や閲覧履歴、購買履歴などのユーザーデータを取得しやすくなります。
これらのデータを分析することで、ユーザーの関心や行動傾向を把握し、より効果的なマーケティング施策につなげることが可能です。
たとえば、利用状況に応じたおすすめ表示や、属性・行動別のセグメント配信を行えば、より精度の高いコミュニケーションを実施できます。
さらに、継続的にデータを見ていくことで、課題の発見や機能改善、新たな施策立案にも役立ちます。
アプリマーケティングの全体設計と戦略の考え方
アプリマーケティングでは、施策を単発で実施するのではなく、目的に応じて全体を設計することが重要です。
具体的には、「認知・獲得」「継続利用」「収益化」の3つのフェーズに分けて考えると、自社に必要な施策を整理しやすくなります。
たとえば、ダウンロード数を増やしたいのか、継続率を改善したいのか、LTVを高めたいのかによって、優先すべき施策は異なります。
そのため、アプリマーケティングは単体施策として捉えるのではなく、全体のマーケティング戦略の中で役割を整理することが大切です。
マーケティング戦略の考え方を詳しく知りたい方は、以下の記事も参考にしてください。
下記では、フェーズごとに異なる設計について具体的に解説します。
認知・獲得フェーズの設計
ユーザーにアプリの存在を知ってもらい、興味を持ってもらうための初期段階となるフェーズです。
アプリを運用するためにも、まずは多くのユーザーにアプリの存在を知ってもらう必要があります。
そのため、認知・獲得フェーズにおいては、ターゲット層へのリーチ最大化に加え、その後のインストールにつなげるための戦略設計が重要となります。
例えば、認知・獲得フェーズにおける主な施策としてSNS広告が挙げられます。
TikTokやInstagramなど、ターゲット層に合わせた親しみやすい動画広告を活用してアプリの利便性を訴求すれば、ダウンロードを促すことが可能です。
また、ASOも認知拡大のためには有効な施策です。
WebにおけるSEOのアプリ版と言える施策で、広告費をかけずにユーザーの獲得を目指す成長戦略です。
アプリ名や説明文などの最適化を実施することで、アプリストア内での検索順位が上がり、ダウンロード増加を促せます。
その他、店頭の目立つ場所にPOPを掲載する、レシートにQRコードを印刷するといったオフライン施策も有効です。
自社のターゲットや予算、アプリの特性に応じて、複数の施策を組み合わせながら設計することが重要です。
継続利用フェーズの設計
アプリをダウンロードしてもらった後は、アプリの価値を継続的に実感してもらうことが重要です。
せっかくインストールされても、「使いにくい」「メリットがわからない」と感じられると、すぐに離脱やアンインストールにつながる可能性があります。
継続利用を促す施策として代表的なのがプッシュ通知です。
アプリを開いていない状態でも情報を届けられるため、セールやキャンペーン、新着情報などを適切なタイミングで伝えることで、再訪のきっかけを作れます。
また、アプリ利用中に表示するポップアップやチュートリアル、クーポン表示なども有効です。
ユーザーにとって有益な情報を適切なタイミングで提示することで、使いやすさや利便性の向上につながり、離脱防止が期待できます。
さらに、ポイント機能や会員特典などを組み合わせることで、継続利用を後押しできます。
収益化フェーズの設計
アプリを活用してビジネス成果につなげるには、収益化の設計も欠かせません。
特に無料アプリの場合、ダウンロード数だけでなく、どのように売上や利益につなげるかを考える必要があります。
代表的な方法としては、アプリ内広告、アプリ内課金、サブスクリプション、EC連携などが挙げられます。
たとえば、自社アプリ内に広告枠を設けて広告収益を得る方法や、チケット予約・商品購入・有料機能追加などをアプリ内で完結させる方法があります。
また、ECや実店舗と連携すれば、アプリ内の行動データと購買データを組み合わせたマーケティングも可能になります。
ただし、収益化施策を優先しすぎてユーザー体験を損なうと、離脱や低評価につながる可能性もあるため、利便性とのバランスを見ながら設計することが重要です。
アプリマーケティングの主な方法
アプリマーケティングの方法は1つではなく、ユーザー獲得、継続利用促進、収益化など、目的に応じてさまざまな施策があります。
たとえば、ユーザー獲得にはASOやWeb広告、SNSマーケティング、継続利用促進にはプッシュ通知やCRM施策、収益化にはアプリ内課金やOMO施策などが挙げられます。
重要なのは、施策を単独で導入することではなく、自社の目標やアプリの特性に応じて組み合わせ、継続的に改善していくことです。
ここからは、代表的な方法をフェーズ別に見ていきましょう。
ユーザー獲得のためのアプリマーケティング施策
前述したように、ユーザーを獲得するための施策にはいくつかの方法があります。
ここでは、それぞれの施策について具体的に解説していきます。
ASO(アプリストア最適化)
「ASO」とは、「App Store Optimization(アプリストア最適化)」の略で、アプリストア内での表示順位を向上させるための手法です。
アプリの検索ランキングや表示順位を向上させることで、ユーザーにアプリの存在を知ってもらいやすくし、ダウンロード数を増やす効果が期待できます。
アプリストア内のSEO対策とイメージするとわかりやすいかもしれません。
ASOの具体的な対策としては、以下のようなものが挙げられます。
- キーワード最適化:アプリの関連性を高めるために、適切なキーワードを選定し、アプリ名や説明文などに反映する。
- スクリーンショットとアイコンの最適化:アプリの魅力が伝わるビジュアルを用意し、ストア上での訴求力を高める。
- レビューや評価の管理:ユーザーレビューに適切に対応し、評価向上につなげる。必要に応じて、レビューを促す導線をアプリ内に設けることも有効。
また、アプリストア内で上位表示されるためには、これらの要素以外にもアプリのダウンロード数や利用率なども関係します。
ASOの基本や具体的な対策方法について詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
Web広告
Web広告出稿は、インターネット上で広告を掲載する手法です。
以下のような種類があります。
- 検索エンジン広告:「Google」「Yahoo!」などの検索エンジンの検索結果ページに広告を表示させ、関連するキーワードでの検索時にアプリの宣伝を行う
- ディスプレイ広告:Webサイトやアプリ内の広告スペースにバナー広告や動画広告を掲載する
- リターゲティング広告:Webサイトやアプリページを訪れたことのあるユーザーに対して、広告を表示する
Web広告の特徴は、広告を表示する対象のターゲット層を指定することが可能であることです。
地域、年齢、性別、興味関心、検索キーワードなどの情報を活用できるため、より細かいターゲット層に絞り込んでアプローチできます。
広告出稿には、ある程度の知識やノウハウ、そして広告先となるホームページやLP(ランディングページ)が必要となるため、外注して運用することも検討するといいでしょう。
アプリインストール広告について具体的に知りたい方は、下記の記事をチェックしてみてください。
SNSマーケティング
「X(旧Twitter)」「Instagram」「Facebook」「TikTok」などのSNS(ソーシャルネットワーキングサービス)を活用したマーケティング手法です。
SNSは多くのユーザーが利用していて、情報の拡散や共有が活発に行われています。
ブランドの認知度向上やエンゲージメントの増加につなげることができるでしょう。
コミュニティ化しやすく、コメントやDMなどを通じてユーザーと直接コミュニケーションを取りやすいのもSNSの特徴です。
端的に情報を伝え「バズり」を期待するのであればX(旧Twitter)、ビジュアルメインとなるものを発信するならInstagramなどのように、発信する内容に合わせて選定しましょう。
10代をターゲットとするならTikTok、30代以上のビジネス層にアプローチするならFacebookなど、ターゲット層に合わせた配信も重要です。
SNSマーケティングについて、さらに深く知識を習得したい方は、下記の記事をご覧ください。
インフルエンサーマーケティング
インフルエンサーマーケティングは、影響力のある個人やインフルエンサー(コンテンツクリエーター)を活用して、アプリのプロモーションを行う手法です。
具体的には、インフルエンサーにアプリを利用してもらい、その体験談やアプリの魅力を発信してもらったり、インフルエンサーとコラボレーションしてアプリに関連するコンテンツを制作したりします。
インフルエンサーに特定のイベントやキャンペーンに参加してもらい、その中でアプリの宣伝を行うのも効果的です。
インフルエンサーマーケティングは、インフルエンサーのフォロワーやファン層へピンポイントでアプローチできるというメリットがあります。
人気が高いインフルエンサーほど依頼費用はかかるものの、成功すれば高い費用対効果が期待できるでしょう。
インフルエンサーマーケティングを成功させるためには、宣伝したい商品・サービス・店舗とマッチしているインフルエンサーを選定することが重要です。
「最適なインフルエンサーが見つからない」「自社からの依頼に限界がある」という場合は、インフルエンサーマーケティングを行っている代行企業に依頼するのもおすすめです。
オウンドメディア・コンテンツマーケティング
オウンドメディアは、自社が所有するメディアチャネルやプラットフォームを活用して、自社アプリに関連する情報を発信する手法です。
コンテンツの質が重視されるため、コンテンツマーケティングと呼ばれることもあります。
オウンドメディア内では、アプリに関連する情報やニュースを定期的に発信し、ユーザーに価値を提供します。
アプリの機能や使い方をわかりやすく説明するグラフィックや動画を作成するのも効果的です。
スムーズにダウンロードしてもらえるよう、アプリストアのURLを掲載することも忘れないようにしましょう。
オウンドメディアを通じてコンテンツを発信することで、ユーザーとの関係を構築し信頼を築くことができます。
また、Web広告やSNSマーケティングとの連携も効果的です。
下記では、オウンドメディアやコンテンツマーケティングについて詳しく解説しています。
ぜひ参考にしてみてください。
オフライン施策(店舗連携・OOH)
インターネット上の施策だけでなく、リアルな接点を活用してユーザー獲得を目指すのがオフライン施策です。
具体的には、店頭POP、チラシ、ポスター、交通広告、屋外広告などが挙げられます。
近年は、店頭や販促物にQRコードを掲載し、アプリダウンロードや会員登録へ誘導するO2O施策も一般的です。
実店舗とアプリを連携させることで、来店促進や継続利用につなげやすくなります。
また、OOH(屋外広告)は街頭ビジョン、看板、駅構内、タクシー広告など、日常の中で接触機会を作れるため、認知拡大に有効です。
オンライン施策だけでは届きにくい層にもアプローチできるため、ターゲットや商材によっては有効な選択肢となります。
継続利用を促進するアプリマーケティング施策
アプリはインストールしてもらうだけでなく、継続的に利用してもらうことが重要です。
ここでは、継続利用を促進するアプリマーケティング施策について解説します。
プッシュ通知
プッシュ通知は、ユーザーに対してアプリからメッセージやお知らせを配信する施策です。
アプリを開いていなくても通知を受信できるため、再訪のきっかけを作りやすく、継続利用促進に有効です。
例えば、プッシュ通知を活用して新しいコンテンツや特典などの情報を通知することで、休眠顧客(スリープ状態や非アクティブ状態のユーザー)に対して、再度の利用を促せます。
アクティブ状態のユーザーに対しても、定期的にコミュニケーションを取ることで、顧客ロイヤルティ(アプリや運営企業に対しての信頼、愛着心のこと)の向上が期待できるでしょう。
ただし、プッシュ通知を頻繁に送りすぎると、迷惑がられたり通知をオフにされてしまったりする可能性があります。
タイミングや内容を適切に設定し、個別のユーザー属性や行動に合わせて配信することが重要です。
継続利用を促す施策としてプッシュ通知を検討している方は、実際の利用実態や配信設計のポイントをまとめた資料もあわせてご活用ください。
▼マーケティング担当者必見!プッシュ通知利用実態調査
メール配信・CRM施策
メルマガ(メールマガジン)は、ユーザーに対して定期的に情報や特典を提供する手法です。
ユーザーの属性や行動に基づき、ターゲットに合わせて直接的なコミュニケーションを行えるため、開封率が高い傾向にあります。
ただし、メルマガを配信するためには顧客のメールアドレスを取得している必要があります。
新規顧客を獲得する方法というより、既存顧客のリピート利用促進や休眠顧客の掘り起こしに効果的なマーケティング方法であることを覚えておきましょう。
ポイント・クーポン施策
ポイントやクーポン施策は、継続利用や再来店促進に有効です。
たとえば、商品購入や来店に応じてポイントを付与したり、アプリ会員限定のクーポンを配布したりすることで、ユーザーに再利用の動機を与えられます。
紙の会員カードと比べて、アプリであればスマートフォン上で管理できるため、持ち歩きや提示の手間が少ない点もメリットです。
また、新規インストール特典としてクーポンを配布すれば、インストール促進にも活用できます。
このように、ポイントやクーポンは、新規獲得と継続利用の両方に活かせる施策ですが、特に継続的な利用習慣を作るうえで効果を発揮しやすい施策といえます。
収益化・LTV向上のためのアプリマーケティング施策
次に、収益化やLTV向上のために有効なアプリマーケティング施策について解説していきます。
LTVについて深く理解したい方は、下記の記事を参考にしてください。
アプリ内課金・サブスクリプション
アプリマーケティングにおけるマネタイズの方法として、アプリ内課金やサブスクリプションといった施策があります。
アプリ内課金とは、無料や有料でダウンロードしたアプリ内で、追加で利用するためのコンテンツや機能をApp StoreやGoogle Playの決済機能で追加購入する仕組みをいいます。
ゲームアプリでは定番の戦略方法となり、ゲーム内で使用できる能力や衣装、武器といったアイテムを購入することです。
都度課金してくれるユーザーも多いので、収益を増やすために有効です。
また、サブスクリプションは月額や年額といった定額料金を支払うことで、一定期間サービスを利用する権利を得られるビジネスモデルの一種です。
動画配信サービスや音楽配信サービスに多く、利用した経験がある方も多いはずです。
近年ではサブスクリプション型のアプリも増えています。
アップグレード時やサービスを利用するため、追加割引を受けるためなど、あらゆる方法でサブスク機能を追加することが可能です。
料金に見合った価値を得たいと考えるユーザーが多いため、継続利用を促すこともできます。
安定した収益化を目指せる施策だと考えられるでしょう。
アプリでの具体的なマネタイズ方法をより詳しく知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
EC連携・OMO施策
アプリとECを連携することで、売上向上や顧客体験の改善が期待できます。
たとえば、クーポンやセール情報をプッシュ通知で配信すれば、購買促進につなげやすくなります。
また、アプリはWebよりも操作性や表示速度に優れるケースが多く、スムーズな購入体験を提供しやすい点もメリットです。
さらに、アプリ内行動データと購買データを組み合わせることで、ユーザーごとに最適化したアプローチも実施しやすくなります。
LTV向上の観点では、OMO施策も重要です。
OMOとは、オンラインとオフラインを分けて考えるのではなく、両者を連携させて顧客体験を高める考え方を指します。
たとえば、モバイルオーダーのように、オンラインで注文・決済し、店舗でスムーズに受け取れる仕組みは代表例です。
このように、EC連携やOMO施策を通じて利便性の高い体験を提供できれば、売上向上や継続利用、LTV改善につなげやすくなります。
OMOについては、下記の記事で詳しく解説しているので、ぜひご覧ください。
広告モデル
アプリ内に広告を掲載すれば広告収入を得られるため、アプリ収益化につながります。
具体的には、アプリ内に広告枠を設置して他社の広告を掲載して収益を得る仕組みです。
広告主が支払う広告費の一部がアプリ開発者に分配されます。
広告といっても、下記のようにさまざまな種類があります。
- バナー広告
- インターステイシャル広告
- 動画リワード広告
それぞれ特徴が異なるため、アプリの種類や使いやすさなどに合わせて選んでみてください。
アプリマーケティングで見るべきKPI
アプリマーケティングの成果を評価するには、KPI(重要業績評価指標)の設定が欠かせません。
KPIを定めることで、ダウンロード数や継続率、収益性などを定量的に把握しやすくなり、施策の改善にもつなげやすくなります。
また、KPIは認知・獲得、継続利用、収益化といったフェーズごとに見るべき指標が異なります。
ここでは、フェーズ別に確認しておきたい代表的なKPIを紹介します。
KPIツリーの基礎構造や作り方については、下記の記事をご覧ください。
認知・獲得フェーズで見るべきKPI
認知・獲得フェーズでチェックすべきKPIは以下の通りです。
- インプレッション数:広告が表示された回数
- リーチ数:広告を見たユーザー数
- CTR:広告がクリックされた回数と割合
- VTR:動画広告がどこまで観られたか
- ストアページPV数:アプリストアでページが表示された回数
- CPC:1クリックあたりの広告コスト
- CVR:ストア表示からインストールされた割合
継続利用フェーズで見るべきKPI
継続利用フェーズにおいては、ユーザーがアプリを定着して使用しているか、ファンになっているかを測ることがポイントです。
チェックすべきKPIは以下の通りです。
- Day1継続率:初回起動をした翌日に再訪した割合
- Day7継続率:インストールをしてから7日後に利用された割合
- Day30継続率:インストールをしてから1ヶ月後に利用された割合
- アンインストール率:アプリが消された割合
- 休眠ユーザー率:一定期間アプリを起動していないユーザー割合
- DAU:1日のアプリ利用者数
- MAU:1ヶ月間のアプリ利用者数
- セッション数や滞在時間:アプリがどの程度利用されているかを把握するための指標
収益化フェーズで見るべきKPI
収益化フェーズで確認したい主なKPIは以下の通りです。
- LTV:ユーザーがアプリを利用し始めてから離脱するまでに、どの程度の利益をもたらすかを測る指標です。一般的には「平均単価 × 購入頻度 × 継続期間」などで算出します。
- ROAS:広告費に対してどの程度の売上を得られたかを示す指標です。一般的には「広告経由の売上 ÷ 広告費 × 100(%)」で算出します。
- ARPPU:課金したユーザー1人当たりの平均売上です。
- ARPU:全ユーザー1人当たりの平均売上です。
- 課金転換率:インストールしたユーザーのうち、課金に至ったユーザーの割合です。
アプリマーケティングで見るべき指標や、継続率改善の考え方をより詳しく知りたい方は、以下の資料も参考にしてください。
アプリマーケティングの基礎知識(前編)~アプリ利用分析で『見るべき指標』と分析方法(APPBOX編)~
アプリマーケティングの基礎知識(後編)~アプリ利用分析で『見るべき指標』と分析方法(APPBOX編)~
アプリマーケティングを成功させるポイント
アプリマーケティングを成功させるには、施策をやみくもに増やすのではなく、自社の目的やユーザーに合わせて設計することが重要です。
特に意識したいポイントは、以下の3つです。
- 現実的なKPIを設定する:高すぎる目標を設定すると、施策の評価や改善が難しくなります。事前のデータ分析や市場調査を踏まえて、達成可能かつ具体的なKPIを設定しましょう。
- ユーザー行動やニーズに合わせて施策を変える:すべてのユーザーに同じ施策を打つのではなく、利用状況や属性に応じてコミュニケーションを最適化することが重要です。セグメントごとに配信内容や訴求を変えることで、継続率や反応率の改善が期待できます。
- 費用対効果の高い施策から優先して取り組む:予算やリソースに限りがある場合は、すべてを一度に実施するのではなく、効果検証しやすい施策から始めるのが現実的です。小規模なテストを行いながら、成果の高い施策へ投資を広げていきましょう。
また、アプリの利用者を増やすだけでなく、既存ユーザーの満足度向上や継続率改善まで支援できるアプリマーケティング会社について知りたい方は、以下の記事もご覧ください。
アプリマーケティングの成功事例
ここからは、実際にアプリマーケティングを活用して成果につなげた企業の事例を紹介します。
自社でどのような施策を取り入れるべきか検討する際の参考としてご覧ください。
メルカリのアプリマーケティング事例
個人間でフリマが行えるアプリ「メルカリ」。
多くの世代から人気があり、今では知らない人はほとんどいないアプリにまで成長しました。
しかし2013年のアプリリリース時には知名度は低く、ほとんどの人が存在を知らないアプリでした。
そこで、2014年にインフルエンサーを活用したアプリマーケティングを実施しました。
20〜30代の女性に人気の有名タレントを起用したテレビCMを放映すると、その認知度は一気に向上し、2016年には3,000万ダウンロードを達成しました。
インフルエンサーマーケティング以外にもSNSなどを効果的に活用し、日常生活の中の多くの場面で「メルカリ」の存在をアピールしたことが成功の秘訣といえるでしょう。
無印良品のアプリマーケティング事例
シンプルで機能的な生活雑貨や家具などを販売する「無印良品」では、自社アプリ「MUJI passport」を運営しています。
アプリ内ではオンラインストアの利用をはじめ、店舗在庫の確認や独自のポイント制度「MUJIマイル」の確認・管理などができます。
商品を購入したりレビューを投稿したりするとマイルがもらえる仕組みになっていて、これにより、顧客ロイヤルティやエンゲージメントが向上し、来店促進にも役立っています。
アプリを通じてブランドとユーザーのつながりが深まっている事例といえるでしょう。
カインズのアプリマーケティング事例
ホームセンターとして幅広い商品を提供している「カインズ」では、アプリにオリジナルの機能を搭載したことによって高い成果を得ています。
「商品数が多すぎて欲しいものが見つからない」という問題を解消するため、ユーザーが欲しい商品を簡単に見つけられる売り場表示機能を搭載しました。
この機能によって商品が見つけられないという問題は解消し、さらにプッシュ通知によって来店が促進され、顧客のエンゲージメントが大幅に向上しました。
従業員が顧客対応に追われる時間も削減でき、顧客と従業員双方にメリットがあった施策といえます。
日本航空(JAL)のアプリマーケティング事例
大手航空会社「日本航空(JAL)」は、飛行機の予約ができるオリジナルアプリ「JALアプリ」を運営しています。
「JALアプリ」では、アプリリニューアルの際に抽選で国内線往復航空券が当たるキャンペーンを実施し、新しいアプリの利用や既存ユーザーのアプリアップデートを促しました。
また、日本航空では、アプリマーケティングの他にSNSでの発信にも注力して取り組んでいます。
さまざまな国や地域のきれいな写真を投稿することでユーザーにワクワク感を提供し、企業のイメージアップにつなげています。
コカ・コーラのアプリマーケティング事例
世界中で人気の炭酸飲料「コカ・コーラ」を製造・販売するコカ・コーラ株式会社では、「Coke On」というアプリを活用したアプリマーケティングに成功しています。
「Coke On」では、自動販売機でドリンクを購入する際にアプリを接続させると、購入本数に合わせてスタンプが貯まるようになっています。
そしてそのスタンプを15個貯めると、無料でドリンクがもらえるという仕組みです。
継続利用を促すと同時に、売上アップにもつながる施策です。
また、スマホの歩数計とリンクさせることによって、歩数に応じてもスタンプが貯まる仕組みになっています。
複数の仕組みを組み合わせることによって、さまざまな層のユーザーの獲得に成功した事例といえるでしょう。
マクドナルドのアプリマーケティング事例
大手ハンバーガーチェーンの「マクドナルド」も、アプリマーケティングによって集客や顧客ロイヤルティの向上に成功した企業の1つです。
マクドナルドが提供しているオリジナルアプリでは、クーポンの定期配信のほか、最寄りの店舗を検索できる機能やメニューの詳しい商品情報を調べられる機能などを実装しました。
多くのユーザーを獲得し、2019年には「App of the year(アプリ・ オブ・ザ・イヤー)」の最優秀賞も受賞しています。
さらに、2020年にはモバイルオーダー(アプリから事前に注文とキャッシュレス決済を行うと、店舗での待機時間なく商品を受け取れる仕組み)も導入し、アプリのダウンロード数や利用率はますます向上しています。
スシローのアプリマーケティング事例
大手回転寿司チェーンの「スシロー」では、混雑や待ち時間によるユーザーのストレスを解消するため、来店予約ができる機能をアプリに導入しました。
店舗ごとの待ち時間を確認でき、今すぐの予約だけでなく、日時指定の予約も可能です。
これにより、待ち時間に関するユーザーの不満解消に成功しました。
アプリには来店で加算されるポイント機能も付いているため、再来店の促進や売上アップにもつながっています。
また、スシローでは、アプリを導入することによって得られたユーザー情報を経営にも活かしています。
それに沿ったクーポンやキャンペーンを提供することで、さらなる利用促進につながっています。
ユニクロのアプリマーケティング事例
大手ファストファッションブランド「ユニクロ」では、オンラインストアの利用や商品の在庫確認、ポイント管理などができるアプリを提供しています。
ユニクロアプリでは、アプリ会員限定のセールを実施したり、お得情報をプッシュ通知で配信したりすることで、利用者数の増加に成功しました。
さらに実店舗利用・オンライン利用どちらでも利用できるポイント制度を導入し、OMO(オンラインとオフラインの融合)戦略につなげています。
その他にも、自分の体のサイズを一度登録すればいつでも自分にピッタリのサイズの服を探せる機能や、店舗スタッフや一般ユーザーがコーディネートを紹介するコンテンツなど、ユーザーの利便性を向上させる機能が豊富に搭載されています。
実際にアプリ活用で成果を上げた企業の取り組みをさらに知りたい方は、導入事例集もご覧ください。
アプリを利用したビジネスの成功なら「APPBOX」がおすすめ
ここまで見てきたように、アプリマーケティングでは、認知拡大から継続利用、収益化までを一貫して設計することが重要です。
こうした取り組みを総合的に支援できるのが、アイリッジのマーケティング支援プラットフォーム「APPBOX」です。
APPBOXでは、アプリ開発だけでなく、プロモーション施策、効果測定、継続利用促進まで一貫した支援が可能です。
プッシュ通知や位置情報を活用した施策、顧客ロイヤルティ向上のための機能設計、KPI管理や改善支援などを通じて、アプリをビジネス成果につなげるための取り組みをサポートします。
アプリの新規立ち上げから既存アプリの改善まで対応できるため、アプリ活用を本格的に進めたい企業は、ぜひ詳細をご確認ください。
まとめ|アプリマーケティングは設計・施策・KPI管理が重要
アプリマーケティングは、アプリのダウンロード促進だけでなく、継続利用や収益化まで見据えて取り組むことが重要です。
ASOやWeb広告、SNS、プッシュ通知、OMO施策などを目的に応じて組み合わせることで、ユーザー獲得からLTV向上まで一貫して設計できます。
また、施策を実行するだけでなく、自社に合ったKPIを設定し、効果を継続的に確認しながら改善していくことも欠かせません。
成功事例を参考にしながら、自社に合ったアプリマーケティング戦略を整理していきましょう。
アイリッジでは、アプリ開発・導入だけでなく、その後の成長支援まで含めてサポートしています。
アプリマーケティングに課題を感じている方は、ぜひサービス詳細もご覧ください。














