リブランディングとは?企業のブランド価値を再定義する進め方と成功のポイントを解説

リブランディングとは?企業のブランド価値を再定義する進め方と成功のポイントを解説

リブランディングとは、市場や顧客の変化に合わせて企業やサービスのブランド価値を再定義し、メッセージやデザイン、コミュニケーションを含めて選ばれる理由を再構築する取り組みのことをいいます。

新たな顧客層の獲得や競争力の強化など、さまざまな目的でリブランディングが検討されますが、「見直したいが何から始めるべきか分からない」「ブランドの価値がうまく伝わらない」など、取り組みを進めようとしても疑問や悩みが出てくるケースは多いはずです。

そこで今回は、リブランディングの基本的な内容を解説するとともに、リブランディングが必要になるケースやタイミング、進め方、費用や期間、効果測定方法など、幅広く情報をお伝えしていきます。

 

リブランディングでの失敗を防ぐ方法や押さえるべきポイント、外部パートナーへ相談する判断基準と支援会社の選び方などもご紹介します。

リブランディングを検討している方は、ぜひ参考にしてください。

 

  1. リブランディングとは?ブランド価値を再定義する取り組み
    1. ブランディングとの違い
    2. ブランドリニューアル・リブランドとの違い
    3. リブランディングで見直す主な要素
  2. リブランディングが必要になるケース・タイミング
  3. リブランディングの進め方7ステップ
    1. STEP1|現状分析でブランドの現在地を把握する
    2. STEP2|リブランディングの目的と課題を整理する
    3. STEP3|ブランドの存在意義と提供価値を再定義する
    4. STEP4|ターゲットとペルソナを再設定する
    5. STEP5|ブランドコンセプトとターゲット別メッセージを設計する
    6. STEP6|社内外へのコミュニケーションを設計する
    7. STEP7|クリエイティブ・広告・販促へ展開する
      1. 広告・クリエイティブ展開の支援事例:メルカリ
  4. リブランディングの実施体制
  5. リブランディングの費用と期間の考え方
  6. リブランディングのKPIと効果測定
  7. リブランディングでよくある失敗と防ぐポイント
  8. BtoB企業のリブランディングで押さえたいポイント
  9. 外部パートナーへ相談する判断基準と支援会社の選び方
    1. 外部パートナーへ相談すべきケース
    2. 支援会社を選ぶ3つのポイント
      1. リブランディング支援事例:ヨミダススクール
  10. リブランディングに関するよくある質問
  11. まとめ:リブランディングはブランド価値の再定義から計画的に進めよう

リブランディングとは?ブランド価値を再定義する取り組み

リブランディングとは?ブランド価値を再定義する取り組み

リブランディングとは、市場環境や顧客の変化に合わせて、企業やサービスのブランドが提供する価値を再定義し、メッセージやデザイン、コミュニケーションを含めて再構築する取り組みです。

ロゴやWebサイトの刷新といった見た目の変更にとどまらず、経営戦略の一環として実施されます。

ブランディングとの違い

ブランディングは、企業や商品、サービスの独自の価値を明確にし、顧客からの認知や信頼を継続的に構築・強化する活動です。

一方、リブランディングは、既存のブランドを市場環境や顧客ニーズ、経営戦略などの変化に合わせて見直し、再構築する活動を指します。

ブランディングとリブランディングの主な違いとして、「目的」「実施タイミング」「アプローチ方法」の3つが挙げられます。

 

以下の表で詳しく確認してみましょう。

比較項目 ブランディング リブランディング
目的 独自の価値やイメージを明確にし、顧客からの認知や信頼を継続的に構築・強化する 既存のブランドを見直し、市場環境や顧客ニーズなどの変化に合わせて再構築する
実施タイミング ・新規事業や新商品の立ち上げ時
・既存ブランドの価値や認知を維持・強化したいとき など
・売上やブランドイメージが低下したとき
・市場環境や顧客ニーズ、経営戦略が変化したとき など
アプローチ方法 ・理念や提供価値の設定
・ターゲットの選定
・デザインやメッセージの作成・運用
理念、ターゲット、提供価値、デザイン、メッセージなどの部分的または全面的な見直し

ブランディングの基本的な考え方や、マーケティング・PRとの違いについては、以下の記事で詳しく解説しています。

ブランドリニューアル・リブランドとの違い

ブランドリニューアルは、ロゴやパッケージ、Webサイトなどの表現要素の刷新を中心に使われることが多い言葉です。

一方、リブランディングは、ブランドの提供価値やポジショニング、メッセージなどを見直し、ブランド全体を再構築する取り組みを指します。

リブランディングの一環として、ロゴやWebサイトなどのリニューアルが行われる場合もあります。

 

リブランディングは、顧客に提供する価値やブランドの方向性を再定義する戦略的な取り組みです。

一方、ブランドリニューアルは、ロゴやWebサイト、パッケージなどの表現要素を刷新する文脈で使われることが多く、リブランディングの取り組みの一部として実施される場合もあります。

なお、「リブランド」は、リブランディングとほぼ同じ意味で使われることが多い用語です。

リブランディングで見直す主な要素

リブランディングでは、企業や商品の理念、提供価値、顧客との接点など、ブランドを構成する幅広い要素を見直します。

主な対象として、以下が挙げられます。

 

  • パーパス・ミッション・ビジョン・バリュー:企業やブランドの存在意義、果たす使命、目指す将来像、行動や判断の基準を整理する
  • ターゲット・ポジショニング:誰にどのような価値を提供し、競合とどのように差別化するかを見直す
  • 社名・サービス名:事業内容やブランドの方向性と合わなくなった名称を必要に応じて変更・調整する
  • ロゴ・ビジュアルアイデンティティ:ロゴ、色、書体などの視覚表現を見直し、ブランドの変化や新しい方向性を伝える
  • ブランドメッセージ・タグライン:ブランドが提供する価値や新しい方向性を社内外へ分かりやすく伝える
  • Webサイト・広告・販促物:ブランドの理念や世界観を顧客との各接点で一貫して伝えられるように更新する
  • 商品・サービス・顧客体験:ブランドの方向性に合わせて、商品内容や接客、購入後のサポートなどの体験を見直す

 

リブランディングが必要になるケース・タイミング

リブランディングが必要になるケース・タイミング

顧客や市場から見たブランドイメージと、企業が届けたい価値とのズレが広がってきたときは、リブランディングを検討するタイミングの一つです。

具体的には、以下のようなケースが挙げられます。

 

  • 売上や認知度はあるものの、「選ばれる理由」が弱くなり、価格競争に巻き込まれたり比較検討で負けたりしている
  • 顧客層やターゲットの変化に、既存のブランドイメージが合わなくなっている
  • 事業転換、新規事業、M&A、経営体制の変更などにより、ブランドの説明やメッセージに一貫性がなくなっている
  • 競合が増え、自社ならではの価値や他社との違いを伝えにくくなっている
  • 採用や社内エンゲージメントに課題があり、企業の理念や目指す方向を社内外へ改めて示す必要がある

 

ブランドの再構築では、顧客ニーズに合った価値や競合との違いを明確にし、Webサイトや店舗などの各接点で一貫したブランド体験を提供することが重要です。

以下のチェックリストは、リブランディングを始めるタイミングを判断する際の参考になります。

当てはまる項目が多い場合は、すぐにロゴや名称を変更するのではなく、顧客調査や競合分析を行い、ブランド戦略を見直す必要があるか確認しましょう。

 

□ 売上や新規顧客数が下がっている、または頭打ちになっている
□ 顧客から選ばれる理由や自社の強みを明確に説明できない
□ 競合が増え、他社との違いが分かりにくくなっている
□ ターゲット層の好みや社会の価値観が変化している
□ ロゴやデザインが、現在の事業内容や届けたい価値と合わなくなっている
□ Webサイトやアプリ、店舗、営業資料など、顧客との接点でブランドイメージが統一されていない
□ 新しい事業を始めた、または商品・サービスの内容を大きく変更した
□ 企業理念やブランドの方針が社内に十分浸透していない

 

なお、チェック項目に該当するからといって、必ずリブランディングが必要になるわけではありません。

特に売上低下やWebサイトの老朽化は、商品改善や販促施策、Webサイトのリニューアルで解決できる場合もあります。

顧客の認識やニーズを調査し、ブランドの提供価値やポジショニングまで見直す必要があるかを判断することが大切です。

 

リブランディングの進め方7ステップ

リブランディングの進め方7ステップ

リブランディングは下記のステップに沿って進めていきます。

 

  1. 現状分析でブランドの現在地を把握する
  2. リブランディングの目的と課題を整理する
  3. ブランドの存在意義と提供価値を再定義する
  4. ターゲットとペルソナを再設定する
  5. ブランドコンセプトとターゲット別メッセージを設計する
  6. 社内外へのコミュニケーションを設計する
  7. クリエイティブ・広告・販促へ展開する

 

基本的にはこの流れに沿って進めますが、調査や検討の結果に応じて前のステップに戻りながら見直すこともあります。

自社の状況に合わせて調整しながら進めていきましょう。

STEP1|現状分析でブランドの現在地を把握する

まずは、ブランドの現状をできるだけ客観的に把握することから始めます。

「現在のブランドが顧客や市場からどのように見られているか」と「企業が届けたい価値」とのギャップを可視化することが主な目的です。

現状分析では、顧客・市場・競合・社内の4つの視点から情報を収集し、客観的な事実に基づいて認識のズレや改善すべき課題を洗い出します。

 

具体的な手法は以下の通りです。

 

  • 顧客インタビュー
  • 顧客アンケート
  • ブランド認知・イメージ調査
  • 市場動向や顧客ニーズの調査
  • 営業・カスタマーサポートへのヒアリング
  • 競合ブランドのポジショニング分析

 

STEP2|リブランディングの目的と課題を整理する

現状分析で明らかになったギャップをもとに、「何を解決するためにリブランディングを行うのか」を明確にするステップです。

リブランディングが必要な理由を整理し、解決すべき課題や優先順位を具体化していきましょう。

目的の具体例としては、以下が挙げられます。

 

  • 新市場の開拓
  • ターゲット層の拡張
  • 採用力の強化
  • 事業統合後のブランド体系や名称の再整理

 

併せて、リブランディングの対象範囲も決めていきます。

コーポレートブランド全体を見直すのか、特定の商品・サービスに限定するのか、社内への浸透施策まで含めるのかを整理することが大切です。

また、この段階で目的に対応した効果測定指標(KPI)を設定し、可能であれば現状値や目標値も整理しておくと、施策実施後の検証がしやすくなります。

 

詳しくは、下記の「リブランディングのKPIと効果測定」をチェックしてみてください。

STEP3|ブランドの存在意義と提供価値を再定義する

リブランディングの中核となるのが、ブランドの存在意義(パーパス)と提供価値の再定義です。

「なぜこのブランドが世の中に必要なのか」を言語化し、自社の強みや独自性と、顧客が期待する価値が重なる部分から、提供価値を改めて定義します。

必要に応じて、ミッション・ビジョン・バリューまで見直し、顧客が商品やサービスから得られる便益や体験、感情的な価値などを整理します。

 

ここで再定義した価値は、その後に策定するブランドメッセージやクリエイティブ、顧客体験などの一貫性を保つための重要な判断基準となります。

ブランドを再構築するうえで重要なステップです。

STEP4|ターゲットとペルソナを再設定する

再定義した価値を「誰に届けるか」を設計し直すステップです。

ここで行うターゲットの再設定は、STEP5のメッセージ設計の前提となります。

まずは、既存顧客と今後獲得したい顧客層を整理し、既存のターゲット層を見直すのか、新しい顧客層へ拡張するのかを明確にしましょう。

 

ペルソナは、年齢や性別などの属性だけでなく、価値観やライフスタイル、日常の行動、情報収集手段、抱えている課題、意思決定に影響を与える人物・要因などを、施策に必要な範囲で具体化します。

また、担当者の願望や思い込みだけで設定するのではなく、顧客インタビューやアンケート、購買データなどから得られた共通の傾向をもとに、根拠のある人物像を設計することが大切です。

STEP5|ブランドコンセプトとターゲット別メッセージを設計する

再定義した提供価値をブランドコンセプトやコアメッセージとして言語化し、ターゲットごとのメッセージへ落とし込むステップです。

同じブランド価値を伝える場合でも、顧客・社員・採用候補者・取引先など、相手によって関心や期待する情報は異なります。

ブランドの中核となる考え方は一貫させながら、対象者に合わせて伝える内容や表現方法を調整することが重要です。

 

策定したメッセージは、トーン&マナーやブランドガイドラインとして整備します。

使用する言葉、表現の方向性、避けるべき表現などを明確にすることで、部署や担当者、発信媒体が変わっても、ブランドの一貫性を維持しやすくなります。

ターゲット別メッセージとは、顧客や社員などの対象者ごとに、伝える価値や情報の優先順位、表現方法を調整する考え方です。

 

リブランディングでは、新しく獲得したい顧客だけでなく、既存顧客、過去に離脱した顧客、社員などにも新しいブランドの価値が正しく伝わるよう、メッセージを設計します。

主な狙いは以下の通りです。

 

  • 既存顧客:これまで培ってきた信頼や安心感を維持しながら、改善された価値や今後の展望を伝える
  • 新規顧客:従来のイメージを見直し、新しい提供価値への理解や共感を促す
  • 離脱顧客:ブランドの変化や改善点を伝え、再検討するきっかけをつくる
  • 既存社員:ブランドの存在意義や目指す方向への理解を深め、日々の行動への反映やエンゲージメント向上につなげる

 

ブランドガイドラインに価値観、ポジショニング、オーディエンス、ブランドボイスなどをまとめることで、社内外の関係者が共通の基準に沿って情報を発信しやすくなります。

STEP6|社内外へのコミュニケーションを設計する

新しいブランドメッセージを「社内への浸透(インナーブランディング)」と「社外への発信(アウターブランディング)」の両面から計画するステップです。

社外への発表に先立って社内への説明を行うなど、社内浸透を計画的に進めることが重要です。

社員が新しいブランドの目的や提供価値を理解していない状態で社外へ発表すると、営業や接客、採用、カスタマーサポートなどの顧客接点で説明にばらつきが生じる可能性があります。

 

社員が自分の言葉でブランドの変更理由や価値を説明できるよう、社内報、社内イベント、研修、ワークショップ、ブランドブックなどを活用して理解を深めましょう。

社外への発信では、さまざまなチャネルを活用して、新しいブランドの考え方やイメージを一貫して伝えます。

主な施策としては、以下が挙げられます。

 

  • プレスリリース
  • Webサイトの刷新
  • SNSでの情報発信
  • 広告
  • 顧客向けメールや案内文

 

発表時には、変更内容だけでなく「なぜ変えるのか」「顧客にどのような価値があるのか」まで丁寧に説明することが重要です。

変更の背景を明確に伝えることで、既存顧客の混乱や反発を抑え、ブランドへの理解と信頼を維持しやすくなります。

SNSを活用したブランド発信の進め方については、以下の記事も合わせてご覧ください。

STEP7|クリエイティブ・広告・販促へ展開する

再定義したブランド価値とメッセージを、ロゴやWebサイト、動画、広告、店頭販促、営業資料などの顧客接点へ一貫して展開するステップです。

ブランドガイドラインに基づき、デザインだけでなく、言葉遣いやトーン、顧客に提供する体験にも一貫性を持たせます。

また、クリエイティブを制作して終わりにするのではなく、顧客の反応や各施策のKPIを継続的に確認することも重要です。

 

効果測定の結果を広告や販促物の改善に反映し、必要に応じてメッセージやブランド戦略を見直すことで、ブランド価値の維持・向上につなげます。

 

広告・クリエイティブ展開の支援事例:メルカリ

 

アイリッジとQoilでは、メルカリの企業広告において、企画・制作支援および全体プロデュースを担当しました。

支援内容:企画/制作支援/全体プロデュース

 

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リブランディングの実施体制

リブランディングは特定の部門だけで完結する取り組みではありません。

経営層が関与し、関係部門のメンバーで構成する部門横断型の推進体制を整えることが一般的です。

推進チームの構成例は以下の通りです。

 

  • 経営企画
  • マーケティング
  • 広報
  • 人事
  • 事業部門の代表者
  • 外部パートナー

 

経営層には、リブランディングの目的や方針を決定し、必要な予算・人員を確保するとともに、取り組みの重要性を全社へ発信する役割があります。

また、ブランドは商品や広告だけでなく、社員の行動や顧客対応を通じても形成されるため、推進チームだけでなく、関係部門や現場社員を巻き込むことが重要です。

経営層がリーダーシップを発揮して目的や目指す姿を明確に伝え、各部門の代表者や社員から意見を集めながら進めることで、社内の理解や協力を得やすくなります。

 

全社員をプロジェクトに直接参加させる必要はありませんが、それぞれが新しいブランドの考え方を理解し、日々の業務で体現できるようにするための浸透施策が必要です。

自社で担う範囲と外部パートナーへ依頼する範囲の分担例は、以下の通りです。

 

  • 自社:目的・方針の決定、最終的な意思決定、社内調整、情報共有、社内浸透
  • 外部パートナー:市場調査、ブランド戦略の策定支援、クリエイティブ制作、専門的な助言

 

ただし、実際の役割分担は、社内の人材やノウハウ、プロジェクトの規模によって異なります。

外部パートナーを活用する場合も、ブランドの目的や提供価値に関する最終的な意思決定は自社が担い、双方の責任範囲や意思決定の流れを明確にしておくことが重要です。

ビジネスプロデュース支援の支援範囲・支援内容・実績は、以下の資料で確認できます。

 

体制づくりや外部との分担を検討する際にご活用ください。

ビジネスプロデュース支援のサービス資料はこちら

 

リブランディングの費用と期間の考え方

リブランディングの費用と期間の考え方

リブランディングの費用と期間は、対象範囲や取り組みの深さによって大きく異なるため、一律の相場を示すことは難しいです。

ロゴなどの一部を見直す場合と、ブランド戦略の再構築からWebサイト、広告、営業資料、社内浸透まで実施する場合では、必要な予算や期間が大きく変わります。

主な変動要因は以下の通りです。

変動要因 内容
対象範囲 コーポレートブランド全体を見直すか、特定の商品・サービスに限定するか
調査の規模と深さ 顧客調査、市場調査、競合分析、社内ヒアリングなどをどこまで実施するか
制作物の種類と量 ロゴ、Webサイト、動画、広告、営業資料、パッケージなどをどこまで刷新するか
関係者数と承認工程 プロジェクトに参加する部門や意思決定者、確認・承認の回数がどの程度あるか
社内浸透施策 説明会、研修、ワークショップ、ブランドブックの制作などをどこまで実施するか

戦略策定から制作物への展開、社内外への浸透まで含める場合、プロジェクトは中長期になりやすいです。

調査、戦略設計、クリエイティブ制作、社内展開、社外発表など、フェーズを分けて段階的に進める方法もあります。

費用を検討するときは、目的や対象範囲、必要な成果物を明確にしたうえで見積もりを依頼することが重要です。

 

複数社を比較する場合は、依頼範囲や納品物、調査内容などの条件をそろえ、金額だけでなく支援内容や実施体制も確認しましょう。

 

リブランディングのKPIと効果測定

リブランディングのKPIと効果測定

リブランディングの効果は、売上だけで判断することは困難です。

実施目的に応じて、ブランド指標・顧客行動指標・事業指標・組織指標などを組み合わせ、短期から中長期にわたって変化を測定する必要があります。

ブランド価値そのものを単一の数値で捉えることは難しいものの、ブランド認知率や想起率、好意度、購入意向など、目的に応じた指標と評価方法をあらかじめ設定しておくことで、施策前後の変化を確認しやすくなります。

 

KPIの例は以下の通りです。

 

◎ブランド指標

  • 指名検索数
  • ブランド認知率
  • ブランド想起率
  • ブランド好意度
  • 購入意向や利用意向

 

◎顧客行動・事業指標

  • Webサイトのセッション数や新規ユーザー数
  • ブランド名を含む検索からの流入数
  • 問い合わせ数
  • 商談化率
  • 受注率
  • リピート率
  • 顧客単価

 

◎組織・採用指標

  • 採用応募数
  • 内定承諾率
  • 求める人材像との適合度
  • 社員エンゲージメント
  • ブランド方針に対する社員の理解度や共感度

 

指標は多ければよいわけではなく、リブランディングの目的と結び付けて設定することが重要です。

認知率やWebサイトへの流入などの短期的な変化と、受注率やリピート率、社員エンゲージメントなどの中長期的な変化を分けて測定しましょう。

また、施策実施前に基準値となるベースラインを取得し、目標値・測定方法・測定頻度を決めておく必要があります。

 

実施後も定期的に結果を確認し、目標との差や市場環境の変化を踏まえて施策を改善していくことがポイントです。

 

リブランディングでよくある失敗と防ぐポイント

リブランディングでよくある失敗と防ぐポイント

リブランディングがうまく進まない代表的な原因として、目的や成功条件の曖昧さ、進め方の順序、経営層の関与不足、社内外とのコミュニケーション不足などが挙げられます。

主な失敗例と防止策を以下の表で確認してみてください。

失敗例 防止策
目的が曖昧なままロゴやデザインの刷新が先行する 目的や解決すべき課題、対象範囲を先に言語化する
社内への浸透が不足し、現場が新しいブランドを説明できない 社外発表に先立って社内への説明や研修を行う
既存顧客やステークホルダーへの説明が不足し、変更が唐突に受け取られる 変更の背景や維持する価値、新しく提供する価値を丁寧に発信する
短期的な成果を求めることで、途中で方針が揺れる 中長期の目標やKPIを設定し、経営層が継続的に関与する
発表して終わりになり、その後の発信や施策が途切れる 継続的なコミュニケーションと効果測定の計画を立てる

特に社内浸透では、一方的に情報を伝えるだけでなく、社員が変更理由や自分の役割を理解できるよう、説明会や研修、質疑応答、フィードバックの機会を設けることが重要です。

また、発表後も認知度や社員の理解度、顧客の反応などを確認し、必要に応じて施策を改善していきます。

リブランディングの具体的な進め方については、本記事の「リブランディングの進め方7ステップ」も参考にしてください。

 

BtoB企業のリブランディングで押さえたいポイント

BtoB企業のリブランディングで押さえたいポイント

BtoBでは、購買の意思決定に現場担当者や決裁者、調達・財務・法務など複数の関係者が関わることが多いため、それぞれの関心に合わせたメッセージ設計が重要です。

また、Webサイトだけでなく、営業資料や提案書、展示会などの顧客接点にも新しいブランドの価値を一貫して反映する必要があります。

BtoB企業ならではのポイントを押さえ、社内外への浸透を計画的に進めましょう。

 

  • 現場担当者、決裁者、調達部門、財務部門、関連する専門部門など、購買に関わる人ごとに重視する価値を整理する
  • Webサイト、営業資料、提案書、商談、展示会などで、ブランドのメッセージや表現に一貫性を持たせる
  • 一般ユーザーとの接点が限られる企業では、事業内容や社会的な提供価値を分かりやすく発信し、企業ブランドと採用ブランドを連動させる
  • 商談期間や検討期間が長いことを踏まえ、短期的な問い合わせ数だけでなく、認知度や指名検索、商談化率などの中長期的な指標も設定する

 

外部パートナーへ相談する判断基準と支援会社の選び方

外部パートナーへ相談する判断基準と支援会社の選び方

すべてを外部に任せる必要はなく、「自社では客観視・言語化・制作が難しい部分」を外部パートナーと協働するのが現実的です。

外部への相談の判断基準や支援会社を選ぶ際のポイントを解説していきます。

外部パートナーへ相談すべきケース

リブランディングに必要な専門知識や客観的な視点、制作体制が社内で不足している場合は、外部パートナーへの相談を検討します。

主なケースは以下の通りです。

 

  • 自社ブランドを客観的に分析できる人材やノウハウが社内にない
  • ブランド価値の言語化やコンセプト策定について、社内の議論だけでは合意形成が難しい
  • 部門間で意見や利害が対立し、第三者によるファシリテーションが必要
  • 動画・広告・Webサイトなどの制作に必要な人員や専門知識が不足している
  • 戦略策定から制作、社内外への展開までを一貫した体制で進めたい

 

外部パートナーは、客観的な調査や専門的な知見を取り入れ、部門を越えた合意形成を支援する役割を担います。

一方で、ブランドの方向性や重要な判断まで外部へ任せるのではなく、経営層や社内の推進責任者が主体となって協働することが重要です。

支援会社を選ぶ3つのポイント

支援会社を選ぶ際は、

「戦略から実行までの支援体制」

「自社の課題に近い支援実績」

「支援内容や費用の説明の明確さ」

の3点を確認することが重要です。

 

具体的な確認方法と、初回相談での質問例を紹介します。

 

・戦略から実行まで一貫した支援体制があるか

【確認方法】公式サイト、サービス資料、提案書、直接の問い合わせなど

【初回相談での質問例】「戦略策定からクリエイティブ制作、広告・販促への展開まで、どの範囲を支援してもらえますか」「特に得意としているフェーズはどこですか」「外部パートナーが参加する場合、役割分担や責任の所在はどのようになりますか」など

 

・自社の課題や業界に近い支援実績があるか

【確認方法】公式サイトの事例、提案資料、直接の問い合わせ、第三者による評価や口コミなど

【初回相談での質問例】「自社と近い業界や規模の企業を支援した実績を教えてください」「どのような課題に対して、どのような施策を実施しましたか」「公開可能な範囲で、成果や改善内容を教えてください」など

 

・支援範囲や進め方、費用を明確に説明してくれるか

【確認方法】RFPへの回答、提案書、見積書、スケジュール、契約書案、直接の問い合わせなど

【初回相談での質問例】「プロジェクトの期間と費用の目安を教えてください」「見積もりに含まれる業務と追加費用が発生する条件を教えてください」「途中で担当者や外部パートナーが変更される可能性はありますか」など

 

また、実績だけでなく、自社の課題をヒアリングしたうえで支援計画を提示し、担当する専門家やチームとの認識を共有できるかも重要です。

 

リブランディング支援事例:ヨミダススクール

 

アイリッジとQoilでは、読売新聞東京本社が提供する「ヨミダススクール」のリブランディングを支援しました。

サービスの価値を「一次情報のインフラ」として再定義し、ターゲットごとに視点を変えた3本の動画を制作・展開しています。

支援内容:ブランド価値の再定義/メッセージ設計/動画・営業ツール制作

 

ヨミダススクールの支援内容は以下の記事でご紹介しています。

リブランディングやブランド戦略の見直しを検討している方は、アイリッジのビジネスプロデュース支援サービスもぜひご覧ください。

ブランド価値の再定義やメッセージ設計、コミュニケーション設計、広告・クリエイティブ展開など、企業の課題に応じた支援を行っています。

アイリッジのビジネス成長支援の特設サイトをチェック!

 

リブランディングに関するよくある質問

リブランディングに関するよくある質問

リブランディングに関するよくある質問と回答をまとめました。

検討を進める際の参考にしてください。

 

リブランディングは何から始めればよいですか?
まず、リブランディングを行う目的を整理したうえで、現状分析を進めます。顧客・市場・競合・社内の4つの視点から「現在のブランドがどう見られているか」と「今後届けたい価値」のギャップを把握することで、解決すべき課題や取り組みの対象範囲を明確にできます。詳しい手順は、本文の「進め方7ステップ」で解説しています。

 

リブランディングにはどのくらいの期間がかかりますか?
対象範囲や制作物の数、関係者、社内外への浸透施策の規模によって大きく異なるため、一概には言えません。戦略策定からクリエイティブ制作、社内外への展開までを含めると、中長期の取り組みになる場合があります。フェーズを分けて段階的に進めるとともに、計画段階で効果測定の指標や実施時期も設計しておくことが重要です。

 

リブランディングにはどのくらいの費用がかかりますか?
リブランディングの費用に一律の相場はなく、対象範囲や調査の規模、制作物の種類・数量、関係者数や合意形成の複雑さなどによって変動します。まずは目的と対象範囲、必要な成果物を明確にし、同じ条件で複数社から見積もりを取ると比較しやすくなります。費用が変動する主な要因は、本文の「費用と期間の考え方」で整理しています。

 

リブランディングとブランドリニューアルの違いは何ですか?
ブランドリニューアルは、ブランドの基本的な価値や方向性を維持しながら、ロゴやパッケージ、Webサイトなどの表現要素を更新する取り組みです。一方、リブランディングは、ブランドの提供価値やポジショニング、ターゲット、メッセージなどを見直し、ブランド全体を再構築する取り組みを指します。リブランディングの施策の一つとして、ロゴなどのリニューアルを行う場合もあります。

 

外部の支援会社へ相談すべきタイミングはいつですか?
現状分析やブランド価値の言語化が社内だけでは進めにくい場合や、客観的な調査・部門間の調整に専門的な支援が必要な場合が、相談を検討する目安です。構想や課題整理の早い段階で相談することで、目的や対象範囲、進め方の設計から支援を受けられ、制作開始後の認識のズレや手戻りを防ぎやすくなります。

 

まとめ:リブランディングはブランド価値の再定義から計画的に進めよう

まとめ:リブランディングはブランド価値の再定義から計画的に進めよう

リブランディングは、ブランド価値の再定義を軸にした取り組みです。

今回ご紹介した7つのステップを基本の流れとしながら、調査結果や社内の検討状況に応じて必要な工程を見直し、自社に合った形で進めることが重要です。

併せて、体制・費用・KPIをあらかじめ設計しておくことも大切です。

 

まずは自社の現状整理から始め、自社で対応が難しい範囲は外部パートナーとの協働も検討しながら、自社に合う支援会社を探してみてください。

アイリッジのビジネスプロデュース支援サービスでは、ブランド価値の再定義やメッセージ設計から、コミュニケーション設計、広告・クリエイティブへの展開まで、企業の課題に合わせた支援を行っています。

リブランディングやブランド戦略の見直しを検討している方は、お気軽にご相談ください。

ビジネスプロデュース支援サービスに関するご相談・お問い合わせはこちら

 

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